世界の医療事情

令和6年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 アイスランド共和国(国際電話番号354)

2 公館の住所・電話番号

在アイスランド日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
住所:Laugavegur 182, 105 Reykjavik
電話:+354 510 8600
ホームページ:在アイスランド日本国大使館別ウィンドウで開く

(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページで案内していますので、ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在英国日本国大使館医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

(1)気候

 首都レイキャビクは北大西洋海流(メキシコ湾流)の影響を受けるため、高緯度(北緯64度)のわりには冬の気温もマイナス10度以下になることは少ないですが、冬期は悪天候が続く上、風が強いので体感温度は低いです。また真夏でも20度を超えることはほとんどありません。日照時間は真夏が約21時間(白夜)、真冬は約4時間となります。

(2)医療事情

 医療機関のほとんどが国営です。医師のレベル、治療技術、治療設備は一応の水準にありますが、病室や看護師の不足、医師や看護師のストライキ等、国営のひずみもあります。2008年の金融危機以降、年々財政が縮小されており、特に専門的手術や長期入院を要する場合、長時間待たなければならないこともあります。殆どの治療、手術は可能ですが、高度な技術を要する手術は海外で実施されることもあります。

(3)ホームドクター

 当地では、ホームドクター制度が採用されています。6か月以上アイスランドに居住する場合は、各地域の医療センターに所属する医師の中からホームドクターを選択します。住んでいる地域によって、掛かりつけの健康管理センター(ホームドクター)が振り分けられていますが、どの地域の健康管理センターでも診察を受けることは可能です。緊急でない傷病等の場合は、ホームドクターの診察を受けることができ、より専門的な治療を要すると判断された場合には、担当ホームドクターから専門医の紹介を受けます。

(4)飲料水

 世界各地の中で特に質の良い湧き水を原水とする当地では、どこでも安心して水道水を飲むことができます。お湯の場合、僅かな硫黄分が含まれていることがあります。調理・飲料水とするには問題はありません。気になる場合はミネラルウォーター等を使用してください。

(5)新型コロナウイルス感染症関連情報

URL:COVID-19 | Heilsugæslan(英語)別ウィンドウで開く

 症状がある場合、薬局で検査キットを購入のうえ自力で検査を行います。アイスランドからの渡航先で陰性証明書の提出が必要な場合は、(WEB予約別ウィンドウで開く)のうえPCR検査の受検が可能です。

ア PCR検査場(レイキャビク市)
平日:Heilsugaeslan Hildum 住所:Drapuhlid 14, 105 Reykjavik
受付時間:8時から12時
土曜日、日曜日、祝日:Laeknavaktin
住所:Austurver, Haaleitisbraut 68, 103 Reykjavik
受付時間:9時から17時
イ 感染が確認された場合
新型コロナウイルスに感染した場合、症状が続く限り、最低5日間は自宅で安静にする必要があります。詳しい情報は健康管理センターや相談窓口電話1700で確認できます。

5 かかり易い病気・怪我

 当地におけるかかりやすい病気、疫病は特にありません。ただ、1年を通して平均気温が低く、日本からアイスランドへ夏に渡航する場合は気温差による体調・衣服の管理に注意してください。

 冬期は地面が凍っていることもあるため、転倒によるけがには十分に注意する必要があります。郊外の滝や湖を訪れた際は、水しぶきによって地面が濡れていたり、凍っていたりする場合があるため、身を乗り出して写真撮影することなどは控え、安全第一で観光してください。

 都市から都市への移動手段が限られている当地では、現地住人や観光客の殆どが車を利用することが多いため、交通事故には十分注意してください。特に観光客の場合、当地の交通ルールを十分に把握していない場合もあるため、運転には特に注意を払う必要があります。

 夏期、自然の多い場所に「Lúsmý」という小さなハエがおり、このハエに刺されると、耐えがたい痒み、痛み、高熱、嘔吐といった症状を起こす場合があります。服の繊維を通り抜けるほどの小さなハエのため、着衣箇所も刺されます。症状は数時間で軽快することがほとんどです。

6 健康上心がけること

 当国には風土病はなく、衛生にも問題はありませんが、空気が乾燥しているので特に室内での水分摂取や肌のケアが必要です。冬場に風邪が流行することもあり、日光の不足を補うためにもビタミン剤(特にビタミンD)、肝油あるいはLysiの服用が望ましいです。
 運動不足になりやすいため、散歩、登山、水泳、軽スポーツ等をすることが望ましいですが、冬は積雪、路面凍結や暴風のためアウトドア活動が困難です。室内でトレーニング、体操をする習慣があると良いでしょう。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 12歳から14歳の予防接種は、両親の同意のもと学校で行われます。その他は、健康管理センターにて接種が可能です。過去に接種済のワクチン履歴を持参するとスムーズです。)

(出典:The Director of Health "National Childhood Vaccination Programme in Iceland as of February 2024"

  DTap-Hib-Polio
Pentavac
PCV
Vaxneuvance
VZV
Varilrix
MMR
M-M-RVAXPRO
dTaP
Boostrix
All genders:HPV
Gardasil 9
dTaP-Polio
Repevax
menACWY
MenQuadfi
3か月            
5か月            
12か月          
18か月            
2.5年              
4歳              
12歳            
14歳              

(注)DTap-Hib-Polio(ジフテリア、破傷風、百日咳、インフルエンザ菌b型、ポリオ)
PCV(肺炎球菌)
VZV(水ぼうそう)
MMR(疱疹、おたふくかぜ、風疹)
HPV(ヒトパピローマウイルス)
menACWY(髄膜炎)

8 病気になった場合

(1)緊急電話番号:112(警察・救急・消防)

(2)緊急医療

ア 以下の医療機関は救急対応可

イ 医療相談用窓口:1700(年中無休)

 症状を相談し、適切な対応をアドバイスしてもらえる窓口です。病院へかかることを推奨される場合は、同時にアポイントの調整も行ってもらえます。救急車を必要としない場合は、まずはこの番号にかけることをおすすめいたします。

(ア)アイスランド国立大学病院(Landspitali/The National University Hospital of Iceland)
住所:フォスボーグル:Fossvogur, 108 Reykjavik
フリンクブロイト:Hringbraut, 101 Reykjavik
電話:543-1000(代表受付)、543-2000(救急窓口)
備考:施設は、フォスボーグルと、小児科専門病棟のあるフリンクブロイトの2か所にあります。フォスボーグルでも子どもの診療を受け付けていますが、より重篤な場合はフリンクブロイトにて行われます。
(イ)フォスボーグル
患者対象:大人の重篤な病気、事故、子どもの事故
予約:不要
住所:Fossvogur, 108 Reykjavík
電話番号:543-1000
対応時間:24時間
外来クリニック、日帰り患者ユニット、入院病棟、救命救急ユニット、臨床検査室、精神科、婦人科
備考:疾患、事故など緊急を要する患者を対応し、専門医の豊富さはアイスランド内で随一です。ただ、込み具合により対応が遅れ、待ち時間が数時間に亘ることもあります。
(ウ)フリンクブロイト
患者対象:子どもの重篤な病気、心臓疾患、精神疾患
予約:不要
住所:Hringbraut, 101 Reykjavík
電話番号:543-1000
対応時間:24時間
備考:混み具合にもよりますが、診察までの待ち時間が長いことがあります。
(エ)Medical Emergency Clinic, Austurver, Læknavaktin(ライクナバクティン)
患者対象:大人と子どもの病気(問診と薬の処方が主)
予約:不要
住所:Austrver, Háaleitisbraut 68, 103 Reykjavík
電話番号:1770
対応時間:17時から23時30分(月曜日から金曜日)、9時から23時30分(土曜日、日曜日、祝祭日)、9時から18時及び21時から23時(クリスマスイブ、大晦日)
(電話対応は24時間)
備考:診察手続き後、整理券を受け取り順番が来るまで待ちます。医師との診察後、処方箋に関する情報が薬局「Apotek」へ共有され、全国のApotekにて薬を購入することができます。一階にApotekあり。レントゲン等検査機器はありません。赤十字マークが目印です。
(オ)アクレイリ病院(Akureyri Hospital)
住所:Eyrarlandsvegur, 600 Akureyri, Cエントランス
電話番号:463-0100
FAX:462-4621

(3)健康管理センター(Health Care Center/ Heilsugæslustöðvar)

 健康管理センターでは、誰でも医療サービスをうけることができます。
 ただし、国民番号(ケニタラ)を保有していない旅行者などの方には制限があるため、1700番への電話か、上記の病院を受診することをおすすめいたします。国民番号を保有していない方は、事前予約を入れることができず、また医者からの診療を受けることができません。ただし急を要する場合は、身分証明書をお持ちのうえ直接出向き、看護師に診てもらうことは可能です。症状によっては医者が診る場合もあります。

 国民番号を保有している場合は、マイページ上で事前予約が可能です。居住地域ごとに掛かりつけ先が振り分けられていますが、マイページ上で他の施設に変更することもできます。

ア 首都圏主要エリア
Web:Heilsugæsla(英語)別ウィンドウで開く
イ その他の地域
東部地域健康管理センター(Health Care Center of East Iceland)
住所:Laugarás 17-19, 700 Egilsstaðir
電話:470-1400
FAX:470-1408
南部地域健康管理センター(Health Care Center of South Iceland)
住所:Árvegur, 800 Selfoss
電話:432-2000
FAX:432-2012
西フィヨルド地域健康管理センター(Health Care Center of Wes Fjords)
住所:Torfnes, 400 Ísafjörður
電話:450-4500
北部地域健康管理センター(Health Care Center of North Iceland)
  1. 住所:Auðbrekka 4, 640 Húsavík
    電話:432-4800
  2. 住所:Sauðárhæðir, 550 Sauðárkrókur
    電話:432-4200
  3. 住所:Hvanneyrarbraut 37, 580 Siglufjörður
    電話:432-4300
  4. 住所:Flúðabrekka 2, 540 Blönduós
    電話:432-4100

9 そのほかの詳細情報入手先

在アイスランド日本国大使館
電話:+354 510 8600
ホームページ:在アイスランド日本国大使館別ウィンドウで開く

10 一口メモ

アイスランドの公用語はアイスランド語ですが、国民の多くが英語を理解するため、英語で会話をしても問題はありません。

  • 病院はどこですか?:Hvar er sjúkrahúsið?(クバール エル シュクラフーシズ)
  • 医師:læknir(ライクニル)
  • 薬局:apótek(アポテック)
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