世界の医療事情

ブルガリア

令和2年10月

1 国名・都市名・国際電話国番号

 ブルガリア共和国(国際電話国番号359)

2 公館の住所・電話番号

在ブルガリア日本国大使館(毎週土日休館)
Посолство на Япония в Република България, Люлякова градина 14, София 1113
電話:(02)-971-2708
ホームページ:https://www.bg.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

3 医務官駐在公館ではありません

 在イタリア日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 ブルガリアはヨーロッパの南東にあるバルカン半島の東に位置しています。首都ソフィアは西の国境近くにあり、緯度は北海道の札幌付近に一致します。国土の中央を走るバルカン山脈により地域ごとに気候が大きく異なり、冬季は- 20℃、夏季には 40℃前後になるところもあります。また全体的に1日の気温の変化や冬と夏の寒暖の差が大きく、年間を通じて空気が乾燥しています。

 上水道管が老朽化して水道水が濁っている地域もあるので、飲用には市販のミネラルウォーターが推奨されます。

 2007年のEU加盟以降、医師や看護師が海外に流出し、医療スタッフが慢性的に不足しており、公立病院の施設は老朽化しています。ソフィア等の都市部には私立病院やクリニックが多数ありますが、手術や専門的治療が可能な施設は限られています。英語が通じない病院が多いので、受診をする際にはブルガリア語の通訳者の同行が必要です。

 重篤な病気や怪我の治療が必要な場合は、周辺の医療先進国や日本への移送が望まれます。移送には高額な費用が必要となりますので、渡航前に緊急移送特約付き海外旅行者保険への加入をお勧めいたします。

 当地で購入した医薬品を使用する際は、日本とは用量が違っていたり、ブルガリア語の添付文書しか付いていなかったりするので、注意が必要です。できるだけ使い慣れた薬を携行してください。

5 かかり易い病気・怪我

(1)交通事故

 都市部では交通量が多いこと、郊外では道路の整備が不十分なこと、さらに多くのドライバーの運転マナーが悪いこともあり、交通事故が多発しています。歩行の際にも十分な注意が必要です。

(2)ウイルス性肝炎

 A型肝炎が散発的に流行しています。食べ物や飲み物から感染するウイルス感染症ですので、生水や加熱されていないもの(生野菜、カットフルーツ、氷など)の摂取は控え、手洗いを励行し、できるだけ渡航前に予防接種を受けてください。B型肝炎ウイルスは、医療行為(予期せぬ事故や手術など)や性交渉を介して感染するため、特に長期滞在予定の方はワクチンの接種を検討してください。

(3)狂犬病

 イヌなどの動物に咬まれる被害が多く発生しています。イヌ以外の動物(キツネ、ネコなど)に咬まれた場合でも、狂犬病ウイルスに感染する危険性があります。動物に襲われたら直ちに、怪我をした部位を石けんと水でよく洗ってから消毒し、できるだけ早く医療機関を受診して、狂犬病や破傷風、その他の感染症の予防処置を受けてください。ソフィア市内で狂犬病ワクチンの接種が受けられるのは、Alexandrovska HospitalTsaritsa Yoanna–ISULの2カ所だけです。他の病院を受診しても、必要なワクチンの接種について説明されないことがあるので注意してください。特に小さなお子さんは、動物に咬まれても説明できないことがあるので、むやみにイヌやネコ、その他の動物に近づかないよう注意してあげてください。

(4)ライム病、ダニ媒介性脳炎

 ライム病の病原体である細菌(スピロヘータ)に感染した動物から、マダニを介してヒトに感染するため、ダニに咬まれないことが最も大切です。ダニの活動性が高まる春から秋にかけて感染のリスクが高くなります。農林業やレジャーで、ダニが多く棲む草地や森林へ出かける際は、長袖シャツ、長ズボン、靴下・靴を着用し、肌を露出しないことが大事です。また防虫剤がダニにも有効です。皮膚にマダニが接着している場合は、自分で取ろうとせず、すぐに医師の診察を受けて下さい。ライム病の予防ワクチンはありません。同じくダニにより感染するウイルス感染症のダニ媒介性脳炎も発生しています。ダニ脳炎ワクチンを取り扱っている医療機関(トラベルクリニックなど)で、接種についてご相談くさい。

(5)転倒

 冬は積雪や路面の凍結で滑りやすく、歩道の傾斜や段差が多いため、雨の日も転びやすい道路状況となります。ちょっとした転倒でも、骨折や頭部の打撲などの危険性があるので、靴底が滑らないように加工された靴の着用をお勧めします。

(6)花粉症

 春から夏にかけて、様々な樹木の花粉が飛散します。この時期に当地に滞在される方は、抗アレルギー薬(内服、点眼、点鼻)やマスク(入手困難)を準備して持参されることをお勧めします。

6 健康上心掛ける事

(1)ブルガリアの料理は一般的に塩辛く、油が多いため、特に高血圧症、脂質異常症や糖尿病の方は注意が必要です。

(2)鶏卵から感染することが多いサルモネラ菌食中毒の発生があります。卵の取り扱いに注意し、生卵や半熟卵は食べないようにしましょう。また、気温が高い夏だけではなく、暖房で室温が高くなる冬にも食中毒が発生しますので、料理に十分火が通っていることを確認し、調理後は長時間放置せず、すぐに食べるようにしてください。不衛生と思われる飲食店での食事は避けましょう。

(3)夏季は日差しが強いので、サングラスや帽子の着用をお勧めします。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 成人・小児とも、本邦からの入国に際して必要な予防接種はありません。

成人:(推奨)A型肝炎、B型肝炎、破傷風(狂犬病、ダニ媒介性脳炎)

小児:(推奨)日本の定期予防接、A型肝炎、B型肝炎(狂犬病、ダニ媒介性脳炎)

(2)現地の小児定期予防接種(2020年、WHO)

 

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B型肝炎 HepB (注1)                    
DTaP + Hib + IPV                  
DTaP + Hib+ HepB + IPV(注2)                    
DTaP + IPV                        
Td 破傷風、ジフテリア                        
肺炎球菌                  
BCG (注3)                    
MMR 麻疹(はしか)、おたふくかぜ、風疹                      
ロタウイルス (注4)                    

DTaPジフテリア、破傷風、百日咳、IPV 不活化ポリオ、Hib インフルエンザ菌b型

(注1)B型肝炎ワクチンだけで接種する場合は3回接種(生後24時間以内、1か月、6か月)

(注2)B型肝炎ワクチンを含む混合ワクチンで接種する場合は4回接種(生後24時間以内(B型肝炎ワクチンのみ)と2か月、3か月、4か月)

(注3)BCGはツベルクリン反応が陰性の場合のみ追加接種します。

(注4)ロタウイルスワクチンは種類により接種時期が異なります。

(3)入園・入学の際に提出を求められる予防接種・接種記録

 幼稚園入園から高校入学時まで、(2)に示されたブルガリア保健省が規定する予防接種を受けたことを証明する書類(予防接種パスポート)の提出が求められます。インターナショナルスクールでは、予防接種の履歴書類(証明書ではない)や健康診断証明書を求められる場合があるので事前に確認し、英文で書かれた母子手帳の記載事項を含めた書類の作成を日本の主治医に依頼してご用意ください。

8 病気になった場合(医療機関等)

 首都ソフィアや主な地方都市には、救急患者に24時間対応可能な公立の救急病院があり、私立病院でも24時間対応しているところあります。ダイヤル「112」で救急車を呼ぶことができますが、到着に時間がかかることがあり、タクシーや自家用車で受診する方が早い場合もあります。病院では英語がほとんど通じませんので、通訳が必要です。また、病院での支払いには、ブルガリアの現地通貨(レヴァ)をご用意ください。

◎ソフィア市

※公的救急車(Ambulance)電話:112
(1)АДЖИБАДЕМ СИТИ КЛИНИК БОЛНИЦА ТОКУДАAcibadem City Clinic Tokuda Hospital
所在地:София 1407, бул. ”Никола Вапцаров” 51Б51B. Nikola Vaptsarov blvd, 1407
電話:(02)-403-4000(総合受付), (02)-403-4112(救急車)
http://www.tokudabolnica.bg別ウィンドウで開く
概要:2006年に開院した最新鋭設備を備えた私立総合病院(歯科も併設)で、24時間救急患者に対応しています。2016年にトルコ系病院による経営に替わりました。受付には英語の通じる職員が配備されており、ほとんどの医師は英語での対応が可能ですが、他の医療スタッフとはブルガリア語でしかコミュニケーションがとれないこともあります。日本での病院研修経験のあるスタッフもいることから、日本人にとって比較的利用しやすい病院と考えられます。
(2)ПИРОГОВPirogov Emergency Hospital)
所在地:София 1606, бул. ”Тотлебен” 2121 Totleben Blvd, 1606
電話:(02)-9154411, (02)-9154213(救急:救急車を呼ぶ時は112)
http://www.pirogov.bg別ウィンドウで開く
概要:24時間対応の公立救急病院ですが、電話が通じにくいことも多く、直接受診した方が良い場合もあります。医師の多くは英語が通じないので、ブルガリア語のできる人に同行してもらった方が良いでしょう。
(3)ВИТА База 1VITA Patient building 1
所在地:ул. “Драговица“ №99, Dragovitza Street
    (救急部)10, Filip Kutev Street, Sofia 1407
電話:(02)-943-4398, 02-960-4950 (救急部)02-452-2000
http://www.vita.bg別ウィンドウで開く
概要:2004年9月に開院した私立クリニックで、主要な診療科がそろっています。救急部(別施設)は24時間対応しています。
(4)ВОЕННОМЕДИЦИНСКА АКАДЕМИЯMilitary Medical Academy
所在地:3 St. Georgi Sofiyski Str. 1606
電話:(02)-922-6000
http://www.vma.bg別ウィンドウで開く
概要:高次救急病院の役割を有しており、他院からの紹介患者を受け入れています。集中治療室や手術室等の一部の施設には最新鋭の設備が整っています。
(5)Dr. Dean Mihailoff, Swedent Dental Clinic
所在地:100 James Boucher str., Kempinski Hotel Room110, 1407
電話:(02)-969-2273, 969-2272
http://www.swedent-bg.eu/別ウィンドウで開く
概要:私立の個人歯科クリニックです。英語が通じるため当地在住外国人が利用しています。
(6)Deutsche Dental Klinik
所在地:бул. Княз Александър Дондуков 99, Alexandar Dondukov Blvd., 1000
電話:899077916
https://www.ddk.bg/別ウィンドウで開く
概要:院長Dr. Med. Dent. Gergo Mitov
(7)Александровска болницаAlexandrovska Hospital
所在地:бул. "Св. Георги Софийски" № 1 1, St. Georgi Sofiyski Str., 1431
電話:(02)-923-0592, (02)-9230-389
https://www.alexandrovska.com別ウィンドウで開く
概要:ソフィア周辺地域を担当する狂犬病ワクチン接種機関です。ソフィアでは、狂犬病ワクチンはここと以下(8)の医療機関でしか接種できません。地方都市においても、狂犬病ワクチンの取扱は指定医療機関に限られています。
(8)УМБАЛ "Царица Йоанна-ИСУЛ"UMBAL “Tsaritsa Yoanna – ISUL”
所在地:ул. „Бяло море” №88, Byalo more Str., 1527
電話:(02)-943-2170
https://www.isul.eu/kontakti.htm別ウィンドウで開く
概要:ソフィア周辺地域を担当する狂犬病ワクチン接種機関の一つです。

9 その他の情報入手先

 ブルガリア保健省(英語バージョンあり)
 http://www.mh.government.bg/en/別ウィンドウで開く

10 現地語一口メモ(ブルガリア語)

医師:ЛЕКАР(レーカル)

薬:ЛЕКАРСТВО(レカルストヴォ)

飲み薬:МЕДИКАМЕНТ ЗА ОРАЛЕН ПРИЕМ(メディカメント ザ オラレン プリエム)

注射:ИНЖЕКЦИЯ(インジェクツィャ)

頭痛:ГЛАВОБОЛИЕ(グラヴォボリエ)

腹痛:БОЛКА В КОРЕМА(ボルカ ヴ コレマ)

下痢:ДИАРИЯ(ディアリャ)

発熱:ВИСОКА ТЕМПЕРАТУРА(ヴィソカ テンペラトゥラ)

吐き気:ПОВРЪЩАНЕ(ポヴルシュタネ)

傷:РАНА(ラナ)

具合が悪い:АЗ СЪМ БОЛЕН.(アス サム ボレン)

病院へ連れて行って欲しい:БИХТЕ ЛИ МЕ ЗАВЕЛИ В БОЛНИЦА?(ビフテ リ メ ザヴェリ ヴ ボルニッツァ)

11 新型コロナウイルス関連情報

 2020年9月中旬以降、感染が急拡大しており、9月末には1週間に約1000人であった新規感染者数が、10月末に15000人に達しようとしています。

 2020年10月末現在、マスクやアルコールなどの衛生用品は比較的容易に入手可能です。

 感染が疑われる場合、かかりつけ医に連絡し指示を仰ぐか、かかりつけ医がいない旅行者などは、滞在先住所を管轄する地域保健局に電話で相談し指示を受けてください。

 各地域の保健局連絡先(ブルガリア保健省HP)
 http://www.mh.government.bg/bg/ministerstvo/vtorostepenni-razporediteli/regionalni-zdravni-inspektsii/別ウィンドウで開く

 検査が受けられる医療施設、感染確認後の対応等を含め、詳細については、在ブルガリア日本国大使館ホームページで最新情報をご確認ください。


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