世界の医療事情

中国(広州市)

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 中華人民共和国(広東省広州市)(国際電話国番号 86)

2 公館の住所・電話番号

在広州日本国総領事館 (毎週土日休館)
住所:広州市環市東路368号花園大厦
電話:020-8334-3009(代表),ファックス:020-8333-8972(代表)
ホームページ:http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

(1)気候

 ケッペンの気候区分で温帯夏雨気候にあたり,夏は最高気温が30℃を超え,月に300ミリ弱の降水があり,高温多湿となりますが,冬は最高気温が18℃前後で降水量も月30ミリ前後と乾燥します。寒さの程度は年によりますが,旧正月の頃には暖房や外出の際にコートが必要になることもあります。

(2)地誌

 広州市は日本で言えば沖縄の八重山諸島より少し南側,北回帰線のやや南に位置し,広東省の省都で,華南地区全体の経済的中心でもあります。上海,北京に次ぐ中国第三の都市で,米国,カナダなどへの移民が多く,古くから対外貿易の盛んなところです。

(3)医療水準

 広東省の妊産婦死亡率は正常出産10万当たり12人<2014年>と日本の5人<2010年>に比べ2倍以上ですが,乳幼児死亡率は出生千人当たり2010年の4.92人から2014年には2.86人と向上しておりほぼ日本と同等となっています。中国では都市部と農村地域との格差が大きく,平均してしまうとこうなりますが,出来るだけ都市部のレベルの高い病院,外国人向けのクリニック,香港の病院等を受診することをお勧めします。

(4)医療制度

 病院のレベルについては,広東省社会保険局別ウィンドウで開くが毎年医療機関の調査を行い,その結果を発表していますので,一定の目安になるでしょう。省,衛生部直轄や大学病院などで病床数500床以上を「3級」,村や居住区レベルで病床数100床以下を「1級」,その中間を「2級」としています。また,病院の技術水準,医療条件,管理水準などを点数化し,1,000点満点で900点以上を「甲等」,以下「乙等」「丙等」と分類しています。

 公的医療機関を受診する場合,最近インターネットによる診察受付が可能となっている医療機関もありますが,当日の予約ではなく数日後の予約とされたり,受付順が遅いと病院の待合室で長く待たされることも多々あります。

 中国の病院では,最初に窓口で支払いをしてからでないと受付が始まりません。救急車で運ばれても同様で,本当に生きるか死ぬかと言った状況でなければ,先にお金の支払いを求められます。また,支払いは,受付時だけでなく,医師の指名料,カルテ作成料,薬代等々,色々な場所に並んで,それぞれの支払いを済ませないと前に進めません。救急車も同様で,120に電話して救急車を呼びますが,前払いで,救急車の設備,医療関係者の同乗などで金額が変わってきます。救急車の最低料金は121元となっていますが,数倍から数十倍の金額となり,金額の交渉が遅れると救急車も来てくれません。近年,大きな総合病院では,外国人や裕福な中国人向けに「VIP診療部」,「特診部」,「国際医療部」,「特需門診」等と名付けられた専用部門を設けるようになって来ました。自由診療となるため医療費は割高となりますが,そこでは,並んで支払いをする必要は無く,英語が通じますので,そうした窓口で受診する方が無難です。

(5)病院受診時ワンポイントアドバイス

 基本的に日本語不可の病院がほとんどなので,中国語や英語での受診に不安がある場合は,加入している海外旅行傷害保険会社にまず連絡を取りましょう。病院の紹介から通訳,支払代行,搬送支援など色々なサービスがあります。日本語の話せる医師や日本語通訳のいる私立外国人向けクリニック(入院設備はありません)もありますので,そのようなクリニックを受診し,専門病院を紹介してもらう方法もあります。

(6)水質

 広州市の飲水用水道水の状況は,年々改善されてきているようですが,水道水を蛇口から直接飲水することは控え,加熱してから利用しましょう。大きなホテルやビル,マンションなどでは,浄水器を通した水を供給しているところもあります。ボトルウォーターを利用する場合は信用できるものを購入して下さい。エビアン等の外国製のボトルウォーターも購入可能です。

(7)食品衛生

 日本でもメラミンが混入した粉ミルク,カドミウム米,賞味期限切れの食肉等の問題が話題になり,中国の食品衛生には関心が高いと思われます。食品は信用できる高級スーパー等で購入しましょう。また,外食に際しても,信用できる店で,出来るだけ加熱調理した物を食べる方が無難です。なお,自分で剥いて食べる野菜や果物はあまり気にしなくてよいでしょう。

5 かかり易い病気・怪我

(1)下痢,食中毒

 水や油が体に合わない,ウイルスや細菌に汚染された食物を摂取したりすることなどでおこります。生水を飲まない,きれいに洗っていない生野菜は食べない,果物は自分で剥いて食べる,衛生上問題のある露天の食べ物や品質に問題のある安価なものは食べない等の自己防衛が必要です。また,最近広州市内にも豪,ニュージーランド等から長期保存牛乳なども空輸されています。

(2)デング熱

 7~11月にかけて流行することがあり,特に2014年は広州市でも患者が多く出ました。また,患者数は少ないものの,広東省内には蚊に媒介されるチクングニア熱,マラリア等の病気もあります。ダニに指されて恙虫病(つつがむしびょう)になることもあります。蚊が見かけられる時期は家の中では蚊帳・網戸,蚊取り器などを,屋外では長袖,長ズボン,昆虫忌避剤(虫除け)を使いましょう。

(3)手足口病,流行性耳下腺炎,インフルエンザなど

 手洗いなど身の回りの衛生に留意してください。予防接種のある疾病に関しては予防接種を受けましょう。当地は鳥インフルエンザA(H7N9)やSARS(重症呼吸器症候群)が流行したこともあり,周りでどんな病気が流行っているか注意が必要です。

(4)性感染症

 広東省での三大感染症は,性感染症(HIV/AIDS,梅毒,淋病等),肝炎(B型,C型,E型等),結核です。また,感染症による三大死亡は,HIV/AIDS,狂犬病,結核となっています。中国で売買春は違法行為であり,呉々も安易な行動は慎むようにしてください。

(5)寄生虫

 蛔虫,肝吸虫などに罹る人が多いようです。川魚の刺身や良く加熱していないヘビなどは避けましょう。特に寄生虫に関しては,無農薬の野菜は加熱した方がよいでしょう。恙虫病など虫に刺されて罹患する場合もあります。

(6)狂犬病

 動物に接する機会が多い場合や地方都市に長期間滞在する場合は,前もってワクチンを接種することもご検討ください。

(7)その他

 ネズミの糞などから感染するハンタウィルス症候群等にも注意が必要です。

6 健康上心がける事

(1)大気汚染についての情報は,広州環境保護局別ウィンドウで開くから毎日提供されています。夏期は光化学スモッグが増え,冬季はPM2.5の汚染度が増すようです。気管支の弱い方,喘息の方など注意が必要です。

(2)夏は暑いので,脱水や熱中症にならないよう,出来るだけ日陰に居て,十分な水分および塩分補給を心がけましょう。

(3)生水,水道水は飲まない,野菜や果物は化学物質や寄生虫を排除するように良く洗い,皮を剥いたり加熱してから食べましょう。頻繁に手洗いをして,出来るだけ人混みに入らないようにしましょう。金属以外のものはできるだけ塩素剤で消毒しましょう。

(4)蚊やダニに刺されないようにしましょう。

(5)出産については意思疎通や不測の事態に備えて,出来れば日本か香港で行うことをおすすめします。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種(成人,小児)

  • 成人: 破傷風,日本脳炎など接種から10年以上経つとワクチンの効果が下がってくるものは,再度接種した方が良いでしょう。日本の任意接種のなかでは,A型肝炎,B型肝炎,水痘,おたふくかぜ(流行性耳下腺炎),季節性インフルエンザ,麻疹,腸チフス等は,接種をお勧めします。
  • 小児: 日本の定期予防接種は全て済ませてください。その上で髄膜炎菌の予防接種を受けられるようおすすめします。当地では小児定期予防接種に関しては,通訳同伴の上,母子手帳持参にて在庫があれば接種所で無料で接種が受けられますが,先進国で製造されたワクチンの入手は困難なため,日本で接種してから赴任することをお勧めします。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

広州市予防接種スケジュール
  初回 二回目 三回目 四回目
BCG 0か月 2か月    
経口ポリオ 2か月 3か月 4か月 4歳
DPT 3か月 4か月 5か月 18か月
DT 6歳      
麻疹/風疹 8か月      
MMR 18か月      
日本脳炎 8か月 18か月 6歳  
髄膜炎菌(A) 6-18か月 3か月後    
髄膜炎菌(A+C) 3歳 6歳    
A型肝炎 18か月      
B型肝炎 0か月 1か月 6か月  

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 特にありません。接種漏れがあると,上記接種を受けるよう指導されます。

8 乳児検診

 外国人向けの乳児検診はありません。邦人の場合は,予防接種の時期などに合わせて受診すると良いでしょう。

9 病気になった場合(医療機関等)

広州市

(1)中山大学附属第一医院
所在地:广东省广州市中山二路58号
電話:020-2882-3388,020-8733-2200,020-8775-5766
Fax:020-8733-0736
概要:設備,人員共に潤沢。24時間救急対応。日本語不可。邦人は「特種醫療中心」(英語可,料金は通常受診の約3倍)を受診した方が良いでしょう。海外旅行傷害保険対応ですが,現金を用意して受診した方が無難です。
ホームページ:http://www.gzsums.net/別ウィンドウで開く
(2)广东省人民医院
所在地:广州市中山二路106号
電話:020-8382-7812
概要:三级甲等医院,政府要人が多く受診し,設備も充実。24時間救急対応。日本語不可。邦人は「協和特需病区」(英語可,英語略称は「Concord Medical Centre」 )を受診した方が良いでしょう。海外旅行傷害保険対応ですが,現金を用意して受診した方が無難です。
ホームページ:http://www.e5413.com/別ウィンドウで開く
(3)广州中医药大学第一附属医院
所在地:广州机场路16号大院
電話:020-36591912 / 36591222 / 36591590 / 36591085
概要:三级甲等医院,日本語不可,中国医療と西洋医療
(4)広州市第八人民病院
所在地:広州市越秀区東風東路627号2.広州市白雲区華英路8号
電話:020-8383-8688(越秀区)020-3655-4252(白雲区)
概要:三级甲等医院,日本語不可,感染症を専門とする病院
(5)广州医学院第一附属医院
所在地:广州市越秀区沿江西路151号
電話:020-83062114
概要:三级甲等医院,日本語不可,呼吸器感染症で有名
(6)中山医科大学光華口腔医院
所在地:陵园西路56号
電話:020-83863002
概要:歯科概要,日本語不可

(注) 広州には,日本語の通じる医師のいるクリニックや日本語通訳のいるクリニックもあります。加入している海外旅行傷害保険会社や日本語のフリーペーパー等で情報を得ることができます。

深セン

(1)北京大学深セン医院 6階 特診部
所在地:深セン市福田区蓮花路1120号
電話:0755-8392-3333
概要:三级甲等医院,日本語不可
(2)深セン山田クリニック
所在地:深セン市南山区南新路田厦仁济医院3F
電話:135-3072-2307(24Hr Hotline)
概要:医師が日本人

珠海

(1)珠海市人民医院
所在地:珠海市人民医院珠海市康宁路79号
電話:0756-2222569
概要:三级甲等医院,日本語不可

中山

(1)中山市人民病院
所在地:中山市孙文中路2号
電話:0760-88823566
概要:三级甲等医院,日本語不可

福州(福建省)

(1)福建医科大学附属第一医院
所在地:福州市茶中路20号
電話:0591-87983333
概要:三级甲等医院,日本語不可

アモイ(福建省)

(1)厦门中山医院
所在地:アモイ市湖濱南路201
電話:0592-2292201
概要:三级甲等医院,日本語不可

南寧(広西チワン自治区)

(1)广西大学付属第一医院
所在地:广西南宁市双擁路22号
広西南宁市双擁路6号(東院)
広西南宁市大学東路166号(西院)
電話:0771-535-6566(東院)
0771-327-7151(西院)
概要:三级甲等医院,日本語不可

香港

 香港は広州市から電車で2時間弱と近いので,初めから香港の病院を受診するのも一案です。

 香港の政府系病院については,医院管理局の公式ホームページ別ウィンドウで開くから検索可能です。香港身分証明書があれば1日100香港ドル,無ければ1日1,000香港ドル程度で受診出来ます。英語でも受診出来ますが,広東語が出来ることが望ましいです。私立病院は,日本語対応をしているところもありますが,医療費が高額で,入院1日3万~10万香港ドル程度が必要です。

(1)Queen Mary Hospital(公立病院の1例)
所在地:102 Pok Fu Lam Road, Hong Kong
電話:2255-3111
Fax:2817-5496
概要:香港大学医学部附属病院。日本語不可。私立病院並みの料金になりますがPrivate WardPrivate Clinicも用意されています。
ホームページ:http://www3.ha.org.hk/qmh/index.html別ウィンドウで開く
(2)Adventist Health(私立病院の1例)
所在地:40 Stubbs Road, Hong Kong
電話:3651-8888
Fax:3651-8800
概要:香港島と荃灣にあり,ICU完備。日本語サービスもあります。
ホームページ:http://www.hkah.org.hk/別ウィンドウで開く

10 その他の詳細情報入手先

(1)在広州日本国総領事館 ホ-ムページ: http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/別ウィンドウで開く

(2)当館管轄内各省・自治区衛生部庁

11 現地語・一口メモ

(広東語)(発音は難しいので,字を書いて見せる方がよいでしょう)

  • 医師 → 醫生(いー さん)
  • 飲み薬 → 口服藥(はーう ふぉっく よっく)
  • 注射 → 打針(だー ざーむ)
  • 頭痛 → 頭痛(たーぅ とーん)
  • 腹痛 → 肚痛(とぉ とーん)
  • 下痢 → 肚痾(とぉ んごー)
  • 熱がある → 發燒(ふぁ しゅう)
  • 吐気 → (んがぅ)
  • 傷 → (しょぉん)
  • 具合が悪い。 → 唔舒服(むん しゅぃー ふぉっ)
  • 病院へ連れて行ってください。 → 唔該送我去醫院吖(むん ごぃ そん んご ほい いー ゆん あ)

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