世界の医療事情

ヨルダン

令和2年10月

1 国名・都市名

ヨルダン(国際電話国番号962)

2 公館の住所・電話番号

〇 在ヨルダン日本国大使館 (毎週金土休館)
住所:No.7, Fa'eq Halazon St., Between 5th and 6th Circle, North Abdoun, Amman(郵便物:P.O. Box 2835, Amman, 11181 Jordan
電話:06-593-2005
ウェブサイト:https://www.jordan.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

 ※金土以外の休館日は暦年ごとにウェブサイトにて案内していますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 ヨルダンは、死海・ヨルダン川流域の海抜マイナス400メートルから海抜1,600メートルまでの標高に位置し、首都アンマンは海抜900メートルの高地にあります。4月から9月までの夏と11月から2月までの冬、その間に短い春と秋があります。アンマンの気温は冬には0℃前後まで下がり、時に雪も降ります。夏には40℃を超えることもあります。冬期以外は乾燥しています。砂漠地帯では、夏でも夜間は想像以上に気温が下がります。3月から10月までは雲一つない天気が続き、湿度が低いので脱水症を起こしやすくなるため注意が必要です。紅海沿岸のアカバや死海・ヨルダン川周辺地域は冬でも温暖ですが、伝染病の発生も少なくないので注意が必要です。死海に入る際は、塩分濃度が高いため目に入らないよう注意が必要です。

 首都アンマンでは、水道水は各建物のタンクに貯めた水が使用されており、衛生的に管理されていない場合も少なくありません。このため、飲用には市販のミネラルウォーターの利用をお勧めします。交通マナーは大変悪く、事故も多発しています。ラマダン期間中は特に注意が必要です。タクシー乗車中も注意が必要です。また首都アンマンは車があふれているので、歩行時には特に注意してください。

 当国の医療機関は国立・軍立・私立に大別され、外国人や邦人が利用する医療機関は一般的には私立の総合病院か個人クリニックになります。医師の医療水準はアラブ諸国の中では比較的高く、外来受診は問題ありません。しかし、人口あたりの看護師数は日本の半分以下で看護水準が十分とは言えないので、入院治療はお勧めできません。思わぬ病気やけがで医療費が高額となることもありますので、必ず海外旅行傷害保険に加入してください。

5 かかりやすい病気・けが

(1)赤痢アメーバ症

 食べ物や水から感染します。潜伏期間は2週間から3週間で、腹痛・下痢・粘血便(イチゴゼリー状)等の症状を起こします。保健省の医療統計によると毎年数百例程度が報告されています。治療が不適切だと、慢性化して保菌者となることや肝膿瘍を起こすこともあります。

(2)感染性腸炎(下痢症)

 様々な菌やウイルスが原因となり、食べ物や水から感染します。腹痛・吐き気・激しい下痢・発熱等の症状を起こします。暑い時期には集団食中毒がたびたび発生しており、特に注意が必要です。

(3)A型肝炎

 食べ物(主に生もの・生野菜)や水から感染します。全身のだるさ・発熱・食欲不振等の症状と黄疸が現れます。毎年数百例程度が報告されています。ワクチンで予防可能な疾患ですので、予防接種をお勧めします。

以上の疾患は、衛生状態が比較的良いと言われているアンマンでもよく発生しているので、注意してください。

(4)熱中症(脱水症)

 春から秋にかけては日差しが強く、湿度が低いので汗をかいても自覚せずに脱水を起こしやすくなります。

(5)狂犬病

 WHOによると、ヨルダンは狂犬病高リスク地域に分類されています。アンマン市内でも野良猫が多く見られ、地域によっては野犬も見られます。野生の動物には不用意に近づかないようにし、かまれた場合は直ちに病院で診察を受けるようにしてください。

(6)リーシュマニア症

 アンマン市内では心配ありませんが、地方ではサシチョウバエによって媒介されるリーシュマニア症が毎年数百例程度報告されています。皮膚に潰瘍(かいよう)や結節が生じ、醜い瘢痕(はんこん)が残る場合もあります。地方へ出かける場合には長そで・長ズボンを着用し、防虫対策を心がけるようにしてください。

(7)ブルセラ症

 細菌によって起こる人畜共通感染症です。通常1~3週の潜伏期があります。ヒツジやヤギなどの動物との接触あるいは生乳摂取の後に発熱・筋肉痛等の症状が出た場合は、病院を受診してください。ヨルダン国内で毎年数百例程度が報告されています。

(8)MERS(中東呼吸器症候群)

 コロナウイルスによる感染症で、感染経路はヒトコブラクダからヒトへの感染が強く疑われていますが、ヒトからヒトへの感染も報告されています。ヨルダンでは2015年以来発生していませんが、念のためラクダとの濃厚接触やラクダの肉や乳の摂取は避けた方が無難です。

(9)減圧症

 アカバ湾は世界有数のダイビングスポットとして知られています。ダイビング中に急浮上したり、ダイビング後すぐに海抜400メートル以上の高所に移動したり、ダイビングから18時間以内に航空機に乗ることなどが発症リスクになります。関節痛・しびれ・頭痛・めまい・息切れなどが現れ、重症例では死亡したり後遺症が残ったりする場合もあります。移動先や経由地の標高も意識しつつ、時間に余裕を持った旅行計画を立ててください。

6 健康上心がける事

(1)飲食物から感染する病気が多いので十分注意してください。食べ物は熱を通した物を冷めないうちに食べ、水はミネラルウォーターを飲用してください。

(2)市販のミネラルウォーターでも、キャップが閉まっていない状態で販売されていることがあります。衛生上安全でない場合は飲まないようにしてください。

(3)脱水症予防のために早め早めに水分を補給する必要があります。

(4)直射日光や照り返しが強いので目に負担がかかります。サングラスや目薬を用意し、休養を十分に取るなど体調管理に気をつけてください。

(5)当地では、ドライバーの運転マナーが悪くスピードも出すことや、道路の保守点検が十分でないことから、交通事故が多いので注意してください。

(6)長期間滞在する場合は、日本出発前に健康診断を受けるとともに定期的に健康診断を受けるようにしてください。

(7)川・貯水池などの淡水に不用意に入ると、皮膚から病原体が侵入して住血吸虫症を起こすリスクがあるので、注意してください。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

入国に際して必要なものはありませんが、以下の予防接種をお勧めします。

(ア)成人:破傷風・A型肝炎・B型肝炎・腸チフス

(イ)小児:日本の定期予防接種に加え、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)・A型肝炎・腸チフス

(2)現地の小児定期予防接種一覧

  1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
BCG 出生時          
DPT/DT 2か月
(DaPT)
3か月
(DaPT)
4か月
(DaPT)
1歳半
(DaPT)
6歳
(Td)
15歳
(Td)
ポリオ 2か月
(IPV)
3か月
(IPV+OPV)
4か月
(IPV+OPV)
9か月
(OPV)
1歳半
(OPV)
6歳
(OPV)
Hib 2か月 3か月 4か月      
B型肝炎 2か月 3か月 4か月      
ロタウイルス 2か月 3か月 4か月      
MMR/麻しん 9か月
(麻しんのみ)
1歳
(MMR)
1歳半
(MMR)
     

(3)

 小児が現地校に入学・入園する際には、予防接種証明書が必要です。

8 病気になった場合(医療機関等)

 ヨルダンには公立病院・軍病院・私立病院等があります。料金は高くとも、設備・サービス・清潔さ等の点から私立病院を受診することをお勧めします。医療水準も、入院を要さない程度の病状であれば比較的安心できるレベルです。欧米で研修を受けた医師も多く、ほとんどの医師は英語を話します。小児検診も小児科外来で可能です(有料)。総合病院のほとんどは24時間体制の救急室で対応しています。また、有料ですが救急車を備えている病院もあり、電話で呼ぶことも可能です。医療費は高額になることも多いので、あらかじめ日本で海外旅行傷害保険に入っておくことを強くお勧めします。なお、ほとんどの私立病院では、治療前(入院前)に多額のデポジットを必要とします。薬局は数多くあり欧米製やヨルダン製の医薬品が買えますが、原則として処方せんが必要です。日本製に比べて容量が多いことが多く、常用している薬は日本から持参した方が良いでしょう。国内の主な医療機関は次のとおりです。

◎アンマン

(1)Arab Medical Center
所在地:Khalil Mizel Street (5th circle、シェラトンホテルの裏)
電話:06-592-1199
概要:私立総合病院。24時間救急対応可能。小児科救急も可能。支払いはクレジットカードも可能。
(2)Jordan Hospital
所在地:Queen Nour Street (4th circleを北に向かった右手)
電話:06-560-8080, 06-560-8030
概要:私立総合病院。24時間救急対応可能。小児科救急も可能。
(3)Al Khalidi Hospital & Medical Center
所在地:39 Ibn Khaldoun Street, 4th Circle
電話:06-464-4281
概要:私立総合病院。24時間救急対応可能。
(4)The Specialty Hospital
所在地:Jaber Ibn Hayyan Street(スポーツ・シティの南西)
電話:06-200-1111
概要:私立総合病院。24時間救急対応可能。高圧酸素治療装置があり、減圧症等の治療可能。
(5)Concepts Dental Center
所在地:21 Ibrahim Qattan Street, 7th Circle
電話:06-582-2606
概要:歯科クリニック。金曜日休診。院長は日本留学歴あり日本語可。英語可。
(6)Dr. Zaha Khalifé Amarin Orthodontic & Dental Center
所在地:Abdoun Clinics, Kamal Junblatt Street(アラブメディカルセンターの前)
電話:06-592-0011
概要:歯科クリニック。金曜日休診。英語可。
(7)Dr. Shibly Salaita Advanced Dentistry Clinic
所在地:Bader Medical Complex, Zahleh Street(中華料理台北の裏)
電話:06-592-5697
概要:歯科クリニック。金曜日休診。英語可。
(8)Eye Specialty Hospital
所在地:Al Madinah Al Munawarah St 268
電話:06-551-1176
概要:眼科専門病院。24時間救急対応可。ヨルダン最大の眼科病院。

○アカバ

Prince Hashem bin Abdullah Ⅱ military Hospital
所在地:The Residential Area The Sixth
電話:03-209-2030
概要:公立総合病院(軍病院)。24時間救急対応可能。高圧酸素治療装置があり、減圧症等の治療可能。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ヨルダン大使館ホームページ:https://www.jordan.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

(2)ヨルダン保健省ホームページ:https://www.moh.gov.jo/

10 現地語一口メモ

  • 医師:ドクトール
  • 飲み薬:アドウィヤ
  • 注射:ホクネ
  • 頭痛:スダー
  • 胸痛:アラム フィッ サドゥル
  • 腹痛:アラム フィ ル マーイダ
  • 下痢:イスハール
  • 発熱:ハラーラ
  • 嘔気:タカイヨォ
  • 傷:ジェルフ
  • 具合が悪い。:アナ マリード(男性)/アナー マリーダ(女性)
  • 病院へ連れて行って欲しい。:ホドズニ イラー ムスタシェファ
  • 元気です。:クワイエス
  • 問題ない。:ムシュ ムシ ケラ

11 新型コロナウイルス関連情報

 パンデミック宣言後、空港閉鎖のほか、外出禁止措置、自家用車両使用禁止など、一時的に厳しい活動制限が行われた。その後段階的に制限は緩和傾向となったものの、入国者に対する検疫、商業施設等の営業制限、外出や移動の制限など、状況に応じて様々な感染拡大防止措置が続いている。商業施設等に入る際には、マスクや手袋の着用が義務付けられているが、これらは薬局やスーパーマーケットなどで容易に入手可能である。感染が確認された場合、症状の程度により指定場所での隔離や指定病院での入院治療が行われている。


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