安倍総理大臣

平成26年7月7日
  1. 2014年7月7日,オークランドにおいて,安倍晋三日本国内閣総理大臣とジョン・キー・ニュージーランド首相は首脳会談を行った。キー首相は,安倍総理のニュージーランドへの公式訪問を歓迎し,安倍総理の下での日本の太平洋地域への継続的なコミットメントに謝意を表明した。
  2. 両首脳は,相互の強いコミットメントと長年にわたる協力関係を反映する,政府・経済・人物交流の全てのレベルにおける日NZ関係の成功及び成熟を認識した。両首脳は,二国間関係を強化する枠組みとして,2013年に両国外相が発出した戦略的協力パートナーシップに関する共同声明を支持し,両国の協力強化のために,次の優先分野を示した。
  3. 両首脳は,2013年10月バリにおいて両国閣僚及び交渉官に指示したとおり,環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉を可能な限り早期に妥結するとのコミットメントを新たにした。キー首相は,両国間の貿易及び経済関係に更なる推進力をもたらすものとして,安倍総理による構造改革の政策及び日本経済再活性化のためのその他の施策を歓迎した。
  4. 両首脳は,農業ビジネス,天然資源開発,地熱発電,防災技術等,両国が相互補完的な強みを有する分野でのより強固な企業間の繋がりを促した。両首脳は,機能性食品や高齢者介護ロボット等の分野における共同研究の進展を歓迎した。
  5. 両首脳は,両国の長きにわたる貿易・投資関係,食料品質・安全性への共通のコミットメント,食料及び農業分野に関する両国の連携,同分野における共同研究への相互の関心を基礎としつつ,日NZ間の食料及び農業分野におけるパートナーシップを強化することの重要性を確認した。両首脳は,食料及び農業協力を促進する方途について議論するため,2015年に日NZ会議を開催する意図を表明した。 
  6. 両首脳は,2013年の日本国防衛省とニュージーランド国防省との間の防衛協力・交流に関する覚書の署名を歓迎し,様々なレベルでの交流及びあり得べき物品役務相互提供協定(ACSA)に関する研究を含む後方支援等の分野において,両国間の安全保障・防衛関係を発展させる方途について検討を促した。
  7. 両首脳は,両国の最近の自然災害の経験を踏まえ,アジア太平洋地域における地域枠組を通じ,防災の強化のために協力し,2015年3月に仙台市で開催される第3回国連防災世界会議の成功のために協力することを確認した。また,両首脳は,両国が最近サモアで開催した津波対策に関する共同ワークショップの成功に留意した。
  8. 両首脳は,スポーツ分野における二国間協力の発展を歓迎するとともに,日本が主催する,2019年ラグビーW杯及び2020年オリンピック・パラリンピックの成功に向けて協力する意思を表明した。安倍総理は,より良い未来のためにスポーツの価値とオリンピック・ムーブメントを広める取組である「Sport for Tomorrow」の重要性を強調した。両首脳は,日本の青少年に英語の集中学習プログラムと専門的なスポーツ訓練を提供するNZ主催の教育事業である「Game on English」の立ち上げに立会った。
  9. 両首脳は,特に両国の青少年間の相互理解を促進するために姉妹都市交流が重要であることを認識し,効果的かつ効率的な交流を実現するために,既存の姉妹都市間のネットワーク化支援を強化することを促した。
  10. 両首脳は,意見交換及び協力深化のための定期協議として開始した日NZ太平洋協議を含め,太平洋島嶼地域における日NZ間の連携深化のために行われている取組を歓迎した。
  11. キー首相は,国際の平和・安全,地域協力並びに国連憲章が定める原則及び義務への両国共通のコミットメントに留意しつつ,日本による、最近の安全保障枠組みの再構築を含む、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」に係る政策の発表を称賛した。
  12. 両首脳は,民主主義の共通の価値,平和及び安全,自由な貿易・投資及び国際法への両国共通のコミットメントに基づき,安全保障,軍縮・不拡散,人権,ポスト2015年開発目標,環境,気候変動,国連安全保障理事会の改革等のグローバルな課題について,引き続き緊密に協力していくことを確認した。

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