安倍総理大臣
日・ニュージーランド首脳会談(概要)
平成26年7月8日


1 冒頭
- キー首相からの歓迎の発言に対し,安倍総理から,アジア太平洋地域の「戦略的協力パートナー」であるニュージーランドと地域や国際社会の課題でも協力していきたい旨述べ,キー首相からも賛意が示された。
- キー首相から,クライストチャーチ地震の邦人犠牲者遺族に対しご冥福を祈る旨述べたのに対し,安倍総理からは,邦人犠牲者遺族に対するニュージーランド政府の誠意ある対応に改めて感謝しつつ,引き続き情報提供をお願いしたい旨述べた。また,キー首相から東日本大震災についてもお悔やみがあり,安倍総理からはこうしたニュージーランド側の対応に謝意を述べた。
2 経済
- 安倍総理から,「アベノミクス」第三の矢である「日本再興戦略」について説明し,キー首相からの支持を得た。
- また,農業ビジネスや天然資源開発等相互補完的な産業に焦点を当てた投資促進につき両者間で議論が行われた。
- 更に,TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉の早期妥結に向けて共に精力的に取り組んでいくことを両首脳間で確認した。
3 安全保障・防衛
- 安倍総理から,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から日本が進める安全保障政策,及び,先般閣議決定した安全保障法制の整備の方針について説明し,キー首相は,日本の政策に称賛の意を表した。
- さらに,両国防衛当局間の交流や物品役務相互提供協定(ACSA)の可能性の検討を含めた協力強化につき一致した。
4 人的交流分野
- 両首脳は,スポーツを通じた交流の強化を確認し,キー首相からは,日本で開催される2019年ラグビー・ワールドカップ及び2020年オリンピック・パラリンピックの成功に向けた支援を表明した。
- また,安倍総理は,ニュージーランド政府による,スポーツを通じた英語教育プログラム「Game on English」を歓迎した。さらに,キー首相は,両国の人的交流の長い歴史に触れつつ,ニュージーランド国内における親日感情が高まっていること,特に日本語を履修する学生が多く,日本食に対する関心も高まっている旨説明した。
5 その他
両首脳は,海洋における法の支配の重要性,北朝鮮情勢,太平洋地域における協力,軍縮・不拡散,人権,気候変動,国連安全保障理事会の改革等,グローバルな課題における協力強化についても確認した。