世界の医療事情

パナマ

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 パナマ共和国(国際電話国番号 507)

2 公館の住所・電話番号

在パナマ日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Calle 50 y 60E Obarrio Panama
電話:263-6155
ホームページ:http://www.panama.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在ニカラグア日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 パナマは一部の山岳地帯を除き,全土が熱帯に属し,年間を通じて高温多湿です。12月下旬~4月の乾季と5~12月上旬の雨季にわかれます。人口約390万人のうち,過半数は都市部に集中しています。平均寿命は女性81歳,男性75歳で中南米では長寿の国となっています。都市部は近代的な高層ビルやショッピングモールが立ち並ぶ一方で,地方を中心に貧困層が4割に達するなど,地域間での格差を認めます。医療事情も地域差があり,約20%の医療施設はパナマ県に集中しています。首都のパナマ市では,一部で高い水準の医療が期待できる反面,地方においては,そうした医療施設に乏しい状況です。乳幼児死亡率も近年減少傾向にありますが,地域によって大きな差があります。人口の9%を占めるインディオ系の住民が多く住むボカス・デル・トロ県では,乳幼児死亡率は全国平均の2倍ともいわれています。パナマ市内に滞在する限り,上水道の発達もあり衛生上の問題はさほどありませんが,飲用にはミネラルウォーターをお勧めします。万が一病気になった場合,手術や入院時にかかる医療費は,他の中米諸国同様,高額となります。是非とも渡航前に緊急移送費用も含まれた海外旅行傷害保険に加入されることをお勧めします。

5 かかり易い病気・怪我

(1)デング熱

 デングウイルスを保有する蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることによって感染します。1993年の流行以降,毎年数百から数千例の報告があり,現在ではほぼ風土病として定着しています。発症すると高熱や頭痛,関節痛が持続し,まれに出血やショック症状などで重篤になる場合もあり注意が必要です。高熱が持続する場合には速やかに医療機関を受診しましょう。蚊に刺されないように妨蚊対策を行うことも重要です。

(2)感染性胃腸炎

 乳幼児を中心に毎年多くの感染者の報告があります。パナマの都市部は,それほど感染の心配はありませんが,日頃より調理の際には十分加熱する,なま物の摂取は避けるなど飲食物の扱いには十分注意しましょう。

(3)チクングニア熱・ジカ熱

 近年,中南米諸国を中心にチクングニア熱やジカ熱が流行しています。パナマでも感染者が報告されています。チクングニア熱やジカ熱は,デング熱と同様に,蚊(ネッタイシマカ)に刺されることによって感染します。主な症状は発熱,関節痛,頭痛等です。有効な治療法はありませんので,蚊に刺されないようにすることが重要です。妊婦がジカ熱に感染すると胎児に影響(小頭症等)が出る可能性があることが問題となっており,妊婦や妊娠の可能性がある女性は特に注意が必要です。

(4)マラリア

 コスタリカとコロンビアの国境付近の地域(ボカス・デル・トロ県,ダリエン県,クナヤラ自治区)を中心に,マラリア感染が報告されています。感染例のうち,約99%が三日熱マラリア,約1%が熱帯熱マラリアです。2014年は874例の報告がありました。世界保健機関(WHO)は予防薬としてボカス・デル・トロ県ではクロロキン,東部コロンビアとの国境地域ではメフロキンやドキシサイクリンを推奨しています。パナマ市ではマラリア予防薬服用の必要はありません。

(5)結核

 治療薬内服の直接確認システム(DOTS)の普及により,近年治癒率が高くなっているようですが,いまだ結核の発症が少なくありません。年間1,000名以上の新規結核患者が登録され,住民全体の結核罹患率は10万人あたり50人です。男性,高齢者に多い傾向があり,エイズとの合併も14%認められています。

(6)HIV/AIDS

 1984年にパナマで最初の症例が報告されて以来,増加傾向にあります。HIV感染者は累計で1万人から2万人の間を推移しています。異性間性行為によるものが6割を占め,30~40歳代の男女ともに感染率が高くなっています。

(7)狂犬病

 コウモリや哺乳動物に咬まれることによって,狂犬病に感染する可能性があります。むやみに動物に近づかないようにしてください。

(8)黄熱

 パナマでは,地方の一部の地域は黄熱の流行地になっています。パナマ市内のみに滞在する場合には感染の危険はありませんが,流行地に行く可能性がある場合には,黄熱ワクチン接種を行う必要があります。

(9)その他の病気

 主に農村部においてサシガメという昆虫に刺されて起こる,アメリカトリパノソーマ症(シャーガス病)やサシチョウバエという昆虫に刺されて起こる皮膚粘膜リーシュマニア症という病気もみられます。どちらも慢性に経過し身体に重大な影響を与える可能性のあるものですので注意が必要です。

6 健康上心がける事

(1)国土の多くは熱帯の気候ですが,場所によっては山岳部等,気温の低い所や極めて湿度が高い所もあり,気候の変化に応じて,衣類の着脱をこまめに行うことが必要です。

(2)地方や密林では暑くても出来るだけ半ズボン・サンダル等,露出度の高い服装は避け,虫に刺されないよう注意してください。就寝中に蚊に刺されないように戸や窓の開閉に注意し,必要に応じて網戸や蚊帳(かや),防虫剤の使用を心掛けてください。

(3)暑さによる脱水症を予防するため,水分を十分摂るように心がけてください。

(4)交通事故や外傷,中毒などが死因の上位を占めています。また,麻薬に関する犯罪も多く,こうした事件に巻き込まれないようにしてください。これらの傷害は致命的な場合もあり,その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性があるのでくれぐれも注意してください。

(5)無理なスケジュールは病気の誘因になる場合が多いので注意が必要です。休養をこまめにとりましょう。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 成人・小児とも,入国に際して法的に要求されるワクチンはありません。ただし,ブラジル,ボリビア等の黄熱汚染地域からの入国に際しては黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示が求められます。またカリブ海や中南米各地への出張や旅行が予想される方は黄熱ワクチンを接種しておく必要があります。成人についてはA型,B型肝炎ワクチン,破傷風の追加接種を最低済ませておくことをお勧めします。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
  1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
BCG 出生時          
B型肝炎 出生時 13~15歳        
ポリオ(経口及び注射) 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月 4歳 5歳
DPT+Hib+B型肝炎 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月      
肺炎球菌 2ヶ月 4ヶ月 12ヶ月      
ロタウィルス 2ヶ月 8ヶ月        
季節性インフルエンザ 6ヶ月          
A型肝炎 12ヶ月 18ヶ月        
MMR 12ヶ月 4歳        
水痘 15ヶ月          
黄熱 15ヶ月 11歳        
DPT+Hib 18ヶ月          
DPT 4歳          
パピローマウィルス(女児のみ) 10歳 初回から1ヶ月後 初回から6ヶ月後      

注)上記は保健省が定めたスケジュールですが,希望者は私立病院で自費にて米国方式のスケジュールに沿って,上記以外にA型肝炎・髄膜炎菌・ポリオ(不活化ワクチン)などの予防接種が可能です。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 当地のアメリカンスクール等へ入学する際には,ワクチン接種証明書が必要な場合があります。必要な予防接種としては明示されていませんが,BCG,ポリオ,DPT,MMR,B型肝炎は接種を済ませておいた方が良いでしょう。医療機関で追加接種することも可能です。日本より母子手帳を持参しましょう。

(4)乳児検診

 当国では国で定められた乳児検診制度はありませんが,私立病院や開業している小児科医に依頼すれば個別に検診していただけます(有料)。

8 病気になった場合(医療機関等)

パナマ

(1)Hospital Punta Pacifica(オスピタル プンタ パシフィカ)
所在地:Boulevard Pacifica y Via Punta Darien
電話:204-8000 204-8184/8185(緊急時)
概要:2006年に開設された近代的設備の整った私立病院(英語可)。24時間体制で緊急対応可能です。多くの邦人が利用しています。
(2)Centro Medico Paitilla (セントロ メディコ パイティージャ)
所在地:Avenida Balboa y Calle53
電話:265-8891, 8888(緊急時)
概要:24時間体制で緊急対応可能です。邦人も利用しています。

9 その他の詳細情報入手先

(1)パナマ保健省ホームページ(スペイン語): http://www.minsa.gob.pa/別ウィンドウで開く

(2)世界保健機関(WHO)のアメリカ大陸の組織(PAHO)ホームページ(英語): http://www.paho.org/hq/別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療スペイン語)を参照願います。


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