世界の医療事情

イタリア

平成30年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 イタリア共和国(ローマ,ミラノ,フィレンツェ,ナポリ)(国際電話国番号39)

2 公館の住所・電話番号

在イタリア大使館(毎週土日休館)
住所:Ambasciata del Giappone, Via Quintino Sella 60, 00187, Roma
電話:06-487991
在ミラノ総領事館(毎週土日休館)
住所:Consolto Generale del Giappone, Via Privata Cesare Mangili 2/4, 20121, Milano
電話:02-6241141

(注)イタリア国内では,エリア内外にかかわらず0ではじまる同じ電話番号を使用し,海外からかける場合は,国際電話国番号+0を付けたままの番号をダイアルします。
イタリア国内で在イタリア大使館にかける場合(ローマでも)06487991
海外から在ミラノ総領事館にかける場合 +39-026241141

3 医務官駐在公館

 在イタリア日本国大使館医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 イタリアは,国土の大部分が地中海性気候に属しており,季節による気温の変化は東京とほぼ変わりませんが,冬期に雨が多く,一方,夏期は日差しが強く,ほとんど雨が降らないため乾燥し,気温も高くなります。

 医療は日本と同等の水準にあり,医療技術や設備などに遜色はありません。真に緊急で重篤な病気やけがの場合は,救急車等を利用して公立病院の救急室(Pronto Soccorso)を受診してください。

 しかし,専門が細かく分かれ,各診療科の連携が必ずしも良いとは言えず,いくつかの科にまたがるような病気の場合は診療が円滑に進まないという不満の声も聞かれます。通訳ボランティアや,海外研修経験があり英語を解する医師がいる病院も増えていますが,公立病院,救急センターなど一般の医療機関では,イタリア語以外はほぼ通じません。

 イタリアの医療には,国民皆保険制度による保険医療と,保険外診療である自由診療があります。国民健康保険に加入すれば,在留外国人でも比較的低額で公立病院を受診できますが,公立病院はいつも混雑して待ち時間が長く,手続きも煩雑です。公立病院の中にも予約制の自由診療を提供しているところがありますが,日本の医療サービスに慣れた邦人は戸惑うことが多いようです。また,救急室から退院する時に支払い清算がなされず後日請求されたり,治療費の明細書が発行されなかったりすることがあります。

 私立病院は,たいてい英語が通じ医療環境も良好ですが,対応しているのは主に軽症~中等症までの疾患で,医療費は高額です。いわゆるプライベートクリニック(外来中心の完全予約制クリニック)も市中のいたるところにありますが,基本的に検査や入院の設備はなく,検査や処置が必要な場合は,別の日や別の施設で受けなければならない可能性があります。高額の医療費の支払いに備え,(死亡時だけでなく)治療費用が十分に補償された海外旅行保険への加入を強く勧めます。

 海外旅行医療保険の加入者は,保険のヘルプデスクを通じて医療機関を紹介してもらうことができます。また,旅行者等のためのGuardia Medica Turistica(後述→ 9)が開設されている地域もあります。

5 かかり易い病気・怪我

 当地特有のかかり易い疾病(風土病)はありません。

麻疹(はしか)

 2017年以降,欧州の広い地域で麻疹(はしか)が流行しており,イタリアは患者の報告数が多い国の1つです。小児だけでなく,成人(主に60歳以下)も含めて,過去に検査で麻疹感染が確認されたことがない方や,予防接種が1回以下または接種歴が不明な方は,是非とも渡航される前に予防接種を受けることを検討して下さい。

ウエストナイル熱

 2018年は,欧州各地でウエストナイル熱の患者が多く発生しました。イタリア国内で報告される患者数は例年30~40例でしたが,2018年は9月末までに,欧州内で最も多い500例近い患者が確認され,32人が脳炎などで死亡しました。ほとんどの感染がイタリア北部で報告されています。蚊が媒介するウイルス感染症で予防するワクチンはなく,蚊への対策が重要です。

交通事故

 混み合った市街地の狭い道路でもかなりのスピードを出す車が多いので,歩行する際などに十分注意してください。

6 健康上心がける事

 水道水は安全基準をみたしていますが,カルシウムなどのミネラル成分が多い硬水で,日本の軟水とは異なります。腎臓の機能が未発達な乳幼児や,硬水でおなかの調子を崩しやすい方は,ミネラル分の少ないミネラルウォーターの購入をお勧めします。

 夏季は日照時間が長く雨もほとんど降らないため,高温となり乾燥します。熱中症や脱水の危険性が高くなるので,気温が高い時間帯の長時間の外出を控えるなど,余裕のある旅行計画をたてることを勧めます。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任時に必要な予防接種

 成人・小児とも,本邦からの入国に必要な予防接種はありません。

 本邦以外を経由して入国する場合,経由地によっては検疫官から,国際保健規則による検疫伝染病の予防接種(黄熱病ワクチンなど)証明の提示を求められることがあります。

(2)現地の小児定期予防接種

接種義務のある小児定期予防接種(2017年7月~)

  3か月 5か月 6か月 11か月 13か月 6歳 12歳~
DTPa
ジフテリア,破傷風,百日咳
     
IPV
不活化ポリオ
     
dTap IPV
ジフテリア,破傷風,百日咳,ポリオ
           
Epatite B
B 型肝炎(注1)
       
Hib
インフルエンザ菌 b型
       
MPRV (= MMRV)(注2)
麻疹,おたふくかぜ,風疹,水痘
         

接種義務はないが,接種が勧奨されている予防接種(同上)

  3か月 5か月 6か月 11か月 13か月 6歳 12歳~
肺炎球菌        
髄膜炎菌B型(注3)      
髄膜炎菌C(ACWY)型          
ロタウイルス(注4) ○~          

(注1)B型肝炎ウイルス陽性の母親から生まれた児には別スケジュールあり。

(注2)MPRとVの2本の同時接種でも可。

(注3)他のワクチンと同時接種できないため,個別のスケジュールが必要(合計4回接種)。

(注4)ワクチンの種類により,接種回数と接種間隔が異なる。

(参考情報:イタリア語のみ)
http://www.salute.gov.it/imgs/C_17_pagineAree_4829_listaFile_itemName_0_file.pdf別ウィンドウで開く

(3)現地校の入学・入園に必要な予防接種・接種証明書

 入園や入学に際し,学校などへの予防接種済証明書の提出義務を定めた法律が承認されましたが,2018年度の運用は決まっていません。必要な書類については,入学・入園を予定している学校や幼稚園に事前に問い合わせて下さい。日本で接種した予防接種については,母子手帳等を基に,日本の主治医に証明書(伊語または英語)の作成を依頼し,持参されることを勧めます。

(参考情報:イタリア語のみ)
http://www.salute.gov.it/portale/vaccinazioni/dettaglioContenutiVaccinazioni.jsp?lingua=italiano&id=4824&area=vaccinazioni&menu=vuoto別ウィンドウで開く

(4)予防接種(すべて要予約)

 乳幼児や就学児の予防接種は,当地の保健所(イタリアの国民健康保険加入者の子女のみ)や,自由診療の小児科クリニックに依頼することが出来ます。

 また,転勤,出張や旅行などで必要となる予防接種も当地の保健所等で受けることが出来ます。

8 病気になった場合(医療機関等)

 救急車(公営)は118番とEU共通の112番の電話で呼ぶことができ,料金は無料ですが病院の指定はできません。また,イタリア語以外は通じないと考えた方がよいでしょう。ほかに民間の救急車派遣会社があり,搬入先を選べる利点があります。私立の総合病院の中には独自の救急車を用意しているところもあります(いずれも有料,一部英語可)。

ローマ

総合病院

(1)Compresso Ospedaliero San Giovanni Addolorata(公立,サン・ジョバンニ病院)
所在地:Via dell'Amba Aradam, 8
電話代表:06-77051
ホームページ:http://www.hsangiovanni.roma.it/別ウィンドウで開く
概要:1600年代に創立された世界で最も歴史のある現役病院です。医療水準,設備・環境,救急体制は,ローマ市内でトップの高度先進医療施設です。サン・ジョバンニ大聖堂の裏手に位置します。
(2)Policlinico Agostino Gemelli(公立,バチカン・カトリック大学付属アゴスティーノ・ジェメッリ病院)
所在地:Largo Agostino Gemelli, 8
電話:06-30151, 自費診療予約 06-88818881
ホームページ:http://www.policlinicogemelli.it/別ウィンドウで開く
概要:設立50年の高度先進医療施設です。ローマ市の北西に位置し,最寄り駅はFL3線の「Gemelli」駅です。
(3)Policlinico Umberto I(公立,ローマ大学付属ポリクリニコ・ウンベルト・プリモ病院)
所在地:Viale del Policlinico, 155
電話:06-49971
ホームページ:http://www.policlinicoumberto1.it別ウィンドウで開く
概要:テルミニ駅に近い高度先進医療施設です。建物・施設は古く,常時混雑しています。最寄り駅は,地下鉄B線の「Policlinico」駅です。
(4)Casa di Cura Mater Dei(私立,マーテル・デイ病院)
所在地:Via Antonio Bertoloni, 34
電話:06-802201
ホームページ:http://www.arsmedicacasadicura.it別ウィンドウで開く
概要:小規模の私立病院。救急室はありませんが,時間外・休日でも 24時間正面玄関が開いており,当直の心臓内科,麻酔科,産婦人科の3人の医師が対応し,必要であれば,専門医が呼び出されます。最新のCTとMRI が備えられています。

専門病院

(1)Ospedale Pediatrico Bambino Gesù – Roma Gianicolo(公立・小児科専門,バンビーノ・ジェズゥ病院)
所在地:Piazza S. Onofrio, 4
電話:06-68591, 自費診療予約 06-68593996
ホームページ:http://www.ospedalebambinogesu.it/別ウィンドウで開く
概要:サンピエトロ寺院に近いジャニコロの丘に位置する小児科専門病院です。24時間対応の救急部も併設されています。
(2)Centro Traumatologico Ortopedico – Andrea Alessi(CTO)(公立・外傷専門)
所在地:Via San Nemesio, 21
電話:06-51001
概要:ローマ市南部に位置し,外傷全般に24時間対応する救急部も併設されています。
(3)Presidio Ospedaliero Oftalmico di Roma(公立・眼科専門)
所在地:Piazzale degli Eroi, 11
電話:06-68351
概要:バチカン博物館近くに位置し,眼科疾患全般に24時間対応する救急部も併設されています。
(4)Ospedale George Eastman(公立・歯科/口腔外科専門)
所在地:Viale Regina Elena, 287/b
電話:06-49975711
概要:Policlinico Umberto I 病院の別棟で,歯科疾患に24時間対応する救急部も併設されています。

Guardia Medica Turistica(公立)

 州保健局が運営する24時間オープンの診療所です。在留外国人や旅行者も利用可能です。若手医師が担当することが多く,ある程度は英語が通じるようです。基本的には診察と薬の処方箋発行のみ(薬は薬局で購入)で,血液検査やレントゲン撮影は出来ません。風邪や下痢などの比較的軽症の患者が中心で,重症の場合は,救急車で最寄りの公立病院に搬送されます。ローマ市内には以下の2カ所が開設されています。

(1)Poliambulatorio Canova
所在地:Via Canova, 18 (但し午後8時から午前8時まではVia Canova, 19より入る)
電話:06-7730-6112,06-7730-6108
概要:ポポロ広場から徒歩3分。Via Del CorsoとVia Ripettaの間(付近に看板あり)で,最寄り駅は地下鉄A線の「Flaminio」か「Spagna」駅です。
(2)Ambulatorio di Guardia Turistica
所在地:Via Emillo Morosini, 30Ospedale Nuovo Regina Margherita内)
電話:06-5844-6650
概要:ティベリーナ島上流のガリバルディ橋からViale di Trastevereに入り,徒歩5分。Via Emilo Morosiniとの交差点に看板があります。

日本語が通じる医院

(1)ローマ中田吉彦医院(内科,東洋医学)
所在地:Via di Monte del Gallo, 4
電話兼ファックス:06-6381924
ホームページ:http://www.drnakada.yic.or.jp/別ウィンドウで開く
概要:月曜日から金曜日まで予約制で診療を行っています。午後6時以降であれば,往診が可能なこともあります。最寄り駅はFL3線の「San Pietro」駅です。

救急車

(1)公共救急車(無料)
電話:118(Emergenza Sanitaria),112(EU圏内共通,ローマ等一部で運用開始)
(2)民間救急車(病院への送迎,有料)
CROCE BIANCA ITALIANA 電話:06-8181011
CROCE ROSSA ITALIANA 電話:06-5510

ミラノ

総合病院

(1)Fatebenefratelli e Oftalmico 病院(公立,ファーテベーネフラッテリ)
病院名:Ospedale Fatebenefratelli e Oftalmico
所在地:Piazza Principessa Clotilde, 3
ウェブサイト http://www.asst-fbf-sacco.it別ウィンドウで開く
電話:02-63631
概要:日本総領事館から歩いて数分の近距離にある総合病院で眼科専門病院が併設されています。救急室の入口は,右の側道を100メートルほど進んだところにあります。
(2) Niguarda 病院(公立,ニグアルダ)
病院名:ASST Grande Ospedale Metropolitano Niguarda
(救急部)Ospedale Niguarda Pronto Soccorso Blocco DEA
所在地:Piazza Ospedale Maggiore, 3
電話:02-64441, 自費診療予約 02-64442409
ホームページ:http://www.ospedaleniguarda.it別ウィンドウで開く
概要:ミラノ中央駅北西方向,北公園(Parco Nord Milano)南端にある州立総合病院です。ベッド数1173床。手術室42室。救急用病室340室を有し,広大な敷地内に多数の建物があるので,私用車で救急室を受診する際は,敷地の外周に沿って移動し裏口に当たる救急用入口から入るのがわかりやすいです。精神科救急患者も含め,全診療科の患者の診察を行っており,屋上ヘリポートでロンバルディア州内各地からのドクターヘリを受け入れています。病院提供の冊子に,外国人患者用サービスとして,無料言語補助者(英語あり,日本語なし)提供とあります。
(3) Ca' Granda Ospedale Maggiore Policlinico 病院(公立,ポリクリニコ)
病院名:Fondazione IRCCS Ca' Granda Ospedale Maggiore Policlinico
所在地:Via Francesco Sforza, 28
電話:02-55031, 自費診療予約 02-55034422
ホームページ:http://www.policlinico.mi.it別ウィンドウで開く
概要:ミラノ大学に隣接する総合病院。救急診療部門は独立した棟にあり,手術や数時間以上の入院が必要な患者は,状態が安定した後に別の建物内の診療部門に移動します。
救急診療部には,救急専門医,外科医,麻酔科医,循環器専門医が勤務しています。
中等~重症の緊急対応が必要な疾患では,同院が搬送先となると思われます。

フィレンツェ

総合病院

(1)Ospedale Santa Maria Nuova(公立,サンタ・マリア・ヌォーヴァ病院)
所在地:Piazza di Santa Maria Nuova, 1
電話:055-69381
概要:フィレンツェ市中心部の大聖堂(ドゥオモ)から北東方向に徒歩4,5分の至近距離にあります。
(2)Azienda Ospedaliero-Universitaria Careggi(公立,カレッジ病院)
所在地:Largo Brambilla, 3
電話:055- 794111, 自費診療予約055-7942000
ホームページ:http://www.aou-careggi.toscana.it/別ウィンドウで開く
概要:フィレンツェ市の北にある大学病院です。イタリア有数の規模を誇ります。

ナポリ

総合病院

(1)Azienda Ospedaliera Universitaria Federico II(公立,フェデリーコ・セコンド病院)
所在地:Via Sergio Pansini, 5
電話:081-7461111
ホームページ:http://www.policlinico.unina.it別ウィンドウで開く
概要:ナポリ大学付属病院で,ナポリ市中心部から西郊外に位置します。
(2)Clinica Mediterranea(私立)
所在地:Via Orazio, 2
電話:081-7259222
ホームページ:http://www.clinicamediterranea.it/別ウィンドウで開く
概要:サンタ・ルチア地区に近い海岸線に位置する総合病院です。多くの医師が英語を解します。医療設備が整っており,海側の病室からの眺めは絶景です。

9 その他の詳細情報入手先

欧州疾病予防管理センター(ECDC: European Centre for Disease Prevention and Control
http://ecdc.europa.eu/別ウィンドウで開く(英語)

世界保健機関欧州地域事務所(World Health Organization Regional Office for Europe
http://www.euro.who.int/別ウィンドウで開く(英語,※ヨーロッパにおける各種保健医療情報が入手可能)

イタリア保健省(Ministero della Salute,イタリア語のみ)
http://www.salute.gov.it/別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

イタリア語

医師:medico(メディコ)

吐き気:nausea(ナウゼア)

嘔吐:vomito(ヴォミト)

下痢:diarrea(ディアレア)

頭痛:mal di testa(マルディテスタ)

腹痛:dolori addominali(ドローリィ アッドミナーリ)

息苦しい:difficoltà di respirazione(ディフィコルタ ディ レスピラツィオーネ)

医者/救急車を呼んでください:Può chiamarmi un medico(dottore)un' ambulanza, per favore?(プォ キアマルミ ウン メディコ(ドットーレ)/ウナンブランツァ,ペル ファヴォーレ)

病院へ連れていってください:Può portarmi all' ospedale, per favore?(プォ ポルタルミ アッロスペダーレ,ペル ファヴォーレ)

熱があります:Ho la febbre.(オ ラ フェッブレ)

薬をください:Può darmi le medicine?(プォ ダルミ レ メディチーネ)

薬局はどこですか:Può dirmi dov'è una farmacia? (プォ ディルミ ドヴェ ウナ ファルマチーア)

処方箋:ricetta(リチェッタ)

診断結果を教えてください:Qual è la diagnosi?(クワッレ ラ ディアニョージィ)


Get Adobe Reader(別窓が開きます) Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータに対応したソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
世界の医療事情へ戻る