中華人民共和国
第1回日中ハイレベル人的・文化交流対話
令和元年11月25日


11月25日,午前11時15分から約60分間(同時通訳),茂木敏充外務大臣(日本側議長)及び萩生田光一文科大臣は,G20外相会合(於:名古屋)への出席のため訪日中の王毅(おう・き)国務委員兼外交部長,陳宝生(ちん・ほうしょう)教育部長及び張旭(ちょう・きょく)文化旅遊部副部長らと共に,飯倉公館において第1回日中ハイレベル人的・文化交流対話を行ったところ,概要以下のとおり。
(参考)
日本側出席者:茂木外務大臣(議長),萩生田文科大臣,田端観光庁長官,内閣官房,総務省,外務省,文科省(スポーツ庁,文化庁),経産省関係者等
中国側出席者:王毅国務委員兼外交部長(議長),陳宝生教育部長,張旭文化旅遊部副部長,ラジオテレビ総局,体育総局,文物局,国務院新聞弁公室関係者等
(参考)
日本側出席者:茂木外務大臣(議長),萩生田文科大臣,田端観光庁長官,内閣官房,総務省,外務省,文科省(スポーツ庁,文化庁),経産省関係者等
中国側出席者:王毅国務委員兼外交部長(議長),陳宝生教育部長,張旭文化旅遊部副部長,ラジオテレビ総局,体育総局,文物局,国務院新聞弁公室関係者等
1 冒頭
(1) 茂木外務大臣から,概要以下のとおり述べた。
ア 第1回日中ハイレベル人的・文化交流対話を開催することができ喜ばしい。
イ 政治,経済に続き,人的・文化交流においても対話枠組みが設置されたことにより,幅広い分野で新時代に相応しい日中関係を構築するための素地が一層整備された。
ウ この会合では,萩生田文科大臣,陳宝生教育部長,張旭文化旅遊副部長を始め,幅広い関係部局からの同席を得て,両国の人的・文化的交流の推進に向けて議論を行いたい。
(2) これに対し,王毅国務委員から,概要以下のとおり述べた。
ア 日中ハイレベル人的・文化交流対話を通じ,幅広い分野で双方の人的・文化交流を豊富で多彩なものとしていきたい。
イ 両国が互いに学びあってきた長い交流の歴史は,人的・文化的交流を推進する上で貴重な財産。近年の人的往来はかつてない規模に達しており,引き続き双方の相互理解を増進し,日中関係を長期的に安定して発展させるための方途を見つけていきたい。
ウ この会合が実り多いものになることで,本対話枠組みが良いスタートを切り,日中関係の新しい一章となることを希望。
(3) 次に,萩生田文科大臣から,概要以下のとおり述べた。
ア 日中は2000年以上の交流の歴史がある隣国であり,文化・スポーツ交流を始めとする国民交流は,これまで両国国民の相互理解を深めるのに大きな役割を果たしてきた。
イ 本対話を通じて,日中両国の人的・文化交流について議論し,日中関係の更なる発展につながることを期待。
(4) 最後に,陳宝生(ちん・ほうしょう)教育部長から,概要以下のとおり述べた。
本対話枠組みを効果的に活用することで,両国の相互理解を増進させ,双方の文化的な絆を深めていきたい。
2 対話枠組みの立ち上げ
双方は,日中ハイレベル人的・文化交流対話枠組みについて以下のとおり一致した。
(1)本対話枠組みにおいては,日中関係の更なる発展の上で不可欠な要素である両国民の相互理解を増進する観点から,人的・文化交流を深化させる方策について議論する。
(2)日中外相をそれぞれ議長として原則1年に1回,両国で順番に開催する。
(3)文科大臣及び文化旅遊部長の出席を原則として,その他の関係部局からも適切な出席を確保するようにする。
3 人的・文化交流
(1)青少年,文化,スポーツ,女性等を主題とした交流
ア 双方は,昨年の安倍総理訪中の際に,日中外相間で署名を行った青少年交流に関する覚書に基づき,本年から5年間で3万人の双方向の交流を,引き続き着実に実施することを確認するとともに,「日中青少年交流推進年」(2019年)が成功裏に実施されてきたことを確認した。また,引き続き修学旅行を含む青少年交流拡大のための施策の具体化を進めていくことで一致した。
イ 双方は,来年の2020年は,東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催の年でもあることから,同年を「日中文化・スポーツ交流推進年」として,スポーツを含む人的・文化交流を一層推進していくことで一致した。
ウ 双方は,日中国交正常化50周年(2022)年に向け,舞台公演,展覧会を含めた交流事業の準備の動きを後押ししていくことで一致した。
エ 日本側から,国際女性会議WAW!開催などの取組について紹介した。双方は,女性のエンパワーメントという世界共通の課題に共に取り組んでいくことで一致した。
(2) 観光交流
ア 双方は,年間の相互交流人口1,500万人の目標に向け,本年も相互往来が進展してきていることを確認し,次なる目標の設定に向け調整を加速することで一致した。
イ 双方は,相互往来拡大のための民間観光業界関係者間の対話枠組みである「日中観光代表者フォーラム」が立ち上がったことを歓迎した。また,地方交流促進の取組を促進していくことで一致した。
ウ 日本側から,日系旅行会社による中国国民の海外旅行業務取扱に関する規制の緩和を含め,観光交流推進に向け中国市場における環境整備について要請した。また,日本政府観光局(JNTO)が中国内に新たな事務所を開設する際の手続きの迅速化について要請した。
エ 中国側からは,修学旅行を含む青少年交流の推進について希望が表明されるとともに,地方交流について,姉妹都市交流や日中知事・省庁フォーラムなどの取組みが紹介された。
(3) コンテンツ交流
ア 双方は,日中両国におけるコンテンツ市場の裾野が急速に拡大している現状にあった,多様なコンテンツを通じた双方向の交流を進めることが,両国の相互理解増進に資するとの認識で一致した。
イ 双方は,日中映画共同製作協定に基づく協力が進展していることを確認し,今後,早期に共同製作作品が製作されるよう,引き続き連携していくことで一致した。また,その他の映像コンテンツの交流推進について引き続き協議していくことを確認した。
ウ 日本側から,コンテンツ交流の健全な発展のため,著作権保護の徹底並びに外国コンテンツに対する規制の透明化及び緩和について要請した。
(4)メディア交流
双方は,日中外務報道官協議の継続で一致するとともに,メディア関係者の招聘事業を引き続き相互に行っていくことを確認した。
4 締め括り
(1)双方は,今次会合の結果を事務レベルの対話枠組みを通じ,フォローアップしていくことで一致した。
(2)双方は,来年の適切な時期に中国において第2回会合を開催するため調整していくことを確認した。