世界の医療事情

令和6年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ホンジュラス共和国(国際電話番号504)

2 公館の住所・電話番号

在ホンジュラス日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
住所:Col. San Carlos, Calzada Rep. Paraguay, Tegucigalpa, M.D.C., Honduras, C.A.
電話:+504-2236-5511
ホームページ:在ホンジュラス日本国大使館別ウィンドウで開く

(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

(1)気候など

 ホンジュラスは、約112,490平方キロメートル(日本の約3分の1)の国土に、約1,040万人の人々が住んでいます。気候は、乾期(12月から5月)と雨期(6月から11月)に分けられ、11月にはハリケーンも上陸します。
 首都テグシガルパ市は内陸高原地帯に属し、海抜約960mの盆地にあります。年間平均気温は約22℃と穏やかですが、11月から2月にかけては最低気温が一桁まで下がることもあります。第二の都市サンペドロスーラ市は海岸平野部に属し、年間の平均気温は約28℃、平均湿度も80%以上と、高温多湿です。

(2)衛生状態

 国民の衛生意識が低いため、国内の衛生状態は不良です。都市部の限られた地域ではゴミ収集システムが機能しているものの、市中の路上、空き地、川岸にはゴミが散乱し、極めて不衛生です。
 水道水は、不純物が混入しているため飲用には適しません。このため、飲用、調理用としては、浄水器により濾過した水道水か、サーバーウォーターの水の使用を勧めます。
 最新のWHOの資料によれば、平均寿命は69歳(日本は84.5歳)、新生児死亡率は1.7%(日本は0.1%未満)、5歳未満死亡率は1.6%(日本は0.2%)、妊産婦死亡率は0.072%(日本は0.004%)です。

(3)医療水準

 医療水準も劣悪です。公立病院は、職員や医療物資が慢性的に不足しており、邦人の利用には適しません。いくつかの私立病院では、軽症の内科的疾患には対応可能ですが、外科的処置や輸血は可能な限り避け、先進国に渡航することを勧めます。このため、高額補償の海外旅行傷害保険等に加入しておく必要があります。
 受診は一般的に予約制ですが、救急外来では予約は不要です。あらゆる検査や診察の前に支払いを済ませておく必要があり、その都度、領収書の提示を求められます。多くはクレジットカードでの支払いが可能です。
 一部の医師は英語を解しますが、受付を含むその他の医療従事者はスペイン語しか解しません。なお、例外をのぞけば、日本語での受診はできません。

5 かかり易い病気・怪我

(1)アルボウイルス感染症(デング熱、チクングンヤ熱、ジカ熱)

 それぞれのウイルスに感染したヤブカに吸血されることで感染する熱性疾患です。特にデング熱においては、2024年にホンジュラス含め中南米での流行あり、邦人における重篤化の報告があります。2024年42週時点で人口約1000万人に対して約17万人が感染し150人が亡くなっています。現時点では、日本国内で利用可能なワクチンはないため、虫よけスプレーの塗布や蚊帳・蚊取り線香の使用など、防蚊対策が重要となります。

(2)感染性胃腸炎

 細菌、ウイルス、寄生虫などに汚染された飲食物を摂取する事で感染する消化器疾患です。
 国民の衛生意識が低いため、レストランや食料品店での衛生管理は不十分です。外食時に限らず家庭での調理の際にも、食品には十分に火を通し、氷は避けるよう、注意してください。

(3)マラリア

 マラリア原虫に感染したハマダラカに吸血されることで感染する熱性疾患で、5種類あります。ワクチンは当地では流通していないため、虫よけスプレーの塗布や蚊帳・蚊取り線香の使用など、防蚊対策が重要となります。沼沢地域のグラシアスアディオス県に集中して発生しています。種別では、約60%が三日熱マラリア、35%が熱帯熱マラリアです。

6 健康上心がけること

  1. 呼吸器感染症や感染性胃腸炎に罹患しやすいため、マスク着用、手指のアルコール消毒を中心とした基本的な感染対策に努めて下さい。また、使用人に対する教育も必要になります。
  2. 当国は、デング熱をはじめとする蚊媒介感染症の流行地域ですが、日本国内で認可されたワクチンはありません。2024年にホンジュラス国内で小児の一部を対象としたデング熱ワクチンの接種が開始されましたが、市場に流通はしていません。このため、虫よけスプレーの塗布(DEET30%など)や蚊帳・蚊取り線香の使用など、防蚊対策を心がけてください。
  3. 生活環境が劣悪である事に加え、娯楽にも乏しいため、ストレスを溜め込まないよう、心がけてください。

7 予防接種(ワクチン接種機関含む)

(1)赴任者に必要な予防接種

  • 黄熱感染危険国からの渡航に際して、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示が求められます。なお、同証明書が有効となるのは、黄熱予防接種10日後からとなります。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

予防接種名 初回 2回目 3回目 4回目とそれ以降
BCG 出生時      
ポリオ(注1) 2か月 4か月 6か月 18か月
5種混合(注2) 2か月 4か月 6か月 18か月、4歳(注3)
A型肝炎 12か月      
B型肝炎 出生時      
MMR(注4) 12か月 18か月    
肺炎球菌 2か月 4か月 6か月  
ロタウイルス 2か月 4か月    
  1. (注1)初回、2回目は不活化ワクチン、3回目、4回目は生ワクチンを使用。
  2. (注2)5種混合:ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎、インフルエンザ菌b型の混合。
  3. (注3)4回目以降はジフテリア、破傷風、百日咳の混合ワクチン(DPT)を接種。
  4. (注4)MMR:麻疹、流行性耳下腺炎、風疹のことで、当地ではSRP(Sarampión, Rubéola, Parotiditis)と記載します。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 学校により異なるため、入学の際に確認する必要があります。

8 病気になった場合(医療機関等)

(首都)テグシガルパ市

(1)Honduras Medical Center(ホンジュラス メディカル センター)
所在地:Colonia Las Minitas, Ave. Juan Lindo, Tegucigalpa
電話:2280-1500
ウェブページ:Honduras Medical Center(スペイン語)別ウィンドウで開く
概要:テグシガルパにおいて最も信頼のおける総合病院で、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、歯科(小児歯科も可)を標榜しています。
(2)Hospital y Clinicas DIME(ホスピタル イ クリニカス ディメ)
所在地:2901 Ave. Ucrania, Col. Humuya, Tegucigalpa
電話:2247-3340、2276-3890
ウェブページ:Hospital y Clinicas DIME(スペイン語)別ウィンドウで開く
概要:かつては邦人の利用頻度の多い病院でしたが、施設の老朽化や周辺地域の治安上の不安等から、最近は邦人の利用が減少しています。内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、歯科を標榜しています。
(3)Hospital y Clínicas Viera(オスピタル イ クリニカス ビエラ)
所在地:Barrio La Ronda, Ave. Cristóbal Colón
電話:2237-3160、2216-6400
ウェブページ:Hospital y Clínicas Viera別ウィンドウで開く
概要:内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、歯科を標榜しています。
(4)Dr. Gustavo Adolfo Moncada Paz(モンカダ医師)
所在地:Torre Medica Tepeyac, suite number 16, 2nd piso, ala norte
電話:8849-6650
概要:モンカダ医師は、国費留学生として日本に留学後、東京医科歯科大学病院で心臓カテーテルの研修、研究の経歴があります。専門は循環器内科と一般内科。日本語による日常会話可。
(5)Dr. Bayardo Pagoada Cruz(パゴアダ医師)
所在地:Torres Metropolis, Torre 1, Piso 10, local 01
電話:9647-3232(ビルの総合受付)
概要:パゴアダ医師は、国費留学生として日本に留学後、三重大学病院で循環器外科の研修、研究の経歴があります。専門は循環器外科、循環器内科、一般内科。日本語による日常会話可。
(6)Dr. Elvin Omar Videa(オマル医師)
所在地:Clinicas Médicas, Col. San Carlos
電話:2232-2566、8731-3195
概要:オマル医師は、JICA研修生として訪日された経歴があります。専門は糖尿病や高血圧などの生活習慣病、一般内科。
(7)Dr. José Francisco Barahona Romero(バラオナ医師)
所在地:Condominio Lomas 2do piso, al par del Torre Alfa, Av. República Dominicana, Col. Lomas del Guijarro
電話:2239-5310、2239-5314、2239-3974
概要:バラオナ医師は、第一回国費留学生として日本に留学された歯科医師で、東京医科歯科大学病院で研修、研究をされた経歴があります。専門は口唇裂などの顎顔面外科やインプラント。日本語による日常会話可。なお、クリニックには、バラオナ医師の他複数の歯科医師が勤務しており、一般歯科、歯髄治療、小児歯科まで、幅広く対応可能です。
(8)CEED(Centro de Endodoncias y Emergencias Dentalesセントロ デ エンドドンシアス イ エメルヘンシアス デンタレス)
所在地: Nova Centro支店:Paseo Los Próceres, Frente al hotel Hyatt place Terecer Nivel Edifico A Local #102
Plaza Marie支店:Colonia Florencia Norte. Plaza Marie Local No4 Contiguo a Macdell, frente al estacionamiento de PriceSmart
電話: Nova Centro支店:8849-3866、2221-3462
Plaza Marie支店:9954-9062、2221-3462、2221-3447
ウェブページ:CEED(スペイン語)別ウィンドウで開く
概要:いずれもショッピングセンターに隣接して開設されています。設備も整っており、一般歯科や歯髄治療の他、美容歯科なども可能です。

サンペドロスーラ市

(1)Hospital del Valle(ホスピタル デル バジェ)
所在地:Bulevar del Norte, 8 Calle NE, San Pedro Sula 21101
電話:2527-8400
ウェブページ:Hospital del Valle(スペイン語)別ウィンドウで開く
概要:サンペドロスーラ市の北部に位置する総合病院で、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、歯科を標榜しています。
(2)Hospital CEMESA(ホスピタルセメサ)
所在地:Col. Altamira, 21 Calle, Bulevar del Sur, San Pedro Sula 21102
電話:2516-0174、2556-7401
ウェブページ:Hospital CEMESA(スペイン語)別ウィンドウで開く
概要:サンペドロスーラ市の南部に位置する総合病院で、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、歯科を標榜しています。

10 一口メモ

 下記以外に「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時のスペイン語)も参照願います。

医学用語スペイン語訳

  • 医師:médico(メディコ)
  • 飲み薬:medecina(メディシーナ)
  • 注射:inyección(インジェクシオン)
  • 頭痛:dolor de cabeza(ドロール デ カベサ)
  • 腹痛:dolor de vientre(ドロール デ ビエントレ)
  • 下痢:diarrea(ディアレア)
  • 発熱:fiebre(フィエブレ)
  • 嘔気:náusea(ナウセア)
  • 傷:herida(エリダ)
  • ワクチン:vacuna(バクナ)
  • デング熱:dengue(デンゲ)
  • 具合が悪い。:Me siento mal.(メ シエント マル)
  • 病院へ連れて行ってほしい。: Lleveme al hospital, por favor.(ジェベメ アル オスピタル ポルファボール)
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