世界の医療事情

ウズベキスタン

令和2年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ウズベキスタン共和国(国際電話国番号998)

2 公館の住所・電話番号

○ 在ウズベキスタン日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan, 1-28, Sadyk Azimov St., Tashkent, 100047, Republic of Uzbekistan
電話:(71)120-8060~63,Fax:(71)120-8075
ウェブサイト:https://www.uz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

ウズベキスタンは二重内陸国(国境を2回越えないと海に出られない国)で、国土は北西から東に細長く延びており、西側は比較的平坦ですが東側は起伏に富み、山地・丘陵・盆地があります。

首都タシケントは、北緯41度20分(青森県津軽半島付近)、標高420~500メートルに位置し典型的な大陸性気候で1日の寒暖の気温差が激しく、夏は40℃前後の気温となり冬はマイナス10℃程度となることがあります。

保健・医療は、独立後の経済困難のため最も整備の遅れている分野の一つで、医療器材・医薬品・衛生用品・医療情報などの医療資源全般が恒常的に不足しています。一般に提供される医療の質は先進国と比較してかなり低く、SOSインターナショナルのトラベルリスクマップ2020でも医療リスク評価の「高い」地域とされています。日本人が安心して手術・出産などが行える入院可能な医療施設はないのが実情です。また、救急システムも遅れており、救急コールをしても実際に救急車が現地に到着するまでにタシケント市内でも1時間以上かかることがあると言われています。したがって、旅行や滞在に際しては海外旅行傷害保険に加入し、万一の受傷・発病の際に受けられる医療(高額な緊急移送を含む)や手続き方法を予め確認しておくことが必要です。

市内の薬局では医薬品の購入は可能ですが、西欧の医薬品の入手は難しく、インド、ロシア、中国で製造された医薬品がほとんどです。医師の処方箋なしで抗生物質を購入できることから多剤耐性結核などの耐性菌発生が問題となっています。また、偽薬の横行も指摘されています。

5 かかり易い病気・怪我

  ウズベキスタン保健省あるいは各州保健局は、どの地域でどのような感染症が流行しているかなどの正確な医療情報を一般市民に提供していません。

(1)下痢症:

 上下水道設備が不十分であり食品衛生管理が徹底されていないため、いわゆる「食あたり」の他、感染性(細菌性・ウイルス性あるいは寄生虫)胃腸炎には一年を通して十分に注意する必要があります。これらの感染症はヒトの糞便などで汚染された食物や水を媒介として感染します。外食時、特に屋台での飲食は十分注意をしてください。また生肉の摂取はやめてください。製造月日が不明な冷蔵管理状況の不良な食品の摂取にも十分注意をしてください。細菌性赤痢・腸チフス・サルモネラ菌を原因とする下痢症あるいはジアルジア(寄生虫)症に罹患する可能性があります。

 細菌性赤痢は1~3日の潜伏期の後に、急激な発熱、下痢などで発症します。腸チフスは10~14日の潜伏期の後に発熱等の症状で発症します。その他徐脈・バラ疹・脾臓が腫れるなどの3主徴が見られることもあります。サルモネラ菌は鶏、豚、牛などの動物の腸管や下水中など自然界に広く分布しています。6~48時間の潜伏期の後に腹痛や下痢、発熱などの症状を呈します。ジアルジア症の病原体はランブル鞭毛虫です。下痢は起こりますが、発熱は多くの場合見られません。

(2)上気道炎:

 冬期は暖房使用により室内が非常に乾燥するため、上気道炎などに罹ると咳などの症状が長引くことがあります。

(3)ウイルス性肝炎:

 食べ物や水から感染するA型肝炎(潜伏期1~2ヶ月)と血液や体液から感染するB型肝炎(潜伏期1~6ヶ月)などがあり、発熱・全身倦怠感・食欲不振などの症状と黄疸が表れます。A・B型肝炎ともに予防接種があります。

(4)エキノコックス症:

 ウズベキスタンの風土病です。虫卵を含む水や食物を経口摂取

 することで感染します。シャシリクの生焼きには注意をしてください。

(5)リーシュマニア症:

 フェルガナ盆地では、蚊よりも小さなサシチョウバエの刺咬により原虫が体内に入り感染するリーシュマニア症が報告されています。長袖・長ズボンを着用するなど防虫対策の工夫をしてください。

(6)結核:

 国の報告によると、2019年の結核罹患率は42.9人/人口10万人です。近年、政府は結核診断能力の向上や感染予防対策の強化に努めています。

(7)クリミア・コンゴ熱:

 クリミア・コンゴ出血熱ウイルスによる出血熱を特徴とする感染症で、このウイルスは哺乳動物とマダニの間で維持されていますが、ヒトはウイルスを有するマダニに咬まれたり、ヒツジなどの家畜を解体する作業中に血液に接触して感染します。死亡率の高い感染症で中央アジアでは毎年発生しています。草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には長袖・長ズボンを着用しマダニに咬まれないよう予防措置を講じる必要があります。

(8)その他の細菌感染:

 ブルセラ症・炭疽など日本ではほとんどみられない感染症も報告されています。ブルセラ症や炭疽は感染動物の肉・乳製品などを介して感染します。ブルセラ症は1~3週間の潜伏期の後に発熱や全身の疼痛感などで発症します。

(9)狂犬病:

 ウズベキスタンは狂犬病の発生国です。タシケント市内では野良犬や野良猫を頻繁に見かけますが、狂犬病ウイルスを保有している可能性があるため接触しないようにしてください。

(10)有害虫による刺咬傷:

 南京虫(トコジラミ)は吸血性の昆虫でウズベキスタンでは珍しくありません。夜間に室内に出没し、眠っているヒトの露出している肌を刺します。刺咬する際に唾液を体内に注入するため激しいかゆみを伴う発疹などアレルギー反応を引き起こします。病気を媒介することはありません。南京虫はカバンなどに潜み、旅行者とともに移動することもありますので注意が必要です。ホテルに着いたら南京虫のサイン(壁、ベッドシーツの裏、枕の中などに茶色あるいは赤黒い小さな染みの存在)の有無を確認することをお勧めします。これらを認めた場合は部屋を変えてもらうなどの対処が必要です。その他、屋内ではダニ、ノミ、サソリ(猛毒ではない)による刺咬にも注意が必要です。当地は猛毒のクロゴケグモの生息地ですので山林を歩く際は注意をしてください。

(11)熱中症・日焼け:

 夏季は気温が40℃前後となり、雨は降らず湿度が低いため炎天下に長時間いると熱中症にかかりやすい状況です。こまめに水分補給を行ってください。日焼けにも十分な対策と注意が必要です。

(12)交通事故:

 道路整備および交通安全対策が不十分な上に交通ルールを順守するという概念が希薄ですので、交通事故には十分注意する必要があります。日本では大事に至らない程度の外傷でも当地の医療事情では不測の事態になる可能性があります。輸血製剤の安全性も確立されてないので緊急時に安全な輸血を受けることは難しいです。

6 健康上心がける事

(1)洗浄不十分な生野菜、調理不十分な魚介類・肉類の喫食は避けてください。不衛生な屋台での外食は避けてください。

(2)水道水をそのまま飲用水として用いることは避け、煮沸して使用するか市販の飲用水を使用してください。

(3)夏期には熱中症・日焼けなどに注意が必要です。日傘の使用、帽子の着用、水分の携帯をこころがけてください。

(4)冬期には室内の乾燥に気をつけ、呼吸器感染症に注意してください。

(5)運転中、歩行中ともに交通事故にご注意ください。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関などについてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 入国時に法的に求められる予防接種はありませんが、A型およびB型肝炎、破傷風トキソイドの(追加)接種は当地で生活していく上で最低限必要と思われます。狂犬病については、赴任者の職場環境や行動地域を考慮して、実施の要否を検討ください。

(2)ウズベキスタンの小児定期予防接種一覧

  初回 2回目 3回目 4回目 5回目
BCG 生後2~5日    
ポリオ(経口) 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 16ヶ月 7歳
ポリオ(不活化) 4ヶ月    
DPT 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 16ヶ月
DT 7歳 16歳      
MMR(麻疹・ムンプス・風疹) 12ヶ月 6歳      
ロタウイルス 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 12ヶ月  
肺炎球菌 2ヶ月 3ヶ月      
B型肝炎 生後1日 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月  
インフルエンザ菌b型(Hib) 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月    
HPV 9~13歳        

(3) 小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 インターナショナルスクールに入学・編入する時は、予防接種および接種証明書が求められますので、詳細については希望する学校に予め問い合わせてください。その上で、日本の母子手帳に記載されている接種済みのワクチン名と接種時年齢を確認し、必要があれば下記のTIC(タシケントインターナショナルクリニック)などで予防接種を受け、接種証明書を書いてもらうことになります。

8 乳児健診

 乳幼児健診については外国人子弟に対し日本で行われているような健診はありません。下記のTICで通常の診療として乳幼児健診(有料)を受けることができます。

9 病気になった場合(医療機関等)

 受診時には必ずパスポートを持参してください。
 ウズベキスタンでは、夜間休日の時間帯には私立病院は外来対応をしていません。また、緊急かつ高度な処置が必要な重症患者への対応ができるのは公立病院に限定されています。

◎救急車を依頼する場合

 公的救急車「103」はロシア語又はウズベク語対応のみです。公立医療機関に搬送されます。

◎タシケント市

(1)Tashkent International Clinic (TIC)
Ташкентская международная клиника
所在地:38, Sarikul street, Tashkent 100105, Uzbekistan
所在地(露語):ул. Сарыкуль 38, г. Ташкент, 100105, Республика Узбекистан
電話:08:30~17:30は(71)291-0142, 291-0726, (78)120-1120, 120-1144
時間外救急は(90)327-3378, (71) 291-0142, 291-0726  
ホームページ:https://www.tashclinic.org/別ウィンドウで開く
診察時間:月~金曜日08:30~17:30、土・日曜日休診
概要:原則として外国人のみ利用できるクリニックで英語での受診が可能です。歯科もあります。入院施設はなく出産・外科手術などは行っていません。日本の診療所程度で家庭医的な一次的検査治療が行えるのみですが、入院が必要な場合には他の病院への手配をしてくれる他、国外への緊急移送の実績もあります。レントゲン検査、超音波検査が可能で医療機器の多くは西欧製です。西欧製ワクチンや狂犬病ウイルス免疫グロブリンを常備していますが、事前に確認する必要があります。なお、査証が失効した場合は診療を受けることはできません。支払い方法はクレジットカードのみです。
(2) VITAMED Medical
所在地:109 A, Sh. Rustaveli street, Tashkent Uzbekistan
所在地(露語):ул. Ш. Руставели, 109 А, Ташкент, Узбекистан
電話:(78)129-8181,129-8282
救急車依頼:(78) 129-0003, 1063(4桁番号)、24時間対応
ホームページ:https://www.vitamed.uz/ru/別ウィンドウで開く
診察時間:月~土曜日08:30~17:00、日曜日休診
概要:私立総合病院。インドにあるMedanta 病院のブランチです。医師はウズベク人でロシア語あるいはウズベク語対応ですが、事前に連絡して英語通訳を頼むことが可能です。診療科目は内科、神経内科、外科、小児科、産婦人科、歯科等です。重症患者や救急には対応していません。ドイツ製Ford社の高機能救急車を所有しており、依頼可能です。MRI、CT、超音波検査装置(ドイツ製)、消化管内視鏡(日本製)など高度検査医療器機が揃っています。ICU 4床と一般病床18床があり入院可能です。支払いは現地通貨(スム)払いです。VITAMEDの救急車は24時間対応ですが、重症患者、脳卒中や心臓発作の人は入院不可です。また、現時点ではPCR検査陰性の人しか入院できません。入院治療は胆嚢炎、膵炎、胃十二指腸潰瘍、泌尿器科疾患が主となっています。
(3) AKFA Medline
所在地:5A, Kichilk Khalqa yuli Street, Almazar District, Tashkent
所在地(露語):5А, ул. Кичик халка йули, Тошкент
電話:(71) 203-3003
ホームページ:http://www.akfamedline.uz/en/別ウィンドウで開く
診察時間:月~金曜日08:30~17:00、土曜日08:30~14:00、日曜日休診
概要:ウズベキスタン資本の私立病院で最新の医療機器がそろっています。外国人には高額な外国人料金の設定がありますが、診療レベルやサービスが特に優れているというわけではありません。政府要人等が入院することでも知られています。

10 その他の詳細情報入手先

在ウズベキスタン日本国大使館 ホームページ:https://www.uz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html/別ウィンドウで開く

11 一口メモ

「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療ロシア語)をご参照願います。

12 新型コロナウイルス関連情報

(1)病院

 2020年10月現在、ウズベキスタンでは公立病院の一部と、政府によって認可された私立病院がPCR検査で陽性の新型コロナウイルス感染症の患者を治療しています。軽症者は入院ではなく自宅療養の場合もあります。タシケント以外の州では私立病院はCOVID-19に対応していません。

 タシケント市のCOVID対応私立病院は、10カ所ほどありますがAKFA MEDLINEやCITYMED CLINICなどが外国人には利用しやすいと思われます。

(2)PCR検査

 公立の検査施設以外では、タシケント市で以下の場所でPCR検査を受けることができます。営業時間や対応状況はその都度確認が必要です。

     
  • TIBBIYOT DUNYOSI   電話:71-277 0069, 71-277 5090
  •  
  • VITROS DIAGNOSIS   電話:71-200-5002, 95-198 0091
  •  
  • GENPTEXNOLOGIYA   電話:93-376 8051
  •  
  • SWISS LAB    電話:97-722 7788
  •  
  • HI-TECH LABORATORIES   電話:71-295 0808, 71-295 0014
  •  
  • INTERMED Innovation   電話:78-148 2288 Alay市場の駐車場にあり抗体検査も可能
  •  
  • VITAMED Medical   電話:97-703 5020

(3)衛生用品の入手

 タシケント市には至る所に薬局があり、マスクや50mL入り消毒用70%エタノール(露語でспирт)を購入することができます。市場の入り口等でもマスク、消毒薬(70%エタノールではなく混合物)の販売をしていることがあります。マスクの品質は様々です。


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