世界の医療事情

令和6年10月1日

1 国名・都市名・国際電話番号

 チリ共和国(国際電話番号56)

2 公館の住所・電話番号

在チリ日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
住所:Embajada del Japón, Av. Ricardo Lyon 520, Providencia, Santiago
電話:2-2339-2200
ホームページ:在チリ日本国大使館別ウィンドウで開く

(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在ペルー大使館医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 チリは南北に4千キロメートルを越える細長い国です。北は千キロメートルに及ぶ砂漠、東は5から6千メートル級の高峰を要するアンデス山脈、西と南は太平洋に囲まれています。首都サンティアゴはチリの南北のほぼ中央に位置し、海抜500から600メートルの高原にあるため、気候も温和で四季があります。気候は夏季(12から2月)にはほとんど雨が降らず乾燥し、最高気温が35℃近くになることもあります。一方、冬季(6から8月)は曇天の日が続き、最低気温が0℃以下になることもあります。一年を通じて昼夜の気温差が著しく、夏季には一日の気温差が20℃を越えることがあります。

5 かかり易い病気・怪我

(1)A型肝炎

 汚染された飲食物(主に水、生野菜、魚貝類など)を介して経口的に感染するウイルス感染症で、発症すると発熱、全身倦怠感、黄疸などを認め、入院治療が必要になることがあります。予防接種が有効です。

(2)腸チフス

 A型肝炎同様、汚染された飲食物を食べることによって感染する細菌感染症です。発熱が主な症状で38℃以上の高熱が続く他、頭痛、全身のだるさ、食欲不振などの症状を伴います。予防接種が有効です。

(3)交通事故

 チリは他の南米諸国と同様、右側通行で、車は左ハンドルです。運転マナーは比較的よい方ですが、十分に注意してください。

6 健康上心がけること

  1. 飲用には市販のミネラルウォーターを飲むようにしましょう。
  2. 肉、魚介類、卵は鮮度に注意し、大型スーパーや信用できる店で購入してください。
  3. 生の魚介類を食べる場合は、衛生状態の良いレストランを選んでください。
  4. サンティアゴ市はその地形と排気ガスからスモッグが発生しやすくなっています。気道からの感染を予防するため、帰宅後はうがいを励行してください。

7 予防接種(ワクチン接種機関含む)

(1)赴任者に必要な予防接種

  • 常に推奨:A型肝炎、B型肝炎、腸チフス
  • チリに限らず推奨される一般的なワクチン:MMR(麻疹、風疹、おたふくかぜ)、DTP(ジフテリア、破傷風、百日咳)、水痘、ポリオ、インフルエンザ

(2)現地の小児定期予防接種一覧

予防接種名 初回 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
BCG 出生時          
B型肝炎 出生時          
肺炎球菌 2か月 4か月 (6か月)(注1) 12か月    
6種混合:DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、B型肝炎、Hib(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)、ポリオ 2か月 4か月 6か月 18か月    
水痘 18か月 36か月        
MMR(麻疹、風疹、おたふくかぜ) 12か月 36か月        
髄膜炎菌(B) 2か月 4か月        
A型肝炎 18か月          
髄膜炎菌(A、C、Y、W-135) 18か月          
dTp(ジフテリア、破傷風、百日咳 - acellular         1年生 8年生
HPV(ヒトパピローマウイルス) 4年生 (5年生)(注2)        

(注1)早産児のみ接種が必要。

(注2)2023年に4年生で4価のHPVワクチンを接種した場合のみ、5年生で2回目の接種が必要。2024年以降は、4年生で9価ワクチンを1回接種。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明書

 入学・入園の際にワクチンの接種記録・接種証明の提出を求められることがあります。事前に学校と連絡を取って、必要事項をご確認ください。

8 病気になった場合(医療機関等)

 当地には先進医療機器を完備した近代的な私立病院が数件あり、それらの病院では欧米先進国に近いレベルの医療が受けられます。しかし、病院間での医療レベルの差が大きいので注意が必要です。私立病院の医療費は概して高額です。海外旅行傷害保険への加入をおすすめします。

首都(サンティアゴ)

(1)Clinica Alemana(クリニカ・アレマナ):私立総合病院
所在地:Av. Vitacura 5951, Vitacura, Santiago
電話:(2)-2210-1111
ホームページ:Clinica Alemana(スペイン語)別ウィンドウで開く
概要:病床数は454床、集中治療室24床、心臓集中治療室12床、小児用集中治療室8床、新生児集中治療室25床をもつ大規模な総合病院です。近代的な建物の中に、MRI、CT、内視鏡、超音波検査装置などをはじめ、各種先進医療機器がそろっています。年間出産件数は約3,900件です。心血管造影施設、心臓外科も完備し、急性心筋梗塞や狭心症などの心臓救急にも対応しています。11台の救急車とヘリポートを持ち、24時間救急対応を行っています。黄熱も含め各種予防接種も可能です。海外旅行傷害保険を含め、保険に加入していないものに対しては、入院前にクレジットカードや小切手の提示が求められます。
(2)Clinica Las Condes(クリニカ・ラス・コンデス):私立総合病院
所在地:Estoril 450, Las Condes, Santiago
電話:(2)-2610-4000
ホームページ:Clinica Las Condes(スペイン語)別ウィンドウで開く
概要:住宅地に位置し、病床数は287床、集中治療室16床、心臓集中治療室16床をもつ大規模な総合病院です。近代的な建物の中に、MRI、CT、内視鏡、超音波検査装置などをはじめ、各種先進医療機器がそろっています。ヘリポートを備えた救急部門は24時間救急対応を行っています。各種予防接種も可能です。

9 その他の詳細情報入手先

10 一口メモ(もしもの時のスペイン語)

 「世界の医療事情」冒頭ページのもしもの時のスペイン語を参照願います。

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