世界の医療事情
スロベニア
1 国名・都市名・国際電話番号
スロベニア共和国(国際電話番号386)
2 公館の住所・電話番号
- 在スロベニア日本国大使館
- 住所:Trg republike 3 / XI, SI-1000 Ljubljana, Republic of Slovenia
- 休館日:毎週土曜日、日曜日、祝日
- 電話:(01)-200-8281、(01)-200-8282
3 医務官駐在公館ではありません
在セルビア日本国大使館医務官が担当
4 衛生・医療事情一般
旧ユーゴスラビアの一角にありながら地理的に最も西欧に近く経済的にも恵まれていたこともあり、衛生状態は良好で医療水準は先進国並みに高いレベルにあります。水道水は安全に飲用できます。医療施設は公立と私立があり、公立は国民健康保険でカバーされているため、患者が多く混みあっています。一方、私立病院の環境は良く待ち時間も少なくてすみますが、扱われていない診療内容も多く、医療費は高額となります。歯科、薬局ともに西欧と同等でともに問題ありません。英語が良く通じます。
5 かかり易い病気・怪我
(1)感冒
冬は風邪やインフルエンザが流行します。
(2)ダニ媒介性脳炎
中部、東部ヨーロッパを中心にダニを媒体として感染するウイルス性脳炎があります。当国も汚染地区となっており、そのダニはリュブリャナ市内の公園にも生息しています。春先から秋にかけて発症することが多く、咬まれたら必ず発症する訳ではありませんが、感冒様の症状が3から14日目から出始め、数週間後に発熱、頭痛、麻痺、意識障害等の脳炎症状を起こすことがあります。重症例は後遺症を残したり、死亡したりするケースもあります。ワクチンによる予防が有効で、日本国内のトラベルクリニック等で接種を受けることができます。
6 健康上心がけること
日照時間が長い夏は睡眠不足で疲れやすく、逆に日照時間が短い冬は暗くて寒いのでうつ状態になりがちです。環境に自分の生活を上手に適応させることが大切です。
7 予防接種(ワクチン接種機関含む)
(1)赴任者に必要な予防接種
入国のために必要な予防接種はありません。長期滞在の予定の方には、成人では、A型肝炎、B型肝炎、破傷風の予防接種を、小児では、日本の定期接種の他にA型肝炎を勧めています。
ダニ媒介性脳炎には合計3回(1回目 2回目:初回投与後およそ1か月後前後 3回目:初回投与後およそ12か月後前後)の予防接種が必要です。スロベニアでは本接種は任意ではありますが定期接種同様、接種機会が提供されています。日本では製造・販売されていないワクチンですが、一部の渡航医学外来の有る医療機関では接種が可能です。また、現地ではオーストリア製ワクチンの接種が可能です。また注文すれば、一般薬局での購入も可能です。
(2)現地の小児定期予防接種
ワクチンの接種スケジュールはたびたび変更されています。最新の情報はVaccine Scheduler(英語)などでご確認ください。
対象の感染症 | 結核 | B型肝炎 | DTP (ジフテリア 破傷風 百日咳) |
ポリオ | ヘモフィルス·インフルエンザb型 | 肺炎球菌 ワクチン |
麻疹 流行性耳下腺炎 風疹 |
ヒトパピローマウイルス | ダニ脳炎 |
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出生時 | BCG(注1) | HepB(注2) | |||||||
3か月 | HepB | DTaP | IPV | PCV13 | |||||
5か月 | HepB | DTaP | IPV | Hib | PCV13 | ||||
6か月 | Hib | ||||||||
11から18か月 | HepB | DTaP | IPV | Hib | PCV13 | MMR | |||
2歳 | |||||||||
3歳 | TBE(注4) | ||||||||
5から6歳 | HepB | MMR | |||||||
8歳 | DTaP | ||||||||
11から12歳 | HPV(注3) | ||||||||
15から17歳 | DTaP |
- (注1)過去5年間に結核の発生率が高い国からスロベニアに移住した移民家族の新生児に必須。
- (注2)B型肝炎に感染した母親から生まれた乳児に必須:最初の接種は生後12時間以内に行い、その後は生後1か月、3か月、5か月、11から18か月に接種する。
- (注3)2回接種。女子だけではなく男子にも推奨されている。
- (注4)3回接種
(3)乳児健診
日程:受診希望日の約1週間前に電話予約(01-242-0700)
施設:バルソス・クリニック
8 病気になった場合(医療機関等)
一般医及び専門医は多くの場合予約制となっています。救急時は大学病院の救急センターが対応しています。
(首都)リュブリャナ
一般診療
- (1)バルソス・クリニック(Barsos Medical Center)(私立病院)
- 所在地:Gregorčičeva ulica 11, 1000 Ljubljana
- 電話:(01)433 30 15(予約用)
- 概要:Barsos Medical Centerは、個別の患者ケアに重点を置いたプライベート医療施設として知られています。高品質な医療サービスを提供することを目指しており、外国人患者も多く受診します。診療科には、内科、外科、整形外科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、婦人科、泌尿器科、神経科、心臓科、リハビリテーション、検診センターなどがあり、幅広い医療サービスを提供しています。特に、予防医療と健康診断に力を入れています。診療時間は、月曜日から金曜日7時から19時、土曜日8時から12時まで開院しています。日曜日と祝日は休診となっています。支払い方法については、現金、クレジットカード、デビットカード、銀行振込が利用可能です。
- (2)リュブリャナ大学病院(University Medical Centre Ljubljana / Univerzitetni Klinični center Ljubljana(UKL))(公立病院)
- 所在地:Zaloška cesta 2, 1000 Ljubljana
- 電話:(01)-522-5050
- 概要:University Medical Centre Ljubljanaは、スロベニア最大かつ最も重要な医療機関の一つであり、国内外から多くの患者を受け入れています。大学病院として、高度な医療技術と最新の設備を備えており、研究と教育の拠点でもあります。診療科としては、内科、外科、産婦人科、小児科、精神科、眼科、耳鼻咽喉科、神経科、皮膚科、放射線科、リハビリテーション科、歯科、救急医療など、多岐にわたる専門分野をカバーしています。特に、心臓外科や神経外科、腫瘍学においては高い評価を受けています。診療時間は、診療科や部署によって異なりますが、多くの外来診療は平日朝から夕方まで行われています。救急部は24時間対応。救急部門以外は紹介患者を中心に受け入れています。支払い方法については、現金、クレジットカード、デビットカードの利用が可能です。
9 その他の詳細情報入手先
- 大使館ホームページ:在スロベニア日本国大使館
10 一口メモ(もしもの時の現地語)
- 医師:zdravnik ズドラウニック
- 薬局:lekarna レカルナ
- 飲み薬:zdravilo ズドラヴィーロ
- 座薬:svečka スヴェーチカ
- 注射:injekcija イニェクツィヤ
- 頭痛:glavobol グラヴォボル
- 胸痛:bolečina v prsih ボレチナ ウ プルスィフ
- 腹痛:bolečina v trebuhu ボレチナ ウ トレブッフ
- 下痢:driska ドリスカ
- 発熱:vročina ヴロチーナ
- 吐き気:slabost スラボスト
- 傷:rana ラーナ
- 気分が悪い:Slabo se počutim スラボ セ ポチュティム
- 病院へ連れて行ってください:Odpeljite me v bolnico オドペリィテ メ ウ ボルニツォ
- 風邪をひいた:Prehladil(a) sem se プレフラディウ(女性はプレフラディラ) セム セ
- 下痢をした:Imam drisko イマム ドリスコ
- めまいがする:Vrti se mi ヴルティ セ ミ
- ここが痛い:Tukaj me boli トゥカイ メ ボリ