世界の医療事情

ニカラグア

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ニカラグア共和国(国際電話国番号 505)

2 公館の住所・電話番号

在ニカラグア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Plaza España 1 cuadra abajo y 1 cuadra al lago, Bolonia, Managua
電話:2266-8668
ホームページ:http://www.ni.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 ニカラグアは,中米地域のほぼ中央に位置し国土はほぼ北緯11度から15度の位置にあり,亜熱帯地域に属します。首都のマナグア地域の年平均気温は27度前後,毎年5月から11月までの雨季と残りの時期の乾季に分かれています。湿度は雨季・乾季に限らず,マナグア地域で年平均75%です。こうした気候から熱帯病といわれる病気が多く,全域で呼吸器・消化器感染症やデング熱,マラリアに注意が必要です。人口約608万人,平均寿命男性72歳,女性78歳(2015年)です。国民の5~6割は統計的に貧困層に属し,経済格差に根ざした医療・保健体制の不備はこの国の大きな問題となっています。また,当国では自動車の普及とともに交通事故件数が増加しています。道路が狭く十分な路側帯が設けられていないことや運転者の教育が行き届いていないこと,一般交通車両の安全装備の不備など,交通安全のための環境が未だ整っていません。邦人が安心して受診できる病院や専門医が少ない状況からも,緊急時には国外に治療を求める可能性もあると思われます。当国への渡航前に,緊急移送費用も含まれた海外旅行傷害保険に加入することをお勧めします。

5 かかり易い病気・怪我

(1)デング熱

 ほぼ国内全土で発生しています。デングウイルスを保有する蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることによって感染します。当国では,デング熱はマナグア市やその周辺の地域にも多く,毎年,在留邦人も感染しています。1990年代初めになって当国で初めて報告されて以来,現在では,ほぼ風土病として定着しています。発症すると高熱や頭痛,関節痛が持続し,まれに出血やショック症状などで重篤になる場合もあり注意が必要です。高熱が持続する場合には,速やかに医療機関を受診しましょう。住宅の窓に網戸を取り付けることも当地では大切な感染対策になっています。

(2)感染性胃腸炎

 赤痢アメーバ,ジアルジア(ランブル鞭毛虫),コレラ菌,チフス菌,大腸菌,ブドウ球菌,サルモネラ菌等が,主に飲食物を介して,体内に取り込まれ引き起こされる病気です。こうした病原体による地域的な流行は,毎年発生しています。とりわけ乳幼児にとっては,主な死亡原因となっています。激しい下痢や高熱が持続する場合や血色の便が出た場合は,自己治療だけで済ますことは避け,可能な限り医療機関を受診してください。便検査等で原因を明らかにした上で,治療を受けることをお勧めします。

(3)チクングニア熱・ジカ熱

 近年,中南米諸国を中心にチクングニア熱やジカ熱が流行しています。ニカラグアでは2014年9月にチクングニア熱の国内感染例が報告されて以来、毎年感染者が報告されています。ジカ熱は,ニカラグアで2016年1月にジカ熱の感染例が初めて報告されて以来,国内での感染者数が増加傾向にあります。チクングニア熱やジカ熱は,デング熱と同様に,蚊(ネッタイシマカ)に刺されることによって感染します。主な症状は発熱,関節痛,頭痛等です。有効な治療法はありませんので,蚊に刺されないようにすることが重要です。妊婦がジカ熱に感染すると胎児に影響(小頭症等)が出る可能性があることが問題となっており,妊婦や妊娠の可能性がある女性は特に注意が必要です。

(4)マラリア

 ニカラグアで感染の危険のあるマラリアは,三日熱マラリアが全症例の95%で,熱帯熱マラリアは5%程度とされています。主に都市部よりも地方農村に多く,大西洋岸に多い傾向があります。世界保健機関(WHO)は予防薬としてクロロキンを推奨しています。なお,首都マナグア中心部では予防薬の服用は特に必要ありません。

 マラリアを媒介する蚊(ハマダラカ)は夜行性のため,夜間はなるべく出歩かない,夜出歩く際には長袖・長ズボン等を着用して肌の露出を少なくし,さらに必要に応じて防虫スプレー等を使用して蚊に刺されないようにする,等の注意が必要です。また,寝室で蚊帳を使用することも有効です。

(5)結核

 治療薬内服の直接確認システム(DOTS)が普及し治癒率も上昇していますが,いまだ中米の中でも感染率は高く(人口10万人あたり約50人の罹患),また,新規結核患者も年間2,600名を超えています(2014年)。最近では,多剤耐性結核(MDR-TB)患者も増加しています。

(6)HIV/AIDS

 1987年に初感染者が報告されて以来,2014年までのHIV感染登録者は累計9,000名を越え、AIDS発症報告数は1,000名以上です。実数は、その数倍以上にのぼると推定されています。約9割が性交渉によるもので,以前は,感染者は20~40歳代の男性に多く認められましたが,最近の傾向では,新規の感染者の多くは20代から30代の若者で,3割は女性であり,また,都市部に集中していた感染者が,地方でも増加を認めるようになっています。

(7)狂犬病

 コウモリや哺乳動物に咬まれることによって,狂犬病に感染する可能性があります。むやみに動物に近づかないようにしてください。

(8)その他の病気

 主に農村部においてサシガメという昆虫に刺されて起こるアメリカトリパノソーマ症(シャーガス病)やサシチョウバエという昆虫に刺されて起こる皮膚粘膜リーシュマニア症という病気もみられます。どちらも慢性に経過し身体に重大な影響を与える可能性のあるものですので注意が必要です。

6 健康上心がける事

(1)熱帯地方で必要な一般的注意事項として,加熱調理した物を熱いうちに食べること,生もの(生水や氷,生野菜,生焼けの肉,切り売りされている果物等)は避けること。また,飲用には大型スーパー等で市販されているミネラルウォータの使用をお薦めします。

(2)蚊に刺される可能性のある時には,長袖のシャツや長ズボン,靴を着用し,虫避けスプレーを使う等,なるべく蚊に刺されないようにしてください。夜間は,蚊を避けるため網戸や蚊帳,蚊取り線香(こちらでも市販されています)の使用をお薦めします。

(3)特に湿気が多く洗濯物も乾きにくく不潔になりやすい雨季には,ダニや疥癬虫の繁殖を避けるため,体を清潔に保ち,シーツや衣類も小まめに洗濯し(出来る限り晴れた時に日光に曝すこと),きちんと部屋の掃除をするよう心掛けましょう。

(4)地方の古い家の土壁の亀裂や藁葺きの屋根にはサシガメと呼ばれる昆虫が潜んでおり,この虫に夜間吸血されることでシャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)と呼ばれる重大な病気に感染する可能性があります。古い民家などへの宿泊はなるべく避けるようにしましょう。

(5)当国は日射が強く,長時間炎天下に曝された場合には,発汗により身体から多量の水分が奪われ,脱水症や熱中症になる可能性があります。こうした場合に備え,こまめな水分補給が必要です。野外に長時間出かける場合には,十分な飲料水の準備をしてください。また,発熱や下痢によっても脱水症は起きます。特に子供は脱水症を起こし易いので注意が必要です。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 入国時に必須の予防接種はありませんが,成人についてはA型・B型肝炎ワクチン,破傷風の追加接種を済ませておくことを勧めます。また,地方に長期滞在される方は,狂犬病ワクチン接種をお勧めします。

 カリブ海や中南米各地への出張や旅行が予想される方は,黄熱ワクチン接種をお勧めします。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
  初回 2回目 3回目 4回目 備考
BCG 出生時        
ポリオ(経口) 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 2~4歳  
5種混合(DPT, Hib, HB) 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月    
MMR 1歳 2~4歳(MR)      
ロタウイルス 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月    
肺炎球菌(13価) 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月    
DPT 18ヶ月 6歳      
dT 10歳 20歳      
季節性インフルエンザ (慢性疾患を伴う場合) 1歳       65歳以上は毎年1回接種

ポリオ:生ワクチン使用
注)上記は保健省が定めたスケジュールです。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 当地のアメリカンスクール等へ入学する際には,ワクチン接種証明書が必要です。必要な予防接種としては明示されていませんが,BCG,ポリオ,DPT,MMR,B型肝炎は接種を済ませておいた方が良いでしょう。医療機関で追加接種することも可能です。日本より母子手帳を持参しましょう。

(4)乳児検診

 当国では国で定められた乳児検診制度はありません。

8 病気になった場合(医療機関等)

マナグア

(1)Hospital Metropolitano Vivian Pellas(オスピタル メトロポリターノ ビビアンぺラス)
所在地:Km. 93/4 Carretera a Masaya, 250mts. al oeste, Managua
電話:2255-6900
概要:アメリカの大手資本と提携し,2004年に開院した私立総合病院(英語可)。24時間体制で緊急対応可能です。邦人が最もよく利用しています。
(2)Hospital Bautista(オスピタル バウティスタ)
所在地:Barrio Largaespada, costado Sur del Recinto Universitario Carlos Fonseca Amador.
電話:2264-9020
概要:私立総合病院。24時間体制で緊急対応可能です。

9 その他の詳細情報入手先

(1)ニカラグア保健省 ホームページ(スペイン語): http://www.minsa.gob.ni/別ウィンドウで開く

(2)世界保健機関(WHO) アメリカ大陸の組織(PAHO) ホームページ(英語): http://www.paho.org/hq/別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療スペイン語)を参照願います。


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