世界の医療事情

サモア

令和2年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 サモア独立国(国際電話国番号685)

2 公館の住所・電話番号

○ 在サモア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan, S.N.P.F.Plaza B, 2F, Savalalo, Apia, Independent State of Samoa
電話:21187
ホームページ:https://www.ws.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在フィジー日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

(1)気候

 熱帯性気候で、年間平均気温は26~27度です。

(2)医療水準

 自国で医師の養成をめざしていますが、医師はフィジーやパプアニューギニアの医学部を卒業するか、ニュージーランドやオーストラリアの医学部を卒業して戻ってきた者がほとんどです。専門医は少なく、多くの科では専門医が全くおりません。

 やや高度な医療を要する時は国内では対応出来ず、ニュージーランドやオーストラリアなどの海外へ行かねばなりません。また、2018年8月国立病院で、小児の検査で医療事故が起きたこともあり、前述の先進国での治療をお勧めします。

(3)医療制度

 適切な検査機器が不足し、治療施設も不十分なため、ごく簡単な診療以外は近くの先進国に早めに出られた方が賢明です。先進国の医療費は高額で、支払いの保証がない限り診療が受けられない可能性があります。サモアを訪問する時は、万一の場合に備えて必ず十分な額の海外旅行傷害保険等に事前に加入して下さい。

(4)水質・食品など

 雨水を貯水して供給する場合は細菌等に汚染されている可能性があります。塩分の含有量が多く、さらに細菌等に汚染されている可能性があるため、飲料水にはミネラルウォーターを使用されるのが賢明です。生鮮食品も、流通の過程で汚染されている可能性が高いため、生で食することは避けてください。野菜などをサラダで食べる場合は、流水で十分に洗ってから食べてください。

5 かかり易い病気・怪我

(1)感染性胃腸炎(細菌性赤痢、アメーバ赤痢、コレラ、サルモネラ他)

 原因となる病原体は、細菌、ウイルス、寄生虫など様々です。食料品購入時によく吟味する、不衛生なレストランを避ける、などの注意が必要になります。また、不衛生な水や食器、生もの、加熱不十分な食物から感染する以外に、排便後の手洗いが不十分であることなどにより、手に付着した病原体が口から侵入して感染する場合もあります。

 下痢、腹痛、嘔吐、腹部膨満、便秘などが主な症状で、発熱などの感冒様症状を伴うこともあります。特に重症の可能性のある症状として、高熱、血便、強い腹痛、頻繁な下痢、長期に続く下痢、立ちくらみ、関節痛や全身のだるさなどの全身症状が挙げられ、そのような症状を有する場合は直ちに病院で検査、治療を受ける必要があります。多くの場合、水分摂取を心がけるだけで軽快しますが、症状や原因に合わせて整腸剤や抗菌薬などが処方されます。嘔吐・下痢による脱水が重度の場合は点滴が必要となります。なお、感染性胃腸炎の場合、下痢止めは病原体の排泄を遅らせ結果として症状が長引く場合がありますので、自己判断での下痢止め服用は一般的にはお勧めできません。

(2)A型肝炎、腸チフス

 A型肝炎ウイルスや腸チフスウイルスによって汚染された飲食物(主に水、生野菜、魚貝類など)を食べることによって感染するウイルス感染症です。A型肝炎は、発症すると発熱、全身倦怠感、黄疸などを認め、時に重篤な肝障害となり入院治療が必要になることがあります。腸チフスは、発熱が主な症状で38℃以上の高熱が続く他、頭痛、関節痛、全身のだるさ、食欲不振などの症状を伴います。その回復期においても、腸のリンパ節に潰瘍ができるため、腸出血や腸穿孔(孔があく)の危険があります。両ウイルスとも予防にはワクチン接種が有効ですので、事前のワクチン接種をお勧めします。

(3)デング熱

 デングウイルスを保有するネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊に刺されることによって発症します。潜伏期間は約1週間で、頭痛、高熱、関節・筋肉痛に加えて赤い発疹が出現します。重症化する(デング出血熱:全身から出血し易くなります)ことがありますので、疑わしい時は必ず医療機関を受診して下さい。治療は対症療法のみです。

(4)ジカウイルス感染症

 ジカウイルスを保有する蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)によって伝搬されるウイルス感染症で、症状はデング熱に似ています。頻度は多くありませんが、後遺症として神経麻痺を引き起こしたり、妊婦の感染により胎児の小頭症の原因となることが問題となっています。

(5)シガテラ中毒

 珊瑚に共生している海藻に付くプランクトンの一種が作るシガトキシンなどの毒が、食物連鎖で魚の肉や内臓に蓄積し、それを食べた人に起こる中毒です。このプランクトンは、珊瑚が死滅した後に大量に発生することが知られていますので、海が荒れて珊瑚礁が破壊される雨季(特にサイクロンの後など)に多く発生します。症状は神経症状、胃腸症状、関節・筋肉痛や痒みなどです。死亡率は低いのですが、「ドライアイス・センセーション」と呼ばれる神経症状(冷たいものに触ったり、冷たいものを飲んだりすると感電したような痛みを感じます)に数ヶ月に渡り苦しめられることがあります。この毒素は加熱処理でも分解されません。治療も対症療法しかありません。

6 健康上心がける事

(1)雨水を貯めた水も水道水も安心して飲用に供しうるものではありません。飲料水にはミネラルウォーターを飲用するようにして下さい。

(2)高温多湿な気候のため、食べ物は腐りやすく細菌が繁殖しやすいので、食中毒に十分注意してください。

(3)気温が高く発汗しやすい気候であるため、水分や電解質をスポーツドリンク等で意識して多めに補給し、脱水にならないように注意してください。熱中症を避けるため、長時間炎天下で行動することは避けてください。

(4)蚊を媒介とするデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症が発生しています。外出する際には長袖シャツ、長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくする、昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を使用する等、蚊に刺されない対策を行ってください。

(5)紫外線が非常に強いため日焼け止めクリームを使用し、直射日光に素肌をさらさないようにしてください。また、目の保護のためにサングラスなどを着用するようにしてください。

(6)サモアでは、潜水病(減圧症)の治療は出来ません。無理のない安全なダイビングを楽しんでください。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種(任意)

  • 成人:A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、破傷風など。
  • 小児:就学に必要なワクチン(3)参照。

(2)小児の予防接種スケジュール

ワクチン名回数1回目2回目3回目4回目
BCG 1 生直後      
ポリオ ※1 0~3 <6週> <10週> <14週>  
DPT(3種混合)※2
+B型肝炎
+インフルエンザ菌b型
0~3 <6週> <10週> <14週>  
MMR ※3 (0) (1年) (15ヶ月)    
B型肝炎(単独) 1 生直後      

※1:ポリオは経口生ワクチン(日本では全2回接種)ですが、2018年9月より医師の診察後、医師が必要と判断した場合に接種することになりました。

※2:通常の3種混合DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)に、B型肝炎とインフルエンザ菌b型の2種を加えた5種混合ワクチンですが、2018年9月よりポリオと同様の接種方針となりました。

※3:MMR(麻疹・流行性耳下腺炎・風疹)のワクチン接種ですが、2018年7月に接種後の死亡事例があり、2018年9月より中止しています。現在、再開予定はありません。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 現在はあまり厳密ではなく、未接種でも入学が許可されることがあります。予防接種を義務付ける法令が国会に提出されておりましたが、前述のような事情もあり2018年9月より大きく予防接種スケジュールが変更されました。いずれにしても、当国にはワクチン接種による副作用に対する補償制度もありませんので、ワクチン接種は本邦で全て済ませて下さい。

(4)その他

 サモアは黄熱に感染する危険のある国ではないので、黄熱の予防接種は推奨されていません。しかし、黄熱に感染する危険のある国から来る、1歳以上の渡航者は黄熱予防接種証明書が要求されています。乗り継ぎのため、黄熱に感染する危険のある国の空港に12時間以上滞在した渡航者も黄熱予防接種証明書が要求されています。

8 病気になった場合(医療機関)

 首都アピアには公立総合病院が1ヶ所あり、緊急の場合は基本的には24時間診療をしてくれることになっております。また、個人のクリニックもあります。救急車を呼ぶ電話番号は「911」です。呼んでから救急車が実際に患者を迎えに来るまでに時間がかかる場合も多いため、直接病院に行かれた方が早い場合もあります。

◎アピア市 ウポル島

(1)Tupua Tamasese Meaole National Hospital
所在地:Motootua, Upolu
電話:21212、66600
概要:国立の総合病院で、歯科、救急部もあります。基本料金を支払えば、治療を受けられることから、大変混雑しています。
(2)Plaza Medical Clinic
所在地:Ground Floor B2.2, SNPF PLAZA, Savalalo, Apia
電話:25170
概要:在サモア日本国大使館と同じビルにあるクリニックです。

○ツアシビ市 サバイィ島

(1)Malietoa Tanumafili II Hospital
所在地:Main Road, Tuasivi, Savaii
電話:53511
概要:サバイィ島で救急重症患者対応を担当している病院です。

9 その他の詳細情報入手先

(1)厚生労働省検疫所:http://www.forth.go.jp/index.html別ウィンドウで開く

(2)米国疾病予防管理センター(CDC):http://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/traveler/none/samoa別ウィンドウで開く

10 現地語一口メモ

 サモアでは英語が公用語で、病院でも英語が通じます。「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照願います。

11 新型コロナウイルス関連情報

 サモアで新型コロナウイルスの感染が疑われる場合や感染が確定した場合は、サモア政府の指示に従って指定の隔離施設(医療機関等)に収容され、その指示のもと診療が行われます。流行時には、マスクや手指消毒剤といった衛生機材の入手が困難となる可能性があるので、渡航前に準備が必要です。当地の医療水準は高くないため、感染しないよう細心の注意を払ってください。


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