モンゴル国
第4回日本・モンゴル学生フォーラム(結果概要)
令和7年10月11日から13日にかけて、外務省主催による「第4回日本・モンゴル学生フォーラム」の合宿が、岐阜県恵那市で行われたところ、概要は以下のとおりです。
なお、本フォーラムは、事前オンライン学習会と合宿のハイブリッド形式で行われました。事前オンライン学習会では、令和7年9月27日、28日の2日間にわたり、モンゴルの基礎や合宿のワークショップのテーマに関する計5講座及び昨年の学生フォーラムに参加した学生有志が組織した学生準備委員会「日本モンゴル学生フォーラムSC(Student Committee)2025」(以下、SC)のアイスブレイクを含む特別セッションから構成される講義等のプログラムが行われ、両日ともに約50名の両国学生が参加しました。
合宿初日には、SC主導のもと参加者の仲を深めるための自己紹介を含む全体セッションを行いました。次の日は、丸一日をかけて日本人とモンゴル人留学生が混在する計8グループがワークショップに取り組みました(ワークショップ:砂漠化防止、日・モンゴルEPAの利活用に関連する有識者がファシリテートして学生達が各テーマについてグループ討論をし、アクションプランやプロポーザルを策定するもの)。最終日には、ワークショップの成果を各グループが発表し、ファシリテーターであるシルネン・ブヤンジャルガル氏、エンフトゥル・バトスレン氏による講評等が行われました。このほか、SCが企画した「モンゴルナイト」や「ジャパンナイト」等の交流プログラムも行われました。
両国の参加学生の大半は、対面では初めて顔を合わせましたが、2泊3日の交流やワークショップを通じてお互いへの理解を深めつつ、グループ毎に一丸となってアクションプランやプロポーザルを策定し、他のグループの前で発表しました。
| 10月11日(土曜日) | 10月12日(日曜日) | 10月13日(月曜日・祝日) | |
|---|---|---|---|
| 午前 | 【ワークショップ・セッション】 オープニングセッション グループワーク <テーマ> A:砂漠化防止 B:日・モンゴルEPAの利活用 |
【全体セッション(閉会)】 グループ発表&質疑 講評 合宿振り返り 閉会挨拶 |
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| 午後 | 【全体セッション(開会)】 外務省挨拶 SCによるアイスブレイク 【モンゴルナイト】 (夕食) モンゴル料理(ボーズ)作り、たこ焼き作り |
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| 夜 | 【モンゴルナイト】 (食後) シャガイ(羊のくるぶし)遊び、ゲル作りゲーム、デールの試着 |
【ジャパンナイト】 射的、共同制作(掛け軸)作成、花火 |
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| 宿泊 | 福寿の里モンゴル村 | 福寿の里モンゴル村 |
合宿には、事前オンライン学習会の参加者の中から選抜された、全国26校の多様な教育機関から合計39名の学生が参加しました。
<参加者の所属教育機関一覧:50音順>
亜細亜大学、大阪大学、関西学院大学、神田外語大学、岐阜大学、神戸市外国語大学、國學院大学、上智大学、駿台外語グローバルビジネスカレッジ、摂南大学、中央大学、東京大学、東北大学、東洋英和女学院大学、豊橋技術科学大学、名古屋外国語大学、名古屋大学、新潟県立大学、東川国際文化福祉専門学校、一橋大学、広島大学、山梨学院大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立命館アジア太平洋大学、立命館大学
1 合宿初日
(1)全体セッション(開会)
福寿の里モンゴル村のゲルの設えの周りに参加者全員で集まり、全体セッションが開始されました。
本フォーラム参加者の自己紹介の様子。各人が自分を表す小物を持ち寄り、参加者全員で親睦を深めました。
(2)モンゴルナイト
モンゴルの家庭料理、ボーズを作製している様子。日本の料理代表として、たこ焼きも同時に作成。皆で協力して作り、お腹いっぱいになるまで食べました。
馬頭琴を弾く様子。参加者のモンゴル人留学生が美しい音色を披露してくれました。
デール(モンゴルの民族衣装)を着ている様子。記念に写真を撮りました。
2 合宿2日目
(1)テーマ別ワークショップ
「砂漠化防止」テーマのワークショップの様子。4チームともテーマに即した課題設定や課題を解決する策について、ホワイトボード等を駆使して、真剣に議論しました。
「日・モンゴルEPAの利活用」テーマのワークショップの様子。こちらはユニークなグループ名を決めるところから始まり、経済や経済を取り巻く環境からEPAを考えました。
- テーマA:
- 砂漠化の防止のために両国が協力できること
一人ひとりの意識と行動で地球と経済に潤いを!砂漠化防止とポテンシャルを活かす取組み - テーマB:
- 日・モンゴルEPAの利活用
EPAでともに描く未来の経済シナジー!さらなる活性化、流動性を育むために
(2)ジャパンナイト
射的の様子。
参加学生全員で掛け軸に飾り付けを行っている様子。墨で漢字やモンゴル文字を記入し、周りには折り紙で飾り付けを行いました。
3 合宿最終日
(1)福寿の村モンゴル村に共同制作を寄贈
ジャパンナイトで作った共同制作(掛け軸)を福寿の里モンゴル村に寄贈している様子(右端:モンゴル村の従業員の方)。左の掛け軸の中央には、モンゴル文字で「モンゴル」と書いてあります。
(2)全体セッション(閉会)
テーマA「砂漠化防止」グループ2の発表の様子。
テーマB「日・モンゴルEPAの利活用」グループ1の発表の様子。
各グループによるプロポーザル・アクションプランの発表
- テーマA:砂漠化の防止のために両国が協力できること
- グループ1:次に繋げる砂漠化防止 持続的かつ効果的な解決策を
多くの砂漠化防止事業の持続性の欠如を課題化。個人をターゲットにし、実際に砂漠へ行く体験やポイント制度等のやりがいから、持続可能かつその地域にあった援助ではない海外協力の実現を提案。 - グループ2:砂漠化と私
砂漠化に対する無知を課題に設定。学園祭での周知やグループ内の各個人の個性を活かしたSNSを通じた広報、そこから派生する会話から砂漠化防止に繋げるアクションプランを提案。 - グループ3:ゲル取るが? 家畜飼育と観光の新たな可能性
過放牧が砂漠化の課題と捉え、遊牧民が家畜を売るだけでなく、その生活(ゲル宿泊・乳搾り・乗馬等)を観光化、旅行者に体験させる収入の多角化で、過放牧を抑え、持続性のあるプランを提案。 - グループ4:広がる砂漠、減る緑 モンゴルを守るために
モンゴルの過放牧が砂漠化の原因と設定。草を植え、GPSアプリでの土地の所有権の明確化や草の繁茂状況の把握を行い、法律の適切な執行を行うことを提案。
- グループ1:次に繋げる砂漠化防止 持続的かつ効果的な解決策を
- テーマB:日・モンゴルEPAの利活用
- グループ1:環境プラットフォーム「En,」
環境へ投資をしたい人への情報提供が不足していることを課題と捉え、環境活動団体等が情報を発信し、企業等が受け取る、学生が主体となって運営する新しい環境プラットフォームの提案。 - グループ2:EPAの活用によるモンゴルの道路渋滞の緩和施策
モンゴル、特にウランバートルにおける交通渋滞が経済発展の課題と設定し、道路に通行料を課し、ダイナミックプライシングを用いた交通の平準化、信号制御システムの整備、会社から歩いて通える社宅の建設を提案。 - グループ3:“知らない”が“好き”になる瞬間を モンゴルフェア
日本人がモンゴルをあまり詳しく知らないことに着目し、大手コンビニチェーンでの「モンゴルフェア」を提案。モンゴルの食品輸入にEPA利用する等、フェアそのものだけでない幅広い発想を提案。 - グループ4:学生住宅建設の提案
ウランバートルの単身学生寮の少なさを指摘。単身学生寮の建設に日本の狭い土地・部屋を有効に活用する不動産開発ノウハウや事業者を導入し、ハード面での解決を提案。
- グループ1:環境プラットフォーム「En,」
(3)講評
参加学生の投票で選ばれた、最優秀グループの表彰の様子。「砂漠化防止」のテーマはチーム3が選ばれました。
「日・モンゴルEPAの利活用」の学生投票最優秀グループの表彰の様子。チーム4「寿司屋さん(いつでも新鮮なネタが届けられるようにとの思いが込められている。)」が参加学生に選ばれました。
最後の記念撮影の様子。参加学生とファシリテーター等全員で撮りました。

