国連外交
国連エボラ出血熱流行対応ハイレベル会合(概要)
平成26年9月26日
(代表撮影)
9月25日(木曜日)午前11時から午後1時15分まで(現地時間),国連本部において,潘基文国連事務総長主催の「国連エボラ出血熱流行対応ハイレベル会合(United Nations High-level Meeting on Response to the Ebola Virus Disease Outbreak)」が開催され,我が国からは安倍総理が出席した。会合の概要は以下のとおり。
1 出席者
潘事務総長のほか,チャンWHO事務総長,オバマ米大統領,感染国3か国大統領(コンデ・ギニア大統領,サーリーフ・リベリア大統領(TV中継),コロマ・シエラレオネ大統領(TV中継)),ドラミニ=ズマAU(アフリカ連合)委員長,キム世銀総裁等,16か国・9機関の代表が出席。
2 概要
(1)各国・機関は,具体的な支援策を発表するとともに,エボラ出血熱は,アフリカだけにとどまらない国際社会の平和と安全に関する問題だとして,国際社会が連帯・協調して対応する重要性を指摘した。
(2)特に潘事務総長は,国連として一層の取組をしていくとして,国連エボラ緊急対応ミッション(UNMEER)の本部をガーナに設置し,感染国3か国に活動を展開していく旨説明した。オバマ米大統領は,エボラ出血熱の流行は世界的な脅威であり,米国にとっても最優先の課題であること,強力で協調のとれた国際社会の支援が必要であることを強調した。このほか,仏(7000万ユーロの追加支援),独(輸送支援及びボランティア派遣),英国(1.6億ドルの追加支援),中国(2億元(約3200万ドル)の追加支援)等から支援が表明された。
(3)感染国3か国の大統領からは,エボラ出血熱の流行は,経済成長や社会活動にも大きな負の影響を与えており,グローバリゼーションの中にあっては国際社会全体の課題であり,国際社会の支援を必要としている旨の発言があった。
(4)安倍総理からは,UNMEER創設を支持する旨表明し,エボラ出血熱の流行に終止符を打つためにできる限りのことをするとの決意を示した。具体的には,これまで実施済みの支援に加え,新たに4000万ドルの支援を行うこと,日本企業が開発した候補薬品の提供の用意があること,防護具,車両の提供,医療関係者の更なる派遣を検討していることを表明した。