世界の医療事情
ラトビア
1 国名・都市名(国際電話番号)
ラトビア共和国(国際電話番号371)
2 公館の住所・電話番号
- 在ラトビア日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
- 住所:Embassy of Japan in the Republic of Latvia, Vesetas iela 7, Riga LV-1013, Latvia
- 電話:6781-2001
- ホームページ:在ラトビア日本国大使館
(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。
3 医務官駐在公館ではありません
在スウェーデン日本国大使館医務官が担当
4 衛生・医療事情一般
バルト3国の一つラトビアの首都リガは北緯57度と高緯度にもかかわらず、バルト海に流れ込む暖流のために比較的温暖な気候です。しかし厳寒の冬には気温が摂氏マイナス20度以下にまで下がることもあり、また、暖房等のため室内も乾燥しますので、風邪などに罹りやすく注意が必要です。水道水は石灰等を多く含み、そのままの飲用は避けてミネラルウォーター等を使用することをお勧めします。街の衛生状態は良好で、市内レストランにおける外食も、問題ありません。
ラトビアの医療施設では、一部英語が通じますが、ラトビア語あるいはロシア語が主に使用されています。そのため、スムーズに受診するにはこれらの言語によるコミュニケーションが可能な方や通訳に同行してもらうことをお勧めします。医療機器の比較的充実したプライベートクリニックもありますが、高額な費用が必要となるため、海外旅行傷害保険への加入をお勧めします。
5 かかり易い病気・怪我
(1)上気道炎
気温の変動が激しく、特に冬場は摂氏マイナス20度以下になることもあります。また暖房で室内の空気が乾燥するので、風邪や呼吸器の感染症に罹りやすく、予防法として外出から帰った際のうがいも重要です。
(2)ダニ媒介性脳炎・ライム病
野外活動などを含む日常生活上で注意すべき風土病として、マダニが媒介するダニ媒介性脳炎やライム病があります。
ダニ媒介性脳炎はウイルス性脳炎で、主に中央ヨーロッパから北欧、旧ソ連地域に広がる風土病です。首都リガ市を含め国土の大部分で、感染が報告されています。予防法は、ワクチンの接種とマダニに咬まれないようにすることです。同地域で森林などに入る場合は、長袖・長ズボン・帽子を被るなど、肌を露出しないことです。ダニ媒介性脳炎は治療薬がなく、予防が大切です。ワクチンがあり、3回接種(初回免疫)した後、必要に応じてその3年後に追加接種を行い、以降は5年ごとの追加接種を行います。日本でも接種可能です。感染の危険地域での山歩きやハイキングなど野外活動の好きな方には接種をお勧めします。このワクチンは当地や日本国内のクリニックで接種可能です。ダニに刺された時は、速やかに医師にご相談ください。
ライム病もマダニが媒介する感染症です。典型的にはマダニに咬まれた部位を中心に同心円状の紅斑がみられ、筋肉痛や関節痛、発熱などを生じます。ワクチンがありませんので、予防のためにはマダニに咬まれないようにすることが大切です。抗生物質で治療可能です。
(3)転倒・交通事故
冬は雪や凍結で路面が滑りやすく、転倒しないよう注意が必要です。靴底が滑りにくい加工のされた靴の使用をお勧めします。また交通マナーも日本とは異なるため、交通事故に巻き込まれないよう注意してください。
6 健康上心がけること
風邪など上気道感染症が多いので、外出から戻った際の手洗いやうがい、また、入浴後にクリームやローションで保湿し、皮膚の乾燥を防ぐことも重要です。また、加湿器の使用も効果的です。生鮮食品購入の際には、生野菜や果物の鮮度にご注意下さい。鶏卵の生食はサルモネラ菌感染の問題がありますのでお勧めできません。これら生鮮食料品の購入は衛生管理がしっかりしたスーパーマーケット等の利用をお勧めします。
7 予防接種(ワクチン接種機関含む)
(1)赴任者に必要な予防接種
入国に際して必須のワクチンはありませんが、B型肝炎(3回接種)と小児はジフテリアの接種を勧めます。
また、長期滞在の方には当地にてダニ媒介性脳炎ワクチンの接種をお勧めします。
(2)現地の小児定期予防接種一覧
ラトビアの小児の定期予防接種(2020年9月現在) | ||||||
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初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | |
B型肝炎 | 0から12時間 (注1) |
(注2) | ||||
TB | 12時間から | |||||
ロタ | 6週から (注3) |
(注2) | ||||
DTaP-IPV-Hib-HB1 | 2か月 | 4か月 | 6か月 | 12から15か月 | ||
肺炎球菌 | 2か月 | 4か月 | 12から15か月 | |||
季節性インフルエンザワクチン | 6から23か月 | |||||
MMR水痘 | 12から15か月 | 7歳 | ||||
DTaP-IPV5 | 7歳 | |||||
HPV | 12歳 (注4) |
(注2) | ||||
dT6 | 14歳 |
- (注1)母体がHBsAg陽性もしくは未検査の場合のみ。これら以外の場合は下段の6種混合ワクチンを接種
- (注2)接種回数は製品の仕様による
- (注3)RV1+2、またはRV1+2+3
- (注4)CPV1+2、またはCPV1+2+3
詳細は、http://venice.cineca.org/documents/latvia_ip.pdf(PDF)を参照
(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明
現地校やインターナショナルスクールでは、外国から入学する生徒に対して、ワクチンの義務づけは行っていません。インターナショナルスクールでは予防接種記録の確認を行ってはいますが、受けていない場合でも接種の強制はしていません。確認のため必要となりますので、母子手帳や予防接種記録は必ず持参して下さい。
8 病気になった場合(医療機関等)
- 救急車:固定電話より「03」、携帯電話より「113」
- 当地に日本語で受診できる医療機関はありません。英語が通じる医療機関も存在しますが、通訳できる方の同行をお勧めします。
- 受診に際してはあらかじめ電話予約の必要があります。
- 医薬分業制で、ほとんどの薬は医師の処方箋が必要です。薬局の一般的な営業時間は、平日9時から18時、土曜日10時から16時、日曜日は休業です。
(首都)リガ市
プライベートクリニック
- (1)Medicinas Sabiedriba ARS(ARSメディカル社)
- 所在地:5, Skolas iela, Riga
- 電話:6720-1006、6720-1007、6720-1008、(24時間)6720-1003
- ホームページ:Medicinas Sabiedriba ARS(ラトビア語)
- 概要:総合クリニック(精神科以外の全科に対応)。施設は清潔であり、医療機器も整っており、CT、MRIや超音波検査機器があります。救急車もあり、必要に応じて医師や看護師の同乗も可能です。入院や手術は他の病院に紹介・搬送しています。
- (2)Diplomatiska Servisa Medicinas Centrs
- 所在地:Baznīcas iela 18, Rīga, LV-1010
- 電話:6722-9942、2652-5711
- ホームページ:Diplomatiska Servisa Medicinas Centrs(ラトビア語)
- 概要:総合クリニック(内科、循環器内科、耳鼻咽喉科、神経内科、眼科、小児科、精神科、泌尿器科、婦人科、皮膚科、歯科)。ある程度、英語での受診が可能。
- (3)Gailezers Slimnica(Gailezers病院)
-
- ア Rigas Austrumu Slimnicaグループ
- 所在地:Hipokrata iela 2, Riga
- 電話:6700-0610、(緊急)6704-1001
- 概要:総合クリニック(内科、産婦人科、脳神経科、内視鏡)
- イ Rigas Austrumu Alimnicaグループ(入院・手術専門)
- 総合案内電話:6700-0610
- ホームページ:Rigas Austrumu Slimnicaグループ(ラトビア語)
公立病院
- (1)国立リガ東部大学病院(英語名称:Riga East University Hospital、ラトビア語名称:Rīgas Austrumu klīniskā universitātes slimnīca)
- 所在地:Hipokrāta iela 2, Rīga, LV-1079
- 電話:6700 0610
- 概要:ラトビアで最大の総合医療機関で、研究・教育機関。腫瘍、感染症、呼吸器、産婦人科・小児など5つの臨床センターをもち、心臓外科を除くあらゆる分野をカバーする。マイクロ手術、形成・再建外科、小児外科、毒物・敗血症、多発外傷、火傷・凍傷、幹細胞移植、結核、HIV/AIDs治療、定位放射線療法等の診療分野を有する。
- 予約の際の電話番号:6700 0610
- ホームページ:国立リガ東部大学病院(英語)
空港クリニック
- (1)First Aid medical center
- 所在地:リガ国際空港ターミナルビルディング1階 (エアポートマップ参照)
- 電話:+371 67207103
- 概要:初期対応のみ
- ホームページ:なし
24時間営業の薬局
- (1)MENESS Aptiekas As
- 所在地:Brīvības iela 74, Centra rajons, Rīga, LV-1011
- 電話:2037-7466
- (2)BENU Aptieka
- 所在地:Aleksandra Čaka iela 104, Latgales priekšpilsēta, Rīga, LV-1011
- 電話:6731-4211
9 その他の詳細情報入手先
- 在ラトビア日本国大使館ホームページ:基本情報(気候、通貨、言語、交通手段、時差等)
10 一口メモ(もしもの時の現地語)
- 医師:Ārsts(アールスツ)
- 歯科医:Zobārsts(ズブアールスツ)
- 病院:Slimnīca(スリムニーツァ)
- 飲み薬:Iekšķīgi lietojamas zāles(イエクシュチーギ リエトヤマス ザーレス)
- 注射:Injekcija(インイェクツィヤ)
- 頭痛:Galvassāpes(ガルバッスサーペス)
- 胸痛:Sāpes krūtīs(サーペス クルーティス)
- 腹痛:Sāpes vēderā(サーペス ヴェーテラ)
- 下痢:Caureja(ツァウレヤ)
- 発熱:Drudzis(ドゥルズィス)
- 嘔吐:Vemšana(ヴェムシャナ)
- 吐き気:Slikta dūša(スリックタ ドゥーシャ)
- 傷:Brūce(ブルーツェ)
- 凍傷:Apsaldējums(アプサルデーユムス)
- やけど:Apdegums(アプダグムス)
- アレルギー:Alerģija(アレルギヤ)
- ダニ媒介性脳炎:Ērču encefalīts(エールチュ エンツェファリツ)
- 血液型:O(オー)型=I型、A(アー)型=II型、B(べー)型=III型、AB(アーベー)型=IV型、Asins grupa(アシンス グルッパ)
短文
- 具合が悪い。:Es nejūtos labi(エス ネユートス ラビィ)
- 熱がある。:Man ir drudzis(マン イル ドゥルズィス)
- 医者を呼んで下さい。:Lūdzu, izsauciet ārstu.(ルーズ イスサウツィエトゥ アールストゥ。)
- 救急車をよんで下さい。:Lūdzu, izsauciet ātro palīdzību.(ルーズ イスサウツィエトゥ アートロ パリーズィーブ。)
- 病院に連れて行って下さい。:Lūdzu, aizvediet mani uz slimnīcu.(ルーズ アイズベディエトゥ マニ ウズ スリムニーツ。)
- ダニに刺されました。:Man iekoda ērce.(マン イエコーダ エールツェ。)
- 歯が痛い。:Man sāp zobs.(マン サープ ゾーブス。)