世界の医療事情

チリ

2022年10月

(1)国名・都市名・国際電話番号

 チリ共和国(国際電話国番号56)

(2)公館の住所・電話番号

○ 在チリ日本国大使館(毎週土日休館)

住所:Embajada del Japón,Av. Ricardo Lyon 520, Providencia, Santiago

電話:2-2232-1807

ホームページ:https://www.cl.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

(3)医務官駐在公館ではありません

 在ペルー大使館 医務官が担当

(4)衛生・医療事情一般

 チリは南北に4千キロメートルを越える細長い国です。北は千キロメートルに及ぶ砂漠、東は5~6千メートル級の高峰を要するアンデス山脈、西と南は太平洋に囲まれています。首都サンティアゴはチリの南北のほぼ中央に位置し、海抜500~600メートルの高原にあるため、気候も温和で四季があります。気候は夏季(12~2月)にはほとんど雨が降らず乾燥し、最高気温が35℃近くになることもあります。一方、冬季(6~8月)は曇天の日が続き、最低気温が0℃以下になることもあります。一年を通じて昼夜の気温差が著しく、夏季には一日の気温差が20℃を越えることがあります。

(5)かかり易い病気・怪我

(ア)A型肝炎:

 汚染された飲食物(主に水、生野菜、魚貝類など)を介して経口的に感染するウイルス感染症で、発症すると発熱、全身倦怠感、黄疸などを認め、入院治療が必要になることがあります。予防にはワクチン接種が有効です。

(イ)腸チフス:

 A型肝炎同様、汚染された飲食物を食べることによって感染するウイルス感染症です。発熱が主な症状で38℃以上の高熱が続く他、頭痛、関節痛、全身のだるさ、食欲不振などの症状を伴います。その回復期においても、腸のリンパ節に潰瘍ができるため、腸出血や腸穿孔(孔があく)の危険があります。予防にはワクチン接種が有効です。

(ウ)交通事故:

 チリは他の南米諸国と同様、右側通行で、車は左ハンドルです。運転マナーは比較的よい方ですが、十分に注意してください。

(6)健康上心がける事

(ア)飲用にはミネラルウォーターを飲むようにしましょう。

(イ)肉、魚介類、卵は鮮度に注意し、大型スーパーや信用のある店で購入してください。

(ウ)生の魚介類を食べる場合は、衛生状態の良いレストランを選んでください。

(エ)サンティアゴ市はその地形と排気ガスからスモッグが発生しやすく、気道からの感染を予防するため、帰宅後はうがいを励行してください。

(7)予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(ア)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 生の魚貝類を食べる機会も多いので、A型肝炎および腸チフスワクチンが特にすすめられます。またB型肝炎、破傷風も推奨されます。当地のクリニックでは欧米一流メーカーの各種ワクチン(小児予防接種を含め)を接種してもらうことが可能です。

(イ)現地の小児定期予防接種一覧

チリ国の小児の定期予防接種
予防接種名 初回 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
BCG 出生時          
B型肝炎 出生時          
肺炎球菌 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 12ヶ月    
6種混合:DPT※1、B型肝炎、 Hib※2、 ポリオ 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月    
水痘 18ヶ月 36ヶ月        
MMR:麻疹+風疹+おたふくかぜ 12ヶ月 36ヶ月        
髄膜炎菌 12ヶ月          
A型肝炎 18ヶ月          
dTp(acelular)         1年生 8年生
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン 4年生 5年生        

※1 DPT: ジフテリア+破傷風+百日咳、 ※2 Hib: インフルエンザ菌b型

(ウ)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明書

 入学・入園の際にワクチンの接種記録・接種証明の提出を求められることがあります。事前に学校と連絡を取って、必要事項をご確認ください。

(8)病気になった場合(医療機関)

 医療水準:当地には先進医療機器を完備した近代的な私立病院が数件あり、それらの病院では欧米先進国に近いレベルの医療が受けられます。しかし、公立病院など病院間での医療レベルの差が大きいので注意が必要です。私立病院の医療費は概して高額です。海外旅行傷害保険への加入をおすすめします。

◎サンティアゴ

(ア)Clinica Alemana (クリニカ・アレマナ):私立総合病院
所在地:Av. Vitacura 5951, Vitacura, Santiago
電話:2-2210-1111
ホームページ:https://www.clinicaalemana.cl/別ウィンドウで開く
概要:病床数は320床、集中治療室12床、心臓集中治療室12床、小児用集中治療室(生後1ヶ月以上)8床をもつ大規模な総合病院です。近代的な建物の中に、MRI、CT、内視鏡、超音波検査装置などをはじめ、各種先進医療機器がそろっています。年間出産件数は2,800件で新生児集中治療室も完備しています。心血管造影施設、心臓外科も完備し、急性心筋梗塞や狭心症などの心臓救急にも対応しています。8台の救急車を持ち、24時間救急対応を行っています。黄熱病も含め各種ワクチン接種も可能です。海外旅行傷害保険を含め、保険に加入していないものに対しては、入院前にクレジットカードや小切手の提示が求められます。
(イ)Clinica Las Condes (クリニカ・ラス・コンデス):私立総合病院
所在地:Lo Fontecilla 441, Las Condes, Santiago
電話:2-2210-4000
ホームページ:https://www.clinicalascondes.cl/HOME別ウィンドウで開く
概要:住宅地に位置し、病床数は220床、集中治療室7床、心臓集中治療室7床をもつ大規模な総合病院です。近代的な建物の中に、MRI、CT、内視鏡、超音波検査装置などをはじめ、各種先進医療機器がそろっています。外来癌化学療法センター、透析センターもあり、心血管造影施設、心臓外科も完備し、急性心筋梗塞や狭心症などの心臓救急にも対応しています。ヘリポートを備えた救急部門は24時間救急対応を行っています。各種ワクチン接種も可能です。

(9)その他の詳細情報入手先

(10)一口メモ(もしもの時の医療西語)

 世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(西語)を参照願います。

(11)新型コロナウイルス関連情報

 チリにおける「新型コロナウイルス」の最新情報は下記のWEBサイトで確認するようにしてください。

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