世界の医療事情

カタール

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 カタール国 ドーハ市(国際電話国番号974)

2 公館の住所・電話番号

在カタール日本国大使館 (毎週金土休館)
住所:Embassy of Japan,Doha West Bay, Diplomatic Area, Doha
電話:4484-0888
ホームページ:http://www.qa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)金土以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在クウェート日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 カタールはアラビア半島の東岸中央部よりアラビア湾に突き出た、北緯25度20分、東経51度30分に位置する半島国です。気候は半島がアラビア湾へ突き出した形のため、朝夕微風がありますが湿度は高くなります。夏季の日中気温は日陰でも45度を越えることも珍しくなく戸外で過ごすのは厳しい自然環境となります。一方冬季は概して過ごしやすく、まれに気温が10度前後まで下がることがあります。最新の設備を有する国立ハマド総合病院がありますが、賃金の安い国からの医師・看護師の雇用が多いため、医療水準には若干の問題が残っており、重篤な疾患では欧州先進国での加療が望ましいです。一般的疾患で受診する必要があれば、最新の設備と医療水準が期待できる私立病院の方が快適で安心だと思われます。ただ、転落事故・交通事故など警察の介入がある外傷の場合は国立病院で診断をうけてから、医療機関を選択するシステムになっています。また、重度外傷、狭心症・心筋梗塞、脳血管障害など重篤な疾患は国立病院で治療されます。海外旅行傷害保険での受診はいずれの病院でも、受け付けていませんので、取り敢えず、現金、クレジットカードでの支払いが必要で、原則として検査も含め前払いです。海外旅行傷害保険会社への治療費、入院費等の請求は、治療終了後に行うことになります。

5 かかり易い病気・怪我

 基本的に風土病はありませんが、夏季には強い日差し、日中45度を超す高温、砂嵐による細かい砂塵により、熱中症、呼吸器系疾患(上気道炎)、眼科系疾患(結膜炎)、皮膚科系疾患(皮膚炎)に罹患しやすく健康管理には注意が必要です。特に砂嵐は2-7月に発生します。2012年3月には強烈な砂嵐が吹き荒れ、1日で1,200名の患者が緊急搬送センターに運ばれ、うち360名にぜんそく症状がみられたとのことです。砂嵐の季節にはなるべく戸外に出ないなど、特に小児の場合は呼吸器疾患に注意が必要です。

6 健康上心がける事

(1)水道水は海水を淡水化して送水しておりますが、飲料にはミネラル水が適しています。

(2)気温が極めて高いですが、湿度が高いため発汗を自覚することなく、自分では気が付かないうちに、脱水状態に陥っている場合がありますので、意識して水分と塩分の両方を補給する様にしてください。なお、夏場は湿度がかなり高く、エアコンが効く屋内と屋外の気温差が大きく風邪をひく原因にもなります。

(3)また、日射病、熱射病(熱中症)に簡単に陥り易いですので、炎天下での行動は可能な限りさけてください。当局により、夏季の屋外での労働時間は規制されています。

(4)砂嵐の期間の外出は可能な限りさけ、外出時はマスクをして、うがいを励行してください。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)

 入国に際して義務付けられる予防接種はありません。しかしながら、A型肝炎、破傷風、B型肝炎ワクチン接種が薦められます。

(2)現地の小児定期予防接種

 各地区のヘルスセンターにて予防接種可能(無料。但し、薬が処方される場合、薬代は有料。私立病院でも予防接種可能(有料)。)ですが、外国人が利用可能な予防接種を用意しているヘルスセンターはドーハ郊外に所在します。

カタール国の小児の定期一般接種
  初回 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
BCG 生下時          
ポリオ(筋注) 2か月 4か月        
ポリオ(経口) 4か月 6か月 18か月 4-6歳    
DPT 2か月 4か月 6か月 15か月 4-6歳 13歳-16歳
Hib 2か月 4か月 6か月 15か月    
MMR 12か月 18か月        
水痘 12か月 4-6歳        
B型肝炎 生下時 2か月 4か月 6か月    
A型肝炎 12か月 18か月        
髄膜炎菌 2歳          
肺炎球菌 2か月 4か月 6か月 15か月    
ロタウイルス 2か月 4か月        

註:DPTの6回目はTdap(年長児・成人用ワクチン)を接種

(3)

 小児が現地校に入学・入園する際にはBCG、ポリオ、DTP、麻疹の予防接種証明書が必要です

8 乳児検診

 日本のような定期乳児健診はありませんが、乳児含む小児の健康診断(メディカル・チェック)は小児科のある私立病院で受診可能です。

9 病気になった場合(医療機関等)

 1979年に設立された国立のハマド医療法人(HMC: Hamad Medical Corporation)が国内最大の医療機関であり、ハマド総合病院/Hamad General Hospital、ルメイラ病院/Rumailah Hospital、婦人病院/Women's Hospital、アル・アマル病院/Al Amal Hospital、アル・コール病院/Al-Khor Hospitalなど7カ所の系列病院を通じて医療サービスを提供しています。この他、国内23カ所のプライマリ・ヘルスケア・センターがあり、児童疾病に対する予防接種や簡単な診療等が行われている他、健康に関する理解向上のプログラム、母子に対するケアなど、日本の保健所のようなサービスを提供しています。Annual Health Report 2009によれば、ハマド病院系列の病床数は合わせて約2,020床です。

 一方で,私立病院については、現在219カ所のクリニックの他、MARHABA Autumn 2013によれば、11の大小の私立総合病院が紹介されています。政府は医療サービスの提供で、民間部門の役割の拡大を進めており(最初の私立総合病院が開設されたのは1999年末),私立総合病院で大きなものとしては、アル・アハリー病院(Al Ahli Hospital)の他、ドーハ・クリニック病院(Doha Clinic Hospital)、アル・エマドル病院(Al Emadl Hospital)、ドーハ・アメリカン病院(American Hospital Doha)があります。

ドーハ市

(注)いずれもラマダン期間中は診療時間が変わりますので、その都度確認が必要です。

(1)Hamad General hospital(ハマド・ゼネラル・ホスピタル:公立)
所在地:Al-Rayyan Road, Bin Omran Area
電話:4439-4444
ホームページ:http://www.hmc.org.qa別ウィンドウで開く
別ウィンドウで開く電子メール:webmaster@hmc.org.qa
概要:1982年に設立された最新の設備を有する国立総合病院で、Hamad Medical Cooperation国立病院群のひとつです。外傷と小児疾患を専門としています。交通事故で救急車を呼ぶとここに運ばれます。重篤な疾患の治療もこの病院で行われています。病院が大きく、英語表記が少ないために、道に迷います。診察時の使用言語:アラビア語、英語。
診療科目:内科、外科、小児科、外傷外科、耳鼻咽喉科、眼科、整形外科、脳神経外科、精神科。緊急時24時間対応で、小児緊急も受け入れ可能。健康診断は不可。
予防接種:インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、髄膜炎菌、MMR、水痘、ポリオ(経口)、不活化ポリオ、肺炎球菌(小児、成人)、Hib、DPT、破傷風、チフス、BCG、狂犬病、黄熱、5種混合ワクチン、ロタウィルス、ヒトパピローマウイルスが可。予約不要だが予約を奨励。
診療時間:日~木曜日7時~15時、専門外来17時~20時、金・土曜日休診。
支払い方法:カタール・リアル貨(QR)による現金支払いまたはCredit Card (VISA, Master)支払いが可能。
(2)Women's hospital(ウーマンズ・ホスピタル:公立)
所在地:Al-Rayyan road, Bin Omran Area
電話:4439-6666
ホームページ:http://www.hmc.org.qa別ウィンドウで開く
別ウィンドウで開く電子メール:webmaster@hmc.org.qa
概要:1988年に設立された最新の設備を有する国立総合病院で、Hamad Medical Cooperation国立病院群のひとつです。産婦人科疾患を専門としています。診察時の使用言語:アラビア語、英語。
診療科目:内科、外科、小児科。緊急時24時間対応で、小児専用の緊急受け入れも可能。健康診断は不可。
予防接種:インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、MMR、水痘、ポリオ(経口)、不活化ポリオ、肺炎球菌(小児)、Hib、DPT、破傷風、BCG、ロタウィルス、4~6種混合ワクチンが可。外来予約要。
診療時間:日~木曜日7時~15時、専門外来17時~20時、金・土曜日休診。
支払い方法:カタール・リアル貨(QR)による現金支払いまたはCredit Card (VISA, Master)支払いが可能。
(3)Rumaillah hospital(ルマイラ・ホスピタル:公立)
所在地:Al-Istiqlal Street, Al-Rumailah (East) Area
電話:4439-7000(日~木曜日 午前7時~午後3時)、4439-3218(休日及び時間外)、6671-9455(緊急)
ホームページ:http://www.hmc.org.qa別ウィンドウで開く
別ウィンドウで開く電子メール:webmaster@hmc.org.qa
概要:1956年に設立された国立総合病院で、Hamad Medical Cooperation国立病院群のひとつです。診察時の使用言語:アラビア語、英語。
診療科目:形成外科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科・精神科。緊急時24時間対応で、小児の緊急受け入れも可能。健康診断は不可。
予防接種:インフルエンザ,A型肝炎,B型肝炎,髄膜炎菌,おたふく,麻疹,風疹,水痘,ポリオ(経口),Hib,破傷風,チフス,BCG,狂犬病,黄熱が可。外来予約要。
診療時間:日~木曜日7時~15時、専門外来17時~20時,金・土曜日休診。
支払い方法:カタール・リアル貨(QR)による現金支払いまたはCredit Card (VISA, Master)支払いが可能。
(4)Doha Clinic Hospital(ドーハ・クリニック・ホスピタル:私立)
所在地:New Al-Mirqab Street, Al Sadd Area
電話:4438-4333、4435-5999(緊急)、ファックス:4432-7303
ホームページ:http://www.doha-hospital.com別ウィンドウで開く
別ウィンドウで開く電子メール:dohaclnk@qatar.net.qa
概要:1994年設立の入院が可能な私立総合病院。重篤な外傷、疾患がみつかった場合、 へ搬送される。診察時の使用言語:英語、アラビア語。
診療科目:内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻咽喉科、眼科、整形外科、泌尿器科、皮膚科、理学療法科、歯科。緊急時24時間対応で、小児の緊急受け入れも可能。成人健康診断は可能で、日本のような定期乳児健診はないが、小児(乳児含む)健康診断は受診可能。
予防接種:インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、髄膜炎菌、水痘、ポリオ(経口)、DPT、破傷風、チフス、BCG、狂犬病、A+B肝炎、ロタウィルス、肺炎球菌(小児PCV13)、MMR、黄熱、4~6種混合ワクチンが可能。外来予約要。
診療時間:土~木曜日8時~12時、16時~20時、金曜日休診。
支払い方法:カタール・リアル貨(QR)による現金支払いまたはCredit Card (VISA, Master)支払いが可能。
(5)Al-Ahli Hospital(アルアハリ・ホスピタル:私立)
所在地:Ahmed Bin Ali Street, Wadi Al Sail Area
電話:4489-8888、4489-8000、ファックス:4489-8989
ホームページ:http://www.ahlihospital.com/別ウィンドウで開く
別ウィンドウで開く電子メール:info@ahlihospital.com
概要:2004年開院の入院が可能な私立総合病院。重篤な外傷、疾患がみつかった場合、 へ搬送される。診察時の使用言語:英語、アラビア語。
診療科目:内科、外科、小児科、産婦人科、整形外科、泌尿器科、皮膚科、理学療法科、精神科、歯科。緊急時24時間対応で、小児の緊急受け入れも可能。成人健康診断は可能で、日本のような定期乳児健診はないが、小児(乳児含む)健康診断は受診可能。
予防接種:インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、髄膜炎菌、MMR、水痘、ポリオ(経口)、Hib、DPT、破傷風、チフス、狂犬病、ロタウィルス、不活化ポリオ、肺炎球菌(小児、成人)、MMR、経口コレラ、黄熱、ヒトパピローマウィルス、5種、6種混合ワクチンが可能。外来予約要。
診療時間:土~木曜日8時~21時、金曜日休診。
支払い方法:カタール・リアル貨(QR)による現金支払いまたはCredit Card (VISA, Master)支払いが可能。

10 その他の詳細情報入手先

(1)在カタール日本国大使館
ホームページ:http://www.qa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(2)在クウェート日本国大使館
ホームページ:http://www.kw.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く
医務官室 連絡先:+965 2530 9400 (内線9451)

11 現地語・一口メモ

 医療機関では、公立私立を問わず、医師には英語が通じます。「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照願います。


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