世界の医療事情

ウズベキスタン

平成30年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ウズベキスタン共和国(国際電話国番号998)

2 公館の住所・電話番号

在ウズベキスタン日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan, 1-28, Sadyk Azimov St., Tashkent, 100047, Republic of Uzbekistan
電話:(99878) 120-8060~63,Fax :(99878) 120-8077
ホームページ:https://www.uz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 ウズベキスタンは二重内陸国(国境を2回越えないと海に出られない国)で,国土は北西から東に細長く延びており,西側は比較的平坦ですが東側は起伏に富み,山地・丘陵・盆地があります。

 首都タシケントは,北緯41度20分(青森県津軽半島付近),標高420~500メートルに位置し,典型的な大陸性気候で1日の寒暖の気温差も激しく,夏は40℃前後の気温となり,冬はマイナス10℃程度となることがあります。

 保健・医療は,独立後の経済困難のため最も整備の遅れている分野の一つで,医療器材・医薬品・衛生用品・医療情報などの医療資源全般が恒常的に不足しています。一般に提供される医療サービスの質は先進国と比較してかなり低く,SOSインターナショナルのトラベルリスクマップ2018でも医療リスク評価の「高い」地域とされています。日本人が安心して手術・出産などが行える入院可能な医療施設はないのが実情です。また,救急システムも遅れており,救急コールをしても実際に救急車が現地に到着するまでにタシケント市内でも1時間以上かかることがあると言われています。

 したがって,旅行や滞在に際しては海外旅行傷害保険に加入し,万一の受傷・発病の際に受けられるサービス(高額な緊急移送を含む)や手続き方法を予め確認しておくことが必要です。

 市内の薬局では医薬品の購入は可能ですが,西欧の医薬品の入手は難しく,インド,ロシア,中国で製造された医薬品がほとんどです。医師の処方箋なしで抗生物質を購入できることから多剤耐性結核などの耐性菌発生が問題となっています。また,偽薬の横行も指摘されています。

 国家統計委員会の報告によると,死亡原因の第1位は循環器疾患(61.3%),第2位はがん(9.3%),第3位は不慮の事故(5.6%),第4位は消化器疾患(5.5%),第5位は呼吸器疾患(4.3%),第6位は感染症及び寄生虫疾患(1.5%),その他(12.5%)となっています。平均余命は,男性71.3歳,女性76.1歳です。

 また,安全で安定した水道水および下水道の完備や食品またはトイレの衛生管理が不十分なので注意をする必要があります。

5 かかり易い病気・怪我

 ウズベキスタン保健省あるいは地域の保健所は,どの地域でどのような感染症が流行しているかなどの正確な医療情報を一般市民に提供していません。

(ア)下痢症

 上下水道設備が不十分であり食品衛生管理が十分に徹底されていないため,いわゆる「食あたり」の他,感染性(細菌性・ウイルス性あるいは寄生虫)胃腸炎には一年を通して十分に注意する必要があります。これらの感染症はヒトの糞便などで汚染された食物や水を媒介として感染します。外食時,特に屋台での飲食は十分注意をしてください。また生肉の摂取はやめてください。製造月日が不明な,冷蔵管理状況の不良な食品の摂取にも十分注意をしてください。細菌性赤痢・腸チフス・サルモネラ菌を原因とする下痢症あるいはジアルジア(寄生虫)症に罹患する可能性もあります。

 細菌性赤痢は1~3日の潜伏期の後に,急激な発熱,下痢などで発症します。

 腸チフスは,10~14日の潜伏期の後に,発熱等の症状で発症します。その他徐脈・バラ疹・脾臓が腫れるなどの3主徴が見られることもあります。

 サルモネラ菌は,鶏,豚,牛などの動物の腸管,下水など自然界に広く分布しています。6~48時間の潜伏期の後に,腹痛,下痢,発熱などの症状を呈します。

 ジアルジア症の病原体はランブル鞭毛虫です。下痢は起こりますが,発熱は多くの場合見られません。

(イ)熱中症・日焼け

 夏季は気温が40℃前後となり,また雨は降らず湿度が低いため,炎天下に長時間いると熱中症にかかりやすい状況です。こまめに水分補給を行ってください。また,日焼けにも十分な対策と注意が必要です。

(ウ)交通事故

 道路整備および交通安全対策施設などが不十分な上,交通ルールを順守するという概念が希薄ですので,交通事故には十分注意する必要があります。日本では大事に至らないような外傷でも,当地の医療事情では不測の事態になる可能性があります。

 また輸血製剤の安全性も確立されていないため,緊急時に安全な輸血を受けることは難しいです。

(エ)上気道炎

 冬期は暖房使用により室内が乾燥するため,上気道炎などに罹ると,咳などの症状が長引くことがあります。

(オ)その他の細菌感染

 ブルセラ症・炭疽など,日本ではほとんどみられない感染症も報告されています。ブルセラ症や炭疽は感染動物の肉・乳製品などを介して感染します。

 ブルセラ症は1~3週間の潜伏期の後に,発熱,全身の疼痛感などで発症します。テトラサイクリン系の抗生剤が有効とされています。

(カ)寄生虫感染

 エキノコックス症はウズベキスタンの風土病です。虫卵を含む水,食物を経口摂取することで感染します。シャシリクの生焼きには注意をしてください。

 また,リーシュマニア症がナマンガン,ナボイ,サマルカンド,ジザク各州で報告されています。体長2~3ミリメートルのサシチョウバエの刺咬により原虫が体内に入り感染します。長袖・長ズボンを着用するなど防虫対策の工夫をしてください。

(キ)ウイルス性肝炎・その他のウイルス疾患

 A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎の発生が報告されています。A型肝炎はヒトの糞便で汚染された食物を摂取することで感染します。2~6週間の潜伏期の後に,発熱,倦怠感,食欲不振を訴え典型的な症例では黄疸を認めます。

 また,使い捨て注射針の適正な使用方法の不徹底がB型肝炎,C型肝炎の感染蔓延の原因として懸念されています。さらに,ウズベキスタンはマダニの刺咬で発症するクリミア・コンゴ出血熱の発生地域です。

(ク)結核

 国の報告によると,2017年の結核罹患率は44.9人/人口10万人です。近年,政府は結核診断能力の向上や感染予防対策の強化に努めています。

(ケ)狂犬病

 ウズベキスタンは狂犬病の発生地域です。タシケント市内では野良イヌや野良ネコを頻繁に見かけ,狂犬病ウイルスを保有している可能性もあるため,注意してください。

 イヌやネコなど哺乳動物に咬まれたり,ひっかかれた場合は早めに病院を受診し狂犬病ワクチンの接種を受けてください。

(コ)HIV感染

国の報告によると,2018年時点での国内HIV感染者登録数は約37,000人で,HIV感染者数は人口10万人あたり109人と推定されています。使い捨て注射針の適正な使用方法の不徹底が原因のHIV院内感染も問題となっていますので,病院で採血を行う際は未使用針であることの確認を患者自身が行う必要があります。近年,政府はHIVの院内感染や母子感染の予防強化に努めています。

(サ)有害虫による刺咬傷

 南京虫(トコジラミ)は吸血性の昆虫でウズベキスタンでは珍しくありません。夜間に室内に出没し,眠っているヒトの露出している肌を刺します。刺咬する際に唾液を体内に注入するため,激しいかゆみを伴う発疹などアレルギー反応を引き起こします。病気を媒介することはありません。

 南京虫はカバンなどに潜み,旅行者とともに移動することもありますので注意が必要です。ホテルに着いたら,南京虫のサイン(壁,ベッドシーツの裏,枕の中などに茶色あるいは赤黒い小さな染みの存在)を確認することをお勧めします。サインを認めた場合は部屋を変えてもらうなどの対処が必要です。

 その他,屋内ではダニ,ノミ,サソリ(猛毒ではない)による刺咬にも注意が必要です。また当地は猛毒のクロゴケグモの生息地ですので,山林を歩く際は注意をしてください。

6 健康上心がける事

(ア)洗浄不十分な生野菜,調理不十分な魚介類・肉類の喫食は避けてください。不衛生な屋台での外食は避けてください。

(イ)水道水をそのまま飲用水として用いることは避け,煮沸して使用するかボトル水を使用してください。

(ウ)夏期には熱中症・日焼けなどに注意が必要です。日傘の使用,帽子の着用,水分の携帯をこころがけてください。

(エ)冬期には主に室内での生活となるため運動不足となり,不健康になりがちです。健康維持のために工夫が必要となります。また室内の乾燥に気をつけてください。

(オ)運転中,歩行中ともに交通事故にご注意ください。

(カ)公共施設のトイレは衛生環境が不十分なところが多く見受けられます。紙や手ふきの携帯をお勧めします。

(キ)マスクやバンドエイドなどの機能性の高い衛生用品の購入は困難ですので,日本製品の持ち込みをお勧めします。

(ク)外国で生活をしていると様々な精神的ストレスを感じます。身体の健康ばかりでなく心の健康にも気を配る必要があります。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(ア)赴任者に必要な予防接種(成人,小児)

 入国時に法的に求められる予防接種はありませんが,A型およびB型肝炎,破傷風トキソイドの(追加)接種は当地で生活していく上で最低限必要と思われます。狂犬病については,赴任者の職場環境や行動地域を考慮して,実施の要否を検討ください。

(イ)ウズベキスタンの定期小児予防接種一覧

  初回 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
BCG 生後2~5日 7歳 14歳~15歳      
ポリオ(OPV) 生後2~5日 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 16ヶ月 7歳
DPT 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 16ヶ月    
DT 7歳 16歳        
MMR(麻疹・ムンプス・風疹混合) 12ヶ月 6歳        
B型肝炎 生後1日 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月    
インフルエンザ菌b型(Hib) 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月      

(ウ)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 インターナショナルスクールに入学・編入する時は, 予防接種および接種証明書が求められますので,詳細については希望する学校に予め問い合わせてください。その上で,日本の母子手帳に記載されている接種済みのワクチン名と接種時年齢を確認し,必要があれば下記のTIC(タシケント国際クリニック)などで予防接種を受け,接種証明書を書いてもらうことになります。なお,乳幼児健診については,外国人子弟に対し日本で行われているような健診はありません。下記のTICで乳幼児健診(有料)を受けることができます。

8 病気になった場合(医療機関等)

タシケント市

(1)Tashkent International Clinic (TIC) Ташкентская международная клиника
住所:38, Sarikul street, Tashkent 100105, Uzbekistan
ул. Сарыкуль 38, г. Ташкент, 100105, Республика Узбекистан
電話:午前8:30-午後5:00(99871)291-0142,291-0726,120-1120,120-1144
上記診療時間以外の救急(99890)327-3378,(99871) 291-0142,291-0726
FAX:(99871) 291-2246
ホームページ:http://www.tashclinic.org別ウィンドウで開く
E-mail:tic@tashclinic.org
診療時間:月から金曜日 午前8時半から午後5時まで。土日曜日休診。 概要:原則として,外国人のみ利用できるクリニックで,英語での受診が可能です。 歯科もあります。入院施設はなく,出産・外科手術などは行っていません。日本の診療所程度で,家庭医的な一次的検査治療が行えるのみです。レントゲン検査, エコー検査が可能で,医療機器の多くは西欧製です。西欧製ワクチンの接種が可能, また狂犬病ウイルス免疫グロブリンも常備していますが, 事前に確認する必要があります。なお,査証が失効した場合は診療を受けることはできません。支払い方法はクレジットカードのみです。
(2)VITAMED
住所:109 A, Sh. Rustaveli street, Tashkent Uzbekistan
ул. Ш. Руставели, 109 А, Ташкент, Узбекистан
電話:(99878)129-8181,129-8282,
救急車依頼: (99878) 129-0003
ホームページ:http://vitamed.uz/ru/別ウィンドウで開く
E-mail:info@vitamed.uz
診療時間:月から土曜日 午前8時から17時半まで。日曜日休診。
概要:私立総合病院。インドにあるMedanta 病院のブランチです。医師はウズベク人です。基本,ロシア語あるいはウズベク語対応ですが,英語の通訳がいます。診療科目は内科,神経内科,外科,小児科,産婦人科,歯科等です。重症に対応する大きな手術はできません。ドイツ製Ford社の高機能救急車を所有しており,依頼可能です。MRI,CT,超音波装置(ドイツ製),内視鏡(日本製)など高度検査医療器機が揃っています。ICU 4床と一般病床18床があり入院可能です。支払いは現地通貨(スム)払いです。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ウズベキスタン日本国大使館 ホームページ:
https://www.uz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 医療用語についてはロシア語圏の医療事情或いは「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療ロシア語)をご参照願います。


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