世界の医療事情

エルサルバドル

令和2年10月

1 国名・都市名・国際電話国番号

 エルサルバドル共和国(サンサルバドル)(国際電話国番号503)

2 公館の住所・電話番号

○ 在エルサルバドル日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:89 Av. Norte y Calle El Mirador, Colonia Escalón, Nivel 6 Torre 1, World Trade Center, San Salvador
電話:2528-1111
ホームページ:https://www.sv.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在ホンジュラス日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 エルサルバドルは北半球低緯度地域に位置し、はっきりした雨季と乾季に分かれる熱帯気候です。気候は高度によって変化し、太平洋側の低地は一様に熱く、首都サンサルバドルを含む中央高原と山地は比較的過ごしやすい気候です。サンサルバドルでは年間平均気温が23.3℃、年間降水量は約1,800ミリメートルです。雨季は5月から10月までであり、年間降水量の94%はこの時期に記録されます。雨季は中央高原であっても湿度が高く、不快な日々が続くことも少なくありません。

 衛生事情は不良で、公衆衛生知識の浸透、啓蒙も不十分なため、家庭内、食料品販売店、レストラン等の食品及び衛生管理も不十分な可能性があります。水道水は、不純物が混入しているため飲用には適しません。飲用、調理用としては、市販のミネラルウォーターを使用することをお勧めします。

 WHOの統計によれば、エルサルバドルの平均寿命は73.7歳、新生児死亡率は0.7%、5歳未満死亡率は1.5%、推定周産期死亡率は0.054%です。

 国公立病院は、職員不足、技量の低下、医療機器の老朽化及び故障、医薬品払底等により、もはや健全な病院機能を果たしているとはいえません。かろうじて私立病院がある程度の内科疾患に対応していますが、外科的処置や輸血は可能な限り避け、先進国に搬送することをお勧めします。このため、高額補償の海外旅行傷害保険等に加入されることを、強くお勧めします。

 一般診療は予約制ですが、私立病院の救急外来は、予約なしに受診可能です。診察前に、支払いあるいは支払い保証を求められる事があります。

 日本語での受診はできません。一部の医師は英語での受診が可能ですが、受付を含む医療従事者はスペイン語のみ話します。

5 かかり易い病気・怪我

(1)感染性胃腸炎

 下痢を主症状とし、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛等の症状を呈する感染性疾患です。起炎菌は、細菌、ウイルス、原虫を含む寄生虫と多岐にわたります。食品衛生に関する知識、食料品を販売する販売員の清潔概念、食料品店の商品管理・衛生管理などの問題も多く、家庭での調理には細心の注意が必要です。時に、出血性胃腸炎の病態を呈し重篤化する症例もあります。

 外食の際にも、十分に加熱された食品を食すること、氷は避けるなどの一般的注意を怠らないようにしてください。

(2)急性呼吸器感染症

 いわゆる「風邪、上気道炎」に代表される疾患ですが、高原地帯では気温の日内変動が大きく、朝方の気温の低下が激しいことなどで急性気管支炎を呈する患者が乾季に多発する傾向にあります。同時期には小児の喘息様気管支炎も多くみられます。成人では急性症状軽快後の遷延性咳嗽も多く認めます。

 手洗い、うがい等の標準予防策励行が基本となります。

(3)デング熱(デング出血熱を含む)

 デングウイルスに感染したヤブカ(ネッタイシマカやヒトスジシマカ等)に吸血されることで感染します。潜伏期の後、高熱で発症し、二峰性発熱、筋肉痛、関節痛、皮疹等の症状を呈し、およそ発症後1週間程度で回復に向かいます。通常は後遺症なく回復しますが、一部の患者で皮膚粘膜からの出血、肝腫脹、血圧低下等を伴う、重篤なデング出血熱となります。

 特異的治療薬は存在しないため、対症療法のみとなります。また、ワクチンも存在しないため、皮膚の露出を避ける、虫よけスプレーの塗布、蚊帳・蚊取り線香・防虫剤の使用、網戸の使用等の防蚊対策が基本となります。

 WHOの統計によれば、2019年は、エルサルバドルでは、27,470人が感染し、14人が亡くなっています。

(4)マラリア

 マラリア原虫に感染したハマダラカに吸血されることで感染します。潜伏期の後、高熱で発症します。4種類のマラリア亜系それぞれで、発熱周期が異なることも特徴です。その他の症状は悪寒、戦慄、頭痛、全身倦怠感等です。治療薬は、クロロキンが第一選択薬になっています。ワクチンは存在しないため、感染を避けるには、防蚊対策が基本となります。WHOの統計によれば、エルサルバドルでは、2017年は4人が感染しました。

(5)チクングンニア熱

 チクングニアウイルスに感染したヤブカ(ネッタイシマカやヒトスジシマカ等)に吸血されることで感染します。潜伏期の後、高熱、斑状丘疹、関節痛が出現します。その他、頭痛、結膜炎などを伴うこともあります。特異的治療薬は存在しないため、対症療法のみとなります。また、ワクチンも存在しないため、防蚊対策が基本となります。WHOの統計によれば、エルサルバドルでは、2019年は、683人が感染し、死亡例は0でした。

(6)ジカウイルス感染症

 ジカウイルスに感染したヤブカ(ネッタイシマカやヒトスジシマカ等)に吸血されることで感染する他、性行為によっても感染します。臨床症状は、デング熱やチクングニア熱に比べ、軽症例が多く、発熱の程度も38℃以下のことが多いですが、ギランバレー症候群を発症するリスクが高いと報告されています。さらに、妊娠中に感染すると胎児に小頭症等の先天奇形がみられると報告されています。特異的治療薬は存在しないため、対症療法のみとなります。また、ワクチンも存在しないため、防蚊対策が基本となります。WHOの統計によれば、2019年は、817人が感染し、死亡例は0でした。

6 健康上心がけること

(1)急性呼吸器感染症、感染性胃腸炎が疫学的に高頻度の疾患となっているので、手洗い・うがいを中心とした標準予防策の徹底を心がけて下さい。使用人(メイド等)を雇う場合には、食品衛生、公衆衛生に関する教育が大切です。

(2)蚊を代表とする各種昆虫が媒介する感染性疾患に対して、長袖・長ズボンの着用にて肌の露出避ける、虫よけスプレーの使用、蚊帳の使用、蚊取り線香の使用、防虫剤の使用、網戸の設置等の防蚊対策を徹底してください。

(3)標高の高い地域でも、紫外線量は多いので、日焼けに対する注意として日焼け止めの使用、帽子の着用、サングラスの着用、肌の露出を避けるなどに注意してください。

(4)標高の高い地域では、気温がそれ程高くないので、脱水症に対する注意がおろそかになることがあります。紫外線量は多いので、想像以上に、体力を消耗し、水分を喪失します。特に屋外にて各種スポーツを行っている際には、水分補給を忘れないようにしてください。また疲労の蓄積も想像以上ですので、こまめに休息をとるように心がけてください。

(5)劣悪な治安状況の中で外出の頻度が減り、屋内に閉じこもりがちになってしまいます。これが運動不足やストレスの原因になりますので、機会を見つけて体を動かすように心がけてください。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

  • 成人:入国に際し法的に要求される予防接種はありません。接種をお勧めする予防接種としては、A型肝炎、破傷風、B型肝炎、狂犬病、腸チフス等が挙げられます。
  • 小児:入国に際し法的に要求される予防接種はありません。接種をお勧めする予防接種としては、BCG、ポリオ、破傷風、ジフテリア、百日咳、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、インフルエンザ桿菌(Hib)、ロタウイルス等が挙げられます。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

予防接種名 初回 2回目 3回目 4回目とそれ以降
BCG 出生時      
ポリオ(OPV) ※1 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 15~18ヶ月、4歳
5種混合ワクチン ※2 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 15~18ヶ月
B型肝炎 出生時      
ロタウイルス 2ヶ月 4ヶ月    
肺炎球菌 2ヶ月 4ヶ月 12ヶ月  
MMR ※3 12ヶ月 15~18ヶ月    
HPV ※4 9歳 初回の6ヶ月後    

※1 初回、2回目は不活化ワクチン、3回目、4回目、5回目は生ワクチンを使用。

※2 5種混合ワクチン:3種混合(DPT: ジフテリア、破傷風、百日咳)およびB型肝炎、インフルエンザ菌b型のこと。DPTのみ、4歳で再接種する。また、10歳以降、10年ごとにTdを接種する。

※3 MMR:麻疹、流行性耳下腺炎、風疹のことで、当地ではSRP(Sarampión, Rubéola, Paperas)と記載する。

※4 HPV:子宮頸がんワクチンのこと。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 統一された規則は存在しません。同一校であっても要求されたり、必要なかったりとその都度対応が異なりますので、その度ごとに学校側に確認することが必要です。

8 病気になった場合(医療機関)

◎サンサルバドル

(1)Hospital de La Mujer(オスピタル デ ラ ムヘール)
所在地:81 Av. Sur y Cl. Juan Jose Cañas, Col. Escalón, San Salvador
電話:2555-1200、2555-1215
ホームページ:https://www.centromedicoescalon.com/ 別ウィンドウで開く
概要:100人以上の専門医が勤務する総合病院で、内科、外科、小児科、産婦人科、循環器科、呼吸器科、消化器科、神経内科、血液内科、腎臓内科、内分泌科、整形外科、リハビリ科、泌尿器科、形成外科、美容医学、感染症科、精神科、歯科などを標榜しています。各種診断機器の設置状況も良好で、邦人の利用頻度も多く、入院治療実績もあります。
(2)Hospital de Diagnóstico (ホスピタル デ ディアグノスティコ)
所在地:Paseo General Escalón y 99 Av. Norte, Villavicencio Plaza, Colonia Escalón, San Salvador
電話:2506-2000、2505-5700
ホームページ:http://www.hospitaldiagnostico.com/ 別ウィンドウで開く
概要:総合病院で、内科、外科、小児科、産婦人科、循環器科、呼吸器科、消化器科、神経内科、血液内科、腎臓内科、内分泌科、アレルギー科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、形成外科、乳腺科、腫瘍科、緩和ケア、放射線科、リウマチ科、感染症科、老年科などを標榜しています。各種診断機器の設置状況も良好で、邦人の受診実績もあります。
(3)Arte Dental (アルテ デンタル)
所在地:7º Calle Poniente Bis y Calle José Martí, Número 15-229, Colonia Escalón, San Salvador
電話:7888-6085
ホームページ:https://m.facebook.com/artedentalelsalvador別ウィンドウで開く
概要:日本大使館から近く、邦人の受診実績もあり評判は良好です。かつてHospital de Diagnósticoに勤務していた歯科医師が開業しています。予約制ですが、歯痛や義歯のトラブルなどの緊急時には相談に応じてくれます。治療設備は清潔で、待合などもきれいです。12歳未満や矯正歯科は他院を紹介、インプラントは非常勤医が同院で診療している由です。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在エルサルバドル日本国大使館 ホームページ:
   https://www.sv.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

10 一口メモ

 下記以外に「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療スペイン語)もご参照願います。

医学用語スペイン語訳

  • 医師:médico(メディコ)
  • 飲み薬:medecina(メディシーナ)
  • 注射:inyección(インジェクシオン)
  • 頭痛:dolor de cabeza(ドロール デ カベサ)
  • 腹痛:dolor de vientre(ドロール デ ビエントレ)
  • 下痢:diarrea(ディアレア)
  • 発熱:fiebre(フィエブレ)
  • 嘔気:náusea(ナウセア)
  • 傷:herida(エリダ)
  • ワクチン:vacuna(バクナ)
  • デング熱:dengue(デンゲ)
  • 具合が悪い。:Me siento mal.(メ シエント マル)
  • 病院へ連れて行ってほしい。:Lleveme al hospital, por favor.(ジェベメ アル オスピタル ポルファボール)

11 新型コロナウイルス関連情報

 2020年3月18日に第一例が確認されました。感染を疑った場合は、本ページに紹介されている病院などに、受診の可否につき確認のうえ、受診をしてください。


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