世界の医療事情
サウジアラビア
1. 国名・都市名(国際電話番号)
サウジアラビア王国(リヤド、ジッダ)(国際電話国番号966)
2. 公館の住所・電話番号
- ◎ 在サウジアラビア日本国大使館(毎週金土休館)
- 住所:A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, Saudi Arabia
- 郵便物あて先:Embassy of Japan, P.O.Box 4095, Riyadh 11491, Saudi Arabia
- 電話:(011)-488-1100
- ホームページ:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
- 〇 在ジッダ日本国総領事館
- 住所:No.32 Al Islam st, AlHamra’a District, Jeddaha, Saudi Arabia
- 郵便物あて先:Consulate-General of Japan in Jeddah, P.O.Box 1260, Jeddha 21431, Saudi Arabia
- 電話:(011)-667-0674
- ホームページ:https://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/itpr_ja/info.html
(注)金土以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内しています。
3. 医務官駐在公館
4. 衛生・医療事情一般
(1)気候・地誌等
ほとんどの地域が高温な砂漠気候に該当し降水は冬と春にわずかにあるのみです。南西部山岳地域には夏に多雨となるステップ気候に該当する場所もあります。湿度は西部海岸地域、東部海岸平野、南西部山岳地域は年間を通じて多湿で、内陸に向かうにつれて乾燥するようになります。中央部の標高約600メートルに位置する首都リヤドの気温は冬が9℃(最寒月最低気温の平均)~20℃(最寒月最高気温の平均)、夏が29℃(最暖月最低気温の平均)~44℃(最暖月最高気温の平均)、乾燥が強く平均湿度は26%、年間降水量は72ミリです。紅海に面する第二の都市ジッダは冬が20℃~29℃、夏が28℃~39℃、湿度は高く平均60%、年間降水量は61ミリです。南西部山岳地域の標高約2,200メートルに位置する高原都市アブバでは冬が8℃~20℃、夏が17℃~31℃、平均湿度は54%、年間降水量は218ミリとなっています。
国土はアラビア半島の約80%を占めます。総面積は215万平方キロメートルで日本の約6倍です。地形は多様で西の紅海側よりティハマ海岸平野、サラワット山脈、ジャザン・ナジラン等の渓谷地帯、ナジド平原、東部海岸平原と続いて東のペルシャ湾に至ります。国土の中央を北回帰線が通り亜熱帯高圧帯の影響を受けています。
メッカとマディーナの二大聖地を抱え、イスラム教国の中でも特に厳しくその戒律を守っています。1日に5回、礼拝時間が設定されていて、その前後の時間帯は閉店する商店やレストランなどがあります。病院の診療が影響を受ける場合があります。戒律によりアルコール飲料と豚肉を禁止しています。女性の行動・服装に対する制約は近年緩和されてきていますが、肌の露出は可能な限り避けた方が無難です。
(2)医療水準・医療制度、病院受診時のアドバイス
主要都市にはMRI、ICU等の設備を整えJoint Commission International(JCI: 米国の病院評価機構)の認証を取得している医療施設が数多くあります。しかし医師により医療水準が大きく異なります。また日本国内では当然とされているようなきめ細やかなサービスは期待できません。簡素な病院しかない中小都市では重症例は移送が必要となる場合があります。
病院は、保健省管轄病院、大学病院等の教育研究機関、軍病院、王立病院、私立病院の5つのカテゴリーに分類されます。保健省管轄病院は、国内各地に軽症患者用のプライマリーセンター、中等患者用のセカンダリーセンター、そして主要都市に設置され重症者を受け入れる基幹病院から成ります。サウジアラビア人の医療費は原則無料ですが、救急時を除いて外国人の診療は行っていません。教育研究機関は外国人の受診も可能ですが、プライマリーセンターまたはセカンダリーセンターからの照会が必要です。軍病院は軍関係者のみに対して診療を行っています。王立病院は王族のみ受診可としていますが、ゲストである外国政府要人を受け入れる場合もあるようです。私立病院は、かつては有料で受診する外国人を主な客層としていましたが、近年は富裕層のサウジアラビア人の受診も多くなりました。政府は高騰する医療費対策として、サウジアラビア人への保険加入義務化および保健省管轄病院の民営化を推進しています。
日本人を含む外国人は原則として私立病院を受診します。受診にはパスポートまたはイカーマ(外国人滞在許可証)の提示を求められます。一般の旅行保険やカード付帯のキャッシュレスサービスは普及していません。これらの利用を希望する場合は、受診前に保険会社に問い合わせて使用可否を確認して下さい。窓口で支払う場合はリヤル現金の他に主要クレジットカードやデビットカードが利用可能です。診療費は診察や検査の前に支払うことが原則で、保険ができない場合の診療と支払いの実際の流れは、①受付時に診察料を支払う→②医師の診察→(③X線撮影や採血などの検査が必要と判断されれば検査料を支払う→検査→再度の医師の診察)→④投薬が必要と判断されれば薬局に行く→⑤薬局で薬代を支払ったのちに薬を受け取る、と考えてください。入院時は預り金を求められる場合があります。ただし重大な緊急事態の場合は、医療施設は事前に治療費徴収をすることなく必要な緊急医療を提供するよう、法律で義務付けられています。
金曜日、土曜日は病院によっては休診としたり診療時間を短縮したりする場合があります。礼拝時間も診療を休止する場合があります。礼拝時間は太陽の出没条件により1日5回規定されています。場所や時季により異なり、スマホアプリなどで確認できます。ラマダン月は、受診時間を深夜帯などに変更する場合がありますので受診前に確認して下さい。ラマダン月とはイスラム暦の断食月のことで、毎年11日程度ずつ早まります。2023年は3月22日から4月20日、2024年は3月11日から4月9日と予想されています。
大病院の救急外来は24時間受診可能ですが、緊急時を除いては予約をお勧めします。近年はウエブやスマホアプリで予約取得可能な病院が多くなりました。医師の専門分野、取得資格、経歴等を公開していますので、それをもとに医師を選択することが可能です。待合が男女別になっている病院もあります。私立病院の多くはで英語が通じます。
緊急時は救急車(電話:997)を利用することも可能です。ただし道路状況により長時間(1時間以上)待たされたることがあります。
本項冒頭の通り、日本国内の病院のようなサービスは期待できません。受診に際しては患者側が希望する医療を積極的に要求していく姿勢が重要です。医師の説明は求めない限り最小限に留まることが多いようです。検査結果や治療方針などに疑問があれば質問して下さい。そのために、受診前に信頼できる医療サイドなどで自分の症状や疾患に関する知識を得ておくこと、質問したい事項はメモしておくことをお勧めします。検査結果判明が後日となる場合や慢性疾患の継続的治療で受診した場合などでも、再診日を指示されないことが多いようです。必要に応じて自分から申し出て、再診日を確認して下さい。院内各科の連携は不十分です。糖尿病など複数科にわたる管理が必要な場合などは、こちらも自分から申し出て必要な専門科を受診して下さい。会計・明細書・処方薬の受け渡しの間違い、費用支払い済みの検査や処置が未施行のまま診療終了とされる、などの事例が多く寄せられています。その場でよく確認して下さい。医療費が二重請求される場合があります。領収書等の証拠書類は確実に保管して下さい。
都市部には多数の薬局があります。医薬品は、一般薬やサプリペントはもちろんのこと、日本では処方薬に該当するものも比較的容易に入手可能です。ただし精神病薬など一部医薬品は医師の処方箋が必要となるので、必要な場合は病院を受診して処方を受けます。大型店では、自動血圧計、パルスオキシメーター、コンタクトレンズケア用品、サポーター類、車イズなども取り扱っています。
(3)水質、食品衛生
2015年の水道水品質調査では,リヤド中央部のサンプルのうち88%で米国基準を満たし飲用に適すると判断されましたが、残り12%では細菌混入を検出し飲用には不適とされました。僻地などでは衛生管理不十分な井戸水等を使用している場合があります。後述する経口感染症が発生しています。衛生管理のしっかりしたレストランを選ぶ、自炊する場合は生ものを避け加熱したものを食べる等の対策をしてください。
5. かかり易い病気・怪我
(1)交通事故、紛争、テロによる死傷
「交通事故」および「紛争とテロ」はCDCによる2018年死因統計でそれぞれ2位と7位とを占めました。
交通事故は2018年の死亡者数が9,031名と報告され、人口当たりで日本の7倍超でした。高速走行車や割り込み車は日常的で、自分の注意だけでは避けられないこともあるので、移動手段には大型の自動車を選択する方が多くいらっしゃいます。
紛争は2015年にイエメン内戦にサウジアラビアが軍事介入して以降、両国は互いを攻撃し民間人の死傷者を含む被害を生じさせています。2022年にはF1グランプリ開催中の会場近傍で石油関連施設が攻撃されました。その後サウジアラビアは攻撃停止を発表しましたが、引き続き警戒して下さい。
テロは2015年以降、イラク・レバントのイスラム国(ISIL)によるテロ事件が各地で発生しています。2020年にはフランスで発生した預言者ムハンマドの風刺画問題をめぐる抗議とみられる外国人襲撃や爆破事件が発生しました。2022年には指名手配者の自爆事件が発生しました。最新の情勢を確認し、危険な場所へは近づかないで下さい。
(2)感染性下痢症、腸チフスなどの経口感染症
サルモネラ、赤痢菌、赤痢アメーバなどによる感染性下痢症が発生しています。多くは汚染された食品や水からの経口感染です。潜伏期はサルモネラや赤痢菌によるものは8時間から3日、赤痢アメーバによるものは2から3週間です。発熱、腹痛、下痢、粘血便等の症状を起こします。一般には自然治癒傾向が強く脱水に対して経口補水や点滴を行うのみですが、赤痢菌やアメーバによるものでは抗生物質による治療が必要となります。
腸チフス、パラチフスはそれぞれチフス菌とパラチフス菌により発症します。無症候性感染者の料理人が排出した菌に食品が汚染されている場合があります。潜伏期間は2週間前後で高熱が主症状で下痢は必ずしも起こしません。適切に治療しない場合は腸穿孔を起こす場合があります。抗生物質で治療します。
(3)大気汚染による呼吸器疾患や心疾患の悪化
2022年のWHOによりますとPM2.5年平均値は1立方メートルあたり約64マイクログラムで、WHOの基準5マイクログラムを大きく上回りました。当国の原因物質は重油燃焼物、砂塵、産業によるもの、交通渋滞によるものとされています。暴露により呼吸器や新血管系への悪影響が懸念されています。心肺に持病を持つ方、高齢者、小児は影響を受けやすいとされています。持病の有無など各自のリスクに応じて野外活動を避ける、マスクを着用する等の対策を行います。
(4)動物咬傷、有毒生物による被害
多くの動物咬傷が報告されています。内訳はイヌが約50%、ネコが約27%などでした。動物の唾液から狂犬病ウイルスに感染する可能性があります。狂犬病は発病すると治療方法はなく悲惨な神経症状を示してほぼ100%が死亡します。2010~2017年に狂犬病様症状で死亡した動物を対象とした調査で約79%が狂犬病と確認されています。確認された動物はイヌ、ラクダ、ヒツジ、ヤギ、キツネ、ネコ、オオカミ、サル、イワダヌキでした。ワクチンの暴露後接種や免疫グロブリン治療を行います。
国内には28種のサソリが生息しています。リヤドの日本人駐在員からの目撃情報も多く寄せられています。2021年の調査では、全土で年間14,500件の刺傷被害が発生していると推測されました。症状は刺傷部の激しい痛み、著しい血圧上昇、心不全、肺水腫などです。蛇は51種が確認されそのうち9種が毒蛇です。2021年の調査では年間約3,700件の咬傷被害が発生していると報告されました。リヤド地域で被害の多い毒蛇はサハラツノクサリヘビです。咬傷部の疼痛、腫脹、壊死や様々な全身症状を起こします。サソリや毒蛇の被害にあった場合は、直ちに病院受診し対症療法や抗毒素血清の治療を受ける必要があります。
(5)髄膜炎菌性髄膜炎
髄膜炎菌によって起こる髄膜炎です。ヒトからヒトへと飛沫感染します。潜伏期間は2~10日です。症状は発熱、頭痛、意識レベルの低下等です。治療は抗菌薬を用いますが、適切な治療を行った場合でも死亡率は10~40%とされています。1987年に最初の大流行が発生しました。これはA型の髄膜炎菌が原因で東南アジアからの巡礼者が持ち込んだとされています。巡礼者への予防接種義務化、予防的抗生物質内服、国内の定期予防接種導入といった対策が奏功しその後の発生数は減少していましたが、2000年、2001年はW135型による流行が発生しました。2002年以降は漸減し、2008年以降は10名以下の年間報告数にとどまるようになり,2021年の発生は8名でした。巡礼者および巡礼地での労働者は2歳未満を除いて4価ワクチンの接種が義務付けられています。
(6)中東呼吸器症候群(MERS: Middle East Respiratory Syndrome)
コロナウイルスMERS-Covによって引き起こされる感染症です。2012年に当国のジッダで最初の症例が報告されました。ヒトコブラクダとの濃厚接触が感染リスクとされていますが、家族間や医療機関などで飛沫感染や接触感染によるとみられる限定的なヒト-ヒト感染も報告されています。潜伏期は2~14日とされます。無症状例から急性呼吸窮迫症候群をきたす重症例まであります。重症化リスクは高齢者、糖尿病や腎不全などの基礎疾患を持つ方とされています。実用化されたワクチンや特効薬はなく、罹患した場合は対症療法を行います。最近の国内報告数は2020年は61例、2021年は17例でした。ヒトコブラクダなどの動物との接触や未殺菌ラクダ乳等の加熱不十分な食品を避けて下さい。
(7)季節性インフルエンザ
年間を通じて発生しています。1年で数回罹患する場合もあります。近年では2015/16のシーズンに大発生が見られ約1万人が入院、約300名が死亡しました。コロナ禍となった2020年以降は報告数が減少していますが、再度の流行発生が懸念されます。2019年以前は日本よりも若干早い例年10月頃から3月頃に多発していました。人口の多いリヤドやジッダで多く報告されました。潜伏期は1~3日で発熱、頭痛、関節痛などの症状が突発し咳、鼻汁などの上気道炎症状が続きます。幼児などでは脳症を発症する場合があります。重症化リスクは妊婦、小児、高齢者、免疫不全者、基礎疾患を持つ方とされています。治療は抗ウイルス薬や解熱剤を用います。
(8)マラリア(熱帯熱マラリア)
国は2020年までの撲滅を目指していましたがハマダラ蚊の制御に失敗し、また隣国や巡礼者のマラリア患者から地域に輸入される症例もあり、目標達成はできませんでした。近年はむしろ土着マラリア(indigenous malaria)が増加してしまい、2010~15年は29~83件で推移していた報告件数が、2016年は272件となりました。種別を検討した2018~19年の南部ジザンでの調査では、94.3%が熱帯熱マラリア、5.7%が3日熱マラリアでした。2021年は輸入・土着の総数で1341件のマラリアが報告されました。
マラリア原虫に感染した雌のハマダラ蚊に刺されることにより感染します。潜伏期は7~14日間です。症状は発熱、意識障害、呼吸障害などで適切に治療を行わないと死に至ることがあります。抗マラリア薬で治療します。報告の多いイエメンとの国境近傍のアシルやジザンを訪問する際は予防薬内服を検討して下さい。
(9)デング熱
昼間に吸血するネッタイシマカ又はヒトスジシマカを介しデングウイルスに感染することで発症します。急激な発熱で発症し、頭痛、関節や筋肉痛、発疹などの症状を起こします。2021年は2136例の報告がありました。主な流行地は紅海に面するジッダです。
解熱剤の種類によっては症状を悪化させるものもありますので病院を受診し適切なものを処方してもらう必要があります。多くの場合1週間ほどで回復しますが、出血やショック症状などを伴う重症型デング熱に進展することがあります。2度目の感染は重症型のリスクが高いとされます。
予防は昼間であっても長袖シャツ・長ズボンを着用する、防虫スプレーを使用する、等の防蚊対策です。近年ワクチンが開発されましたが渡航者にはあまり有効でないとされているようです。
(10)ウイルス性肝炎
肝炎ウイルスにより起こります。感染経路はウイルスにより異なり、汚染された食品や水による経口感染や医療事故、性行為、母子間での血液感染などです。潜伏期もウイルスにより異なり、14日から6か月です。急性肝炎の場合は発熱、全身倦怠感、黄疸等が多いですが劇症化し死亡することもあります。慢性化して、慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する場合があります。治療はウイルスの型に応じて抗ウイルス薬、インターフェロン等で行います。HBs抗原陽性率は1980年代は8.3%と高率でしたが、その後の対策が奏功し2020年の報告ではHBs抗原陽性率、HCV抗体陽性率はそれぞれ0.3%と0.2%となりました。
(11)その他の人獣感染症、昆虫、齧歯類等が媒介する感染症、性感染症が疑われるもの
2000年にはアフリカ以外では初めてリフトバレー熱が流行し、肝不全や腎不全を併発して166名が死亡しました。主に羊とヤギに流行する病気ですが、ヒトへも感染します。サウジアラビアでの媒介昆虫はヤブカとイエカです。網膜症を発症して失明する場合があります。サシチョウバエによるリーシュマニア症、ヒゼンダニによる疥癬症などが毎年報告されています。サル痘は国内初の患者が2022年7月に報告されました。
6. 健康上心がける事
(1)入国前に必要な予防接種を済ませて下さい。過去の接種歴や予防接種の種類によっては複数回の接種が必要な場合がありますので、渡航の可能性がある場合は早めにトラベルクリニック等を受診して下さい。季節性インフルエンザも北半球用ワクチンが流通次第、接種することをお勧めします。
持病の管理はとても重要です。主治医と相談し必要量の薬や英文紹介状を持参して下さい。個人用医薬品の持ち込みは精神病薬や医療用麻薬等の規制対象医薬品を除いて、滞在日数分あるいは1か月分のうち少ない方の量が認められています。診断名、一般名、使用法の記載された診断書を携行し入国時に申請して下さい。医薬品は医療機関により封をされている必要があります(Official seal)。
医療保険には必ず加入して下さい。
(2)慎重に行動して怪我を避けて下さい。自動車移動は混雑する場所や時間帯を避けて下さい。当地の交通事情に慣れるまでは運転手の利用も検討して下さい。最新の治安情報を入手し、攻撃や混乱が予想される地域や場所に近づかないようにして下さい。
(3)人が密集する場所を避けて下さい。麻疹、結核、水痘といった空気感染する病気が多く発生しています。大巡礼の時期には世界各国から巡礼者が集まりますので特に注意して下さい。また動物や昆虫との接触を避けて下さい。5.かかりやすい病気・怪我で挙げた人獣感染症や昆虫、げっ歯類等により媒介される疾患の危険があります。昆虫を避けるためには野外活動時は長袖長ズボンの着用、虫よけの利用などを検討して下さい。都市部でもサソリ刺傷や蛇咬傷が発生しています。
(4)水と食品の安全に配慮して下さい。飲用にはミネラルウオーターを使用するのが安全です。衛生管理が行き届いていないレストランは利用しないで下さい。自炊の際は食品の鮮度に気を配り、加熱するなど調理法に配慮して下さい。食べて不安に感じた場合は最後まで食べずに途中で止めて下さい。当地の食事は高脂肪高カロリーのものが多く、駐在期間が長期化する場合は生活習慣病が悪化する可能性があります、健康的な食事や運動を心がけて下さい。中長期滞在者は一時期帰国時の機会に健康診断を受診して下さい。
(5)紫外線、高温、乾燥対策を行って下さい。具体的には日中の野外活動を避ける、サングラス着用、日焼け止め・リップクリーム・経口補水剤の利用、などです。コンタクトレンズ装用は避けた方が無難です。口腔や鼻咽頭の乾燥には加湿器が有効な場合があります。冬の夜間早朝は冷え込む日もあります。渡航時期によっては防寒着を用意して下さい。
(6)疾患や公害の発生に注意して下さい。疾患の発生状況は9.などから入手して下さい。大気汚染の状況は信頼のおける日々の公式データは公表されていません。景色の見え方や各種アプリの情報等から判断します。持病の有無など各自のリスクに応じて野外活動を避ける、マスクを着用する等の対策をして下さい。
(7)厳しい気候に加えて、日常生活上制約の多いサウジアラビアでは、強いストレスを感じる方もみられます。中長期滞在者は定期的に国外旅行をするなど、リフレッシュや休養を心がけて下さい。
7. 予防接種
- 現地のワクチン接種医療機関などについてはこちら(PDF)
(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)
黄熱危険国からの1歳以上の入国者はイエローカード(黄熱予防接種証明)の提示が必要です。危険国で12時間を超える乗継後に入国する場合も同様です。ハッジやウルマ(巡礼)への参加者には査証申請時に入国前5年以内の抱合型4価髄膜炎菌ワクチン接種証明の提示が必要です。
他には接種証明を求められる予防接種はありませんが、感染予防の観点からA型肝炎、B型肝炎、腸チフスの接種を推奨します。麻疹と破傷風の接種歴を確認し、不足している場合は追加接種して下さい。動物咬傷の危険がある場合は狂犬病ワクチンの暴露前接種を行って下さい。小児はさらに定期予防接種歴を確認し、年齢に応じた接種が不足している場合は完了して下さい。新型コロナワクチンについては最新情報を確認して下さい。
(2)サウジアラビアの小児定期予防接種一覧
初回 | 2回目 | 3回目 | |||
---|---|---|---|---|---|
BCG | 6ヶ月 | ||||
B型肝炎 | 出生時 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | |
ロタウイルス | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 | 4~6歳 | |
DTaP | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 18ヶ月 | 4~6歳 |
Tdap | 11歳 | ||||
インフルエンザB | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 18ヶ月 | |
肺炎球菌 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | |
ポリオ(IPV) | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | ||
ポリオ(OPV) | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 | 4~6歳 | |
麻疹(はしか) | 9ヶ月 | ||||
髄膜炎菌 | 9ヶ月 | 12ヶ月 | 18歳 | ||
A型肝炎 | 18ヶ月 | 24ヶ月 | |||
水痘(みずぼうそう) | 18ヶ月 | 4~6歳 | |||
HPV(子宮頸がん)※女性のみ | 11歳 | 12歳 | |||
MMR(麻疹風疹おたふく) | 12ヶ月 | 18ヶ月 | 4~6歳 |
その他:ポリオは日本と異なり経口ワクチンと不活化ワクチンの併用方式です。DTaPは5回接種です。麻疹はMMRも含めて4回接種です。
(3)
学校へ入学・転入する際は上記ワクチンの接種証明の提出を求められることがあります。
8. 病気になった場合(医療機関等)
◎リヤド
- (1) Specialized Medical Center Hospital
- 共通
- URL:https://www.smc.com.sa/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
-
- 1) Specialized Medical Center Hospital - King Fahad
- 所在地:King Fahad Street - Cairo Square, Al Olaya District.
- 電話:011-4343800, FAX:011-14160300
- 概要:1999年に設立されました。3つのビルで構成され450床と150の外来診療室を有します。MRI, CT、集中治療室、熱傷専門治療室、新生児集中治療室等を備えます。アプリやウエブサイトからの予約取得が可能です。常勤医師は300名、医療スタッフは1,600名、歯科を含む全科を備えています。金曜日は一般診療は休診で、救急のみとなります。
- 2) Specialized Medical Center Hospital - King Abdullah
- 所在地:King Abdullah Street、Al Hamrah District.
- 電話:011-4700700, FAX:なし
- (2) Kingdom Hospital
- 所在地:Ath Thumamah Street x King Abdulaziz Str. Al Rabi District.
- 電話:011-2751111, FAX:011-2750234
- URL:http://khccgroup.com/
(メンテナンス中)
- 概要:2000年に皇太子の援助を得て設立されました。一般外来の受付時刻は土~木曜日は7:00~22;30、金曜日は10:00~18;30です。救急は24時間対応です。歯科を含む全科を備えています。治療費は高めです。
- (3) Consulting Clinics
- 所在地:Makkah Al Mukaramah Street, Al Olaya District.
- 電話:011-4659100, FAX:011-4652130
- URL:http://khccgroup.com/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (4) Dr. Sulaiman Al-Habib Hospital
- 共通
- URL:https://hmg.com/en/Pages/home.aspx
- 概要:歯科を含む全科を備えています。邦人や当地米国大使館員がよく利用しています。アプリやウエブサイトからの予約取得が可能です。併設の薬局は健康器具やサポーター類の取り扱いも豊富です。5)は外来のみです。
-
- 1) Dr. Sulaiman Al-Habib Hospital - Al Takhassusi
- 所在地:Takhassusi Street, Al Rahmaniyyah District.
- 電話:011-2833333, FAX:011-2833000
- 概要:150床の病棟を有します。PETを備えます。腫瘍の診断と心臓手術に特に力を入れています。
- 2) Dr. Sulaiman Al-Habib Hospital - Al Olaya
- 所在地:King Fahad Street, Al Olaya District.
- 電話:011-5259999, FAX:011-4633582
- 3) Dr. Sulaiman Al-Habib Hospital - Al Rayyan
- 所在地:Khorais Street, Al Rayyan District.
- 電話:011-4909999, FAX:011-4904444
- 概要:360床の病棟を有します。放射線科、NICU、スポーツ医学に特に力を入れています。
- 4) Dr. Sulaiman Al-Habib Hospital -Al Suwaidi
- 所在地:Hamza Bin Abdulmontalibt Street, Al Rayyan District.
- 電話:011-4754444, FAX:なし
- 概要:300床の病棟を有します。感染症治療に特に力をいれており、32床の隔離室を備えます。
- 5) Dr. Sulaiman Al-Habib Diplomatic Quarter
- 所在地: Altawqi St., Diplomatic Quarter.
- 電話:011-2614444、FAX:なし
- (5) Dallah Hospital
- 共通
- 電話:011-2995555/920012222, FAX:011-2994807
- URL:https://www.dallah-hospital.com/english/home
- 概要:歯科を含む全科を備えています。不妊治療に力を入れています。ウエブサイトからの予約取得が可能です。
-
- 1) Dallah Hospital - Al Nakheel
- 所在地:Fas Street, Al Nakheel District.
- 2) Dallah Hospital - Namar
- 所在地:Dirab Street, Alhazm District.
- (6) Al Hammadi Hospital
- 共通
- URL:http://alhammadi.med.sa/Default.aspx?lang=en
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
-
- 1) Al Hammadi Hospital - Al Olaya
- 所在地:Khalid Bin Zayad Street, Al Olaya District.
- 電話:011-4622000, FAX:なし
- 2022年9月時点では、改装のために閉鎖中です。
- 2) Al Hammadi Hospital - Al Nuzha
- 所在地:Prince Muqran Street, Al Nuzha District.
- 電話:011-4837777, FAX:なし
- 3) Al Hammadi Hospital - Al Suwaidi
- 所在地:Al Aam Street, Al Suwaidi District.
- 電話:011-4250000, FAX:なし
- (7) Magrabi Eye, Dental & Ear Hospital-Riyadh
- 所在地:King Fahad Street, Al-Rahmaniyah District.
- 電話:011-4705656/92001800、FAX:なし
- URL:https://www.magrabi.com.sa/
- 概要:中東とアフリカの9カ国に計32院の専門施設を展開するMagrabi Hospitals & Centersの主要病院です。本院は眼科、耳鼻咽喉科、歯科を備えます。屈折矯正手術(レーシック)やインプラントも行っています。診療時間は午前8時30分から正午までと午後4時30分から9時までです。金曜日は緊急を除いて休診です。
- (8) Gama Dental Clinic
- 所在地:King Abdulaziz Street, Salah Al-Din. District.
- 電話:011-4542929/4549788/4549784, FAX:011-4569563/2050096
- URL:http://www.gamadentalclinic.com/
- 概要:歯科です。
- (9) Noble Smile Dental Care
- 所在地:Office # 4 , First Floor 14, Alfujirah St. Alworood Area, Riyadh
- 電話:059-911753, FAX:なし
- URL:https://slowdentistryglobalnetwork.org/?post_type=gd_place&p=569
- 概要:歯科です。
〇ジッダ
- (1) Doctor Soliman Fakeeh Hospital
- 所在地:Palestine Street, Al Hamrah District.
- 電話:920012777、FAX:012-6608013
- URL:https://dsfh.med.sa/
- 概要:1978年設立。2012年に中東呼吸器症候群の最初の症例を検出しています。475床の病床を有します。歯科を含む全科を備えています。
- (2) International Medical Center
- 所在地: Hail Street, Al Rowais District.
- 電話:920027778、FAX:012-6509001
- URL:https://www.imc.med.sa/en
- 概要:2006年設立。歯科を含む全科を備えています。欧米の専門医資格を取得した医師が多数在籍しています。
- (3) GNP Hospital
- 所在地:Prince Sultan Street, Al Zahra District.
- 電話:920019666、FAX:なし
- URL:https://www.gnp.sa/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (4) Dr Samir Abbas Hospital
- 所在地:Al Kurnaysh Street, Ash Shati District.
- 電話:920012525、FAX:なし
- URL:https://www.dsah.sa/
- 概要:不妊治療で著名なSamir Abbas教授が設立した病院です。歯科を含む全科を備えています。不妊治療と新生児医療に特に力を入れています。別料金で特別なアシスタントサービスを提供しています。
- (5) Magrabi Eye, Dental & Ear Hospital- Jeddah
- 所在地:Madinnah Street, Al-Mushrifah District.
- 電話:0126365000/920018000、FAX:なし
- URL:https://www.magrabi.com.sa/
- 概要:眼科、耳鼻咽喉科、歯科の専門病院です。屈折矯正手術(レーシック)やインプラントも行っています。
〇ダンマン
- (1) Almana General Hospital - Dammam
- 所在地:Ali Ibn Ai Talib Street, Alshifa District.
- 電話:013-8262111/920033440, FAX:なし
- URL:https://www.almanahospital.com.sa/Eng/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (2) Mouwasat Hospital - Dammam
- 所在地:Imam Al Termithy Street, Uhud District.
- 電話:920004477, FAX:なし
- URL:http://www.mouwasat.com/en
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- 所在地:District 7
- 電話:920018000/013-8180000/0564669126, FAX:なし
- URL:https://www.magrabi.com.sa/
- 概要:耳鼻咽喉科と眼科の専門病院です。
〇アル・コバール
- (1) Almana General Hospital - Khobar
- 所在地:Tariq Bin Ziyad Street, Al Rakah Al Janubiyah District.
- 電話:013-8987000/920033440, FAX:なし
- URL:https://almanahospital.com.sa/Eng/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (2) Gama Hospita (Former Astoon) - Khobar
- 所在地:Khobar - Dammam Highway, Alqashlah District.
- 電話:920033175/013-8591515, FAX:013-8576808
- URL:https://www.gamahospital.com/En/Default.aspx
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (3) Mohammad Dossary Hospital - Khobar
- 所在地:Street Number 04th, Al-Bavina St,, Al Khobar Al Janubiyah District.
- 電話:013-8945524, FAX:013-8950735
- URL:https://mdh.com.sa/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (4) Dr. Sulaiman Al-Habib Hospital - Khobar
- 所在地:King Salman Street, Al Bandariyah District.
- 電話:013-8711111, FAX:なし
- URL:https://hmg.com/en/Pages/home.aspx
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (5) Mouwasat Hospital - Khobar
- 所在地:Tariq Bin Ziyad Street, Qurtoba District.
- 電話:920004477, FAX:なし
- URL:http://www.mouwasat.com/en
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
〇ジュバイル
- (1) Almana General Hospital - Jubail
- 所在地:Street Number 113, Huwaylat District.
- 電話:013-3412000/920033440, FAX:なし
- URL:https://almanahospital.com.sa/Eng/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (2) Mouwasat Hospital - Jubail Indistrial City
- 所在地:3664 Al Andalus Street, Deffi District.
- 電話:920004477/013-3490000, FAX:013-3491258
- URL:http://www.mouwasat.com/en
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
〇ブライダ
- (1) Dr. Sulaiman Al-Habib Hospital - Buraydah -Qassim
- 所在地:King Abdulaziz Street, Al Safra' District.
- 電話:016-3166666, FAX:016-3822052
- URL:https://hmg.com/en/Pages/home.aspx
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
〇ウナイザ
- (1) Hayat National Hospital - Qassim
- 所在地:Al Medina Al Munawarah Street.
- 電話:920000094, FAX:016-3822052なし
- URL:https://hayathospitals.com/en/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
〇ジーザーン
- (1) Hayat National Hospital - Jazan
- 所在地:North Croniche.
- 電話:017-3311111, FAX:017-3227299
- URL:https://hayathospitals.com/en/
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
- (2) Elite International Medical Center
- 所在地:Opposite Civil Service, District 5D
- 電話:017-3236181 /0534931192, FAX:なし
- URL:なし
- 概要:歯科を含む全科を備えています。
9. その他の詳細情報入手先
(1)在サウジアラビア日本国大使館:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
(2)在ジッダ日本総領事館:https://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
(3)サウジアラビア保健省:https://www.moh.gov.sa/en/Pages/default.aspx
(4)サウジアラビア疾患統計:http://fetp.edu.sa/epi-report/
(5)サウジ航空旅行案内と新型肺炎に関する入国要件:https://www.saudia.com/before-flying/travel-information/travel-requirements-by-international-stations
(6)米国疾病予防管理センター、サウジアラビア渡航者情報:https://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/traveler/none/saudi-arabia
(7)公安調査庁、国際テロリズム要覧、サウジアラビア:https://www.moj.go.jp/psia/ITH/situation/ME_N-africa/Saudi-Arabia.html
(8)Joint Commission International(JCI: 米国の病院評価機構)、サウジアラビア:
https://www.jointcommissioninternational.org/about-jci/accredited-organizations/#f:_Facet_Country=[Saudi%20Arabia]
(9)厚生労働省、感染防止へのご協力をお願いいたします!:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku.html
10. 一口メモ
日本人が利用可能な私立病院では英語が一般的です。医療スタッフは非サウジアラビア人が多くアラビア語が通じにくいこともあります。医療機関で役立つ英語表現として、世界の医療事情の冒頭ページの一口メモ「もしもの時の医療英語1&2」をご利用ください。
11. 新型コロナウイルス関連情報
感染者数、死亡者数、入国情報など変化しやすい事象については最小限の記載とし、当地で可能な感染対策、入手可能な衛生材料、感染が疑われる際に受診可能な医療機関とその水準、感染後の取り扱いなど普遍性の高い情報を中心に記載します。
2022年6月に屋内外のマスク着用義務や公共施設入場時等でのワクチン接種歴および感染状況確認などの予防措置が解除されました。サウジアラビア当局は検査陽性例の全数や変異株の検出状況等を発表していませんが、日本の空港検疫では2週間以内にサウジアラビア滞在歴のある日本人の検査陽性率は同年5~6月では約5%と高率であり、必要な対策は個人や職場レベルで行うこととなります。
可能な感染対策としては、マスク着用、手指消毒、換気の徹底などがあります。大人数や長時間にわたる飲食、大声を出す、マスクをせずに会話するなど感染リスクの高い行動を避けます。猛暑の時季が長くエアコン使用により換気が不十分になりやすいので、エアロゾルを考慮した気流を作る、気流を阻害しないパーティションを設置するなど、効果的な換気を行います。
入手可能な衛生材料は不織布マスク、フェースシールド、アルコールワイプ、アルコールジェル、次亜塩素酸ナトリウムなどで、ショッピングセンター等で購入可能です。体温計、パルスオキシメーター等の病状を把握するための簡易な医療器具も大型薬局等で入手可能です。解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンは処方箋なしで購入可能です。
感染が疑われた場合は、8.の主要私立病院を受診します。たいていの病院で患者を受け入れていますが、一般外来ではなく救急外来受診を指示されることがありますので、事前に病院に連絡して確認して下さい。いずれも医療レベルは軽症者の対応には十分と思われます。イカーマ(外国人滞在許可証)取得者はスマートフォンアプリケーションのSehatyを利用して無料の抗原検査を受けることができます。
感染判明後は、当局の方針に従って治療方針が決められます。その方針は流行状況により変更されます。軽症例は対症療法薬を処方され自宅療養となることが多いようです。中等症以上の場合は、原則として保健省指定の新型コロナウイルス感染症対応病院に搬送されるようです。