世界の医療事情
コスタリカ
1 国名・都市名(国際電話番号)
コスタリカ共和国(国際電話番号506)
2 公館の住所・電話番号
- 在コスタリカ日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
- 住所:Torre La Sabana, Piso 10, Sabana Norte, San José, Costa Rica
- 電話:2232-1255
- ホームページ:在コスタリカ日本国大使館
(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。
3 医務官駐在公館ではありません
在ニカラグア日本国大使館医務官が担当
4 衛生・医療事情一般
コスタリカの地理は、国土中央の複数の活火山がある髙地と、太平洋、カリブ海側の低地にわけられます。活発な火山活動により降灰が首都サンホセに及ぶこともあります。全土熱帯に区分されますが、サンホセは中央盆地に位置し標高が高いため冷涼で1日のうちで天気が変わりやすい特徴があります。一方、低地では熱帯特有の高温で湿度の高い気候となっています。12月から4月が乾季、5月から11月が雨期となります。低地では熱帯特有の病気に注意が必要です。地震、噴火、津波、ハリケーンといった自然災害のリスクがあります。
人口約515万人、平均寿命男性78.3歳、女性83.4歳。医療、保健は中米の中では整備された地域です。すべてのコスタリカ国民は公的な健康保険に加入し、公立病院を無料で利用することができます。人口1万人あたり医師28名、看護師30名、ベッド数12です。
設備の整った私立病院の治療には高額の費用がかかります。渡航前に治療、緊急移送費用を含む海外旅行傷害保険に加入することを強くお勧めします。
5 かかり易い病気・怪我
(1)デング熱
デングウイルスを保有する蚊に刺されることにより感染します。サンホセを含めた標高の高い地域での感染例は少ないですが、低地では年間を通して感染のリスクが高いです。症状は1週間前後の潜伏期の後、発熱、関節痛、頭痛、発疹などの症状が出現します。まれに出血、ショック等を呈して重症化することがあります。防蚊対策が重要です。
(2)ジカ熱、チクングニア熱
それぞれ蚊を媒介とするウイルス感染症で、発熱、発疹、関節痛などの症状が出現します。ジカウイルス感染症は、妊婦の感染により胎児へ小頭症等の影響を与える可能性があります。チクングニア熱は特に関節痛が強いことがあります。
(3)マラリア
国内ではほぼ三日熱タイプです。三日熱型の潜伏期は1週間から1か月程度ですが、より長期間の潜伏ののち、発症することもあります。
(4)感染性胃腸炎、肝炎
数日で回復する急性下痢症の他、発熱を伴う下痢や慢性的な下痢症にかかるリスクがあります。原因はウイルスの他、病原性の細菌、原虫、寄生虫と多様です。激しい下痢が続く、下血が見られるといった症状があれば診察を受けてください。渡航前にA型肝炎、腸チフスの予防接種をご検討ください。
(5)シャーガス病
中南米地域の主に農村部に蔓延する感染症です。土塀やヤシ葺きの家屋等に潜むサシガメという昆虫に夜間刺されることや、母子感染、輸血により感染することもあります。昆虫に刺されない注意が必要です。
(6)結核、HIV/AIDS
結核の新規患者数は10万人あたり11人で、日本と同等です。HIV/AIDSの新規患者は中米諸国の中で比較的多く、男性の比率が極めて大きいという特徴があります。
(7)狂犬病
コウモリや犬等の補乳動物に咬まれることによって感染します。発症すれば致死率100%です。受傷したら傷を石けんと水でよく洗い、直ちに最寄りの医療機関に相談してください。2018年に1例確認されており、潜在的なリスクが継続しています。狂犬病ワクチンでリスクを下げることができます。
6 健康上心がけること
- 気温が高く、日差しも強いので、熱中症予防、日焼け対策が必要です。喉の乾きを感じる前にこまめに水分を摂取して脱水を予防してください。
- 蚊等を媒介とする感染症を予防するため、防虫対策が重要です。肌の露出を避け、露出部にはディート(DEET)等を含む防虫剤を利用してください。殺虫剤や網戸、蚊帳の利用も有効です。
- 食中毒予防には、衛生状態の良い食堂を利用し、火の通ったものをすぐに食べ、作り置きのものを避け、ミネラルウォーターを利用するなど注意が必要です。
- 麻薬の流入が社会問題になっています。強盗、スリなどの犯罪などにも巻き込まれないよう注意し、身の安全を第一に行動してください。交通事故にも注意してください。
- 体調が悪い時は無理をせず、悪化する前に早めに医療機関を受診してください。
- 渡航後に発熱や下痢などがあり医療機関を受診する場合は、適切な検査や治療等の判断ができるよう、渡航歴をお伝えください。
7 予防接種(ワクチン接種機関含む)
(1)赴任時に必要な予防接種
渡航者は、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、破傷風の予防接種を検討してください。
黄熱に感染する危険のある国ではないので、黄熱の予防接種は推奨されていません。一方、以下の方は入国時に黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示が必要となります。WHOの指定する黄熱に感染する危険のある国(注)からの渡航者、ルワンダ、タンザニア、ザンビアからの渡航者。ただしアルゼンチン及びパナマは除外されています。運用が変わる可能性がありますので、渡航前に確認してください。
(注)「WHOの指定する黄熱に感染の危険のある国」については、厚生労働省検疫所FORTH「黄熱に注意しましょう!」をご参照ください。
(2)現地の小児定期予防接種一覧
予防接種名 | 初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目とそれ以降 |
---|---|---|---|---|
BCG | 出生時 | |||
B型肝炎 | 出生時 | 2か月 | 6か月 | |
ロタウイルス | 2か月 | 4か月 | ||
5種混合ワクチン(注1) | 2か月 | 4か月 | 6か月 | 15か月、4歳(注2) |
肺炎球菌(13価) | 2か月 | 4か月 | 15か月 | |
MMR(注3) | 15か月 | 4歳 | ||
水痘 | 15か月 | |||
子宮頸がん | 10歳 | 6か月後 |
- (注1)5種混合ワクチン:3種混合(DPT:ジフテリア、破傷風、百日咳)、インフルエンザ菌b型、不活化ポリオ
- (注2)インフルエンザ菌b型のみ4歳時には不要。
- (注3)MMR:麻疹、流行性耳下腺炎、風疹。当地ではSRP(Sarampión, Rubéola, Parotiditis)と記載する。
(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明
予防接種証明が求められます。日本で受けた予防接種履歴を持参してください。
(4)乳児検診
当国では、国で定められた乳児検診制度はありません。
8 病気になった場合(医療機関)
(首都)サンホセ
- (1)Hospital CIMA San Jose
- 所在地:800m al Oeste del Peaje sobre Carretera Prospero Fernandez, Escazu
- 電話(代表):2208-1000、
2208-1500、2208-1059(国際担当) - ホームページ:Hospital CIMA San Jose(スペイン語)
- 概要:24時間対応。サンホセの中心部にある。アメリカJCIの認証を得ている。ヘリポートを有し、空港との間で移送が可能。
- (2)Hospital Clinica Biblica
- 所在地:Av.14, Calle Central-1
- 電話(代表):2522-1000、8595-7000
- ホームページ:Hospital Clinica Biblica(スペイン語)
- 概要:24時間対応。サンホセの中心からやや西に離れた場所にあり、郊外からのアクセスは便利。精神科、歯科あり。
歯科
- (1)Prisma Dental
- 所在地:300Mts Este de Plaza Mayor Rhormoser, San Jose
- 電話(代表):866-284-6195、2291-5151
- ホームページ:Prisma Dental(英語)
- 概要:3人の常勤医と非常勤医師によりすべての歯科領域に対応する。
予約制。小児対応可。 - (2)Flikier Dental
- 所在地:Bv.Ernesto Rohrmoser, San José
- 電話(代表):866-638-1102、2232-1626
- ホームページ:Flikier Dental(英語)
- 概要:12歳以上診療可。すべての歯科領域に対応する。予約制。
9 その他の詳細情報入手先
10 一口メモ
「世界の医療事情」の一口メモ(もしもの時のスペイン語)を参照願います。