世界の医療事情

チェコ

2022年10月

1.国名・都市名

 チェコ共和国(プラハ市)(国際電話国番号420)

2.公館の住所・電話番号

○ 在チェコ日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Maltezske namnesti 6, P.O.BOX 91, 118 01 Praha 1, Czech Republic
電話:+420-257-532-377
ホームページ:https://www.cz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

3.医務官駐在公館ではありません

 在フランス日本国大使館 医務官が担当

4.衛生・医療事情一般

 内陸国で1年の半分は寒冷期で10月から4月の平均気温は10度以下です。夏は、日差しは強いのですが平均気温は20度ぐらいで湿度も少なく過ごしやすい気候です。冬季には寒さが厳しく12月から3月にかけては、街は雪で覆われます。(近年の温暖化で夏の最高気温は上がる傾向にあります。)

 病院の衛生環境、医療水準、設備等は、一般的な診療を受ける分には一応問題はないレベルです。公立病院の場合、院内の案内板等に英語の併記が無く、医師以外に英語が通じない場合が多いので受診に際しては、ある程度チェコ語が出来ないと苦労します。チェコ語に自信のない方は通訳の出来る方に、同行してもらった方が安心です。料金は高くなりますが、外国人を対象とした私立のクリニックを利用することも出来ます。高度に専門的な治療が必要な場合は、西ヨーロッパや日本への移送を要する事も有ります。移送には高額な費用がかかるため、海外旅行傷害保険などで十分に医療費用をカバーしておくことをお勧めします。

5.かかり易い病気・怪我

(1)気候による病気(風邪、皮膚炎など)

 年間を通じて空気が乾燥しているため上気道感染症にかかりやすく、皮膚の乾燥による皮膚炎にも悩まされることがよくあります。春先から秋にかけてはアレルギー性鼻炎もよく見られる病気です。

(2)転倒による怪我

 プラハの街中は石畳の道路が多く、特に冬季は凍結し滑り易いので転倒による怪我も要注意です。

(3)感染性胃腸炎

 サルモネラ菌やウイルス感染による下痢(感染性腸炎)も散発的に見られます。牛肉・鶏肉は良く火を通して調理後長時間保存しないようにし、食事前の手洗いも忘れないようにしてください。

(4)ダニ脳炎・ライム病

 春から夏にかけ、森林、草地でマダニが媒介する感染症があります。ダニ脳炎はウイルス性脳炎で、主に中央ヨーロッパから北欧、旧ソ連地域に広がる風土病です。1週間から2週間程度の潜伏期の後に、夏風邪のような症状が数日続きます。続いて1週間程度の間隔を開けて、頭痛、意識障害、麻痺、感覚障害等の症状が出てきます。発症した場合は、致死率が1~5%程度あり、頚部から上腕の麻痺等の後遺症が残りやすい厄介な病気です。ダニ媒介性の感染症を防ぐためには、マダニが活動する時期に森林などに近寄らないのが賢明ですが、やむなく草原や森林で野外活動を行う場合には、マダニに刺されないように、虫除けを用い、長袖、長ズボン、帽子を被るなど肌を露出しない服装を心掛ける必要があります。また、予防のためのワクチンがあり、通常3回の接種で3~5年有効です。野外活動愛好家や長期滞在者には、ダニ脳炎の予防ワクチン接種をお勧めします。日本では接種できませんが、当国では接種することが出来ます。

 ダニはライム病という病気も媒介します。こちらは細菌感染症で、予防接種はありません。感冒様症状や発赤などの皮膚症状ではじまり、ついで心血管系、中枢神経系の病変がみられ、その後関節、皮膚などに慢性病変がみられるようになります。感染した場合、抗生物質での治療が必要です。

6.健康上心がける事

 冬季は寒さが厳しく、外出の際には防寒性の高いコート、帽子、マフラー、手袋、滑り止めのある底の厚い靴等の防寒具が必要です。また道路が凍結し滑り易いので、注意が必要です。日本と比べて空気が乾燥しており、風邪やインフルエンザなど上気道感染症にかかりやすいです。予防策として、外出から戻った際は手洗いとうがいを励行しましょう。空気の乾燥は皮膚にも大敵です。入浴後にクリームやローションで保湿するなどスキンケアに心掛けましょう。特に冬季の室内は暖房が入ると、かなり乾燥するので加湿器の使用も有効です。

 チェコ料理は、味が濃くボリュームがある(塩分過多、カロリー大)ので、生活習慣病を予防するためにも、バランスの良い食事を心掛けてください。

7.予防接種

 現地のワクチン接種医療機関などについてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 入国に際して必要な予防接種は特にありませんが、次のものをお勧めします。

  • 成人:破傷風トキソイドの追加接種
  • 小児:基本的に日本での定期予防接種を受けてきてください。日本の定期予防接種で不足する、チェコで推奨されている予防接種については、現地の小児科医と個別に相談してください。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の定期予防接種一覧
初回 2回目 3回目 4回目 5回目
BCG(結核) 1ヶ月        
DPT(ジフテリア、破傷風、百日咳) 3ヶ月 5ヶ月 11ヶ月 5才から 10才から
IPV(ポリオ) 3ヶ月 5ヶ月 11ヶ月 10才から  
Hib(ヘモフィルス・インフルエンザb菌) 3ヶ月 5ヶ月 11ヶ月    
B型肝炎 3ヶ月 5ヶ月 11ヶ月 12才から  
MMR(麻疹、おたふく風邪、風疹) 1才から 5才から      

 生後2ヶ月以降で、小児用肺炎球菌ワクチン、ロタウイルスワクチンの接種が推奨されています。

 このカレンダーはあくまで目安になります。医師と相談して各自の状況に合わせて予防接種して下さい。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 チェコでは法律によって2007年1月から、すべての小児に予防接種が義務づけられています。現地校に入学するためには予防接種を受けていることが条件となります。

8.病気になった場合(医療機関等)

 外国人用に医療サービスを提供している医療機関もあり、日本語通訳を紹介してくれる病院もあります。救急車を依頼する時の電話番号は「155」です。病院によっては海外保険の番号が必要となります。保険番号を確認し、証書等を病院へお持ちいただくことをお勧めします。

◎プラハ

(1)Unicare Medical Center
所在地:Na Dlouthem lanu 11, Praha 6
電話(代表):235-356-553、608-103-050(24時間)
概要:私立診療所。診療科は内科、小児科のみとなります。皮膚科、眼科等は一般医による診療となります。重症の場合は専門医を紹介されます。日本人スタッフがシフト制で働いており、日本語通訳の依頼が可能です。往診あり。
(2)Canadian Medical
所在地:複数あり
電話(総合受付):222-300-300
概要:私立総合病院(外来のみ)。内科、外科、整形外科、小児科、眼科、精神科、婦人科、皮膚科、耳鼻科、歯科。常勤医は少なく、大学病院勤務医らが時間契約でこの病院で勤務しています。施設は専門分野で分かれて立地しているため、受診時は、上記総合受付に電話し、症状に応じて施設を紹介してもらうことをお勧めします。重症の場合は公立病院を紹介されます。
(3)モトール大学病院(Facultni Nemocnice Motol
所在地:V Uvalu 84, 150 06 Praha 5
電話:224-438-590 (成人緊急用) 、224-433-681、224-433-682、224-433-674(外国人成人用)、224-433-690、224-433-691(外国人小児用)
概要:プラハ南側が管轄地域です。外国人専用外来があり、他の大規模病院より小児科が充実しているため、邦人はこの病院をよく利用しています。
(4)陸軍中央病院 Vojenslka Nemocnice
所在地:U Vojenske Nemocnice 1200, 169 02 Praha 6-Stresovice
電話:973-208-333
概要:管轄地域はプラハ北及び西側になります。

9.その他の詳細情報入手先

(1)在チェコ日本国大使館 ホームページ:http://www.cz.emb-japan.go.jp/別ウィンドウで開く

10.現地語・一口メモ

 医師:lekar(レーカーシュ)
   (もしくは doktor(ドクトル))

 飲み薬:lek(レーク)

 座薬:cipek(チーペック)

 注射:injekce(インイェクツェ)

 頭痛:bolest hlavy(ボレスト フラヴィ)

 胸痛:bolest hrudniku(ボレスト フルドゥニーク)

 腹痛:bolest bricha(ボレスト ブジハ)

 下痢:prujem(プルーイェム)

 発熱:horecka(ホレチュカ)

 吐き気:zvedani zaludku(ズヴェダニー ジャルドゥク)

 傷:zraneni(ズラニェニー)

 気分が悪い:Je mi spatne.(イエ ミ シュパット二ェ)

 病院へ連れて行ってください。:Vezmete me do nemocnice?(ヴェズメテ ムニェ ド ネモツニッツェ?)

 風邪をひいた。:Jsem nachlazeny.(イセム ナフラゼニー)

 下痢をした。:Mam prujem.(マーム プルーイェム)

 めまいがする。:Toci se mi hlava.(トチー セ ミ フラヴァ)

 ここが痛い。:Tady me boli.(タディ ム二ェ ボリー)

11.新型コロナウイルス関連情報

 流行状況に応じて、入国時のルール、滞在中のルール(公共施設でのマスク着用の義務、等)は、都度変更されます。最新の情報をチェコ当局や当館領事部のホームページで確認ください。

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