ASEAN(東南アジア諸国連合)

日ASEAN首脳会議

平成29年11月13日

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 11月13日(月曜日)午後7時半から約1時間,フィリピン・マニラにおいて,日ASEAN首脳会議が行われ,安倍総理が出席したところ,概要以下のとおり(議長:ドゥテルテ・フィリピン大統領)。

1. 日ASEAN協力

 安倍総理から,以下のとおり述べた。

(1)これまでの日ASEAN協力

  • ASEAN設立50周年に祝意。

(2)今後の50年

  • これからの50年,インド洋と太平洋の2つの海に面するASEANが,法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を発展させるため,世界を共にリードしていくことを期待。

(3)協力の方向性

  • 2013年に日ASEAN特別首脳会議で発表した「4つのパートナー」の下での取組を強化し,ADB等あらゆるツールを活用し,より統合された共同体の実現に協力していく。

ア 「平和と安定のためのパートナー」においては,法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を発展させるため,各国の人材育成,物資供与,知的貢献を拡充。その中で,海上法執行能力の強化のために,今後3年間で約550億円規模の協力を実施(注)。日本は,アジアにおけるテロの脅威の高まりを受け,テロ・暴力的過激主義対策においてASEAN各国を引き続き支援。フィリピン・マラウィ復興支援に協力するとともに,ラカイン州情勢の改善に向けミャンマー政府の取組を後押しすべく協力。安保分野では,日ASEAN防衛協力の指針「ビエンチャン・ビジョン」の下,実践的な防衛協力を強化。

イ 「繁栄のためのパートナー」においては,TPPの早期発効と包括的で,バランスのとれた,質の高いRCEPを追求し,FTAAPの実現を目指していく。日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定については,7年間の交渉を経て,改正議定書交渉が終結。この大きな成果を歓迎。早期の署名を期待。日本は,ASEANにおいて「質の高いインフラ」投資による連結性の強化・産業基盤の整備を推進。円借款の迅速化も引き続き進めていく。ASEAN技術協力協定を早期に締結し,支援のツールをさらに拡大したい。インフラの開放性,透明性,経済性や被援助国の財政健全性の確保といった国際スタンダードに則った「質の高いインフラ」の整備を推進していく。また,日ASEAN企業が連携したイノベーションを促進するとともに,力強い中小企業が生まれるよう支援。更に円でも引出可能な二国間通貨スワップをフィリピンと初締結,今後他国にも拡大し域内の金融安定を図りたい。

ウ 「より良い暮らしのためのパートナー」においては,ERIA等の支援も得つつ(ASEANの新たな課題に)共に取り組んでいく。「アジア健康構想」を通じて,日本は,単なる長寿社会ではなく,「健康で」長生きできる社会をアジアで実現していきたい。「日ASEAN環境協力イニシアティブ」をも通じ,循環型社会構築のための協力を行っていく。その他,科学技術,防災,保健分野においても,日本の知見を共有していく。

エ 「心と心のパートナー」においては,JENESYSは今年で10年目を迎え約3万人もの若者が交流。「文化のWAプロジェクト」で210万人以上の文化人・芸術家等が交流し,日本語パートナーズでも年間600人を派遣する等成果を上げている。本年10月に日ASEANスポーツ大臣会合を初開催。今後ますますスポーツ交流の促進及びオリンピック・パラリンピックムーブメントの普及を進めたい。

ASEAN側からは,全ての国から,先般の衆議院選挙における勝利に祝意が表されるとともに,再び安倍総理と共に仕事ができることを喜ぶ声が聞かれました。さらに,多くの国から,ブルネイによるASEAN共通ステートメントに賛同の意が示されると共に,これまでの日本の協力への評価に加え,日本とのパートナーシップを更に強化していきたい,また,質の高いインフラ整備や人材育成分野等における日本の各種イニシアティブを評価する発言がありました。

(注)海上法執行能力の強化を目的とした今後3年間の約550億円規模の協力は,本年8月の日米「2+2」の共同記者会見において河野外務大臣が表明した,今後3年間で約5億ドルの海洋安全保障能力分野における能力構築支援と同じ内容。例えば、ベトナム海上警察に対する巡視船、フィリピン沿岸警備隊に対する巡視船の供与,マレーシア海上法令執行庁における操船シミュレータ等の訓練機材の整備等が挙げられる。

2.地域・国際情勢

 安倍総理から以下のとおり述べた。

(1)北朝鮮問題

  • 北朝鮮の核・ミサイル問題は,これまでにない重大かつ差し迫った脅威。安保理決議の完全な履行を含め,あらゆる手段で北朝鮮に対する圧力を最大限まで高め,北朝鮮の政策を変えさせる必要がある。
  • 我々の側から北朝鮮との対話を求めるのではなく,圧力を最大限まで高め,北朝鮮の側から核・ミサイル開発を断念するので話し合いたいと言ってくる状況に追い込むべき。そのためにも,全ての選択肢がテーブルの上にあるとの米国の姿勢は重要であり,日本も支持。
  • 北朝鮮は制裁回避のための貿易ルート・金融ネットワーク等の一部としてASEAN地域を利用してきた。だからこそ,ASEAN諸国が輸出入の規制,人的往来の制限,北朝鮮「外交団」に対する監視,北朝鮮籍労働者に対する規制の強化等,各国の北朝鮮への圧力ツールの活用が徹底されることを期待。
  • また,日本は,ASEANと共に対応する観点から,税関,法執行機関に対する支援を始めとする能力向上支援において役割を果たす考え。
  • 北朝鮮の拉致問題の解決は,安倍内閣の最重要課題。発生から40年もの長い年月が経つ中で,もはや一刻の猶予も許されない。核・ミサイル問題,拉致問題の解決なく,北朝鮮に明るい未来はないことを,ASEAN関連会議を通じて発信したい。

(2)南シナ海

  • 南シナ海問題に関し,その解決に向けたASEANの一致した意思と能力を示した本年8月の「ASEAN外相共同声明」を高く評価。その中で謳われた基本原則を日本としても支持。
  • また,このような基本原則に背くような行為に対しては,国際社会全体がしっかりと声を上げ続ける必要がある。ASEANとしてそのような努力をすることを後押ししたい。
  • 南シナ海に関し,COC交渉を始めとする中国とASEANとの間の対話の進展を歓迎。ASEANの外交的取組に敬意。実効的なCOCの早期策定を期待,このような外交的取組により,緊張が緩和されたならば,非軍事化が進展するのが当然。

 これに対して,一部の国からは,北朝鮮問題は深刻な脅威であるとの懸念が表明された他,南シナ海の問題についても,法の支配の重要性に係る発言がなされた。


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