世界の医療事情

ニカラグア

平成30年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ニカラグア共和国(国際電話国番号 505)

2 公館の住所・電話番号

在ニカラグア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Plaza España 1 cuadra abajo y 1 cuadra al lago, Bolonia, Managua
電話:2266-8668
ホームページ:https://www.ni.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 人口約621万人,平均寿命男性72.6歳,女性78.6歳。13歳までが子供,17歳までが青少年,18歳以上が成人と定められています。各地に保健所,公立病院が整備され,国民は所属する社会保険システムに応じて無料で診療を受けることができます。死因1位は悪性腫瘍。2位は虚血性心疾患。病院で出産する女性が増え,帝王切開が増加しています。人工妊娠中絶は理由の如何によらず違法になります。人口1万人あたり医師10名,看護師8名,ベッド数12と年々増加しています。アルコールは18歳,タバコは18歳,運転免許は16歳から。また,売春は合法です。麻薬,大麻については国民,外国人ともに栽培,取引,使用すべて違法になります。

 ニカラグアの地理は,太平洋低地,中央高地,カリブ海低地にわけられます。太平洋側は火山帯で人口の大部分が集中しています。全土が熱帯に区分され4月が最も暑く,5月から10月が雨期となります。こうした地理的事情から熱帯特有の病気に注意が必要です。脆弱なインフラのため,強い降雨の後河川の氾濫がみられる他,地震,噴火,津波,ハリケーンといった自然災害にみまわれます。

 マナグア市の私立病院では緊急時に必要な初期治療,手術を受けることが可能です。地方都市では公立病院を受診できます。しかし,専門的な治療には限界があり重篤な状況では初期治療を終えた後,国外に移送をしたうえで治療をする必要があります。私立病院の受診には高額の費用がかかります。渡航前に緊急移送費用をカバーする海外旅行傷害保険に加入することをおすすめします。英語で医療サービスを受けることは一部のドクターのみ可能で,スペイン語が必要です。

 薬局では処方箋なく購入できるさまざまな基礎的医薬品が販売されています。乳幼児,女性用衛生用品などはさまざまなブランドのものが販売されています。

 救急搬送サービスは赤十字と,保健省が担当し無料で利用できます。私立病院の救急車は有料です。献血はボランティアによりすべて調達され感染症検査がおこなわれているため安全性は高くなっています。

5 かかり易い病気・怪我

(1)交通事故

 交通マナーは悪く,日常的に事故が発生しています。歩行者用の横断歩道はほとんどありません。マナグアの一部において,荷馬車がまだ現役で利用されています。

(2)暴力犯罪

 ニカラグアは銃器の所持は許可制で,殺人は中米でも少ない国の1つです。しかし,2018年4月より政治的な混乱が続き,偶発的な騒動に巻きこまれるリスクが高くなっています。

(3)ジカ熱,デング熱,チクングニア熱

 それぞれ蚊を媒介にする感染症で,近年は減少傾向です。年間を通して地域に偏りなく感染します。症状は発熱,関節痛などですが,ジカ熱は全く症状がでないことが多いとされます。ジカ熱は母体感染によって胎児小頭症となることがあり,性行為によって感染する可能性が指摘されています。デング熱はまれに重症化することがあります。

(4)マラリア

 カリブ海側は汚染地域で約80%が3日熱,20%は熱帯熱です。感染者数は年々増加しています。予防内服は不要ですが,危険地域を訪問し高熱がみられたらまず疑う必要があります。3日熱型の潜伏期は10日程度ですが,長期間の潜伏のあと発症することもあるので,別の地域に移動した後でもマラリア発症の可能性を考慮する必要があります。薬剤耐性はなく,初期治療はクロロキンにピペラキン併用とされています。

(5)感染性胃腸炎,肝炎

 数日で回復する急性下痢症の他,発熱疾患による下痢や慢性的な下痢症にかかるリスクがあります。原因はウイルスの他,病原性の細菌,原虫,寄生虫と多様です。激しい下痢が続く,下血が見られるといった症状があれば検査を受けてください。A型肝炎,腸チフスはワクチンにより予防することが可能です。

(6)レプトスピラ

 ねずみの尿などで汚染された水との接触により感染します。未治療で治癒するケースが大部分ですが,重症化して死亡するケースが稀にあります。雨期,河川の氾濫があるとその後感染者が急増する傾向にあります。雨期に感染者が増加する傾向があります。

(7)リューシュマニア

 サシチョウバエという昆虫に刺されて起こる皮膚粘膜リーシュマニア症は1ヶ月程度の潜伏期間を経て発症し,主に皮膚に潰瘍を作ります。

(8)シャーガス病

 中米地域特有の感染症で,サシガメという昆虫に刺されて発症します。輸血によって感染する可能性があります。ニカラグアでは対策が進み感染者は少なくなってきています。輸血により感染するため,スクリーニング項目の一つになっています。

(9)結核,AIDS

 新規結核患者は毎年ほぼ一定です。AIDS新規患者は減少傾向にあります。

(10)狂犬病

 犬,コウモリに咬まれることによって感染します。発症すれば致死率100%です。人の発症は,1999年以降報告されていません。しかし,人以外の発症は報告されており潜在的なリスクは継続しています。予防接種によりリスクをさげることが可能です。狂犬病人グロブリン製剤は保健省でのみ取り扱っているので,適応がある場合は在庫の有無を保健所に問い合わせる必要があります。動物に咬まれた場合,暴露後の処置が必要になることがあります。

(11)インフルエンザ

 明確な流行時期がありません。雨期のはじめに妊婦,幼児,高齢者に対する予防接種キャンペーンがあります。

6 健康上心がける事

(1)暑さ,環境対策

 気温が高く日差しが強いので,それぞれ対策が必要。

(2)暴力,犯罪対策

 暴力犯罪に巻き込まれないよう,デモ,集会には近づかず,SNS等を利用し最新の安全情報の把握に努める。特に道路の横断,夜間の移動には最新の注意と警戒が必要です。

(3)自然災害対策

 地震や噴火が発生したときの連絡先,避難方法を考えておく必要があります。

(4)防虫,防蚊対策

 昆虫を媒介にする感染症を予防するため,防虫対策が重要です。薬局や商店にさまざまな防虫剤,駆虫剤が売られています。網戸や蚊帳の利用も有効です。

(5)その他感染症対策

 一般に食堂や屋台は,衛生的に問題ありません。しかし,日本と同等の衛生状況は望めないので,ミネラルウォーターを利用するなど気をつかいましょう。

(6)精神衛生対策

 当地滞在の日本人は少なく,国内外で相談できる相手を作ることは大切です。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 WHOの指定する黄熱流行国に滞在し,6日以内に入国する場合は黄熱予防接種の証明が必要です。1歳未満,60歳以上,妊娠中,授乳中,医学的理由により予防接種ができない方には例外規定があります。パナマに関しては24時間以内の滞在であれば予防接種証明は必要ありません。運用が変わる可能性がありので,渡航前に確認してください。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

ワクチン 予防接種の内容 接種する時期 追加接種 備考
BCG 結核 出生後 なし  
ポリオ(注射) ポリオ 2ヶ月 なし 不活化ワクチン
ポリオ(経口) ポリオ 4,6ヶ月 18ヶ月 生ワクチン
5種混合

ジフテリア,百日咳,破傷風,B型肝炎,インフルエンザ菌

2,4,6ヶ月 なし  
ロタ ロタウイルス 2,4ヶ月 なし 経口
肺炎球菌 13価 2,4,6ヶ月 なし  
MMR 麻疹,風疹,流行性耳下腺炎 12,18ヶ月 なし  
DPT ジフテリア,百日咳,破傷風 18ヶ月,6歳 なし  
dT 破傷風 10歳,20歳 なし 20歳前に妊娠した女性はそのとき

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 予防接種証明が求められます。日本で受けた予防接種履歴を持参してください。

(4)乳児検診

 生後2ヶ月と,9歳時に成長などのスクリーニングが一部で実施されています。

8 病気になった場合(医療機関等)

救急搬送

(1)赤十字 TEL 129

(2)保健省 TEL 102

マナグア

(1)Hospital Metropolitano Vivian Pellas
住所 Km 9.8 Carretera a Masaya, 200mts. al oeste, Managua
電話 2255-6900
WEB http://www.hospitalvivianpellas.com/別ウィンドウで開く
24時間体制で緊急対応可能。小児の熱傷センターを有する。
ワクチン取り扱いあり。クレジットカード可。
(2)Hospital Bautista
住所 Barrio Largaespada costado sur del Recinto Universitario Carlos Fonseca Amador
電話 2264-9020
救急 4040 (スペイン語のみ)
WEB https://www.facebook.com/HOSPITAL-BAUTISTA-300651776615671/別ウィンドウで開く
24時間緊急対応可能。一般的な内科外科疾患。透析。クレジットカード可。
(3)Hospital Militar
住所 Rotonda el Guegüense 400 m. al Este & 300 m. al Sur. Managua, Nicaragua
電話 22981032, 22981035,88511097(英語対応)
WEB https://www.hospitalmilitar.com.ni/別ウィンドウで開く
2017年移転。軍の教育病院,公立病院でもある。クレジットカード可。
(4)ニカラグア保健省(MINSA)
営業時間 月,水,木。午前8時~12時。午後1時~3時。
住所 Costado Oeste Colonia Primero de Mayo. Managua, Nicaragua
電話 8738-8171
黄熱ワクチンはここで接種できる。その他予防接種取り扱いあり。
(5)BioAnalysis(Laboratorio Clinico)
営業時間 月曜から金曜6時から18時。土曜7時から13時。
住所 Km 4½ C. Masaya Contiguo a Hyundai (En frente de Burger King C. Masaya)
電話 2278-6350 / 2277-1049
WEB http://www.bioanalisis.com.ni/別ウィンドウで開く
検体検査機関。血液,尿,便といった検体検査全般を扱う。出張サービスあり。
(6)LINDA VISTA(Centro de diagnostic por imagenes)
住所 CENTRO COMERCIAL LINDA VISTA DETRAS DE TIP-TOP, MODULO C-3
電話 2264-3080-81,88863-831/88878640
WEB http://wwww.diagnosticosmedicoslindavista.com/別ウィンドウで開く
放射線診断クリニック。エコーの他,X線,CT,MRIといった診断機器をそなえる。

歯科医院

(7)Mongalo Valenzuela Cosmetic Dentistry
住所 OFIPLAZA El Retiro, Suite 6-11
電話 2254-7551/2270-3173
WEB http://www.mongalo.com別ウィンドウで開く
審美歯科領域が主。
(8)Sakura Dental & Implant center
営業時間 平日 午前9時-12時, 午後2時-5時
土曜 午前9時-12時
住所 Centro commercial Managua del BAC, 100mts. Al Norte, Mod. C-57
電話 2277-0298, 2278-7381, 8388-2056(Movistar),8468-5354(緊急時)
WEB https://es-la.facebook.com/DentalSakura/別ウィンドウで開く
日本留学経験のある歯科医師がおり,日本語対応少し可能
(9)Centro de Diseno Dental
営業時間 平日 午前9時-午後6時
土曜 午前9時-12時
住所 De las oficinas centrales de los Pipitos 1c. Oeste, 1c. al Norte, 25vrs Oeste.
電話 2254-8222, 8960-1612, 8868-3968(movister),8365-5478(claro
WEB http://dentistanicaragua.com/別ウィンドウで開く

9 その他の詳細情報入手先

(1)ニカラグア保健省(スペイン語):http://www.minsa.gob.ni/別ウィンドウで開く

(2)米州保健機構PAHO(英語,スペイン語):http://www.paho.org/default.html別ウィンドウで開く

(3)世界保健機構WHO(英語,スペイン語他):http://www.who.int/別ウィンドウで開く

(4)ニカラグア災害情報(スペイン語):http://www.sinapred.gob.ni/別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 「世界の医療事情」の一口メモ(もしもの時の医療スペイン語)を参照願います。


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