世界の医療事情

ルーマニア

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ルーマニア(国際電話国番号40)

2 公館の住所・電話番号

在ルーマニア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:8th floor, America House East Wing, Sos. Nicolae Titulescu, Nr.4-8, Sector 1, Bucharest
電話:021-319-1890 / 021-319-1891
ホームページ:http://www.ro.emb-japan.go.jp/index_j.htm別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在イタリア日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 首都ブカレストは北海道の北端とほぼ同緯度に位置します。年間の寒暖差が大きく,冬の平均気温は-1℃ですが時に-20℃近くまで低下することもあります。一方,夏の平均気温は24℃ですが,時に40℃に達する日もあります。

 上水道配管の保守が悪く,水道水が混濁していることがありますので注意してください。一部のレストランや屋台では食品衛生管理が十分でないことがあります。特に夏場は食中毒に注意してください。

 EU加盟後も当国の医療状況は改善されておらず,専門性が求められる高度医療においては,未だ西欧先進諸国の水準には至りません。医師流失や財政状況の悪化等が背景にあると考えられますが,特に国公立病院は老朽化が進んでおり,邦人が受診・入院する際には著しいストレスを感じるかもしれません。国公立病院の医師はある程度英語を話しますが,看護師や受付職員との対応にはルーマニア語が必須です。ブカレストや一部の地方都市では,近年新しい私立医療機関が増えており,24時間体制で救急対応を行っている病院もあります。これらの病院では多くの部署で英語が通じます。

 国公立・私立病院ともに,大きな手術や専門的治療が可能な施設は限られるため,重篤な病気や怪我の治療が必要な場合は,周辺の医療先進国か日本への移送が望まれます。移送には高額な費用が必要となりますので,渡航前に緊急移送特約付き海外旅行傷害保険への加入をお勧めします。在留邦人の方で当国の公的医療保険に加入している場合,国公立病院では無料で診療を受けられることが建前です。また,公的医療保険加入者が,定められた家庭医を受診する場合には,私立クリニックでも一定額の治療費が公費でまかなわれます。しかし, 昨今の当国の医療財政は非常に厳しく,場合によっては正規の料金以外の支払いを請求されることもあり得ます。

 私立の医療機関の請求は概して明瞭で,サービスもある程度の水準に達しています。但し,受診の際には現金またはクレジットカードでの支払い保証を求められます。海外旅行傷害保険のキャッシュレスサービスに対応できる病院は少ないですが,今後対応可能となることもあり得ますので,受診前に保険会社に確認すると良いでしょう。

5 かかり易い病気・怪我

(1)交通事故

 運転マナーは極めて悪く,道路整備も十分に行われていないため,交通事故が頻発しています。運転中のみならず,歩行中にも十分な注意が必要です。

(2)犬咬傷・狂犬病

 当国には野犬が多く,犬に咬まれる方が後を絶ちません。過去には在留邦人の方が犬咬傷でお亡くなりになられた事例もあります。また当国は狂犬病感染リスクの高い国であり,キツネ等の野生動物や犬,猫等から狂犬病ウイルスが検出されています。潜伏期は通常1~3カ月と長く(1年以上の場合もあります),臨床症状として頭痛,発熱,倦怠感,咬傷部位の熱感・掻痒感・知覚異常等の前駆症状が数日間見られた後,脳炎症状を呈し,狂水症・狂風症といった特徴的症状へ進展します。発病した場合の死亡率はほぼ100%です。

 動物を身近に扱う方には狂犬病ワクチンの曝露前(事前)接種が強く推奨されます。動物に咬まれた,引っ掻かれた,あるいは粘膜や傷を舐められた場合には直ちに創部の洗浄・消毒を行った後,病院を受診し,要すればワクチンや免疫グロブリンの治療を受けてください。曝露前接種を受けている方も曝露後(事後)接種が必要です。ブカレスト市内では,国立感染症研究所あるいは一部の私立クリニックでの接種が可能です(下記8「病気になった場合(医療機関)」参照)。地方在住の方は,各地域の狂犬病ワクチン接種医療機関を受診してください。同医療機関リストは当館ホームページの領事・安全関連情報「野犬に注意」から入手できます。

(3)麻疹(はしか)

 麻疹は伝染性の強い急性発疹性のウイルス感染症で,空気感染や飛沫感染などにより感染します。これまで予防接種を受けていない方や,1回しか接種を受けていない方には,麻しん・風しん混合ワクチンの接種が勧められます。

(4)ダニ媒介性脳炎

 ヨーロッパからロシア極東・北海道に広く分布するダニを介するウイルス性中枢神経系感染症です。流行期は春~秋で,感染したマダニ類の刺咬により感染します。潜伏期は7~14日程度とされます。その他,山羊・羊・乳牛から採取された未殺菌のミルクや加工乳製品の摂取による感染の報告もあります。この場合の潜伏期間は短く,1~2日程度です。発熱,倦怠感,頭痛,悪心・嘔吐などが見られた後(第1期),数日間の無症候期を経て,第1期で症状を呈した方の約3分の1が中枢神経系の障害へと進展します(第2期)。死亡率は少なくとも1%以上と報告されています。

 当国の北西部地域や周辺諸国で多くの患者が発生しています。本疾患に対するワクチンの予防効果は高く,特に流行地域で農作業や森林事業に従事する方,郊外や森林でハイキングやキャンプをする方,アウトドアスポーツをする方にはワクチン接種が推奨されます。本ワクチンは日本国内未承認であるため,本邦で接種する場合は輸入ワクチンを扱っているトラベルクリニックを受診する必要があります。有効レベルの抗体価ができるまで数週間を要しますので,早めに接種計画を立ててください。

(5)ライム病

 ダニ媒介性脳炎と同様マダニが媒介する感染症で,当国での発生も認められています。潜伏期は数日~数週間で,刺された部位を中心とした特徴的な皮膚症状,発熱,リンパ節腫脹,関節炎が見られ,次第に皮膚症状が拡がった後,慢性的に倦怠感,筋肉痛,神経症状が継続することがあります。病原菌であるスピロヘータには各種抗生剤が有効ですが,ワクチンはありません。

(6)花粉症

 春から夏にかけては多数の樹木の花粉が飛散します。この時期に当地に滞在される方はマスクや治療薬を本邦から持参されることをお勧めします。

6 健康上心がける事

(1)真夏には熱中症対策を,冬には十分な防寒対策をしてください。

(2)上水道の保守が不十分な場合があり,また硬水のため下痢を起こしやすいので,飲用には市販のミネラルウォーターの使用が推奨されます。

(3)動物には近づかない,刺激しない,餌をやらない等の注意をしてください。夜間の公園や高速道路のパーキングエリア等に餌を求めて野犬の群れが徘徊していることがあります。

(4)野外活動時にはダニに刺されないよう注意してください。皮膚の露出を減らし,靴下・靴の着用が必要です。防虫剤の使用も有効です。

(5)A型肝炎発生率は低くなってきていますが,西欧先進国と比較するとある程度のリスクが存在します。予防には手洗い,加熱したものを食べる習慣付けに加えてワクチン接種が推奨されます。

(6)高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に関しましては,2005年に当国東部のドナウ・デルタ地域で鳥への感染が確認され,至近では2010年3月に鳥への感染が報告されています。ドナウ・デルタは渡り鳥が多い地域でもあり,今後も流行する危険性が存在します。滞在前には最新の流行状況をご確認ください。

(7)常備薬を携行しましょう。当地で購入できる医薬品は日本と常用量の設定が異なっている場合も多く,使用の際には注意が必要です。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 成人・小児とも,本邦からの入国に際して必要な予防接種はありません。

  • 成人(推奨):A型肝炎,B型肝炎,破傷風。
    (注)麻しん,ダニ媒介性脳炎,狂犬病ワクチンに関しては,上記5「かかり易い病気・怪我」を参照してください。
  • 小児(推奨):日本で行われている予防接種に加え,A型肝炎,B型肝炎,(狂犬病)。

(2)当地の小児定期予防接種一覧

初回2回目3回目4回目5回目6回目
DPT(DT)2か月4か月6か月1歳4歳14歳
ポリオ(IPV)2か月4か月6か月1歳9歳
Hib2か月4か月6か月1歳
MMR1歳7歳
B型肝炎出生時2か月 6か月
BCG2-7日

(注)DPT,ポリオ(IPV:不活化ワクチン),Hibの1~4回目は混合ワクチンを使用します。

(注)Hib:インフルエンザ菌b型

(注)MMR:麻しん・おたふくかぜ・風しん混合ワクチン

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証書

 現地校入学時に予防接種証明の提出を求められますので,母子手帳を基に同証明書を準備することをお勧めします。

8 病気になった場合(医療機関等)

ブカレスト

私立病院

 ブカレストには大手の私立病院グループがいくつかあります。各々の病院グループが市内に複数の病院や外来専門クリニックを有しています。以下では,大使館事務所周辺の医療施設を中心に記載します。診療科の時間割は随時変動しますので各病院グループのコールセンターに電話をして診察や検査の予約をしてください。各コールセンターは英語が通じますが,日本語に対応しているところはありません。受診の際には現金またはクレジットカードでの支払い保証が必要です。

(1)Spital Sanador
所在地:Str. Sevastopol, nr.9, Sector 1, Bucureʂti
電話:021-9699(コールセンター),FAX:021-206-3414
ホームページ:http://www.sanador.ro別ウィンドウで開く
概要:私立サナドール病院グループの基幹病院です。24時間救急対応しており,入院や手術が可能です。上記コールセンターで救急車や往診の手配ができます。100メートル程離れた所に下記(2)の外来・検査専門病院がありますので,間違えないようにしてください。
(2)Policlinica Sanador Victorei
所在地:Str. Dumitru Sergiu, nr.26-28, Sector 1, Bucureʂti
電話:021-9699(コールセンター),FAX:021-206-3414
ホームページ:http://www.sanador.ro別ウィンドウで開く
概要:前述のSpital Sanadorの外来・検査部門です。ほぼ全科対応(歯科併設)しています。診療時間は月~土曜日8時~21時。専門科受診の際はコールセンターで事前に予約してください。
(3)Spitalul Euroclinic
所在地:Calea Floreasca, nr.14A, Sector 1, Bucureʂti
電話:021-9268(コールセンター),021-9208(救急),FAX:021-231-3525
ホームページ:http://www.reginamaria.ro別ウィンドウで開く
概要: Reţeaua Privatǎ de SǎnǎtateRegina Maria病院グループ)の基幹病院の一つで,24時間救急対応しており,入院や手術が可能です。診療時間は基本的に月~金曜日の7時30分~20時,土曜日は8時~14時です。受診の際はコールセンターで予約をしてください。
(4)Spitalul de Pediatrie MedLife Bucureʂti
所在地:Str. Zagazului, nr.7, Sector 1, Bucureʂti
電話:021-9646(コールセンター)
ホームページ:http://www.medlife.ro別ウィンドウで開く
概要:全国展開している病院グループが運営するブカレストの小児病院です。邦人居住区域にあり,邦人の方々が利用することもあります。英語が通じます。この小児病院以外にも多くの外来専門クリニックや病院がありますので,まずはコールセンターに問い合わせをするか,ホームページをご覧ください。

公立病院

(1)Spitalul Clinic de Urgenţǎ Floreasca
所在地:Calea Floreasca, nr.8, Sector 1, Bucureʂti
電話:021-599-2300 / 021-599-2308,FAX:021-599-2257
概要:国立救急病院で,24時間対応しています。但し,小児,感染症患者は受け付けていません。当国の国公立病院の中では最も設備が充実しています。常時混雑していますので,重症度によっては長時間待たされる場合があります。
(2)Spitalul de Copii Grigore Alexandrescu
所在地:Blvd. Iancu de Hunedora, nr.30-32, Sector 1, Bucureʂti
電話:021-316-9366, 021-316-9372,FAX:021-312-7938
概要:小児専門の国立救急病院です。24時間対応で夜間,休日でも予約なしで受診可能です。但し,非常に混んでいますので,重症度によっては長時間待たされる場合があります。
(3)Spitalul Clinic de Urgenţǎ pentru Copii “M.S.Curie”
所在地:Blvd. Constantin Brancoveanu, nr.20, Sector 4, Bucureʂti
電話:021-460-4260,FAX:021-460-1260
概要:ブカレスト市内南部にある小児専門の国立病院です。24時間対応,夜間・休日でも予約なしで受診可能です。但し,非常に混んでいますので,重症度によっては長時間待たされる場合があります。
(4)Institutul Naţional de Boli Infecţioase “Prof. Dr. Matei balʂ”
所在地:Str. Dr. Calistrat Grozovici, nr.1, Sector 2, Bucureʂti
電話:021-201-0980,FAX:021-318-6090
概要:国立感染症研究所内の狂犬病ワクチン接種医療施設。24時間対応しています。場所が分かりづらいので, 受診される際は当館ホームページの領事・安全関連情報「野犬に注意」に掲載されている地図をご利用ください。

歯科

(1)Arhident (Cabinet Stomatologic)
所在地:Str. Lt.Com, Av. Dumltru Darian, nr.5, Sector 1, Bucureʂti
電話:021-231-1324,FAX:021-230-7180
概要:歯科診療所。新潟大学歯学部で研修した日本語が話せる歯科医師がおり,日本人のアシスタントもいます。診療時間は月~木曜日13時~17時30分,金曜日9時~14時30分です。日本語での対応を希望される場合まずは電話にて確認してください(現在は火・水・金曜日のみ対応)。
(2)Dent-a-America
所在地:Str.Varsovia, nr.4, Sector 1, Bucureʂti
電話:021-230-2826,021-230-2608,FAX:021-230-2827
概要:設備が充実した歯科医院です。診療時間は月~金曜日8時~20時、土曜日8時~14時です。英語での受診が可能です。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ルーマニア日本国大使館:http://www.ro.emb-japan.go.jp/別ウィンドウで開く

(2)厚生労働省検疫所FORTH:http://www.forth.go.jp/別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

  • 医師:doctor(ドクトール)
  • 飲み薬:medicamente(メディカメンテ)
  • 注射:injectie(インジェクツィエ)
  • 頭痛:durere de cap(ドゥレーレ デ キャップ)
  • 腹痛:durere de stomac(ドゥレーレ デ ストマック)
  • 胸痛:durere in piept(ドゥレーレ ウン ピエプト)
  • 下痢:diaree(ディアレー)
  • 発熱:temperatura(テンペラテゥーラ)
  • 吐き気:greata(グレアーツァ)
  • 傷:rana(ラーナ)
  • 具合が悪い。:Mi-e rau.(ミエ ラウ)
  • 病院へ連れて行ってほしい。:Duceti-ma la spital.(ドゥチェチ マ スピタール)
  • 受付はどこですか?:Unde este receptia?(ウンデ エステ レチェプツィア)

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