中華人民共和国
習近平・国家主席との日中首脳会談・夕食会
令和元年12月23日


日中韓サミットへ出席するため中国訪問中の安倍総理大臣は,北京にて中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席との間で,現地時間12月23日17時頃(日本時間18時頃)から約45分間(同時通訳)首脳会談を,18時頃(日本時間19時頃)から約1時間10分(逐次通訳)夕食会をそれぞれ開催したところ,概要以下のとおり。
1 冒頭
(1)習近平国家主席から,概要以下のとおり述べた。
ア 安倍総理の第8回日中韓サミット参加を嬉しく思う。本年は双方の努力の下,日中関係が持続的に発展した1年であった。
イ 6月のG20大阪サミットの会談では,新時代に相応しい日中関係の構築及び両国の新しい未来を共に切り開くことで合意した。この共通認識に基づき,関係を持続的に強化していきたい。意思疎通を通じ政治的牽引力を強化し,日中が新しい未来を切り開くことを望む。
ウ 本年は日中韓協力の20周年にあたる。協力のレベルアップをはかり,東アジアのみならず世界の繁栄と発展のために新しい協力を進めるべく努力していきたい。
(2)これに対し,安倍総理大臣から,概要以下のとおり述べた。
ア 本年6月の大阪以来の再会を嬉しく思う。首脳レベルを含むハイレベル往来が着実に実施されてきていることを高く評価。
イ 昨年10月にお約束したとおり、習主席の6月の訪日を受け、今回は私が訪中した。習主席、そして中国国民の皆様の心温まる歓迎に感謝したい。こうして習主席との議論を重ねながら、お互いの理解が深まってきていると感じる。
ウ 日中関係の重要な節目となる来春の習主席の国賓訪日を極めて重視。習主席の国賓訪日を有意義なものとし、「日中新時代」にふさわしい日中関係を築き上げるべく、協力して準備していきたい。
エ その際、我々の手で日中関係を次の高みに引き上げ、地域や世界の平和、安定、繁栄に対して、日中両国が有する大きな責任を共にしっかりと果たす、との意思を内外に明確に示したい。本日も、習主席との間で忌憚のない大局的な議論を行うことを楽しみにしている。
オ また、20周年を迎え、中国を議長とする今回の日中韓サミットが、未来志向で前向きな成果を出し、三か国協力の道筋をつけられるよう貢献したい。
ア 安倍総理の第8回日中韓サミット参加を嬉しく思う。本年は双方の努力の下,日中関係が持続的に発展した1年であった。
イ 6月のG20大阪サミットの会談では,新時代に相応しい日中関係の構築及び両国の新しい未来を共に切り開くことで合意した。この共通認識に基づき,関係を持続的に強化していきたい。意思疎通を通じ政治的牽引力を強化し,日中が新しい未来を切り開くことを望む。
ウ 本年は日中韓協力の20周年にあたる。協力のレベルアップをはかり,東アジアのみならず世界の繁栄と発展のために新しい協力を進めるべく努力していきたい。
(2)これに対し,安倍総理大臣から,概要以下のとおり述べた。
ア 本年6月の大阪以来の再会を嬉しく思う。首脳レベルを含むハイレベル往来が着実に実施されてきていることを高く評価。
イ 昨年10月にお約束したとおり、習主席の6月の訪日を受け、今回は私が訪中した。習主席、そして中国国民の皆様の心温まる歓迎に感謝したい。こうして習主席との議論を重ねながら、お互いの理解が深まってきていると感じる。
ウ 日中関係の重要な節目となる来春の習主席の国賓訪日を極めて重視。習主席の国賓訪日を有意義なものとし、「日中新時代」にふさわしい日中関係を築き上げるべく、協力して準備していきたい。
エ その際、我々の手で日中関係を次の高みに引き上げ、地域や世界の平和、安定、繁栄に対して、日中両国が有する大きな責任を共にしっかりと果たす、との意思を内外に明確に示したい。本日も、習主席との間で忌憚のない大局的な議論を行うことを楽しみにしている。
オ また、20周年を迎え、中国を議長とする今回の日中韓サミットが、未来志向で前向きな成果を出し、三か国協力の道筋をつけられるよう貢献したい。
2 日中関係総論
(1)両首脳は,来春の習近平国家主席の国賓訪日を円滑かつ有意義なものとすべく,引き続き協力していくことで一致した。
(2)その上で,安倍総理からは,日中両国は,地域や世界の平和,安定,繁栄に共に大きな責任を有しており,この責任を果たすとの意思を内外に明確に示したい,現在の日中関係の改善・発展の流れを一過性のものとせず,ハイレベルの相互往来・対話の強化と定着が必要との観点から,「弛まぬ交流」を継続する決意を示したい,旨を伝えた。
3 海洋・安保協力
(1)また安倍総理から,「東シナ海の安定なくして,真の日中関係の改善なし」との考えに基づき,尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海の問題について中国側の対応を強く求めた。
(2)双方は,東シナ海を「平和・協力・友好の海」とすべく,防衛当局間の海空連絡メカニズムや日中海上捜索救助(SAR)協定等に基づく具体的な取組や,防衛・海上法執行機関間の交流促進などを含め,海洋・安全保障分野の取組を進めていくことを確認した。
4 人的・文化交流
(1)双方は,11月に「日中ハイレベル人的・文化交流対話」の立上げ会合が成功裡に開催されたことを歓迎しつつ,双方は,来年を「日中文化・スポーツ交流推進年」とすることで一致しており,来年の東京五輪及び2022年の北京冬季五輪を通じた交流も具体化していくことを確認した。
(2)また,双方は,日中間の活発な観光交流を歓迎しつつ,日中間の航空関係の拡大を含め,両国国民間の往来をさらに後押ししていくことで一致した。
5 経済・実務協力
(1)双方は,日中両国間の経済・実務協力等様々な分野の協力を更に強化していくことで一致した。また,安倍総理からは,公平な競争環境の実現と共に,自由で公正な貿易体制の発展に共に努力していきたい旨を伝えた。
(2)安倍総理からは,日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃,さらにコメの輸出拡大や牛肉の輸出再開の実現について,中国側の前向きな対応を強く求めた。牛肉については,安倍総理から,12月19日付で解禁令の公告が発出されたことを前向きな措置として評価するとともに,早期の輸出再開に向け当局間の調整をさらに加速させたい旨伝えた。
6 邦人拘束事案
安倍総理から,邦人拘束事案について,中国側の速やかな対応を引き続き強く求めた。
7 国際社会の関心事項
(1)香港情勢に関しては,安倍総理大臣から,大変憂慮している,国際社会も関心を持って注視している旨述べつつ,全ての関係者による自制した対応と事態の早期収拾を求めるとともに,引き続き「一国二制度」の下,自由で開かれた香港が繁栄していくことが重要である,旨を伝えた。
(2)また,安倍総理から,地域・国際社会に共に貢献していく上で,自由,人権の尊重や法の支配といった普遍的価値を重視していると述べた上で,国際社会からの関心が高まっている新疆ウイグル自治区の人権状況について中国政府が透明性を持った説明をすることを働きかけた。
8 北朝鮮情勢
双方は,最近の情勢を含む北朝鮮情勢について意見交換を行い,安倍総理大臣から北朝鮮が更なる挑発行動を自制することの重要性を指摘した上で日中両国の共通の目標である朝鮮半島の非核化に向けて連携していくこと,安保理決議の完全な履行の重要性について一致した。また,拉致問題に関し,安倍総理から,早期解決に向けた支持を求めた。
9 南シナ海
安倍総理から,国際社会共通の関心事項である南シナ海問題について,係争中の地形の非軍事化や,国連海洋法条約に合致したCOCの策定の重要性を指摘した。
10 米中関係
(1)双方は現在の米中関係を念頭に,米国との関係についても意見交換を行った。安倍総理大臣からは,先般の米中両国政府による「第一段階の合意」にかかる発表について前向きな動きとして評価しつつ,米中双方の対話を通じた建設的な問題解決の重要性について指摘した。
(2)また,安倍総理大臣から,引き続き米中間で胸襟を開いた議論を行い,相互信頼を強化していくことを期待する旨述べた。また中国が,改革開放を更に進め,公平・公正なビジネス環境を実現することの重要性を指摘した。
(2)また,安倍総理大臣から,引き続き米中間で胸襟を開いた議論を行い,相互信頼を強化していくことを期待する旨述べた。また中国が,改革開放を更に進め,公平・公正なビジネス環境を実現することの重要性を指摘した。