オーストラリア連邦
日豪首脳テレビ会談
1月6日、岸田文雄内閣総理大臣は、スコット・モリソン・オーストラリア連邦首相(The Hon. Scott Morrison, MP, Prime Minister of the Commonwealth of Australia)との間で日豪首脳テレビ会談等を実施しました。
まず、同日午後1時00分から約15分間、両首脳は、テレビ会議方式で開催された「日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とオーストラリアとの間の協定」(日豪円滑化協定)署名式に出席し、同協定に署名しました。
その後、午後1時25分から約105分間、両首脳は、日豪首脳テレビ会談を行い、日豪首脳共同声明(英文(PDF)/仮訳(PDF))を発出しました。
1 日豪円滑化協定署名式
岸田総理大臣とモリソン首相は、日豪円滑化協定に署名しました。署名式に際し、両首脳は、両国の安全保障・防衛協力を新たな段階に引き上げる協定の署名を歓迎しつつ、日豪関係の更なる発展への期待を表明しました。
2 首脳テレビ会談
(1)冒頭
両首脳は、「特別な戦略的パートナー」である日豪関係の更なる強化、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた両国のコミットメントを一層具体化させていくことで一致しました。
(2)安全保障・防衛協力
両首脳は、日豪円滑化協定の署名を改めて歓迎し、岸田総理大臣から、日豪円滑化協定は日本にとって初めての円滑化協定であり、画期的な成果である旨述べました。また、岸田総理大臣から、豪州との安全保障協力は、日本が各国との安全保障協力を強化する際のモデルであり続けるとの認識を示しました。これに対し、モリソン首相から、日本は豪州にとってアジアにおける最も緊密で唯一の「特別な戦略的パートナー」であり、日豪円滑化協定の署名はこの絆の強さの現れである、この協定は、豪州国防軍と日本の自衛隊との間の安全保障・防衛協力の強化に向けて新たな章を開く画期的なものであると述べました。
また、両首脳は、自衛隊と豪州国防軍との連携の更なる深化に加え、宇宙やサイバー等の新領域についての協力を拡大し、さらには重要技術に関する協力やサプライ・チェーンの強靱化など経済安全保障の取組を強化していく必要があるとの認識で一致しました。その上で、両首脳は、両国の安全保障協力を深化させ、裾野を広げていく今後の長期的な取組の羅針盤となる、新たな安全保障協力に関する首脳共同宣言を今後可能な限り早期に発出するとの方針で一致しました。
さらに、岸田総理大臣から、地域の平和と安定に寄与する豪英米の安全保障パートナーシップであるAUKUSに対する日本の支持を改めて表明しました。
(3)地域情勢
両首脳は、北朝鮮情勢についても意見交換し、昨5日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことについて、安保理決議違反であるとしてこれを非難するとともに、北朝鮮による核・ミサイル活動は、日本、地域、国際社会の平和と安定を脅かすものであるとの認識を共有しました。また、両首脳は、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
また、両首脳は、東シナ海・南シナ海における一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致しました。
(4)自由で開かれたインド太平洋
両首脳は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、米国の地域への中長期的な関与が重要であることを確認するとともに、日米豪印や日米豪の協力を始めとする同盟国・同志国との連携を進めていくことで一致しました。また、東南アジア諸国、太平洋島嶼国、欧州諸国を含むパートナーとの連携の重要性を確認しました。
(5)軍縮・不拡散
岸田総理大臣から、核軍縮分野における国際的な取組をリードしていく決意を表明し、両首脳は、軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)を通じた取組を含め、軍縮・不拡散分野において両国が緊密に連携していくことで一致しました。
(6)経済
両首脳は、西シドニーにおける新都市圏の開発など、官民一体で日豪経済関係を発展させていくことを確認しました。さらに、気候変動などのグローバルな課題で協力を深めることを確認し、その中で、アジアのエネルギー・トランジションを加速させ、水素事業での協力等、脱炭素化の協力を推進していくことで一致しました。