世界の医療事情

ギリシャ

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ギリシャ共和国(国際電話国番号30)

2 公館の住所・電話番号

在ギリシャ日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan, 46, Ethnikis Antistasseos St, 152 31 Halandri Athens
電話:(+30-) 210 670 9900(代表)
ホームページ:http://www.gr.emb-japan.go.jp/portal/jp/別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在イタリア日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

(1)はじめに

 ギリシャはヨーロッパの東南端に位置し,首都アテネが所在するバルカン半島の最南部をはじめ,ペロポネソス半島や周辺の地中海・エーゲ海・イオニア海に点在する約3,000もの島々から構成されています。首都アテネ付近では,夏は乾燥し,40度近くまで気温が上がり,冬は雨が多く,稀に0度近くまで気温が下がることがある典型的な地中海性気候です。

(2)衛生・医療事情

 上下水道などの衛生状態は良好です。

 医療機関も整備されていますが近年の経済危機のあおりを受けて,特に公立の医療機関では一部物資や薬剤などが不足したり,診察の際は長時間待たされたりする傾向にあります。

 国民皆保険制度が実現しており,社会保障基金の保健ケアと,Ethniko Systima Ygeias(ESY)が並列したシステムにより,基本的に全てのギリシャ居住者に対して無料で公的医療が提供されています。(EU 市民と非EU市民に対しても,多国間または2国間協定に基づいて適用されます。つまり,ギリシャに居住する外国人は社会保険(Idrima Kinonikon Asfalisseon (IKA)やOAEE (Fund for Merchants, Manufacturers and Small Businessmen)など複数の社会保険機関が存在する)を支払っている限り,医療カード(E111)が支給され,入院を含めた一般診療,眼科や歯科も無料です。

 これらに加えて,ギリシャ人の約半数は私立病院にかかるための私的医療保険に加入しています。保険の種類にもよりますが,通常は歯科治療をのぞく全ての診療科に私的医療保険が適用され,迅速かつ専門的な診療を受けられるのが特徴です。

 医療機関としては,地方の保健センター,地域の病院や診療所,都市においては専門医のいる公立病院,私立病院,社会保険基金の所有するクリニックや病院があります。しかし都市部から離れた田舎や旅行者が訪れる島々の医療機関には設備が整っていないものも多く,専門的な治療を必要とする場合はアテネ等都市部の医療機関を受診する必要があります。

 ギリシャの医療機関を受診する場合,基本的にはギリシャ語が必要ですが,都市部ではかなりの確率で英語が通用します。

 緊急時にはESYに登録していれば,EKAVによって救急車が主な病院や診療所に搬送してくれます。公立病院は黄色にオレンジの線がついている救急車(電話番号166),私立病院は白やその他の色の救急車があります。公営のpublic ambulanceは通常,最も近い公立病院へ患者を搬送します。料金は無料です。私営の救急車は2種類あり,1. 各私立病院が有するprivate ambulanceは自分たちが所属する私立病院へ(連絡先は各病院),2. company ambulanceは空いていれば希望する病院へどこでも搬送してくれます。(2.の主たる会社の連絡先:AsthenoforaΑσθενοφόραExpress 6980 356 356/ Athens Ambulance 2107 299 000)料金は,医師の付き添いの有無や病院までの距離によって料金が変わります。アテネ市内の私立病院の1. private ambulanceは医師の付き添い無しで約100ユーロ,付き添い有りで約200ユーロです。2. company ambulanceは医師の同乗なし・アテネ市内であれば約50ユーロです。

 医療費は通常,診療を受けた当日に支払います。検査ごとの窓口支払いはありません(一定期間の通院が必要な場合等は窓口で相談し,後からまとめて支払うことも可能です)。病院の場合は,公立・私立を問わずクレジットカード利用可能の場合が多いですが,開業医の場合は現金払いが基本です。旅行者など現地の保険に加入していない場合,かなり高額な医療費を請求されることになります(医師との面談のみで100ユーロなど)。

 また,都市部から離れた田舎や島々で重篤な病気や怪我が発症すると,ヘリコプターや航空機による移送が必要な場合があり,その費用は高額となるため,渡航前に海外旅行傷害保険に加入しておくことをお勧めします。

 薬局には,医師の処方箋の必要な薬剤とそれ以外の薬剤があります。ギリシャ製およびヨーロッパ製の薬剤が手に入ります。かゆみ止め,風邪薬,サプリメント,鎮痛剤等,基本的な薬剤の入手には困りません。保険基金の医療カードがある場合,処方薬は値引きされて,後日還付されることになっています。各地域には当番制で24時間オープンの薬局があり,ウェブサイトにて調べることが可能です。(薬局当番が掲載されているホーム-ページ:http://www.vrisko.gr/en/pharmacy-duties別ウィンドウで開く

5 かかり易い病気・怪我

 春先には松花粉症,ポプラの綿毛アレルギーが多発します。まれに,マラリア,ライム病(ダニを媒体とする),トキソプラズマ症(生肉)が発生します。

 AIDS患者数(並びにHIV陽性者数)は,日本と比べ非常に多く,社会問題の一つにもなっています。薬物中毒患者が出入りするような危険な地域やお店には行かないようにしましょう。

6 健康上心がける事

 夏のシーズンは,高温と強い日射しのために熱中症,脱水症,日焼けなどにも注意が必要です。日焼け止めクリーム,サングラス,帽子の着用をお勧めします。

 水道水はそのまま飲用可能ですが,硬度は高めです。体質に合わない場合は,市販の水を購入するのが無難です。土地柄,魚介類が食べられるレストランがたくさんありますが,不衛生なお店は避け,食事前の手洗いを心がけてください。サルモネラ菌による食中毒も散見しますので,生卵は食べないようにしてください。旅行者に多い症状としては,下痢があげられます。ギリシャ料理はオリーブ油を多く使っているのでメニューを選ぶ時に注意しましょう。

 島嶼部ではバイクのレンタルが人気ですが,転倒して負傷し入院を余儀なくされる事例があるので,十分注意してください。

 またアテネ市内には多くの野犬が放置されています。噛まれるなどの被害を受けないようにむやみに近づかないようにして下さい。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

 ギリシャ入国のために求められる予防接種は特にありませんが,A型・B型肝炎と,破傷風やジフテリアの追加接種を受けると安全です。

(1)赴任者に必要な予防接種(成人,小児)

 特定のものはありません。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
年齢 接種するワクチン
出生時4) HBおよびHB用高度免疫グロブリン0.5ml (母親感染の場合)4)
1ヶ月 HB(母親感染の場合)4)
2ヶ月 HB(母親感染の場合)4),HB(普通), DPT,IPV,Hib,MCC,PCV
4ヶ月 HB(普通), DPT,IPV,Hib,MCC,PCV
6ヶ月
9ヶ月4)
DPT,Hib,PCV
HBsAg表面抗原およびanti-HBs抗体検査(母親HB感染の場合) 4)
6ヶ月-18ヶ月 HB(母親感染の場合)4),HB(普通),IPV
12ヶ月
12ヶ月以上
12ヶ月-15ヶ月
ツ反
MCC,HA
Hib,MMR
12ヶ月-18ヶ月 Var,PCV
15-18ヶ月 DPT
4~6歳 DPT,IPV,MMR,Var,ツ反, BCG
11~18歳 TdaP, Td
13~18歳 Var
18歳以上 Td

解説

1)日本に比べるとかなりたくさん行うことになっています。接種の時期には幅がありますので,小児科医に相談してください。表にしたのは一例です。

2)HB:B型肝炎,DPT:ジフテリア・破傷風・百日咳の3種混合,IPV:注射用ポリオワクチン,Hib:インフルエンザ菌b型,MCC:髄膜炎菌,PCV:肺炎球菌,MMR:麻疹・流行性耳下腺炎・風疹の新3種混合,ツ反:ツベルクリン反応,BCG:結核菌,Var:水痘,HA:A型肝炎,HPV:ヒトパピローマウイルス(女児のみ),TdaP:思春期以後を対象としたジフテリア・百日咳・破傷風の3種混合, Td:ジフテリア・破傷風の2種混合

3)現地校(幼稚園を含む)に入る際には,予防接種証明は特に要りません。インターナショナル・スクールに入学したり,スポーツクラブに入会する場合は予防接種記録の提出が必要になる場合があります。要求された場合に応じられるように,母子手帳や予防接種記録を必ず持参してください。

4)母親がB型肝炎感染で,HBsAg表面抗原保有者の場合,ワクチン回数は,出生時,1ヶ月,2ヶ月,6~18ヶ月の4回。加えて,9~15ヶ月でHBsAg表面抗原およびanti-HBs抗体検査を行う。その他の場合は,6ヶ月までに2回,6~18ヶ月に1回の3回。

8 病気になった場合(医療機関等)

 基本的に全ての医療機関が外国人を受けて入れています。通常は診療の予約をとってから受診しますが,救急の場合,以下の私立総合病院では24時間体制で診療を受け付けています。

私立総合病院
機関名 診療科目 連絡先 診察時間 言語
Athens Medical Center
(Ιατρικό Κέντρο Αθηνών)
総合病院 住所: 5-7, Distomou Str., Marousi
(5-7, Διστόμου, Μαρούσι)
月~金曜日:7時30分~16時
(注)救急は24時間対応
英語可
電話: 210 6198100  / -120  
FAX: 210 6198555
Hygeia Hospital
(ΥΓΕΙΑ)
総合病院 住所: 4, Erithrou Stavrou Str., Marousi (4, Ερυθρού Σταυρού , Μαρούσι) 月~金曜日:8時~16時
(注)緊急は24時間対応
英語可
電話: 210 6867000
FAX: 210 6845089
メール: info@hygeia.gr
Mitera Clinic
(ΜΗΤΕΡΑ)
産婦人科 住所: 6, Erythrou Stavrou Str., Marousi (6, Ερυθρού Σταυρού, Μαρούσι) 月~金曜日:9時~17時
(注) 緊急は24時間対応
英語可
電話: 210 6869000
FAX: 210 6869926
メール: info@mitera.gr
Iasso General Hospital
(ΙΑΣΩ General)
総合病院 住所: 264, Messoghion Ave., Cholargos (264, Λεωφ. Μεσογείων, Χολαργός) 月~金曜日:8時~16時
(注) 緊急は24時間対応
英語可
電話: 210 650 2000
メール: insurance.general@iaso.gr
Metropolitan Hospital 総合病院 住所: 9, Ethnarchou Makariou Str. & 1, El. Venizelou Str., Neo Faliro (Εθνάρχου Μακαρίου 9 & Ελ. Βενιζέλου 1, Νέο Φάληρο) 緊急は24時間対応 英語可

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ギリシャ日本国大使館 ホームページ:
http://www.gr.emb-japan.go.jp/portal/jp/proxeniko/index.html別ウィンドウで開く
(注)ギリシャで生活する上で必要な情報を詳しく掲載しています。

10 現地語・一口メモ

 ギリシャ語での簡単な表現については,本稿9.で紹介したホームページのうち,「領事情報」,「大使館のお知らせ(暮らしに役立つ生活情報,安全情報)」の「生活安全の手引き」15ページに「緊急時におけるギリシャ語表現集」を参照ください。


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