世界の医療事情

令和6年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 モンテネグロ(国際電話番号382)

2 公館の住所・電話番号

在セルビア日本国大使館(兼轄)
住所:Trešnjinog Cveta 13, 11070 Novi Beograd, Serbia
休館日:毎週土曜日、日曜日
電話:(011)-301-2800

4 衛生・医療事情一般

 モンテネグロはバルカン半島に位置する小さな国で、人口約62万人(2024年現在)です。首都はポドゴリツァで、衛生状況は概して良好、医療インフラも比較的発展していますが、国全体の医療水準は欧州連合加盟国に比べてやや劣ると言えます。医療制度は主に公的機関によって運営されており、私立のクリニックも存在しますが、国が小さいこともあり特定の高度医療を必要とする場合には、近隣のセルビアやクロアチア、もしくは欧州諸国への移送が必要になることもあります。モンテネグロの医療費は、外国人には比較的高額となる場合があります。モンテネグロ市民は公的医療保険に加入しており、一部の医療サービスを無料で受けることができますが、外国人旅行者や滞在者は全額自己負担となる場合が多いです。そのため、旅行保険や国際医療保険に加入しておくことを強くお勧めします。

5 かかり易い病気・怪我

 モンテネグロ特有の感染症や疫病はありませんが、節足動物を媒介とする日本ではほとんどみられない感染症(例:ダニ媒介性脳炎、ライム病、西ナイル熱)が比較的少数例ではありますが発生しています。同じく近年日本でみられない齧歯類が媒介するウイルス感染症である腎症候性出血熱も2022年には4例発生しています。

 モンテネグロを含む西バルカン諸国では、一般的に日本と比べるとかなり車の運転が荒く、交通事故に巻き込まれないよう注意する必要があります。実際に邦人旅行者が巻き込まれた交通事故が報告されています。

6 健康上心がけること

 首都のポドゴリツァ付近は日本の札幌とほぼ同緯度ですが、夏は日差しが強いので紫外線対策が必要です。また、バルカン地域は一般的に冬期に大気の質が極端に低下する傾向があり、呼吸器や循環器に負担のかかることがあるので注意が必要です。また、水道水は硬水ということもあり一般的に飲用に最適とはいえず、軟水のミネラルウォーターの使用が無難です。

7 予防接種(ワクチン接種機関含む)

(1)赴任者に必要な予防接種

 日本で幼少期からの定期予防接種を受けている場合、渡航前にA型肝炎および破傷風の予防接種をおすすめいたします。詳しくは旅行者外来のあるクリニック等にご相談ください。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

 モンテネグロの小児予防接種スケジュールは下表のようになっています。最新のスケジュールは定期的に更新される以下のWHOのサイトでも確認できます。

対象の感染症 結核 B型肝炎 DTP(ジフテリア、破傷風、百日咳) ポリオ(注) へモフィルス・インフルエンザb型 肺炎球菌 麻疹、流行性耳下腺炎、風疹 ヒトパピローマウイルス
出生時 BCG Hep B            
1か月                
2か月   HepB DTaP IPV Hib      
3か月           PCV    
4か月   HepB DTaP IPV Hib      
5か月           PCV    
6か月     DTaP IPV Hib      
1歳             MMR  
6か月   Hep B DTaP IPV Hib PCV    
5から8歳     DTaP IPV     MMR  
9から14歳               HPV
15から18歳               HPV
17から19歳     dT          

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 予防接種記録の提出を求められることがありますので、母子手帳や接種記録、およびパスポート等本人確認ができる書類を持参ください。現地ではヘルスセンター(Dom Zdravlya)や一部の私立病院で接種を受けることができます。

8 病気になった場合(医療機関等)

 首都のポドゴリツァでは一定水準の医療が受けられますが、地方では医療の質や設備の面で十分ではないことがあります。外国人は比較的設備がととのっている私立病院にいくことが多いとされ、そのため医療費は高額になる傾向があります。また、看護師にはもちろん医師の中でも英語が通じづらい場合があり、地方ではこの傾向がさらに強くなります。モンテネグロで救急車を呼ぶときは緊急番号124を使用しますが、近年ヨーロッパ全域での緊急番号112も使用できるようになりました。モンテネグロでの住所の表記方法は(通りや道の名称)(地番)、(郵便番号)(都市名)が一般的ですが、地番が付されていない住所(bbと約されます)も多くありますので、事前に地図や現地の人に実際の場所を確認することをお勧めいたします。

(首都)ポドゴリツァ(Podgorica)

(1)Klinički centar Crne Gore(Clinical Centre of Montenegro)
所在地:Ljubljanska bb, 81000 Podgorica
電話(問い合わせや予約用の電話番号):020 412 412
その他の予約方法:メール(info@kccg.me)、オンライン予約フォーム
Webサイト:Klinički centar Crne Gore(セルビア語)別ウィンドウで開く
概要:公立の病院で、モンテネグロ最大の総合病院および大学病院です。内科、外科、産婦人科、小児科、循環器科、神経科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、精神科など多数の診療科を持ち、24時間365日対応の救急医療を提供しています。最先端の医療技術を持ち、国内外の患者を受け入れています。診療費の支払い方法は現金、クレジットカード、一部医療保険での支払いにも対応しています。対応言語はモンテネグロ語、英語、その他主要欧州言語です。
(2)Dom Zdravlja Podgorica(Health Centre Podgorica)
所在地:Bracana Bracanovića br.1, 81000 Podgorica
電話(問い合わせや予約用の電話番号):020 481 999
その他の予約方法:メール(info@dzpg.me
Webサイト:Dom Zdravlja Podgorica(ボスニア語)別ウィンドウで開く
概要:公立の医療機関で、大規模な地域医療センターです。一般内科、家庭医療、小児科、婦人科、歯科、皮膚科、眼科などの診療科を持ち、一部救急患者の受け入れも行っています。地域密着型の医療を提供し、予防接種を含む予防医療などにも注力しています。診療費の支払い方法は現金、クレジットカードとなります。対応言語はモンテネグロ語、英語です。
(3)Codra Hospital
所在地:Ul. Radosava Burića bb, 81000 Podgorica
電話(問い合わせや予約用の電話番号):020 300 300、069 114 642
その他の予約方法:メール(info@codra.me)、オンライン予約フォーム
Webサイト:Codra Hospital(モンテネグロ語)別ウィンドウで開く
概要:大型の私立総合病院です。内科、外科、産婦人科、小児科、循環器科、神経科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、リハビリテーションなど多数の診療科を有します。診療時間は毎日9時から20時までです。最新の医療設備と高いサービス品質を提供し、特に外国人患者向けのサービスが充実しています。診療費の支払い方法は現金、クレジットカード、保険(国際的な保険も対応)で、対応言語はモンテネグロ語、英語、その他主要欧州言語です。

コトル(Kotor)

(1)Kliničko-bolnički Centar Kotor(Kotor Clinical Hospital)
所在地:Njegoševa bb, 85330 Kotor
電話(問い合わせや予約用の電話番号):032 325 602
その他の予約方法:メール(info@obkotor.me
Webサイト:info@kbckotor.me
概要:この病院では、内科、外科、小児科、産婦人科、循環器科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科など様々な診療を提供しています。また、24時間対応の救急医療も行っています。地域の主要な医療施設であり、観光客向けの医療サービスも提供しています。診療費の支払い方法は現金やクレジットカードが利用でき、対応言語はモンテネグロ語、英語、イタリア語です。

10 一口メモ(もしもの時のモンテネグロ語)

 モンテネグロ語はセルビア語とほとんど同じなため、「世界の医療事情」セルビア編をご参照ください。

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