世界の医療事情
スロバキア
1 国名・都市名(国際電話番号)
スロバキア共和国(国際電話番号421)
2 公館の住所、電話番号
- 在スロバキア日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
- 住所:Hlavne namestie 2 813 27 Bratislava
- 電話:+421-2-5980-0100
- ホームページ:在スロバキア日本国大使館
(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。
3 医務官駐在公館ではありません
在オーストリア日本国大使館医務官が担当
4 衛生・医療事情一般
スロバキアは欧州中央に位置する内陸国で、冬季の平均気温は零度前後、夏季の平均気温は20度前後です。医療施設は一応整っており、ある程度の水準に達しています。しかし、英語が通じにくく、病院のシステムやサービスはあまり合理的ではありません。受診に長時間待たされることもあります。医療費は外国人については実費払いで、西欧諸国に比べると費用は安いのですが、別途手数料を求める私立病院もあります。水道水は飲用できますが、場所によっては水道管が錆びていて鉄分や鉛成分が多く含まれている可能性があります。薬局の数は多く、在庫も十分にあり、処方箋無しで購入できる薬も少なくありません。歯科治療は西欧に比較して遜色ありません。
5 かかり易い病気・怪我
(1)感冒
冬期は風邪の他に季節性インフルエンザが流行します。
(2)ダニ媒介性脳炎
春先から秋にかけて、森林の中でダニに咬まれることにより感染し脳炎をおこすもので、死亡したり、後遺症を残したり例もあります。感冒に似た症状が3から14日目から出始め、数週間後に発熱、頭痛、麻痺、意識障害等の脳炎症状を起こします。治療法はなく、ダニに咬まれないような服装(帽子、長袖、長ズボン)や忌避クリームの塗布などを心がけてください。ワクチン接種が唯一の予防策です。日本国内のトラベルクリニックで接種を受けることができます。
6 健康上心がけること
日照時間が長い夏は睡眠不足で疲れやすく、逆に日照時間が短い冬は暗くて寒いこともあって抑うつ状態になりがちです。環境に自分の生活を上手に適応させることが大切です。また、日中でも天候や気温の変化が激しいので、雨具の携帯や衣服の着脱をこまめにするなどの留意をしてください。
7 予防接種(ワクチン接種機関含む)
(1)赴任者に推奨する予防接種
A型肝炎、B型肝炎、破傷風のワクチン接種を薦めます。風土病であるダニ媒介性脳炎のワクチンは合計3回(2回目:初回接種1から3か月後、3回目:2回目接種9から12か月後)の接種が必要です。現地の医療機関で接種できます。2024年9月から、本邦でもダニ媒介性脳炎ワクチンの接種ができるようになりました。
(2)現地の定期予防接種一覧(2024年1月)
生後 | DTaP | IPV | Hib | B型肝炎 | MMR | 肺炎球菌 | BCG | dT |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3か月 | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | |||
5か月 | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | |||
11か月 | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | ○(注1) | |||
15から18か月 | ○(注2) | |||||||
5歳 | ○(注2) | |||||||
6歳 | ○(注3) | ○(注3) | ||||||
11歳 | ○(注2) | |||||||
13歳 | ○(注3) | ○(注3) | ||||||
30歳 | ○(注4) |
D:ジフテリア、T:破傷風、aP:無菌体百日咳、IPV:不活化ポリオ、Hib:インフルエンザ菌b型、d:追加接種用の低容量ジフテリア、MMR:麻疹・風疹・流行性耳下腺炎
- (注1)6種混合ワクチン(DTaP+IPV+Hib+B型肝炎)
- (注2)3種混合ワクチン(麻疹、風疹、流行性耳下腺炎)、単独のワクチンはありません。2024年以降、MMR接種は、15から18か月と5歳の2回となりました。
- (注3)4種混合ワクチン(dTaP+IPV)
- (注4)dTの追加接種は15年毎
8 病気になった場合(医療機関等)
電話番号「112」で救急車を依頼すると国立病院に搬送されますが、そこは英語対応ができないこともあって、結局は英語で対応できる私立病院を自力で受診することになります。しかし、そこでも時間外や休日になると、英語対応ができないことや、スタッフの数と質において緊急対応ができないことがあります。状況は徐々に改善されつつありますが、在留外国人の間では、車で20分のハインブルク(オーストリア側国境の町)や1時間のウイーンまで行く人も少なくありません。ただし、救急車は国境を越えてオーストリア側までは行くことが出来ないため、注意が必要です。
(首都)ブラチスラバ
- (1)AMC(American Medical Centers)
- 所在地:Einsteinova 3541/24, 851 01 Petržalka
- 電話番号:0901 919 955
- ホームページ:AMC(American Medical Centers)(英語)
- 概要:2024年5月開院、ブラチスラバで唯一の英語が通じる医療機関。アメリカでの診療経験がある内科医が勤務している。一般内科の他、小児科、婦人科の診療を行っている。診療には予約が必要。
- (2)Nemocnica Bory - Penta Hospitals
- 所在地:Ivana Kadlečíka 2,Lamač, Bratislava
- 電話番号:0950 105 510
- ホームページ:Nemocnica Bory - Penta Hospitals(スロバキア語)
- 概要:約400床、ほぼ全科の診療をしている民間総合病院。24時間年中無休の救急外来がある。比較的英語が通じる。
- (3)Landeskrankenhaus Hainburg
- 所在地:Hofmeisterstraße 70, 2410 Hainburg (Austria)
- 電話:+43-2165-9004-0
- ホームページ:Landeskrankenhaus Hainburg(ドイツ語)
- 概要:ブラチスラバ中心部から車で20分程度のオーストリア側国境にある地域総合病院。24時間の救急対応をしていますが、時間外は英語が通じないことがあります。
9 その他の詳細情報入手先
- ホームページ:在スロバキア日本国大使館
- 渡航者のための医療情報:COVID-19. NOTICE TO ALL TRAVELERS(英語)
10 一口メモ
- 医師:lekár(医者が男性の場合:レカール)、lekárka(女性の場合:レカールカ)
- 飲み薬:liek(リエク)
- 坐薬:rektálny čapík(レクタールニー チャピーク)
- 注射:injekcia, striekačka(インイェクツィア 又は ストゥリエカチカ)
- 頭痛:bolesť hlavy(ボレスチ フラヴィー)
- 胸痛:bolesť na hrudi(ボレスチ ナ フルディ)
- 腹痛:bolesť brucha(ボレスチ ブルハ)
- 下痢:hnačka(フナチカ)
- 発熱:teplota, horúčka(チェプロタ 又は ホルーチカ)
- 吐き気:nevoľnosť(ニェヴォリュノスチ)
- 傷:rana, poranenie(ラナ、ポラニェニエ)
- 気分が悪い。:cítim sa zle, som chorý/á ツィーティム サ ズレ、又はソム ホリー(患者が男性の場合)/ホラー(患者が女性の場合)
- 病院へ連れて行ってください。:Mohli by ste ma odviesť do nemocnice, prosím?(モフリ ビ スチェ マ オドヴィエスチ ド ニェモツニッツェ プロスィーム?)
- 風邪をひいた。:prechladla som / prechladol som(患者が女性の場合:プレフラドラ ソム/患者が男性の場合:プレフラドルソム)
- めまいがする。:mám závrat(マーム ザーヴラット)
- ここが痛い。:tu ma bolí(トゥ マ ボリー)