世界の医療事情

レバノン

平成30年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 レバノン共和国(国際電話国番号961)

2 公館の住所・電話番号

在レバノン日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Serail Hill Area, Army Street, Zokak El-Blat, Beirut, Lebanon.
電話:(0)1-989751
ホームページ:https://www.lb.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 レバノンは東地中海沿岸にある小さな国で,国土の中心を南北に走るレバノン山脈を中心に西側の海を臨むエリアと,東側のベカー高原に分けられます。全土が地中海性気候に分類されますが,山間部には2,000メートル級の山々を有し,夏は避暑地,冬は雪景色へと変化する地域もあります。

 レバノンで提供される医療水準には「公低私高」の格差があり,公立病院では時に全面ストライキもおこります。現地人も皆保険とは別に民間保険に加入し,より安全で高度な医療の確保に努めます。首都ベイルートには欧米の大学との提携を謳う私立病院が複数あり高度医療を提供しています。日本語で受診できる医療機関はありませんが,一般に英語・フランス語が通じます。薬局では国産および欧州を含む近隣諸国からの輸入医薬品が流通しています。

 国のインフラ整備に対する取り組みは遅れており,ゴミ問題による土壌や水質の汚染,電力不足を補う自家発電機の多用による大気汚染は深刻になっています。水道水は飲用に適さず,ミネラルウオーターを用いるのが一般的です。首都でも水道の供給能力や水質管理は不十分で,各家庭の水質は住居(物件)ごとで異なりますので,安全な水を独自に確保する必要があります。

5 かかり易い病気・怪我/健康上気をつけること

 マラリアやデング熱などの熱帯感染症はありません。冬の季節性インフルエンザの流行も軽微です。2017年には一部地域で麻疹(はしか)の流行,狂犬病による死者,隣国からの難民流入に伴う皮膚リーシュマニア症の輸入などが報告されましたが,日常生活において特に注意すべき風土病はありません。

(1)食中毒

 外食時によく発生します。気温が高くなる時期には,自宅での食材の保存・調理にも注意を要します。また,前述の水質汚染に関連する問題で「近海魚は食べない方がよい」などの注意を耳にします。これらは主に水銀など重金属汚染に警鐘を鳴らすものです。

(2)熱中症

 特に夏期は日差しが強いので,日焼け止め・帽子・サングラスなどの対策も必要です。長時間の外出では水分・塩分補給を心がけてください。

(3)大気汚染

 交通渋滞や電力不足を補う自家発電機の普及・多用による大気汚染が,深刻になっています。呼吸器疾患,アレルギー疾患を助長するので注意が必要です。

(4)運動不足

 車移動が多く,公園や運動場がほとんどありませんので,工夫して体を動かすことを心がける必要があります。会員制のスポーツジムがあります。

(5)交通事故

 交通事故は遭遇する危険性の高い問題です。整備不十分な歩道,路肩を埋め尽くす縦列駐車などは歩行者に優しい環境でないうえ,車が信号に従わないのは当たりまえです。特に交通ルール関係なしに縦横無尽に走りぬけるバイクは,歩行者にとっても運転者にとっても脅威です。クラクションを鳴らされても,無理な横入りをされても,乱されず常に安全第一の意識が大切です。

(6)メンタルヘルスの不調

 在外生活ではそれまで感じなかった様々なストレスを抱えることがあります。現地に早く適応しようと焦ることがかえって,精神的な不調を招くこともあります。悩みすぎる前に誰かに相談してください。積極的に体を動かしてリフレッシュする,日本の家族や友人と日本語で気兼ねなく話をすることなどでも,気持ちを切り替えられることがあります。

6 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に推奨する予防注射

 入国に際して接種歴が求められるワクチンはありませんが,成人までに推奨される一連の予防接種に加えA型,B型肝炎と破傷風と狂犬病ワクチン等を検討されるとよいでしょう。

(2)小児予防接種

 本邦で通常無償で受けることが出来る乳幼児予防接種は,当地ではすべて有料です。

小児予防接種
  初回 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目
ポリオ 2ヶ月
IPV
4ヶ月
OPV
6ヶ月
OPV
18ヶ月
OPV / B1
4-5才
OPV / B2
10-12才
OPV / B3
16-18才
OPV / B4
5種混合 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月
B1
4-5才
DPT / B2
10-12才
DT / B3
16-18才
DT / B4
MMR 12ヶ月 18ヶ月          
B型肝炎 出生時            
肺炎球菌
(PCV13)
4ヶ月 6ヶ月 12ヶ月
B
       

ポリオ:注射(IPV):不活化ワクチン, 経口(OPV):生ワクチン
5種混合:DPT + B型肝炎 + Hib(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型),5回目以降はDPT / DTとして接種
DPT:D (ジフテリア) + P (百日咳) + T (破傷風)
MMR:M (麻疹) + M (流行性耳下腺炎) + R (風疹):9ヶ月時に麻疹単独の1回接種があります。
B:追加接種
任意接種ワクチン:A型肝炎,子宮頸がんワクチン,水痘, 髄膜炎菌,季節性インフルエンザ,ロタウイルス

(3)

 小児が現地校に入学・入園する際には予防接種証明書が要求されます。

7 乳児検診

 出生した子供には母子手帳が交付され,その中に予防接種スケジュールが記載されていますが,乳児健診は保護者の任意で行われます。小児科医を訪ねて小児予防接種とセットで乳児健診を依頼してください。

8 病気になった場合(医療機関等)

 予め特定の医師や専門外来を受診するには,前もって予約する必要があります。しかし下記のいずれの医療機関も24時間オープンの救急部門があり,急患としていつでも診察が受けられます。入院の場合は相当額の預託金を請求されます。病院での精算はカード払いできることも多いのですが,開業医を受診する場合は現金払いが原則です。

 緊急時にはダイヤル「140」番で救急車を要請できます。この公営救急車は,レバノン赤新月社に業務委託されており,無料で原則最寄りの医療機関に搬送します。特定の病院を希望する場合はその病院に電話して病院が保有する救急車を要請します。時間によっては渋滞などで救急車の到着が遅れますので自家用車またはタクシーを呼んでできるだけはやく病院を受診してください。地方での緊急時には,可及的速やかにベイルートの病院へ移動することも検討してください。

ベイルート市

(1)CMC(Clemenceau Medical Center
所在地:Maamari Steet, Clemenceau
電話:(0)1-372888, Hotline 1240
ホームページ:http://www.cmc.com.lb/別ウィンドウで開く
概要:米国のJohns Hopkins Internationalと提携している私立総合病院です。最新の医療設備が完備され高度な医療を提供しています。
(2)AUBMC(American University of Beirut Medical Center
所在地:Bliss Street, Hamra
電話:(0)1-350 000, Hotline 1242
ホームページ;http://www.aub.edu.lb/別ウィンドウで開く
概要:最新の医療設備が完備した大学付属総合病院。
(3)Trad Hospital Medical Center
所在地:53, Mexique Street, Clemenceau
電話:(0)1-369 494
ホームページ:http://www.hopitaltrad.com/別ウィンドウで開く
概要:特に産婦人科に定評がある私立総合病院で,二次医療まで対応。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在レバノン日本国大使館(日本語):https://www.lb.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(2)レバノン保健省(英語):http://www.public-health.gov.lb/別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

アラビア語
日本語 アラビア語
医師 ハキム
内服薬 ダワ
注射 イブレッ
頭痛 ワジャァ ラス
胸痛 アラム ビル スドゥル
サーラ
腹痛 アラム ビル マヒッダ
下痢 アスハル
発熱 ハラーラ
吐き気 ムラジャハ / タカユゥ
イェレッ
具合が悪い。 アナ マリドッ(男性)
アナ マリダッ(女性)
病院へ連れて行ってください。 イザ ビトリッ クヒドニ アァル イヤデェ

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