世界の医療事情

ベリーズ

2022年10月

1.国名・都市名(国際電話国番号)

 ベリーズ(ベルモパン)(国際電話国番号501)

2.公館の住所・電話番号

○ 在ベリーズ日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan, Toucan Plaza, 7299 George Price Boulevard, Belmopan, Cayo District, Belize
電話:822-1202
ホームページ:https://www.bz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにウェブサイトにて案内していますので、ご覧ください。

3.医務官駐在公館ではありません

 在マイアミ総領事館医務官が担当

4.衛生・医療事情一般

 中央アメリカ北東部、ユカタン半島南東部に位置するベリーズは熱帯気候の国であり、年間を通じて高温多湿です。

 雨期にあたる6~11月は、毎日のように、雷を伴う強い夕立が降り、首都ベルモパンの平均気温は26℃です。この時期はハリケーンの季節でもあり、9、10月に到来することが多いです。12~2月にかけては涼しい気候が続き、ベルモパンの平均気温は23.5℃となります。夕方以降は特に気温が下降し、夜間は14℃前後まで下がることもあります。2~5月は乾期で、4~5月は、最高気温が40℃を超えることもあります。

 医療水準は低く、特に公的医療機関は勧められません。ベリーズシティの一部の私立病院であれば、軽症の疾患に限り受診をすることもできます。ですが、国内では重症疾患に対応可能な医療機関を見つけることは困難であるため、搬送の可能性を念頭に置き、高額補償の海外旅行傷害保険等に加入することを強くお勧めします。

 WHOのデータによれば、平均寿命は74.4歳、新生児死亡率は0.8%、5歳未満死亡率は1.2%、周産期死亡率は0.04%です。

5.かかり易い病気・怪我

(1)脱水症

 当地は年間を通じて高温多湿であるため、熱中症や脱水症に注意し、こまめな水分補給を心がけましょう。

(2)経口感染症

 衛生事情が不良であるため、生ものは口にせず、飲み水は、水道水ではなく、市販のミネラルウォーターを使用しましょう。

(3)デング熱

 当地は、デング熱の流行地域であり、WHOのデータによれば、2019年には13,316人、2020年には2,785人、2021年には1,251人が感染しています。デングウイルスに感染したネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等ヤブカ(ネッタイシマカやヒトスジシマカ等)に吸血されることで感染します。潜伏期の後、高熱で発症し、筋肉痛、関節痛、皮疹などの症状を呈し、およそ発症後1週間程度で回復に向かいます。通常は後遺症なく回復しますが、一部の患者では、皮膚粘膜からの出血、肝腫脹、血圧低下などを伴う、重篤なデング出血熱となります。特異的治療薬は存在しないため、対症療法のみとなります。また、ワクチンも存在しないため、感染を避けるには、皮膚の露出を避ける、虫よけスプレー、蚊帳、蚊取り線香、網戸の使用など、防蚊対策が基本となります。

6.健康上心掛ける事

(1)衛生事情が日本とは異なるため、衛生意識を高く保ちましょう。

(2)デング熱などに感染しないため、防蚊対策を心がけましょう。

7.予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 黄熱に感染する危険のある国から入国する、1歳以上の渡航者は、イエローカードが要求されます。黄熱に感染する危険のある国の空港を経由して入国する場合も、同様に要求されます。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

予防接種名 初回 2回目 3回目 4回目とそれ以降
BCG 出生時      
B型肝炎 出生時      
5種混合ワクチン ※1 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月  
3種混合ワクチン ※2 18ヶ月 4歳 12歳  
ポリオワクチン ※3 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月、4歳
MMR 12ヶ月 18ヶ月    
HPV ※4 9歳      

※1  5種混合ワクチン:3種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳)、B型肝炎、インフルエンザ菌b型のこと。

※2  3種混合ワクチン:ジフテリア、破傷風、百日咳のこと。3回目はジフテリア、破傷風のみ。

※3  初回は不活化ワクチン、2回目から5回目は生ワクチンを使用する。

※4  HPV:子宮頸がんワクチンのこと。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 当地には、日本人学校が開設されていません。私立学校に関しては、学校によって異なるため、それぞれの担当者にお問い合わせください。

8.病気になった場合(医療機関等)

◎救急車を依頼する場合

 病院に電話をして救急車を依頼するよりも、タクシーや自家用車で直接受診する方をお勧めします。

(1)Belize Medical Associate
所在地:5791 St Thomas St, Belize City
電話:223-0302、223-0303、223-0304
ホームページ:https://www.belizemedical.com/別ウィンドウで開く
概要:私立の総合病院です。内科、外科、小児科、産婦人科、循環器科、消化器科、神経内科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、放射線科、精神科、麻酔科を標榜しています。一般のICUの他、循環器集中治療室(CCU)も準備されています。
一般外来は予約が必要ですが、救急外来は、24時間、365日、受診可能です。
(2)Karl Heusner Memorial Hospital
所在地:Princess Margaret Drive, Belize City
電話:223-1548
ホームページ:https://www.facebook.com/Karl-Heusner-Memorial-Hospital-1652699211621967/別ウィンドウで開く
概要:公立の総合病院です。内科、外科、小児科、産婦人科、循環器科、消化器科、神経内科、整形外科、リハビリ科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、放射線科、病理学、精神科、麻酔科、透析を標榜しています。救急外来は、24時間、365日、受診可能です。

9.その他の詳細情報入手先

(1)在ベリーズ日本国大使館 ホームページ:https://www.bz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(2)海外で健康に過ごすために FORTH(厚生労働省検疫所):https://www.forth.go.jp/destinations/country/cs.html別ウィンドウで開く

(3)ベリーズ保健省:https://m.facebook.com/profile.php?id=100076305600375別ウィンドウで開く

(4)米国疾病予防管理センター(CDC):https://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/traveler/none/belize?s_cid=ncezid-dgmq-travel-single-001別ウィンドウで開く

(5)世界保健機関(WHO):https://www.who.int/countries/blz/別ウィンドウで開く

10.一口メモ

【医学用語スペイン語訳】

「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語、もしもの時のスペイン語)もご覧下さい。

  • 医師:médico(メディコ)
  • 飲み薬:medecina(メディシーナ)
  • 注射:inyección(インジェクシオン)
  • 頭痛:dolor de cabeza(ドロール デ カベサ)
  • 腹痛:dolor de vientre(ドロール デ ビエントレ)
  • 下痢:diarrea(ディアレア)
  • 発熱:fiebre(フィエブレ)
  • 嘔気:náusea(ナウセア)
  • 傷:herida(エリダ)
  • ワクチン:vacuna(バクナ)
  • デング熱:dengue(デンゲ)
  • 具合が悪い。:Me siento mal.(メ シエント マル)
  • 病院へ連れて行ってほしい。:Lleveme al hospital, por favor.(ジェベメ アル オスピタル ポルファボール)

11.新型コロナウイルス関連情報

 現在でも新型コロナウイルスの感染が続いています。マスク着用、アルコール消毒、社会的距離の維持などによる基本的な感染予防に努めて下さい。

 最新の感染状況は、保健省のウェブページなどにより入手可能です。

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