世界の医療事情

バルバドス

令和2年10月

1 国名・都市名・国際電話国番号

 バルバドス(ブリッジタウン市)(国際電話番号1-246)

2 公館の住所・電話番号

○ 在バルバドス日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan in Barbados, Office A, Mars House, No.13 Pine Road, St. Michael, Barbados
電話:622-4090, FAX:622-4059
ホームページ:https://www.tt.emb-japan.go.jp/index_japan_barbados.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在マイアミ日本国総領事館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 バルバドスはカリブ海に浮かぶ島々の中では最も東に位置し、面積は430平方キロメートルで種子島とほぼ同じです。人口は約28.5万人(WHO 2016)、概ね平坦な地形で最も高い所でも海抜340メートルです。気候は高温多湿な熱帯モンスーンで、概ね6月~11月までの雨季、12月~5月までの乾季、に分かれています。雨季には時にハリケーンや熱帯暴風雨で高潮や洪水に見舞われることもありますが、通常、ハリケーンの通過コースからは外れることが多いです。平均気温は雨季で25℃~31℃、乾季では23℃~30℃程度で、気温の変化は少なく、年間を通して北東の貿易風が吹くので、比較的穏やかな暑さとなっています。

 当地における医療水準は、カリブ諸国の中では高い方です。600床の収容能力を有する公立総合病院、エリザベス病院(Queen Elizabeth Hospital)では、全診療科目の医療が提供されており、24時間体制の救急外来(ER)が設置されています。公立病院では国民に対する医療が無償で提供されているため、同病院は常に患者で混み合っており、緊急外来であっても長時間待たされることがあります。そのため私立病院や開業医の方が素早い対応を期待できることもあります。重症の傷病の場合には入院、あるいは場合によっては医療先進国への緊急搬送が必要となります。その際に医療費は高額になり、場合により高額な緊急搬送費用が必要となることがありますので、補償額の大きな海外旅行傷害保険に加入しておくことが大切です。

5 かかり易い病気・怪我

(1)熱中症、脱水症

 熱帯モンスーン気候に属し、乾期は比較的過ごしやすいのですが、年間を通して直射日光が強く日焼けに注意が必要で、また雨期には高温多湿となるので熱中症(日射病)に特に注意が必要です。帽子をかぶる、日陰で休息する、こまめに水分・電解質を摂取するなどの予防策をとることが重要となります。特に、小児、高齢者、基礎疾患のある方はご注意ください。

(2)旅行者下痢症、食中毒

 旅行者下痢症の予防策として、皮のむかれた果物(カットフルーツやフルーツジュースなど)、あるいは十分加熱調理されていない食品を摂取するのは避けましょう。また、低温殺菌されていない牛乳やそれを用いた乳製品、アイスクリームなどの摂取は控えましょう。さらに、酢漬けの魚も含め、未調理や十分加熱調理されていない肉、魚の摂取も控えましょう。飲料水については、生水、氷(水道水を使ったものが多いため)などの摂取はさけて、濾過されて化学的殺菌処理の行われたものか、一度沸騰させた水、または、ペットボトルの水を飲みましょう。

(3)スポーツ事故による外傷

 棘皮動物(イソギンチャク)の幼生、クラゲによる刺傷(サーフィン、海上での遊技、シュノーケリング、海岸線での遊泳中など)は激しい痛みを伴った広範な皮膚炎を起こすことがあります。珊瑚、ウニなどによる外傷も報告されています。また、決められた区域以外の海岸での海水浴は水深や潮の流れが不明なため大変危険です。

(4)蚊が媒介する感染症

 デング熱やチクングニア熱、また最近ではジカウイルス感染症(ジカ熱)など、蚊を介した感染症については蚊に刺されない様に、長袖長ズボンを着用したり、虫除けスプレー・クリームなどを活用することが薦められます。

 デング熱は、ネッタイシマカ及びヒトスジシマカ(蚊)によって媒介される熱性ウイルス疾患で、東南アジア、インド、中米、南太平洋などの南北両回帰線の間にある国々を中心に広く分布しています。バルバドスでも年により変動はありますが、毎年、患者が発生しており、2014年は2,689人、2015年391人、2016年は9月末までに1,101人と、人口からすれば、かなりの割合で感染していると考えられます。ほとんどの人は重症化することなく治りますが、一部で出血傾向をショック状態になる場合があります。有効な治療薬はなく、発病時は対症療法のみです。発熱に対しては、アセトアミノフェン(タイレノールやパナド-ル)を用います。有効な予防薬・予防接種はないため、蚊に刺されないようにすることが最も大切です。戸外に出るときは、虫よけスプレーを使用し、できる限り長袖、長ズボンを着用する。また、蚊の活動が活発な日の出や夕暮れ時の外出を避ける、さらに居住空間近辺の蚊の発生しそうな下水・水回りの清掃(余分な水たまりの排除)をすることなども重要です。

 2013年末からカリブ海諸国で、デング熱同様に蚊が媒介する熱性疾患のチクングニア熱の流行が報告されています。バルバドスでは、2014年に1,779人と多くの人が感染しましたが、2015年以降の感染者は100名未満となっています。

 2015年にブラジルで流行したジカウイルス感染症(ジカ熱)は、中米・カリブ海諸国に拡がり、バルバドスでは2016年9月までに、国内感染者として573人が報告されていますが、2017年以降は散発するに留まっています。

6 健康上心がける事

(1)屋外で活動する際には、脱水症や熱中症にならないように十分な水分・電解質を補給し、直射日光に対する防護(帽子、長袖、サングラス・日焼け止めクリームを使用するなど)に気をつけましょう。木陰や涼しい場所で適宜休養することも大切です。

(2)地方、森林その他の自然環境地域を訪問する際には、虫(蚊やダニなど)に刺されないような対策(長袖長ズボンを着用し、虫除けスプレー・クリームを使用するなど)をとりましょう。

(3)野生の小動物に遭遇した場合は狂犬病、また鳥の死骸の場合は鳥インフルエンザなどに感染する恐れがありますので、決して触らないようにしましょう。

(4)旅行者は、事前に専門医(渡航外来或いはトラベルクリニック)を受診するなどして、現地で流行している疾患に関する知識を得て、さらに予防対策(予防接種を含む)を講じ、無理のない余裕のある旅行を行い、健康、安全に十分留意しましょう。また海外旅行傷害保険などに加入して高額医療費や緊急移送費用が発生する事態に備えておくことが賢明です。さらに基礎疾患のある方は、事前にかかりつけの医師に相談し、処方箋や病気の状態、経過などを英訳した診断書などを書いてもらい、何かあった場合に備えて、旅行中、携帯しておくと良いでしょう。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関などについてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

 日本からの旅行者は、入国に際し予防接種の要件はありません。但し、黄熱感染地域を経由して入国する場合(1歳以上)には、黄熱予防接種証明(通称イエローカード)の提示が求められます。居住目的で渡航される方々の子女は、現地の学校に入学する際には予防接種証明書が必要です。予防接種要件は、概ね(2)のとおりです。

(1)赴任者に必要な予防接種

 法的に要求される予防接種はありません。推奨される予防接種としては、A型肝炎、破傷風、B型肝炎、破傷風、腸チフス、狂犬病となります。

(2)子供の予防接種スケジュール(2016年)

接種時期 予防接種の種類等
2ヶ月 DTwP/Hib/HepB(ジフテリア・破傷風・百日咳・インフルエンザ桿菌b型・B型肝炎の5種混合ワクチン:1回目)
IPV(不活化ポリオワクチン:1回目)
PCV(肺炎球菌ワクチン:1回目)
4ヶ月 DTwP/Hib/HepB (2回目)、IPV(2回目)、PCV(2回目)
6ヶ月 DTwP/Hib/HepB (3回目)、OPV(経口ポリオワクチン:1回目)、
PCV(3回目)
1歳 MMR(麻疹・流行性耳下腺炎・風疹ワクチン:1回目)
VAR(水痘ワクチン:1回目)
18ヶ月 DTwP(ジフテリア・破傷風・百日咳:1回目)、OPV(2回目)
3-5歳 MMR(2回目)
4.5歳 DTwP(2回目)、OPV(3回目)
5歳 BCG(結核ワクチン)
5-7歳 DT(ジフテリア・破傷風:1回目)
10-11歳 Td(破傷風・ジフテリア:1回目)、0PV(4回目)
11歳 HPV(パピローマウイルスワクチン:3回接種)

参照:http://apps.who.int/immunization_monitoring/globalsummary/countries別ウィンドウで開く

 ポリオワクチン接種回数は計6回で、不活化ワクチン(IPV)と経口ワクチン(OPV)が併用されており、概ね1、2回目がIPVで、3回目以降はOPVが使われています。MMR は2回となっています。

8 病気になった場合(医療機関等)

(1)The Queen Elizabeth Hospital(クイーン・エリザベス病院)
住所:Martinade’s Road, Bridgetown
電話:436-6450
ホームページ:http://www.qehconnect.com/別ウィンドウで開く
概要:600床の収容能力を有するバルバドスで最大規模の公立総合病院。24時間体制の救急外来(ER)あり。西インド諸島大学(UWI)医学部の付属教育病院でもある。心臓カテーテル検査(PCI等)や人工透析可。集中治療室(ICU)、小児集中治療室(PICU)及び新生児集中治療室(NICU)あり。
(2)Sandy Crest Medical Center
住所:Sunset Crest, St. James
電話:419-4911
ホームページ:http://www.sandycrest.net/別ウィンドウで開く
概要:緊急部を有する24時間体制の私立クリニック。1~2人の救急医が常駐。重篤な患者においては、当センターにて様態の安定を図った後に、提携先の私立病院であるBayview Hospitalあるいは公立のクイーン・エリザベス病院へ搬送となる。救急搬送には民間緊急コールセンターの救急車を利用する必要があるが、Sandy Crestに救急車を依頼することも可能。
民間救急コールセンター
  • Island Care Ambulance 電話番号:435-9425
  • Medic Response     電話番号:228-8633
(3)Bayview Hospital
住所:St. Paul’s Avenue, Bayville, St. Michael
電話:436-5446
ホームページ:http://www.bayviewhospital.com.bb/別ウィンドウで開く
概要:入院設備を有する私立病院。常駐の医師はなく、国内の各クリニックより患者とともに医師が当院におもむいて治療する。病床23床、分娩室2室あり。新生児集中治療が必要な場合はクイーン・エリザベス病院へ搬送となる。
(4)Coverley Medical Center
住所:Coverley Square, The Villages at Coverley, Christ Church
電話:627-1000
ホームページ:http://www.coverleymedical.com/home別ウィンドウで開く
概要:4つのクリニックから構成されるCOVERLY MEDICAL CENTRE (CMC)グループの1つ。緊急医療センター(紹介状なしで受診可能)を有する私立クリック。1~2人の一般内科医(GP)もしくは救急医が常駐している。診察時間は 9:00~19:00。

9 その他の詳細情報入手先

(1)バルバドス保健省:
    http://www.health.gov.bb/index.php/ministry_of_health別ウィンドウで開く
    https://www.facebook.com/moh.barbados/別ウィンドウで開く

(2)米国疾病予防管理センター(CDC):http://wwwnc.cdc.gov/travel別ウィンドウで開く

(3)世界保健機関(WHO):http://www.who.int/countries/brb/en/別ウィンドウで開く

(4)英国旅行医学ネットワーク・センター:NaTHNaC:
    http://travelhealthpro.org.uk/country/23/barbados別ウィンドウで開く

(5)厚生労働省検疫所(FORTH) 海外で健康に過ごすために(中米・カリブ海地域):
    http://www.forth.go.jp/destinations/region/cac.html別ウィンドウで開く

(6)在バルバドス日本国大使館:
    https://www.tt.emb-japan.go.jp/index_japan_barbados.html別ウィンドウで開く

10 一口メモ(もしもの時の医療英語)

 世界の医療事情の冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照ください。

11 新型コロナウイルス関連情報

 在バルバドス日本国大使館ホームページを参照ください。

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