世界の医療事情

オーストリア

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 オーストリア共和国(ウイーン,グラーツ,ザルツブルグ,インスブルック) (国際電話国番号43)

2 公館の住所・電話番号

在オーストリア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan in Austria Hessgasse 6, 1010 Vienna, Austria
電話:+43 (1) 531 92 0
Fax:+43 (1) 532 05 90
ホームページ:http://www.at.emb-japan.go.jp/jp/別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 オーストリアはヨーロッパ大陸のほぼ中央にある内陸国で,面積は北海道とほぼ同じ,緯度は北海道よりも北に位置します。人口は約852万(2014年)。気候は冬季は日照時間が短く,平均最低気温が氷点下,夏期は日照時間が長く平均気温20度前後です。衛生状況は良好で,水道水はそのまま飲用できます。医療事情も良好でどの診療科も特に問題なく受診できます。医師は英語を話しますが,他の医療従事者ではドイツ語が必要な場合があります。薬局では,医師の処方箋がなくても買える薬が多くあります。営業時間外にも当番の薬局で薬を購入することが可能です。滞在許可を持つ外国人でも国民健康保険に加入することができますが,保険料は収入によって違い,利用できるまでに半年ぐらいかかります。その他に私的保険もありますが,一時滞在者がこれらの保険に加入することはまれです。医療費は非常に高額なので,海外旅行傷害保険等に必ず加入しておきましょう。

5 かかり易い病気・怪我

(1)感冒

 冬季は季節性インフルエンザが流行します。予防ワクチンは,地域保健センターで接種できます。

(2)ダニ脳炎

 春先から秋にかけて森林地帯に入ってダニに咬まれることにより感染し脳炎をおこすもので,死亡したり後遺症を残す例が毎年報告されています。ダニに咬まれたら,必ず脳炎になるという訳ではありませんが,発症する場合は,咬まれて3~14日目から感冒の様な症状が出始め,数週間後に発熱,頭痛,麻痺,意識障害等の脳炎症状を起こします。野外ではダニに刺されないような服装や忌避クリームの塗布を心がけてください。治療法はなく,ワクチン接種が唯一の予防策です。

(3)その他の感染症

 サルモネラやキャンピロバクターによる感染性胃腸炎,その他肝炎の報告もあります。性的接触による淋病,梅毒,AIDSの報告もありますので行動には十分注意してください。

(4)交通事故

 自転車専用道路が整備されていますが,自転車と歩行者や自動車との接触・衝突事故が少なくありません。(専用道路で自転車は結構なスピードを出しています。自転車と歩行者との交差点では自転車が優先です)

6 健康上心がける事

 夏は極端に日照時間が長いので睡眠時間が短くなってとかく疲れやすく,逆に冬は極端に日照時間が短くなり寒く暗いので抑うつ状態になりがちです。環境に自分の生活を上手に適応させることが大切です。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に推奨する予防接種

 A型肝炎,B型肝炎,破傷風のワクチン接種を薦めます。風土病であるダニ脳炎のワクチンは合計3回(2回目:初回接種1-3ヶ月後,3回目:2回目接種9-12ヶ月後)の接種が必要ですが,日本国内では入手困難で,入手できたとしても高価なので,現地で接種しましょう。3回接種が終われば、小児は3年間,成人は5年間有効とされています。

(2)現地の小児定期予防接種一覧(2014年8月)

オーストリアの小児予防接種一覧(2014年8月)
生後 DTaP Hib ポリオ(IPV) B型肝炎 肺炎球菌 MMR dT-IPV 髄膜炎菌 HPV ロタ
7週-6ヶ月 ○8)
3ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)
5ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)
12~14ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)
11~24ヶ月 ○4)
7~9歳 ○5)
10~12歳 ○7)
7~15歳 ○3) ○5)
12歳 ○6)
13~15歳 ○7)

1) DTaP(ジフテリア・破傷風・百日咳ワクチン),Hib(インフルエンザ菌b型ワクチン),ポリオ及びB型肝炎の6種混合ワクチンとして接種される。

2) 肺炎球菌ワクチンPCV-7は,日本で接種可能な肺炎球菌ワクチン(23価ワクチン)とは内容が異なります。

3) 追加接種或いは,未接種の場合は3回の接種(0,1,6ヶ月)が勧められます。

4) 2歳までに2回の接種が勧められます。初回接種は生後11ヶ月-12ヶ月の間に接種し,2回目は最低4週間の間隔をおいて生後20-24ヶ月をめどとし,15歳に達する前に終了しておくことが勧められます。水痘を加えた4種混合ワクチンとして接種される場合もあります(MMR-V)。

5)ジフテリア、破傷風、ポリオ混合ワクチン。 9歳までに2回の接種が勧められます。7才で1回目,8,9才で追加接種をしますが,接種が1回だけだった場合は13才で追加接種をします。

6) 4価(A,C,Y,W-135群)髄膜炎菌ワクチン(結合型)です。11歳-13歳の間に接種します。

7) HPV(子宮頚癌ワクチン)は10,11,12才時に6ヶ月間隔で2回接種します。未接種の場合は13,14,15才時に接種します。

8) ロタウイルスワクチンは,生後7週から6ヶ月の間に,4週間以上の間隔で2~3回の接種が必要です。

 小児クリニックや病院の小児科でワクチンが接種できます。ワクチンは定期予防接種に関してはワクチン料金は小児科医の判断に依って現地人(国民兼健康保険に加入)と同様に外国人も無料の事が有りますが,注射代(手技料)として1回20-30ユーロの支払いを求められます。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 ポリオ,DPT,MMR,B型肝炎,インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンなどの予防接種証明を求められることがあります。またツベルクリン反応の結果を求められることもあります。

8 乳児検診

 乳児健診を受けるための特定な施設・制度はなく,かかりつけの小児科医に生後1週間,4-6週間,12週間に発育状態や神経機能その他に異常がないか,受診して診察を受けるように勧められています。外国人が受診する場合の料金は,私的保険扱いなのでおよそ60-120ユーロ前後の支払いとなります。

9 病気になった場合(医療機関等)

 国民健康保険に加入している場合は救急でなければ最初に一般医を受診します。一般医が対応できない場合は公立病院を紹介されます。私立病院では数人のスタッフ以外は病院が契約した専門医がそれぞれ時間を決めて診療を行います。受診は予約制が原則ですので公立病院と違って余り待つことはなく,より多くのサービスを受けることができます。しかし私立病院での診察料,治療費等は病院,医師によって違い,通常は高額ですので,必ず海外旅行傷害保険に加入しておくか,または別途個人保険に加入することを勧めます。当地での歯科診療も特に問題はありませんが,治療に際しては事前に費用を確認してください。日本語の通じる病院はありませんが,保険でカバーできる通訳を依頼できます(歯科は不可)。支払い方法は振り込み等が多く受診時に現金は不要です。支払期日が過ぎると延滞金が加算されるので注意が必要です。また入院時には,デポジットを要求されます(3,000~8,000ユーロ前後)。

 救急車を呼ぶ時は「144」です(国民健康保険に入っていない人は有料で約4,000~5,000ユーロ)。搬送病院は指定できません。

首都ウイーン

(1)Allgemeines Krankenhaus(略称AKH) 公立
所在地:Währinger Gürtel 18-20, 1090 Wien(地下鉄U6 "Michelbeuern-AKH"下車)
電話:01-40400-0
概要:ウイーン大学医学部付属病院。約2,000床の総合病院。歯科はありません。重症はほとんどここに運ばれます。一般外来は紹介受診が原則です。救急外来は充実しており24時間対応です。国民健康保険に加入していなければ,公立であるにもかかわらず入院費用は高額でおよそ1日9~10万円です。またデポジットが必要です。
(2)St. Anna Kinderspital 公立
所在地:Kinderspitalgasse 6, 1090 Wien(トラム43または44 "Brünnlbadgasse"下車)
電話:01-40170-0
概要:小児科専門病院。(小児)内科が主で外科,歯科はありません。入院設備もあります。24時間対応です。
(3)Privatklinik Döbling(ドゥブリング病院)
所在地:Heiligenstädter Straße 57-63, 1190 Wien(トラムD "Rampengasse"下車)
電話:01-36066-0
概要:設備が整った私立総合病院です。予約をすればほとんどの診療科目で受診可能です。大使館員がよく利用します。
(4)Rudolfinerhaus(ルドルフィナー病院)
所在地:Billrothstraße 78, 1190 Wien(トラム38またはバス10A,39A "Silbergasse"下車)
電話:01-36036-0
概要:胃の再建術で有名なDr. Billrothが創設した歴史のある病院。設備が整った私立総合病院です。
(5)Unfallkrankenhaus Lorenz Böhler(ローレンツ・ビュウロー外傷専門病院) 公立
所在地:Donaueschingenstraße 13, 1200 Wien(地下鉄U6またはバス5A,37A "Dresdnerstraseße"下車)
電話:01-33110-0
概要:外傷専門の病院です。
(6)Dr.矢本クリニック
所在地:Schottengasse, 3a/IV/71,1010 Wien(日本国大使館の近くです)
電話:01-5263062
概要:当国の医学部を卒業した日本人医師です。2003年12月より,一般医として開業。必要に応じて救急医や専門医を紹介してくれます。
(7)ウイーン国際空港クリニック
所在地:ウイーン国際空港内
電話:01-7007-22245
概要:空港内でおきた急性疾患の対応のみならず,予防接種,旅行医学情報の提供なども行っています。

グラーツ市

(1)Landeskrankenhaus Universitäts-klinikum Graz
所在地:Auenburgger Platz 1, 8030 Graz
電話:0316-067-0
概要:地域の中核を担う大学付属病院で24時間対応です。

ザルツブルグ市

(1)Landeskrankenhaus Salzburg (SALK) 公立
所在地:Müllner Hauptstraße 48, 5020 Salzburg
電話:0622-4482-0
概要:地域の中核を担う大学付属病院で24時間対応です。
(2)Unfallkrankenhaus Salzburg 公立
所在地:Dr.Franz-Rehrl-Platz 5, 5010 Salzburg
電話:0662-6580-0
概要:外傷専門病院で24時間対応です。

インスブルック市

(1)Landeskrankenhaus Universitätsklinik Innsbruck 公立
所在地:Anichstraße 35, 6020 Innsbruck
電話:0512-504-0
概要:地域の中核を担う大学付属病院で24時間対応です。

10 その他の詳細情報入手先

 大使館医務室にはウイーン市内の専門別の医療機関・保健センター等のリストがあります。必要な方はご相談ください。

(1)インターネットでの医師検索(ドイツ語):http://www.aekwien.at別ウィンドウで開く

(2)当国の予防接種情報:http://www.euvac.net/graphics/euvac/vaccination/austria.html別ウィンドウで開く

11 現地語・一口メモ

医師:Arzt

飲み薬:Medikament

座薬:Zäpfchen

注射:Spritze

頭痛:Kopfschmerzen

胸痛:Brustschmerzen

腹痛:Bauchschmerzen

下痢:Diarrhoe

発熱:Fieber haben

吐気:Ekel, Übelkeit

傷:Wunde

気分が悪い。:Ich fühle mich nicht wohl.

病院へ連れて行ってください。:Bitte bringen Sie mich zum Krankenhaus.

風邪をひいた。:Ich habe mich erkältet

下痢をした。:Ich habe Durchfall.

めまいがする。:Ich fühle mich schwindelig.

ここが痛い。:Es schmerzt hier.


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