外交史料館ではこれまで、陸奥宗光や原敬など日本外交史上に大きな足跡を残した人物の事蹟に関する特別展示を開催してきました。今回は、「幣原外交の時代」と題して、幣原喜重郎の外交政策に焦点を当て、当館所蔵史料から幣原外交の足跡をたどります。
第一次世界大戦終結後、外務大臣として一九二〇年代の日本外交を牽引した幣原喜重郎。彼の名を冠して称された「幣原外交」は、「ワシントン会議の精神」を基調とし、東アジアの安定と経済外交を多角的に追求するなど、日本外交史上に特筆すべき一時代を築いたといって過言ではありません。
国際関係の多角化が加速する今日において、本特別展示が今後の日本外交を考えるうえで良い機会となれば幸いです。