世界の医療事情

令和6年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ネパール(国際電話番号977)

2 公館の住所・電話番号

在ネパール日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
住所:Embassy of Japan, 1253, Narayan Gopal Sadak Panipokhari, Ward No.3 Kathmandu
電話番号:01-4526680
ホームページ: 在ネパール日本国大使館別ウィンドウで開く

(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 ネパールの気候は亜熱帯性気候で、雨季(6月から9月)と乾季(10月から5月)に分かれています。北のヒマラヤ山岳地帯、中部の丘陵地帯、インドとの国境を接する南部のタライ平野地帯で標高差が大きく、気候も異なります。首都カトマンズは標高約1300mの盆地で、夏の平均最高気温は30度前後、冬の平均最低気温は3度前後です。
 ネパールの上下水道は首都のカトマンズでさえ未整備で、浄水場の無い水道も多く、飲用には全く適していません。水道水や市販のペットボトルの水から大腸菌が検出されることも稀ではありません。タライ平野では水源のほとんどを地下水に依存していますが、高濃度のヒ素に汚染されている地域があるので、長期間居住する場合には注意が必要です。例年、雨季になると、水系感染症や蚊・ダニが媒介する感染症が全国的に流行します。一方、乾季には大気汚染が深刻です。
 医師はカトマンズ周辺に集中しており、地方では不足しています。カトマンズには大小多数の公立・私立医療機関が存在しますが、清潔度、サービス面、支払い方法などの点から、外国人の長期滞在者や旅行者は、私立の比較的大規模な医療機関を利用することが多いようです。ネパールの医学教育は英語で行われているため、医師や看護師は英語で問題無く会話可能です。ただし、事務員は英語を解しないこともあります。特に、公立病院は案内標示もネパール語のみなので、現地語がわからないと利用は難しいかもしれません。
 医療費は、公立・私立を問わず、外国人に対しては概ねネパール人の2から3倍に設定されています。他の国に比べて決して高いとは言えませんが、外来受診にレントゲンや血液検査などが加わると、100から300ドルは必要です。外国人がよく利用する私立病院では、個室1泊300ドル以上、ICU1泊1000ドル以上(治療費別)を請求されることも珍しくありません。
 先進的な医療機器を備え、心臓・脳血管カテーテル治療、開胸手術、開頭手術、臓器移植など高度な医療を行う医療機関も増えつつありますが、設備面などで先進国と同等レベルにあるとは言いがたく、特に癌や重症熱傷の治療は、国外へ行くネパール人富裕層も少なくありません。日本あるいはタイなど第三国で医療を受けるとなると、国外への移送、特に感染症や人工呼吸器装着時など医療専用ジェット機での移送には、数百万から数千万円を要します。また、登山中に高山病や大けがをしてヘリコプターによりカトマンズへ移送された場合、数十万円以上かかります。当地で病気・けがを患った際にはクレジットカード付帯旅行保険だけでは不足する可能性が高いので、2000万円以上の治療・緊急移送費をカバーする海外旅行傷害保険への加入が推奨されます。

5 かかり易い病気・怪我

(1)感染性胃腸炎

 ネパールでは、地元の人や長期駐在者でも年に数回は罹患することがあり、完全に予防することは困難かもしれません。日本の食中毒でよくある、サルモネラ、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、ノロウイルス、A型・E型肝炎ウイルス等の他に、当地ではジアルジア(ランブル鞭毛虫)、コレラ、赤痢、腸チフス、赤痢アメーバなどが原因となります。特に雨季には、例年、全国的にコレラなど感染性胃腸炎が流行し、小児を中心に死亡例も報告されています。多くは飲料水や食物から感染しますが、食器や調理器具が汚染されている場合もあります。水道水やペットボトルの水から大腸菌が検出される例も多々報告されています。軽度の下痢であれば、整腸剤の服用や十分な水分補給で自然に治ることも多いですが、強い腹痛、血便、倦怠感、高熱が続く、嘔気・嘔吐のため水分摂取できない等の症状がある場合、原因の検査や適切な薬での治療が必要です。ひどい脱水になる前に医療機関を受診してください。

(2)ウイルス性肝炎

 A型、E型肝炎は主に汚染された水や食べ物を介して感染し、B型、C型、D型肝炎は主に血液を介して感染します。一般に数週間の潜伏期を経て、倦怠感、黄疸、腹痛、発熱などの症状が現れます。原則として、急性期には入院の上、安静臥床が必要です。劇症化すると生命の危険もあります。ウイルス性肝炎は性行為によって感染することもあるので、無防備な性行為は慎んでください。A型肝炎は、汚染された川や湖で泳いだ際に感染することもあります。A型、B型肝炎予防にはワクチンがあるので、ぜひ接種しておくとよいでしょう。

(3)狂犬病

 ネパールでは、検査が十分に行われていないことと正式な統計が無いことから、正確には把握されていませんが、年間100人程度の患者が発生していると推測されています。潜伏期間は数日から数か月、数年に及ぶ場合もあり、発症すれば致死率はほぼ100%です。当地での主な感染源は犬ですが、猫や猿、ジャッカルなどの野生動物も要注意です。ワクチンがあるので、医療過疎地に長期滞在する予定であれば、渡航前の予防接種を強くお勧めします。ただし、傷の程度によっては事前の予防接種だけでは発症防止には不十分です。予防接種済みの人でも、犬や他の動物に咬まれた際には、傷口を石けんと流水でよく洗った上で、直ちに医療機関を受診してください。登山・トレッキング中に咬まれた場合は、医療機関が近くに無かったり、医療機関に狂犬病ワクチンの在庫が無かったりして、至急、大都市に戻らなければならなくなるかもしれません。動物に噛まれないよう、近づかないこと、むやみに動物に触らないことが重要です。

(4)結核

 ネパールの結核罹患率は、日本の24倍です(2022年)。約半数の患者は無症状で、患者の6割は診断治療を受けていません。留学や出稼ぎで国外に出る人以外、検診を受ける機会はほぼありません。結核は空気感染・飛沫感染するので、御自身または身近な人に持続する咳や発熱などの症状が現れた際には、結核を念頭に検査を受けた方がよいでしょう。使用人や従業員を雇用している場合、集団感染のリスクを避けるためには、定期的に胸部レントゲン等の検診を受けさせて、結核の早期発見に努めることが推奨されます。

(5)デング熱

 ネパールでは2022年以降、毎年6から11月を中心に通年で、全国的に数万人が感染しています。主に日中活動する種類の蚊に刺されて感染します。感染しても無症状ですむことも多いですが、発症した場合の症状は、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、下痢、発疹などです。特に2回目以降に感染した場合に重症化しやすいとされています。白血球や血小板の低下、肝・腎機能の悪化を伴う場合には輸血や集中治療を要することもあるので、感染したと思ったら、病院受診、血液検査、慎重な経過観察が必要です。対症療法以外の治療は無いので、防蚊対策が重要です。今後、日本で予防接種が可能となれば、接種を検討してもよいでしょう。ネパールではまだ接種できません。

(6)日本脳炎

 蚊に刺されて感染し、6から16日の潜伏期間を経て、高熱、頭痛、悪心、嘔吐、めまいなどが出現します。特に治療法はありません。主としてタライ地域で雨季に流行がみられます。流行地域を旅行する際には防蚊対策が必要です。長期滞在者には予防接種が推奨されます。

(7)マラリア

 ネパールの年間患者数は500人前後で、9割以上が国外で感染して帰国した人で、ネパール国内での感染例は5%以下です。カトマンズ滞在中や登山・トレッキングの際には、通常、感染の恐れはありません。タライ平野などインド国境地域を旅行する際には防蚊対策が必要ですが、抗マラリア薬の予防内服は推奨されていません。

(8)ツツガムシ病

 カトマンズ含めて全国的に患者は発生していますが、特にチトワンで2016年に大きな流行がありました。ダニに刺されて感染すると、平均10日前後の潜伏期の後、発熱、頭痛、悪寒が出現し、発熱の開始から約1週間後に発疹が現れます。刺し口の黒い痂皮が特徴的です。治療にはテトラサイクリン系抗菌薬を使用する必要があります。初期には症状が頭痛と高熱だけで、腸チフスやインフルエンザと誤診されたりしてなかなか診断に至らず、治療開始が遅れて死に至ることもあります。

(9)高山病

 急性高山病は、高所における低い大気圧の酸素濃度に身体が順応できないことによって発症します。個人差が大きく、体力があれば大丈夫、若ければ大丈夫、というものではありません。標高2000m位から注意が必要です。通常、高所に達した数時間後から頭痛、倦怠感、食欲不振、めまい、手足や顔の浮腫、睡眠障害などの症状が現れます。3500mを越えると、かなりの人が頭痛を自覚します。高所に体がなれてくると、2から3日で自然に症状は改善しますが、高所馴化がうまくいかないと、咳や息切れがひどくなって、呼吸困難、胸部圧迫感、頻呼吸、頻脈、血痰などが出現し、高地肺水腫になることがあります。意識障害(考えがまとまらない、会話がおかしい、昏睡)や運動失調(まっすぐ歩けない)は高地脳浮腫のサインです。予防対策として、ゆっくり登ること、十分な水分補給(1日3L以上)、高山病の症状が出たら、それ以上は高度を上げないことが重要です。そして、症状が軽快しない場合は高度を下げる必要があります。経験したことの無い高度へ向かう際は、単独行動は避け、経験あるガイドと行動し、ガイドの忠告に従いましょう。高地肺水腫や高地脳浮腫の場合には、ヘリコプター移送の要請をためらわないことが重要です。「朝まで待って下山」の判断が手遅れ、命取りになることもあります。ヘリは天候が悪ければ飛ぶことはできず、夜間も飛行は不可能です。早めの判断が重要です。グループ旅行の際は、「周りに迷惑をかけたくない」と考えがちですが、体調不良時には早めにガイドに伝え、グループと別行動することになっても高度を上げないこと、場合によっては高度を下げることが大変重要です。我慢や遠慮は禁物です。高山病の予防・治療薬としてアセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)が知られていますが、日本では医師の処方箋が必要です。タメルやナムチェバザールの薬局等でも入手可能です。なお、確実に高山病を予防できるわけではありませんし、高所へ行く人全員に必要なわけでもありません。事前に医師に相談して、服用方法、副作用についてよく理解しておきましょう。高地肺水腫や高地脳浮腫の治療薬としては、ニフェジピン、デキサメタゾンなどがあります。6000m以上の登山を予定している場合、医師と相談して携行を検討してもよいでしょう。

(10)交通事故・その他不慮の事故

 都市部ではバイクの数が多く、交通マナーが劣悪です。歩行者優先という概念はありませんので、道路横断時(横断歩道であっても)や細い路地では十分にご注意下さい。陥没穴があったり段差があったり、昼間でも転倒しやすいです。車やバスで長距離移動する際には、無理な追い越し、土砂崩れ、落石等により、ガードレールの無い断崖から転落する事故が頻発しています。シートベルトを着用し、運転手には適時休憩を取り、安全運転を心がけるよう指示して下さい。
 カトマンズでは電線が適切に管理されておらず、感電死亡事故が多発しています。歩道を歩く際、垂れ下がっている電線に触れないようご注意下さい。
 ネパールにおける自然災害で、地震に次いで死者が多いのは雷です(毎年約100人)。雷雨の季節は3から8月で、ピークは5から6月。午前中には少なく、夕方、深夜から早朝に多く発生します。全国的に発生しますが、特にリスクが高いのは南部国境沿い、特に東側です。6000m以上の高所での死亡例は報告されていません。
  ネパールでは暖房や調理にガスや薪が使われることが多く、かなりの頻度で一酸化炭素中毒が発生しています。タメルの安宿に宿泊していた旅行者が、シャワーのガス給湯器の不完全燃焼が原因で、一酸化炭素中毒になり病院へ搬送された例もあります。一酸化炭素は無色無臭で、中毒になると初期にはめまい、頭痛、顔のほてりが出現し、気づかずそのまま過ごしていると昏睡状態に陥ります。異常を感じたら、すぐに機器の使用を中止し、換気を行って新鮮な空気を吸って下さい。治療はまず酸素吸入ですが、重症になると集中治療室での入院治療が必要になります。

(11)花粉症

 春先(2から5月)はヒマラヤ杉などの花粉が舞います。スギ花粉などの花粉症がある方は、使い慣れた薬やマスクなどをご持参ください。

6 健康上心がけること

(1)睡眠不足や過労を避ける

 渡航前に過密スケジュール、多忙のため睡眠不足、過労となっていると、衛生事情のよくない当地への到着後に体調を崩しがちです。体調が悪い時に感染症にかかると重症化しやすいので、渡航前には十分体調を整えておきましょう。

(2)水・食事に注意

 旅行者がかかりやすい感染性胃腸炎(旅行者下痢症)を避けるため、飲料水、氷、生野菜、牛乳、ヨーグルト、アイス等には気をつけてください。信頼できる店以外では口にしない方が無難です。水道水は大腸菌に汚染されていて、そのままでは飲めません。市販のペットボトルやレストランのウォーターサーバーの水からも頻繁に大腸菌が検出されています。ネパール料理には、油で揚げた料理や唐辛子を使った料理も多く、食べ過ぎたり、油が古かったりするとお腹をこわすことがあります。

(3)犬に注意

 ネパールでは飼い犬の狂犬病予防接種義務は無く、かつ、通常、放し飼いにされています。カトマンズ盆地には約2万匹の野犬がいると言われています。咬まれないためには、路上で寝ている犬に近寄らないこと。うっかり踏まないよう注意して下さい。人を咬むような凶暴な犬は、狂犬病に感染している可能性が十分考えられるので、万一、咬まれた際には、大至急、適切に対処して下さい。

(4)蚊・ダニに注意

 2022年以降、毎年、全国でデング熱が流行しています。主に雨季から乾季の初めにかけてですが、標高の低い地方では通年で感染のリスクがあります。チトワンなどタライ平野では、デング熱の他、マラリアや日本脳炎も発生しています。いずれも蚊に刺されて感染します。ダニに刺されて感染するツツガムシ病も近年、増えています。流行地の屋外で活動する時には、蚊やダニに刺されにくい服装で、虫除けスプレーを使用して下さい。地方の安宿にはエアコンも網戸も無いことがあります。蚊帳や蚊取り線香などの対策も検討して下さい。

(5)大気汚染に注意

 カトマンズ盆地の各都市やインド国境に接しているタライ平野部は世界的にも大気汚染がひどい地域です。特に、乾期の午前中はPM2.5の値が悪化します。呼吸器疾患など健康被害の恐れがあるので、特に長期滞在時や小児については、マスク、空気清浄機、外出制限などの対策を検討して下さい。

7 予防接種(ワクチン接種機関含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

入国に際して義務づけられている予防接種はありません。

 成人:A型肝炎・B型肝炎・破傷風・日本脳炎・狂犬病・腸チフス、可能ならコレラの予防接種が推奨されます。麻疹・風疹が時々流行しているので、必要なら追加接種しておくと安心です。最近、毎年のようにデング熱が流行しているので、予防接種を検討してもよいかもしれません。ただし、ネパールではまだ接種できません。

小児:日本の定期予防接種に加えて、成人同様、A型肝炎・狂犬病・腸チフスの接種が推奨されます。
 旅行者については、滞在期間と主な滞在地域を考慮して検討することになりますが、3か月以上医療過疎地に滞在する予定であれば、少なくとも、A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病は接種しておいた方がよいでしょう。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

  1回目 2回目 3回目
BCG 出生時    
DTP、HB、Hib 6週 10週 14週
ポリオ(経口・注射) 6週(経口・注射) 10週(経口) 14週(経口・注射)
ロタ 6週 10週
腸チフス 15か月
肺炎球菌 6週 10週 9か月
麻疹・風疹 9か月 15か月  
日本脳炎 1歳    

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 現地校については特にありません。インターナショナルスクールでは、予防接種記録の提出を求められます。

(4)乳児健診

 乳児健診は行われていません。

8 病気になった場合(主な医療機関等)

 以下は、外国人旅行者や駐在者が利用することの多い医療機関で、歯科クリニックを除き、いずれも救急は24時間対応です。救急車やヘリポートを有する病院もあります。通常、クレジットカードでの支払いが可能で、希望する医師の外来受診予約や検査結果の確認がホームページから行える病院も珍しくありません。海外留学経験のある医師も数々いて、診察後や退院時に詳細な診療録、検査所見を患者に渡してくれるところもありますが、個々の診療内容について保証するものではありません。薬が処方された場合にも、何の薬でどういった副作用があるか等、こちらから尋ねない限り、詳細な説明は無いのが普通です。不明の点は遠慮せずよく確認して下さい。電話番号、料金、医師の外来日など頻繁に変更されるので、ご利用前にホームページ等で最新情報をご確認下さい。極力、予約してから受診されることをお勧めします。この他にも、多数の公立・私立の医療機関があります。
 救急車が必要な場合、NGO『ネパール救急車サービス』を外国人も無料で利用できます。電話番号は「102」で、英語可。渋滞時を除き、カトマンズ市内であれば、電話要請から現場到着まで平均16分です。基本的に搬送先は直近の公立総合病院ですが、希望すれば私立病院に搬送してもらうこともできます。あるいは、受診希望先の病院が救急車を所有していれば、そちらに依頼して派遣してもらうことも可能です。

(首都)カトマンズ

(1)Grande International Hospital
所在地:Dhapasi, Kathmandu、リングロードから北側に入ったところ
電話:01-5159266、9801202550 救急車:01-5159077、9801202545
救急ヘリコプター:9801202552、9801202537
国際患者サービス:01-9801202553(日中のみ)
概要:2013年に開設された200床(ICU30床)の私立総合病院。3次医療施設。院長(北大整形外科に留学)をはじめ、日本留学経験のある医師が数名います。国際患者サービス部門を設けており、日本語通訳もいます。ヘリパッドがあり、救急サービスに対応しています。
ホームページ:Grande International Hospital(英語)別ウィンドウで開く
(2)CIWEC Hospital and Travel Medicine Center
所在地:Kapurdhara Marg, Kathmandu 英国大使館前
電話:01-4524111、01-4524242、01-4535232
概要:1982年設立。院長は元国際旅行医学会会長で、旅行医学の専門家。常勤は内科医のみで、入院ベッドは25床。感染性胃腸炎、新型コロナ、デング熱などの検査、経過観察入院は可能。料金は高め。外国人がよく利用し、各種海外旅行保険会社と契約しており、保険対応は迅速です。各種予防接種可能。高山病等で登山者がヘリ、空港経由で搬送される例も多いですが、院内にCTはありません。
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(3)Norvic International Hospital
所在地:Thapathali, Kathmandu
電話:24時間カスタマーサービス:01-5970032 救急:01-5911623
救急車:9803111111、9803222222 救急ヘリコプター:9801285000
概要:循環器が有名な、200床の私立総合病院。登山中の傷病者が空港経由で搬送されることも多いです。旅行保険対応には慣れていますが、料金は高め。
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(4)HAMS Hospital
所在地:Mandikhatar, Dhumbarahi, Kathmandu
電話:01-4377404、01-4377704
救急車:9801904640 救急ヘリコプター:9801904643
概要:100床の私立総合病院。3次医療施設。病院前救急、集中治療が充実。ヘリパッドがあり、全国から患者を受け入れています。カトマンズの空港に診療所を出しています。ネパール有数の、脳動脈瘤・急性期脳梗塞の血管内治療を行える、日本語堪能な脳外科医がいます。
ホームページ:HAMS Hospital(英語)別ウィンドウで開く
(5)Annapurna Neurological Institute & Allied Sciences
所在地:Maitighar Mandala, Kathmandu
電話:01-4256656、01-4256568
救急:9801203351、9801203361
概要:脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍、機能外科など脳外科、神経内科を中心にした私立総合病院。院長は広島大学で博士号を取得した脳外科医で日本語可。他にも日本留学経験者が数名在籍。日本から医師を招聘して手術供覧、カンファランス開催など、医療技術向上のための交流も盛んです。
ホームページ:Annapurna Neurological Institute & Allied Sciences(英語)別ウィンドウで開く
(6)Grande City Hospital
所在地:Jyoti Bhawan, Kantipath, Kathmandu
電話:01-4163500、01-4163600、01-4163700
概要:50床の私立総合病院。タメルから徒歩圏内。救急外来はあまり混んでいません。外来は5000ルピー、入院は3万ルピーのデポジットを支払い、最後に精算するシステムで、明細付きの領収書をくれます。また、医師の診療録のコピーをくれます。
ホームページ:Grande City Hospital(英語)別ウィンドウで開く
(7)Dantakali Health Foundation Dental Clinic
所在地:Gahana Pokhari, Tangal, Kathmandu
電話:01-4514290、9860800492
概要:院長は九州歯科大学で博士号を取得しており、日本語が堪能。診療時間は13時から18時。土曜休診。要予約。緊急時は応相談。初診時1500ルピーから。平日午前中はGrande International Hospitalの口腔外科で診察・手術をしているため、診療時間が変更になることがあります。駐車場あり。
(8)HAMS Airport Clinic
所在地:カトマンズのトリブバン空港内。国際線は、2階の入国審査場を出てすぐ左手前方。国内線は、各航空会社のチェックインカウンターから荷物検査場に向かう通路の右側。
電話:9818739253
概要:HAMS Hospitalが航空局と協定を結び、空港内の救急診療所で無料の医療サービスを提供。医師とパラメディックが24時間365日待機。AED(自動体外式除細動器)あり。空港には常時、HAMSの救急車が待機しており、必要時、HAMS Hospitalへ無料で搬送してもらえます。

ラリトプル(パタン)

(1)Nepal Mediciti Hospital
所在地:Bhaisepati, Lalitpur
電話:01-4217766 救急:1134 救急ヘリコプター:9858777111
概要:2017年開設の大型私立総合病院。3次医療施設。医師はネパールでは珍しく常勤です。日本語を話せる医師も循環器内科にいます。ヘリパッドがあり、救急ヘリサービスに対応しています。
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(2)Patan Hospital
所在地:Lagankhel, Lalitpur
電話:01-5422278、01-5422266、救急車:9840255888、Private Clinic:01-5448007
1956年に国際キリスト教団体が設立した病院を母体とする、非営利の大学教育総合病院で、公共的な役割を果たしています。全体で650床、ICUだけで100床あり、感染症病棟もあります。新規患者は1日2000人以上で、いつも混雑していますが、外国人やネパール人富裕層のために専門外来(Private Clinic 8時から16時、時間外16時30分から19時30分)を設けており、追加料金がかかりますが、あまり待たずに優先的に診療を受けることが可能です。院内標示はほぼネパール語です。
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(3)Family Health Clinic(歯科)
所在地:Natole, Pulchowk, Lalitpur、パタンダルバール広場の近く。
電話:01-5434677、01-5451465
概要:診療時間は12から17時。土曜休診。要予約。院長は北大歯学部卒、日本の歯科医師免許を有し、日本語堪能です。他の病院で口腔外科手術を行っています。

ポカラ

(1)Gandaki Medical College Teaching Hospital
所在地:Nayabazar Rd, Pokhara、空港から1km。
電話:061-538595、061-550253
概要:550床の私立大学病院。3次医療施設。ICUは94床、救急は30床で、いずれもかなり混雑しています。
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(2)Nepal Manipal Teaching Hospital
所在地:Fulbari, Pokhara 空港の北約4km。
電話:061-552666
概要:私立大学病院。3次医療施設。放射線治療装置等の設備が充実。カトマンズのHAMS Hospitalと提携しています。
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(3)International Medicare & Assistance centre
所在地:lakeside-6, Pokhara
電話:061-463271、9846054520
概要:レイクサイドにある内科クリニック。外国人旅行者の利用が多く、入院(3床)は外国人のみ可。病室は清潔感がありますが、料金は高め。日本語通訳と契約しており、旅行保険加入者は利用できます(保険がなくても実費を支払えば利用可)。 他院への転送時、必ず医師が付き添います。
(4)CIWEC Hospital Travel Medicine Center Pokhara
所在地:14th Street, Lakeside, Pokhara-6
電話:061-453082、061-457053
概要:カトマンズにあるCIWECが経営する総合診療クリニック。病室(7床)はホテルのように快適で、旅行保険対応に慣れており、レイクサイドにあるので、外国人旅行者がよく利用しています。ランドリーサービスや航空券手配サービスがあります。各種ワクチンも常備。
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クンブ地方(エベレスト街道)

いずれの医療機関も、土曜休診ですが、救急は24時間対応です。高山病患者を想定して酸素濃縮器や酸素ボンベ、ダイアモックスなどの薬剤を備えており、最寄りにヘリポートがあります。急性高山病や胃腸炎、けが等で受診すると、簡易血液検査、レントゲン撮影、薬の処方、点滴、応急処置等は可能ですが、手術・入院・集中治療が必要な中等症以上の場合には、カトマンズへの移送が必要になります。

(1)Lukla Hospital (Pasang Lhamu Nicole Niquille Hospital)
所在地:Lukla(標高2858m)ルクラ空港の近く
電話:038-550119 救急 9801162929、9863024929
概要:公的な支援も受けている25床の私立病院。通年営業。玄関前にヘリポートがあります。カトマンズの悪天候時、上部山域から重症患者がひとまずここまでヘリ移送されて入院することがあります。
ホームページ:Pasang Lhamu Nicole Niquille Hospital(英語)別ウィンドウで開く
(2)The Mountain Medical Institute (Namche Bazar Clinic)
所在地:Namche Bazar(標高3440m)商店やロッジが並ぶ、町の中心部
電話:038-540006、9852850021
概要:ナムチェのロッジオーナー達が共同で出資、運営。通年営業。入院5床ありますが、1から2泊まで。外国人は受診料75ドルで、1週間以内の再診料と薬代込み。Dingbocheにも分院があります。
ホームページ:The Mountain Medical Institute別ウィンドウで開く
(3)Namche Dental Clinic
所在地:Namche Bazar(標高3440m)中心部から徒歩5分
電話:038-540058
概要:概要:クンブ地域で唯一の歯科クリニック。常勤の歯科医師がいるのは当院のみ。3から11月のみ営業。診療時間は土曜以外の10時から16時。救急は24時間対応。外国人の受診料は500から1000ルピーで、抜歯、薬、詰め物など追加料金含めても、通常5000ルピー以内。支払いは現金のみ。
(4)Dingboche Clinic
所在地:Dingboche(標高4400m)Tashi Delek Lodge and Restaurant
電話:9803610186、9851353264
概要:2024年4月開設。隣のロッジのオーナーが経営。政府の認可を受けており、酸素や薬は政府の支援も受けています。入院施設や検査機器はこれから拡充予定。営業は4から5月と9から11月。診療時間は9時から12時、13から16時。外国人の受診料は90ドル(酸素、薬は別)。
(5)Khunde Hospital
所在地:Khunde-Khumjung Path(標高3840m)Khunde村の奥
電話:038-540053、038-540113
概要:クンブ地方で最初の病院。ヒラリー卿により設立され、現在はHimalayan Trust Nepalが運営。入院15床。診療時間は9時から16時。水曜午後休み。外国人の受診料は50ドル。支払いは現金のみ。
ホームページ:Himalayan Trust Nepal別ウィンドウで開く
(6)Himalayan Rescue Association Nepal (Pheriche Aid-post)
所在地:Pheriche(標高4250m)
電話:038-540214
概要:非営利ボランティア団体のHimalayan Rescue Association Nepal(HRA)が運営。建物は75年設立。営業は3月末から5月末と9月中旬から12月中旬。診療時間は9時から12時、13時30分から17時。土曜も営業。外国人は初診料65ドル、入院1泊200ドル(ネパール人ポーター無料)。毎日15時から登山者向けに高山病に関する講義をしています。なお、HRAはエベレストBCにも春のシーズン中、クリニックを開設しています。
ホームページ:Himalayan Rescue Association Nepal別ウィンドウで開く

9 その他の詳細情報入手先

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10 一口メモ(もしもの時のネパール語)

医師=ダクタル、薬=オウソディ、注射=スイ、下痢=パカーラ、傷=ガウ、高山病=レク ラゲコ、熱がある=ゾールチャ、吐き気がする=ワックワック ラグネ、頭が痛い=タウコ ドゥクチャ、胸が痛い=チャティ ドゥクチャ、お腹が痛い=ペト ドゥクチャ、具合が悪い=サンチョ チャイナ、咳が出る=コキ ラゲチャ、下痢をしている=パカーラ ラゲコチャ、犬に咬まれた=ククルレ トケコ、病院へ連れて行って下さい=オスパタル リエラ ザヌス、注射してください=スイ ラガイ ディヌス

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