世界の医療事情

オーストリア

2023年4月

1.国名・都市名

 オーストリア共和国(ウィーン、グラーツ、ザルツブルク、インスブルック) (国際電話国番号43)

2.公館の住所、電話番号

○ 在オーストリア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan in Austria Heßgasse 6, 1010 Vienna, Austria
電話:(01)-531-92-0
Fax:(01)-532-05-90
ホームページ:https://www.at.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

4.衛生・医療事情一般

 オーストリアはヨーロッパ大陸のほぼ中央にある内陸国で、面積は北海道とほぼ同じ、緯度は北海道よりも北に位置します。人口は約897万人(2022年)。気候は、冬季は日照時間が短く、平均最低気温が氷点下、夏期は日照時間が長く平均気温20度前後です。衛生状況は良好で、水道水はそのまま飲用できます。医療事情も良好でどの診療科も特に問題なく受診できます。医師は英語を話しますが、医師以外の医療従事者ではドイツ語が必要な場合があります。薬局では、医師の処方箋がなくても買える薬が多くあります。休日を含め営業時間外でも当番の薬局で薬を購入することが可能です。滞在許可を持つ外国人でもオーストリアの国民健康保険に加入することができますが、保険料は収入によって違い、加入してから利用できるまでに半年ぐらいかかります。その他に私的保険もありますが、一時滞在者がこれらの保険に加入することはまれです。医療費は非常に高額なので、海外旅行傷害保険等に必ず加入しておきましょう。

5.かかり易い病気・怪我

(1)感冒

 冬季は季節性インフルエンザが流行します。予防ワクチンは、地域保健センターやプライベートクリニック等で接種できます。

(2)ダニ脳炎

 春先から秋にかけて森林地帯に入ってダニ(マダニ)に咬まれることにより感染し脳炎をおこすもので、死亡したり後遺症を残す例が毎年報告されており、オーストリア政府は国民に予防接種を推奨しています。ダニに咬まれたら、必ず脳炎になるというわけではありませんが、発症する場合は、咬まれて3~14日目から感冒のような症状が出始め、数週間後に発熱、頭痛、麻痺、意識障害等の脳炎症状を起こします。野外ではダニに刺されないような服装や忌避クリームの塗布を心がけてください。治療法はなく、ワクチン接種が唯一の予防策です。地域保健センターやプライベートクリニック等で接種できますが、3回接種が必要です。

(3)その他の感染症

 サルモネラやキャンピロバクターによる感染性胃腸炎、その他肝炎の報告もあります。性的接触による淋病、梅毒、AIDSの報告もありますので行動には十分注意してください。

(4)交通事故

 自転車専用道路が整備されていますが、自転車と歩行者や自動車との接触・衝突事故が少なくありません(専用道路で自転車は結構なスピードを出しています。自転車と歩行者との交差点では自転車が優先です)。

6.健康上心がける事

 夏は極端に日照時間が長いので睡眠時間が短くなってとかく疲れやすく、逆に冬は極端に日照時間が短くなり寒く暗いので抑うつ状態になりがちです。環境に自分の生活を上手に適応させることが大切です。

7.予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に推奨する予防接種

 風土病であるダニ脳炎のワクチンは合計3回(2回目:初回接種1-3ヶ月後、3回目:2回目接種9-12ヶ月後)の接種が必要です。小児では幼稚園や学校の野外活動の前に,接種の確認をされることがあります。日本国内では入手困難ですが、現地の医療機関で接種できます。3回接種が終われば、小児は3年間、成人は5年間有効とされています。

(2)現地の小児定期予防接種一覧(2022年10月)

 オーストリアの小児予防接種一覧(2022年10月)
生後 DTaP Hib IPV HB 肺炎球菌 MMR FSME dT-IPV 髄膜炎菌 HPV ロタ
7週-6ヶ月                     ○9)
3ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)            
5ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)            
12~14ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)            
11~24ヶ月           ○4)          
11ヶ月             ○5)        
7~9歳               ○6)      
10~12歳                   ○8)  
7~15歳       ○3)       ○6)      
12歳                 ○7)    
13~15歳                   ○8)  

 1) DTaP(ジフテリア・破傷風・百日咳ワクチン)、Hib(インフルエンザ菌b型ワクチン)、ポリオ及びB型肝炎の6種混合ワクチンとして接種されます。

 2) 肺炎球菌ワクチンPCV-7は、日本で接種可能な肺炎球菌ワクチン(23価ワクチン)とは内容が異なります。

 3) 追加接種或いは、未接種の場合は3回の接種(0、1、6ヶ月)が勧められます。

 4) 2歳までに2回の接種が勧められます。初回接種は生後11ヶ月-12ヶ月の間に接種し、2回目は3ヶ月の間隔をおいて接種します。水痘を加えた4種混合ワクチンとして接種される場合もあります(MMR-V)。

 5) FSME(ダニ脳炎ワクチン)も定期接種に含まれています。

 6) ジフテリア、破傷風、ポリオ混合ワクチン。 9歳までに2回の接種が勧められます。7才で1回目、8、9才で追加接種をしますが、接種が1回だけだった場合は13才で追加接種をします。

 7) 4価(A、C、Y、W-135)髄膜炎菌ワクチン(結合型)です。11歳-13歳の間に接種します。

 8) HPV(子宮頚癌ワクチン)は10、11、12才時に6ヶ月間隔で2回接種します。男子も対象です。未接種の場合は13、14、15才時に接種します。

 9) ロタウイルスワクチンは、生後7週から6ヶ月の間に、4週間以上の間隔で2~3回の接種が必要です。

 保健所、小児クリニックや病院の小児科でワクチンが接種できます。定期予防接種に関してワクチン料金は小児科医の判断に依って現地人(国民兼健康保険に加入)と同様に外国人も無料の事が有りますが、注射代(手技料)の支払いを求められます。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 ポリオ、DPT、MMR、B型肝炎、インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン、ダニ脳炎などの予防接種証明を求められることがあります。またツベルクリン反応の結果を求められることもあります。

8.病気になった場合(医療機関等)

 オーストリアの国民健康保険に加入している場合は救急でなければ最初に一般医を受診します。一般医が対応できない場合は公立病院を紹介されます。私立病院では数人のスタッフ以外は病院が契約した専門医がそれぞれ時間を決めて診療を行います。受診は予約制が原則ですので公立病院と違って余り待つことはなく、検査も柔軟に対応してもらえます。しかし私立病院での診察料、治療費等は病院、医師によって違い、通常は高額ですので、海外旅行傷害保険に加入しておくか、または別途個人保険に加入することを勧めます。当地での歯科診療も特に問題はありませんが、治療に際しては事前に費用を確認してください。日本語の通じる病院はありませんが、保険でカバーできる医療通訳を依頼できます。支払い方法は振り込み等が多く受診時に現金は不要です。支払期日が過ぎると延滞金が加算されるので注意が必要です。また入院時には、デポジットを要求されます(3,000~8,000ユーロ前後)。

 救急車を呼ぶ時は「144」です。オーストリアの国民健康保険に入っていない人は有料で、ウィーン市内の場合では709ユーロ(2022年10月料金)です。医師が、症状に合わせて自宅対応、往診、救急車への医師同乗など対応してくれます。英語も可能。搬送病院は指定できませんが、成人の救急、小児病院、外傷(交通事故)など、状態に応じて適切な病院に運ばれます。

◎首都ウィーン

(1)Privatklinik Döbling(ドゥブリング病院) 私立
所在地:Heiligenstädter Straße 57-63, 1190 Wien(トラムD "Rampengasse"
電話:(01) 360 66-0
ホームページ:https://www.privatklinik-doebling.at別ウィンドウで開く
概要:設備が整った私立総合病院です。予約をすればほとんどの診療科目で受診可能です。在留邦人がよく利用しています。
ジャパニーズ・カスタマー・サービスセンターはこの病院と提携しており、専門医の検索、受診予約から、受診時の医療通訳を依頼することができます。
電話:0676-957-6868
ホームページ:http://www.jcsc.at別ウィンドウで開く
(2)Rudolfinerhaus(ルドルフィナー病院) 私立
所在地:Billrothstraße 78, 1190 Wien(トラム38またはバス10A, 39A "Silbergasse")
電話:(01) 360 36-0
ホームページ:https://www.rudolfinerhaus.at別ウィンドウで開く
概要:胃の再建術で有名なDr. Billrothが創設した歴史のある病院。設備が整った私立総合病院です。
(3)Malacht (マラクート小児クリニック)  私立
所在地:Oppolzergasse 6/8, 1010 Wien(地下鉄U2 "Schottentor"またはトラム1, 71, D, U2Z "Rathausplatz")
電話:(01) 968 21 11
ホームページ:https://www.malacht.at別ウィンドウで開く
概要:私立小児科病院、週末昼間も受診できます(事前電話予約)。検査も可能。在留邦人がよく利用しています。
(4)Allgemeines Krankenhaus( 略称AKHアーカーハー )公立
所在地:Währinger Gürtel 18-20, 1090 Wien(地下鉄U6 "Michelbeuern-AKH")
電話:(01) 404 00-0
ホームページ:https://www.akhwien.at別ウィンドウで開く
概要:ウィーン大学医学部付属病院。約2,000床の総合病院。歯科はありません。重症者はほとんどここに運ばれます。一般外来は紹介受診が原則です。救急外来は充実しており24時間対応です。オーストリアの国民健康保険に加入していなければ、1日2,500ユーロ以上の入院費用がかかることがあります。また、デポジットが必要です。
(5)St. Anna Kinderspital 公立
所在地:Kinderspitalgasse 6, 1090 Wien(トラム43または44"Brünnlbadgasse")
電話:(01)-40170-0
ホームページ:https://www.stanna.at別ウィンドウで開く
概要:小児科専門病院。(小児)内科が主で外科、歯科はありません。入院設備もあります。
(6)Klinik Donaustadt – Wiener Gesundheitsverbund 公立
所在地:Lagobarderstrasse 122, 1220 Wien (地下鉄U2 "Donauspital")
電話:(01) 288 02 0
ホームページ:https://klinik-donaustadt.gesundheitsverbund.at別ウィンドウで開く
概要:AKHに次いで大きな公立総合病院、24時間対応の救急あり。入院設備もあります。
(7)AUVA Traumazentrum Wien 公立
概要:外傷専門の病院、交通事故などの場合に搬送される救急病院です。
AUVA Unfallkrankenhaus Lorenz Böhler(ローレンツ・ビュウロー外傷病院)
所在地:Donaueschingenstraße 13, 1200 Wien(地下鉄U6またはバス5A, 7A "Dresdnerstraseße")
電話:(01)-59393-41000
AUVA Unfallkrankenhaus Meidling (マイドリング外傷病院)
所在地:Kundratstraße 37 1120 Wien (地下鉄U6 "Meidling")
電話:(01)-593934-5000
(8)ウィーン国際空港クリニック
所在地:ウィーン国際空港内
電話:(01)-7007-22245
概要:空港内でおきた急性疾患の対応のみならず、予防接種、旅行医学情報の提供なども行っています。

<邦人医師等が在籍し、日本語診療が可能な主な医療機関>
(9)Dr.矢本クリニック
所在地:Schottengasse 3a/IV/71, 1010 Wien(地下鉄U2 またはトラム1, 71, D, U2Z, 37, 38, 40, 41, 42, 43, 44 "Schottentor")
電話:(01) 526 30 625263-062
ホームページ:http://www2s.biglobe.ne.jp/~amati/wien別ウィンドウで開く
概要:当国の医学部を卒業した日本人医師です。2003年12月より、一般医として開業。必要に応じて救急医や専門医を紹介してくれます。
(10)Zentrum NOSOMI (望のぞみ)
所在地:Sachsenplatz 9/30A, 1200 Wien(地下鉄U6 "Jägerstraße"またはトラム5 "Rauscherstraße")
電話:0664-454-6044
ホームページ:https://www.nosomi.at別ウィンドウで開く
概要:オーストリア人一般医で、東洋医学研究のため旧富山医科薬科大学に2年間在籍。漢方や鍼も併用。日本語可能。要予約。海外旅行保険取り扱い可。
(11)岡本一郎教授 皮膚科クリニック
所在地:Skodagasse 32, 1080 Wien(トラム43, 44またはバス13A "Skodagasse")
電話:(01) 40114/5701
ホームページ:https://www.hautarztokamoto.at別ウィンドウで開く
概要:ウィーン大学病院(AKH)で皮膚科医長を務めている岡本教授のクリニック。皮膚疾患全般の診療(アトピー性皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、ニキビ、皮膚癌、等)。予約制。予約は電話あるいはホームページのKontaktformularから行います。プライベート保険或いは自費のみ。

○グラーツ市

(1)LandeskrankenhausUniversitätsklinikum Graz (LKH-Univ. Klinikum Graz)
所在地:Auenburgger Platz 1, 8036 Graz
電話:(01)-316-385-0
概要:地域の中核を担う大学付属病院で24時間対応です。
ホームページ:https://www.uniklinikumgraz.at別ウィンドウで開く

○ザルツブルク市

(1)Landeskrankenhaus Salzburg (SALK) – (略称 Uniklinikum Salzburg) 公立
所在地:Müllner Hauptstraße 48,5020 Salzburg
電話:057 2550
概要:地域の中核を担う大学付属病院で24時間対応です。
ホームページ:https://salk.at/Landeskrankenhaus.html別ウィンドウで開く
(2)AUVA Unfallkrankenhaus Salzburg 公立
所在地:Dr.Franz-Rehrl-Platz 5, 5010 Salzburg
電話:059 3934 4000
概要:外傷専門病院で24時間対応です。
ホームページ:https://www.ukhsalzburg.at/cdscontent/?contentid=10007.674036&portal=auvaukhsalzburgportal別ウィンドウで開く

○インスブルック市

(1)Landeskrankenhaus Universitätsklinik Innsbruck 公立
所在地:Anichstraße 35, 6020 Innsbruck
電話:050 504-0
概要:地域の中核を担う大学付属病院で24時間対応です。
ホームページ:https://www.tirol-kliniken.at/page.cfm?vpath=standorte/landeskrankenhaus-innsbruck別ウィンドウで開く

9.その他の詳細情報入手先

 大使館医務室にはウィーン市内の専門別の医療機関・保健センター等のリストがあります。必要な方はご相談ください。

(1)インターネットでの医師検索(ドイツ語):http://www.aekwien.at別ウィンドウで開く

(2)当国の予防接種情報(ドイツ語):https://www.sozialministerium.at/Themen/Gesundheit/Impfen.html別ウィンドウで開く

10.一口メモ

 医師:Arzt

 飲み薬:Medikament

 座薬:Zäpfchen

 注射:Spritze

 頭痛:Kopfschmerzen

 胸痛:Brustschmerzen

 腹痛:Bauchschmerzen

 下痢:Diarrhoe

 発熱:Fieber haben

 吐気:Ekel、Übelkeit

 傷:Wunde

 気分が悪い。:Ich fühle mich nicht wohl.

 病院へ連れて行ってください。:Bitte bringen Sie mich zum Krankenhaus.

 風邪をひいた。:Ich habe mich erkältet.

 下痢をした。:Ich habe Durchfall.

 めまいがする。:Ich fühle mich schwindelig.

 ここが痛い。:Es schmerzt hier.

11.新型コロナウイルス関連情報

 状況や対応などの情報は短期間で変化していますので、大使館にお問い合わせください。

 最新の感染状況は以下のサイトで確認できます。

 https://covid19-dashboard.ages.at別ウィンドウで開く

 新型コロナウイルス感染症に感染したり、感染した可能性がある場合、ホットライン1450に電話をすると、対応を教えてもらえます。英語は通じないこともあります。

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