モンゴル国
日・モンゴル外相会談、署名式、共同記者発表



10月9日午後5時半頃(現地時間;日本時間同日午後6時半頃)から、モンゴルを訪問中の茂木敏充外務大臣は、ニャムツェレン・エンフタイワン・モンゴル外務大臣(H.E. Mr. Nyamtseren ENKHTAIVAN, Minister for Foreign Affairs of Mongolia)との間で日・モンゴル外相会談(約2時間)、「新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援円借款」に関する交換公文の署名式(約10分)、共同記者発表(約15分)を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 日・モンゴル外相会談
(1)冒頭
ア エンフタイワン大臣から、茂木大臣の訪問を歓迎する旨述べました。戦略的パートナーである日本の外相として、また、モンゴルでの第二次政権発足後、「第三の隣国」の最初の外相として訪問されたことは、二国間関係を重視していることの表れである旨述べるとともに、「戦略的パートナーシップ」としての関係を一層拡大していきたい旨述べました。さらに、1990年の民主化以降、日本が一貫してモンゴルの発展に多くの支援を行ってきたことに深い謝意を述べました。
イ これに対し茂木大臣から、温かい歓迎に謝意を表明するとともに、今回、お互いに新政権発足後間もない中で、対面で外相会談が実施できたことは、両国が互いに相手国との関係を重視していることの表れであると述べました。また、日本は、自由、民主主義、人権、法の支配等の普遍的価値を共有するモンゴルを戦略的パートナーとして重視しており、関係を一層発展させたい旨述べました。
(2)二国間関係
ア 両大臣は、来る2022年が、日本とモンゴルが外交関係を樹立して50周年に当たることを踏まえ、次の50年を担う次世代も巻き込んで盛大に祝賀し、両国の「戦略的パートナーシップ」強化につなげていく方針で一致しました。また、2022年に両国の新たな「中期行動計画」を策定することで合意しました。さらに新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着き次第、ハイレベルを含めた両国間の様々な交流を再開することで一致しました。
イ 茂木大臣から、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、日本がモンゴルの保健・医療体制の強化のため、約1,200万ドルの医療物資・機材支援に加え、技術支援及びアビガン錠の供与を実施していること、また、今般、250億円の緊急支援円借款の供与を決定したことを説明したのに対し、エンフタイワン大臣から謝意の表明がありました。
ウ 両大臣は、両国が経済を回復軌道にのせていく上で、感染拡大を防止しつつ、国際的な人の往来を部分的、段階的に再開していくことが重要であることから、両国で協議・調整中の「レジデンストラック」、「ビジネストラック」の早期開始に向けて、引き続き協力することで一致しました。また、茂木大臣から、日本は今月から、原則全ての国・地域から全ての在留資格保持者を対象に新規入国を認めていることを説明しました。
エ 両大臣は、ウランバートル新国際空港が、両国間協力の新たなシンボルとして、地域の「空」の連結性を高めることを期待する旨を共有しました。また茂木大臣から、新型コロナウイルス感染症の影響で開港が延期されていることに触れつつ、日本企業連合とモンゴル側による事業運営が地域のベストプラクティスになるよう、円滑な開港・運営に向け、引き続きの連携を要請しました。
(3)地域・国際場裡での協力
ア 2018年12月の日・モンゴル首脳会談において「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて具体的な協力を推進することで一致したことを踏まえ、今回の外相会談においても、引き続き取組を強化していくことで一致しました。
イ また、両大臣は、北朝鮮への対応を始めとする地域・国際情勢についても意見交換し、協力を一層深めていくことで一致しました。特に、北朝鮮への対応に関し、両大臣は、北朝鮮の非核化に向けた、安保理決議の完全な履行の重要性について一致しました。また、拉致問題の早期解決に向けて、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
2 「新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援円借款」に関する交換公文の署名式


日・モンゴル外相会談後、両大臣により、新型コロナで経済的影響を受けたモンゴルを支援することを目的とする250億円の緊急支援円借款供与に関する交換公文への署名が行われました。