世界の医療事情

ボリビア

令和2年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ボリビア多民族国 (国際電話番号591)

2 公館の住所・電話番号

在ボリビア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Calle Rosendo Gutiérrez No.497, ESQ. Sánchez Lima, La Paz, Bolivia, P.O. Box 2725
電話:2-241-9110~9113, Fax:2-241-1919
在サンタクルス領事事務所 (毎週土日休館)
住所:Calle Saavedra No.314, ESQ.Cochabamba, Santa Cruz, Bolivia, P.O. Box 543
電話:3-335-1268, 335-1329, Fax:3-335-1022

3 医務官駐在公館

 在ボリビア日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 ボリビアはラパス、オルロ、ポトシなどのアンデス高地、コチャバンバなどの渓谷地帯(アンデス低地)、サンタクルス、ベニなどのアマゾン河流域の東部低地に分けられ、衛生事情や流行疾患も異なります。アンデス高地では標高が約3,500メートル以上のため高山病に罹る可能性が高く、ラパスにおいては年間を通じて平均気温が8℃(最高気温21℃、最低気温-9℃)と一日の寒暖の差が大きく、非常に乾燥しているので日々の体調管理が重要です。一方、東部低地では年間平均気温は24℃で、下痢などの消化器疾患に加え、マラリア、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症などの熱帯病の流行がみられます。特に狂犬病はボリビア全土で発症しており、注意が必要です。また黄熱病においては、ベニ、パント県の全域、コチャバンバ、サンタクルス、チュキサカ、ラパス、タリハ県の一部地域は黄熱病の危険地域に指定されており、イエローカード(黄熱病の予防接種証明書)の所持が必要です。同地域の訪問を予定されている場合は、当館ホームページのイエローカード予防接種証明取り扱いをご覧ください。
http://www.bo.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

5 かかり易い病気・怪我

(ア)高山病

 高山病とは高地に身体が順応できずに起こる一連の症状で、標高2,500メートル以上で、発症する危険性があります。高山病は重篤な後遺症をきたすこともあり、予防や早期の適切な処置がとても重要です。

 観光等で訪れることの多い都市の標高はラパス(3,650メートル)、チチカカ湖(3,890メートル)、ウユニ(3,660メートル)、ポトシ(4,070メートル)、オルロ(3,700メートル)、スクレ(2,790メートル)およびコチャバンバ(2,560メートル)です。特にボリビアの窓口であるラパス国際空港(El Alto空港)の標高は4,070メートルであるため、高山病に罹患するリスクは高く、対策が必要です。持病(高血圧、心疾患や呼吸器疾患など)の有る方や、体調不良の際は悪化しやすいため、主治医にあらかじめ当地への旅行の可否や予防薬内服について相談してください。

症状

 主な症状は頭痛、息切れ、吐き気、全身倦怠感、食欲不振および不眠です。重症化すると肺水腫、脳浮腫により呼吸困難、麻痺、意識障害などが出現し、死亡するケースもあります。

予防

  • (1) 高山病予防薬としてダイアモックス(Acetazolamide)を到着24時間前から内服する方法が有効とされています。日本では医師の処方箋が必要ですので、医療機関を受診して処方を受けてください。
  • (2) 飛行機内でのアルコール摂取は控えてください。
  • (3) 高所ではゆっくり歩くことを心がけ、重い荷物を持つ等の重労作は避けてください。
  • (4) 到着当日は休養を十分とり、アルコール、熱いシャワーや入浴、運動は避けてください。
  • (5) 睡眠薬の服用は控えてください。

治療

  • (1) 頭痛、吐き気、息苦しさなどの症状があれば椅子に座って安静にし、改善しなければ1分間3リットル程度の流量で酸素を吸入してください。中級以上のホテルであれば酸素ボンベが用意されています。
  • (2) 症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診してください。重症化する前に治療を開始することが大切です。
  • (3) 重症の場合は集中治療や緊急医療搬送が必要になり、高額の費用(場合によっては数千万円)が必要になります。医療費と搬送費がしっかりとカバーされている海外旅行保険へ予め加入しておくことを強くお勧めします。

(イ)感染性胃腸炎、肝炎

 ボリビアでは感染性胃腸炎やA型肝炎が発生しています。これらは不衛生な水、生野菜、調理不十分な肉などが原因です。食事前には手を石けんでしっかり洗う、市販のペットボトルを飲用する、十分に加熱されたものを摂取する、等の注意が必要です。

(ウ)狂犬病

 ボリビアは野犬が多く、各地で狂犬病が発生しています。狂犬病ウイルスを持った動物から感染し、発症するとほぼ100%死に至ります。狂犬病は犬だけではなく、全哺乳類(猫,コウモリなど)から感染する可能性がありますので、あらゆる哺乳動物に近づかないようにしてください。咬まれたり、傷口や粘膜を舐められた場合には,すぐに大量の水と石けんで十分に洗浄し,信頼できる医療機関でワクチン接種等の処置を受けてください。決して日本に帰ってから治療を開始しようとは考えないでください。

(エ)デング熱、チクングニア熱(蚊媒介感染症)

 多くはサンタクルス県や他の東部低地で発生しています。毎年、雨季とその前後(11月-5月)に流行します。デング熱の症状は発熱,頭痛,眼の痛み,関節痛,筋肉痛,発疹などです。多くの例は軽症ですが、稀に出血症状を来して重症化することもあります。チクングニア熱の症状はデング熱と似ていますが、関節痛については数か月間も症状が持続することがあります。両者とも特効薬はなく症状に応じた治療になります。主に日中に活動する蚊によって感染するため、感染予防には日中の防蚊対策が重要です。なお、ラパスなど高地では蚊がほとんどいないため、発症報告はほとんどありません。(以下に記載のジカウイルス感染症やマラリアにおいても同様です)

(オ)ジカウイルス感染症(蚊媒介感染症)

 症状はデング熱やチクングニア熱に似ていますが、一般的にはより軽症であることが多く、また感染しても症状がない(不顕性感染)ことも多いです。しかし、妊娠中に感染すると胎児に深刻な影響を及ぼすことがあります。ジカウイルス感染症は蚊による感染以外に性行為による感染も報告されており、汚染地域に滞在中及び滞在後6ヵ月間の妊娠は避けるようにしてください。

(カ)マラリア(蚊媒介感染症)

 多くはベニ県で発生しており、サンタクルス県、コチャバンバ県、パンド県、チュキサカ県でも報告があります。マラリアの症状は発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、嘔吐などです。ボリビア国内では95% 以上が三日熱マラリアで、熱帯熱マラリアは5% 以下です。熱帯熱マラリアは早期に治療を開始すれば救命可能ですが、治療が遅れると死に至る怖い感染症です。熱帯・亜熱帯地域を旅行し、高熱など原因不明の症状が続く場合は、早急に病院を受診してください。その際は医師にマラリアに感染した可能性がある旨を説明し、しっかりと検査を受けてください。マラリアは主に夕方から明け方に活動する蚊によって感染するため、感染予防には防蚊対策(蚊帳、防虫剤など)が重要です。

(キ)熱中症

 症状はめまい、筋肉痛、頭痛、吐き気などで、重症例では意識障害やけいれんが起こり死亡するケースもあります。特に東部低地では気温が40℃近くに上昇するため、熱中症対策が必要です。暑いときは日陰の涼しいところに移動し、こまめに水分と塩分を補給してください。重症時は点滴治療が必要になりますので、病院を受診ください。

6 健康上心がける事

(ア)高地は紫外線が非常に強く、白内障や皮膚がんの危険があります。サングラス、日焼け止めクリームなどの紫外線対策が必要です。

(イ)感染症予防のため、頻繁に手洗いを行ってください。また十分に加熱されているものを摂取するようにしてください。高級レストランでも安心せず、特にサラダコーナーの生野菜は控えるよう心がけてください。

(ウ)アマゾン河流域などの熱帯地域では寄生虫による感染症が発生していますので、川イルカと泳いだり、アナコンダを捕まえたりするツアーは感染症のリスクがあります。

(エ)長袖、長ズボンで肌を露出しないようにし、防虫剤を使用し防虫対策を行ってください。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(ア)赴任者に推奨される予防接種

 A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病・黄熱病(ラパス市、ウユニ湖だけの滞在であれば必要ありません。詳しくは、当館ホームページの「イエローカード予防接種証明取り扱い」をご覧ください。 http://www.bo.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

 当地でもこれらのワクチンの接種は可能ですが、免疫を獲得するにはある程度の期間が必要です。渡航前に信頼のおける医療機関で計画的に予防接種を受けることをおすすめ致します。

(イ)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
ワクチン 1回目 2回目 3回目
BCG 出生時    
黄熱 12~23ヶ月の間    
髄膜炎 9ヶ月から 3ヶ月空ける 2才以下は2回,2才以上は1回接種
6種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎、ポリオ,Hib) 生後6週 10週 14週
MMR(おたふく風邪、麻疹、風疹) 12~23ヶ月の間    
ロタウイルス(経口) 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月

(ウ)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 上記(イ)のワクチン接種及び接種証明書が必要です。

注:ラパス市内のアメリカンスクールに入学する際は、DTaP(ジフテリア・破傷風・百日咳)、MMR(麻疹・流行性耳下腺炎・風疹)、ポリオ、B型肝炎のワクチン接種及び接種証明書が必要です。

8 病気になった場合(医療機関等)

ラパス市

(ア)Clínica del Sur(クリニカ デル スール)
所在地:Av.Hernando Siles 3539, Obrajes, La Paz
電話:(2)-278-4001 / (2)-278-4002 / (2)-278-4003
   (救急外来)(2)-278-2233 / (2)-278-2922
Fax:(2)-278-4753
概要:24時間救急対応。小児救急も対応可能。検査室(CT、超音波検査を含む)あり。入院施設もあります。日本語の話せる医師(脳外科医)がいます。邦人診療実績多数。
(イ)Clínica Rengel(クリニカ レンヘル)
所在地:Calle Victor Sanjinez No.2762, Cerca de Plaza España, La Paz
電話:(2)-241-4444 / (2)-241-4423、Fax:(2)-241-3912
概要:24時間救急対応。検査室(MRI、CT、血管造影、超音波検査を含む)あり。入院施設もあります。邦人受診実績あり。
(ウ)Clínica Alemana(クリニカ アレマナ)
所在地:Av. 6 de Agosto 2821, Esq. Cordero, La Paz
電話:(2)-243-2155 / (2)-243-3676
概要:24時間救急対応。小児救急も対応可能。
   検査室(MRI、CT、血管造影、超音波検査を含む)あり。入院施設もあります。
(エ)Clínica Odontologica Wilde(歯科医院)(クリニカ オドントロヒア ビルデ)
所在地:Calle 14,Achumani esq. Av Alecander No7,Calacoto,La Paz
電話:(2)-279-9601 / (2)-279-6429 / (2)-279-0041
概要:日本語を話す歯科医師(日本への留学歴あり)がいます。受付は英語可能。緊急対応も可能。邦人診療実績多数。

サンタクルス市

(ア)Clínica Angel Foianini(クリニカ アンヘル フォイアニーニ)
所在地:Calle Chuquisaca #737, Santa Cruz
電話:(3)-337-7768 / (3)-332-8181、Fax:(3)-337-0650
概要:総合病院。24時間救急対応。小児救急も対応可能。検査室(CT,MRI,血管造影,超音波検査を含む)あり。入院施設もあります。保険会社や航空会社との連携はよく、緊急移送体制が整っています。邦人診療実績あり。医療内容はアメリカ式で診療レベルは高いです。英語可能。
(イ)Centro Medico Integral SIRANI(西澤クリニック)
所在地:Calle Rene Moreno #654, Santa Cruz
電話:(3)-337-5800 Int.110 (西澤医師) / (3)-335-6227
概要:総合病院。24時間救急対応。小児救急も対応可能。検査室(内視鏡、超音波検査含む)あり。入院施設もあります。 西澤医師は日系の消化器外科専門医で、日本語可能です。 邦人診療実績多数。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ボリビア日本国大使館 ホームページ:http://www.bo.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 主要言語版については、「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(主要言語名を記入)を参照願います。

11 新型コロナウイルス関連情報

 当地では2020年7-8月に患者数がピークを迎え、医療崩壊をきたし,多数の犠牲者が発生しました。2020年10月時点での死亡率は世界でも上位(5~6位)に位置しております。上記、Clinica AremanaおよびClinica Angel Foianiniはコロナ対応病院であり、集中治療室や人工呼吸器が完備されております。しかしながら、これらの病院の医療レベルはボリビア国内ではハイレベルとされていますが、先進国に比べると不十分と言わざるを得ず、洗練されたサービスは期待できません。特にラパスにおいては標高が高いことから酸素濃度が低く、肺炎を患った際には容易に重症化する可能性があります。やむを得ず当地へ渡航される際には、十分な補償額がカバーされた海外旅行保険に加入するなど、十分な準備が必要です。


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