世界の医療事情

ヨルダン

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ヨルダン・ハシェミット王国(アンマン,アカバ)(国際電話番号962)

2 公館の住所・電話番号

在ヨルダン日本国大使館 (毎週金土休館)
住所:Building No. 7, Between 5th & 6th Circles, Faeq Halazon St., Zaharan, Abdun Shamali, Amman, The Hashemite Kingdom of Jordan P.O. Box 2835 Amman, 11181 Jordan
Tel:06-593-2005、Fax:06-593-1006
Mail:mail@embjapan.org.jo
ホームページ:http://www.jordan.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)金土以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 ヨルダンは死海、ヨルダン川流域の海抜マイナス400メートルから海抜1,600メートルまでの標高に位置し、首都アンマンは海抜900メートルの高地にあります。4月から9月までの夏と11月から2月までの冬,その間に短い春と秋があります。アンマンの気温は、冬は0℃前後まで下がり時に雪も降ります。夏は40℃を超えることもあります。冬期以外は乾燥しています。砂漠地帯では夏でも夜間は想像以上に気温が下がります。3月から10月までは雲一つ無い天気が続き、湿度が低いので脱水症を起こしやすくなるため注意が必要です。紅海沿岸、アカバ、死海やヨルダン川周辺地域は冬でも温暖ですが伝染病の発生も少なくないので注意が必要です。死海に入る際は塩分濃度が高いため目に入らないよう注意が必要です。

 首都アンマンでは、水道水はタンクに貯めた水を使用しています。飲用には市販のミネラルウォーターの利用をお勧めします。交通マナーは大変悪く、事故も多発しています。ラマダン期間中は特に注意が必要です。タクシー乗車中も注意が必要です。また首都アンマンは車が溢れており、歩行時には特に注意してください。

 当国の医療機関は国立,軍立,私立に大別され,外国人や邦人が利用する医療機関は一般的には私立の総合病院か個人クリニックになります。医師の医療水準はアラブ諸国の中では比較的高く、外来受診は問題ありません。しかし人口あたりの看護師数は日本の半分以下で,看護水準も低いので入院治療はお勧めできません。医療費が高いので必ず海外旅行損害保険に加入してください。

5 かかり易い病気・怪我

(ア)赤痢アメーバ症

 食べ物や水から感染します。潜伏期間は2週間から3週間。腹痛、下痢、粘血便(イチゴゼリー状)等の症状を起こします。保健省の医療統計によると、多い年には2,000例、2013年にも300例ほど発症しています。治療が不適切だと慢性化して保菌者となることや肝膿瘍を起こす可能性もあります。

(イ)感染性腸炎(下痢症)

 食べ物や水から感染します。腹痛、悪心、嘔吐、激しい下痢、発熱等の症状を起こします。暑い時期には特に注意が必要です。2004年には腸チフスが流行し1,500名ほどの患者が出ましたが、最近の腸チフス発生は10例以下にとどまっています。

(ウ)A型肝炎

 食べ物(主に生もの・生野菜)や水から感染します。全身倦怠感、発熱、食欲不振等の症状と黄疸が表れます。毎年400~500人が感染しています。2013年はおよそ1,000名の患者が出ました。ワクチンで予防可能な疾患ですので接種をお勧めします。

(注)以上の疾患は,衛生状態が割合良いと言われているアンマンでもよく発生しているので注意してください。

(エ)熱中症(脱水症)

 春から秋にかけては日差しが強く,湿度が低いので汗をかいても自覚せずに脱水を起こし易くなります。

(オ)狂犬病

 WHOによるとヨルダンは狂犬病汚染地域になっています。アンマン市内でも野犬や野良猫が多く見られます。不用意に近づかないようにして下さい。噛まれた場合は直ちに病院で診察を受けるようにして下さい。

(カ)リーシュマニア症

 アンマン市内では心配ありませんが、地方ではサシチョウバエによって媒介されるリーシュマニア症が毎年150~350人発症しています。皮膚に潰瘍や結節が生じ、醜い瘢痕が残る場合もあります。地方へ出かける場合には長袖・長ズボンを着用し,防虫対策を心がけるようにして下さい。

(キ)ブルセラ症

 細菌によって起こる人畜共通感染症です。通常1~3週の潜伏期があります。動物の接触、あるいは生乳接種の後、発熱、筋肉痛等の症状がでた場合は病院を受診して下さい。ヨルダン国内で毎年100~200人が発症しています。

(ク)MERS(中東呼吸器症候群)

 ヨルダンでのMERS症例は2015年合計13例、死亡例は5例で、多くが糖尿病や心疾患を持っていた。現在のところ持続的なヒトからヒトへの感染が確認されていないことからWHOは国際的な公衆衛生上の緊急事態PHEICとは判断していません。ヒトコブラクダからヒトへの感染が強く疑われています。ラクダの肉や乳の接種は避けた方が無難です。

(ケ)減圧症

 アカバ湾は世界有数のダイバースポットとして知られています。ダイビング中に急浮上や400メートル以上の高所に移動したり,18時間以内に航空機搭乗するなどがリスクになります。関節痛や呼吸困難、めまいなどを起こします。アンマンは海抜800メートルにあります。十分に休息を取って移動して下さい。

6 健康上心がける事

(1)飲食物から感染する病気が多いので十分注意してください。食べ物は熱を通した物を冷めない内に食べ、水はミネラルウォーターを飲用して下さい。

(2)市販のミネラルウォーターでもキャップが閉まっていない状態で販売されていることがあります、衛生上安全でない場合は飲まないようにして下さい。

(3)脱水症予防のために早めに水分を補給する必要があります。

(4)直射日光や照り返しが強いので目に負担がかかります。サングラスや目薬を用意し、休養を充分に取るなど体調管理に気をつけて下さい。

(5)当地ではドライバーの運転マナーが悪くスピードも出すこと、道路の保守点検が十分でないことから交通事故が多いので注意して下さい。

(6)長時間滞在する際には日本を出発前に健康診断を受けると共に、年に一度は定期的に健康診断を受けるようにして下さい。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(ア)赴任者に必要な予防接種

成人:破傷風、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス

小児:BCG、ポリオ、DTP(3種混合)、MMR(麻疹、風疹、おたふく風邪)、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス

(イ)現地の小児定期予防接種の一覧

ヨルダン・ハシェミット王国の定期一般予防接種
  初回 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
BCG 0          
ポリオ(IPV+OPV) 2ヶ月(IPV) 3ヶ月(IPV+OPV) 4ヶ月(OPV) 1歳半(OPV) 3歳(OPV) 6歳(OPV)
DPT 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 3歳 6歳(Td) 15歳(Td)
MMR 9ヶ月(麻疹) 3歳        
B型肝炎 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月      
Hib 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月      

 ポリオは不活化ワクチン(IPV)と経口ワクチン(OPV)両方の接種を行っています。DPT(3種混合)の5、6回目は百日咳以外の接種を行います。初回は麻疹のみ、2回目はMMR(麻疹、風疹、おたふく風邪)を接種します。B型肝炎、HibをDPTに加えた5種混合ワクチンを使用しています。

(ウ)

 小児が現地校に入学・入園する際には予防接種証明書が必要です。

8 病気になった場合(医療機関等)

 ヨルダンには公立病院、軍病院、私立病院等があります。料金は高くとも、設備、サービス、清潔さ等の点から私立病院を受診することをお勧めします。医療水準もそれなりのレベルです。欧米で研修を受けた医師も多く、ほとんどの医師は英語を話します。小児検診も小児科外来で可能です(有料)。総合病院のほとんどは24時間体制の救急室で対応しています。また有料ですが救急車を備えている病院もあり、電話で呼ぶことも可能です。医療費は高額になることも多いので、あらかじめ日本で海外旅行傷害保険に入っておくことを勧めます。なお、ほとんどの私立病院では、治療前(入院前)に多額のデポジットを必要とします。薬局は数多くあり欧米製やヨルダン製の医薬品が買えますが、原則として処方箋が必要です。日本製に比べて容量が多いことが多く、常用している薬は日本から持参した方が良いでしょう。 Jordan Times(地元英字新聞)にはUseful Numbersとして、その日の当番の医師・薬局(24時間営業)の連絡先などの情報が毎日掲載されています。国内の主な医療機関は次のとおりです。

アンマン

(1)Arab Medical Center
所在地:Sulayman Al-Hadeedi Street (5th circle, シェラトンホテルの裏)
電話:06-5921199
概要:私立総合病院、日本語否。24時間救急対応可能。小児科救急も可能。支払いは現金、クレジットカードも可能。
(2)Jordan Hospital
所在地:Queen Nour Street, Jabal Amman (4th circleを北に向かった右手)
電話:06-5608080 06-5608083
概要:私立総合病院、診療時間は9時-13時、16時-18時。日本語否。英語可。救急対応も可能。小児科救急も可能。
(3)Concept Center
所在地:21 ibrahim Qattan Street, 7th Circle, Amman, Jordan
電話:06-582-2606
概要:歯科。診療時間は9時半-19時、金曜日は休診。院長は日本留学歴あり日本語可。英語可。
(4)Orthodontic Dental Center
所在地:Abdoun Clinics, Suleiman Al Hadidi St 15, 11185, Amman, Jordan (アラブメディカルセンターの前)
電話:06-592-0011
概要:歯科。診療時間は土曜日10時-16時、日曜日10時-13時、それ以外は10時-13時、15時-18時半。金曜日は休診。英語可。
(5)Eye Speciality Hospital
所在地:Al Madinah Al Munawarah St 268, 11821, Amman, Jordan
電話:06-551-1176
概要:眼科。診療時間は8時-16時。休日なし。救急対応可。ヨルダン最大の眼科病院。

アカバ

(1)Princess Haya Bint Al-Hussein Military Hospital
所在地:Haya circle end of Tuisian Hamamat
電話:03-2014111
概要:公立総合病院(軍病院)。減圧症(潜水病)の治療(高圧酸素治療)が可能。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ヨルダン日本国大使館ホームページ:http://www.jordan.emb-japan.go.jp/

(2)ヨルダン保健省ホームページ:http://apps.moh.gov.jo/MOH/En/home.php

10 現地語・一口メモ

  • 医師:ドクトール
  • 飲み薬:アドウィヤ
  • 注射:ホクネ
  • 頭痛:スダー
  • 胸痛:アラム フィッ サドゥル
  • 腹痛:アラム フィ ル マーイダ
  • 下痢:イスハール
  • 発熱:ハラーラ
  • 嘔気:タカイヨォ
  • 傷:ジェルフ
  • 具合が悪い。:アナ マリード(男性)/アナー マリーダ(女性)
  • 病院へ連れて行って欲しい。:ホドズニ イラー ムスタシェファ
  • 元気です。:クワイエス
  • 問題ない。:ムシュ ムシ ケラ

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