オーストラリア連邦
日豪首脳会談及びマルコム・ターンブル・オーストラリア連邦首相の
国家安全保障会議(四大臣会合)特別会合出席
1月18日(木曜日),安倍晋三内閣総理大臣は,実務訪問賓客として来日中のマルコム・ターンブル・オーストラリア連邦首相(The Hon. Malcolm Turnbull MP, Prime Minister of the Commonwealth of Australia)との間で日豪首脳会談等を実施しました。まず,同日午後5時15分すぎから約45分間,首脳会談少人数会合が行われ、続いて午後6時すぎから約50分間、ターンブル首相は国家安全保障会議の特別会合に出席し,さらに午後6時55分から約35分間、首脳会談全体会合が行われました。首脳会談の成果として,共同プレス声明(仮訳(PDF)/英文 (PDF))が発出されました。首脳会談の後,午後7時30分から約1時間15分間,安倍総理は晩餐会を催しました。概要は以下のとおりです。
1 少人数会合
少人数会合では,北朝鮮を中心に議論が行われました。安倍総理から、北朝鮮は、南北対話を進める一方で、核・ミサイル開発を継続しており状況はむしろ悪化しているとの情勢認識を示しました。その上で両首脳は,あくまでも非核化が目標であり,非核化なくしてアジア太平洋の安定はないとの認識で一致しました。
2 国家安全保障会議(四大臣会合)特別会合
国家安全保障会議(四大臣会合)特別会合では,基本的価値と戦略的利益を共有する「特別な戦略的パートナー」である日本とオーストラリアとの緊密な安全保障協力を更に一段深め、両国が地域の平和と安定のために更に貢献していく方策を含め、インド太平洋地域における今後の日豪安全保障協力を中心に幅広い議論が行われました。「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現に向け、豪州との間で連携と協力を深めていくことを確認しました。
3 全体会合
両首脳は,二国間の協力や地域情勢について議論しました。
(1)安全保障・防衛協力
安倍総理から、日豪の安全保障・防衛協力が進展することは、インド太平洋地域の平和と安定に直接的に貢献するとの認識を示しました。また、安倍総理は、首脳会談が行われた日の午前中に、ターンブル首相と共に習志野駐屯地を視察したことも踏まえ、日豪両国の共同訓練を質・量ともに強化していく意向を示し、ターンブル首相から賛意が示されました。両首脳は、日豪間で現在交渉中の部隊の相互訪問を円滑にする協定について、可能な限り早期の交渉妥結を目指すことで一致しました。
(2)経済協力及び人的交流
両首脳は、褐炭水素プロジェクト、準天頂衛星の活用を含む日豪イノベーション協力やLNGを含むエネルギーや農業の分野でも,日豪間で具体的な協力が進展していることを高く評価し、連携を一層促進することで一致しました。また、両首脳は、ラグビーワールドカップ2019,及び,2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向けた協力や、地方レベルを含む,これらの行事を通じた人的交流を強化していくことで一致しました。
(3)太平洋島嶼国
両首脳は、この地域における日豪のアプローチが軌を一にしていることを確認し、本年5月の第8回太平洋・島サミットの成功に向け、日豪間で緊密に協力していくことで一致しました。
(4)三か国及び四か国の協力
両首脳は,日豪米、日豪印、日豪米印の三か国及び四か国の協力における進展を評価するとともに、引き続き連携していくことで一致しました。
(5)TPP,RCEP
両首脳は、早期の署名・発効に向け緊密に連携していくことを確認しました。また、RCEPについても、質の高い協定の実現に向け、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
(6)捕鯨
ターンブル首相から捕鯨について問題提起があり,安倍総理より,日本の立場に言及した上で,捕鯨問題が良好な二国間関係全体に悪影響を及ぼさないように努力すべき旨述べ,海上における過激な妨害行為の予防や実効的な対応を求めました。