世界の医療事情

インド

2022年10月

1. 国名・都市名(国際電話番号)

 インド(デリー、ムンバイ、コルカタ,チェンナイ,ベンガルール)(国際電話国番号+91)

2. 公館の住所・電話番号

在インド日本国大使館
住所:50-G, Shantipath, Chanakyapuri, New Delhi 110021, India
電話:+91-11-2687-6581~3 / +91-11-4610-4610 (領事部)+91-11-2687-6564
(毎週土日休館、ほか休館日はホームページで確認して下さい。)
https://www.in.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く
在ムンバイ日本国総領事館
No.1, M.L. Dahanukar Marg, Cumballa Hill, Mumbai 400026, India
電話:(022)-2351-7101
(毎週土日休館、ほか休館日はホームページで確認して下さい。)
https://www.mumbai.in.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く
在コルカタ日本国総領事館 (毎週土日休館)
住所:Consulate-General of Japan in Kolkata, 55, M.N. Sen Lane, Tollygunge, Kolkata 700 040, India
電話:(033)-3507-6830
(毎週土日休館、ほか休館日はホームページで確認して下さい。)
https://www.kolkata.in.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く
在チェンナイ日本国総領事館
住所:Consulate-General of Japan in Chennai
No. 12/1, Cenetoph Road, 1st Street, Teynampet, Chennai 600 018 INDIA
電話:(044) 2432-3860
(毎週土日休館、ほか休館日はホームページで確認して下さい。)
https://www.chennai.in.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く
在ベンガルール日本国総領事館
住所:1st Floor, Prestige Nebula, No. 8-14, Cubbon Road, Bengaluru 560001, India
電話:(080)-4064-9999
(毎週土日休館、ほか休館日はホームページで確認して下さい。)
https://www.bengaluru.in.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

4. 衛生・医療事情一般

 インドは日本の約9倍という広大な面積を有し、人口は13億人を超えています。1年は暑期(3~4月)、酷暑期(5~6月上旬)、モンスーン期(6月下旬~9月)、中間期(10~11月)、冬期(12~2月)に分けられますが、国土が広いため地域により気候は異なります。デリー、グルガオンおよびその近郊では、酷暑期には45℃を超える暑さとなる一方で、冬期には5℃前後まで気温が下がり、寒暖の差はかなりあります。また、コルカタ,ムンバイ,チェンナイは年間を通して高温多湿な気候であり、ベンガルールは海抜900m以上にあることから年間を通して過ごしやすいとされています。

 インドは全土で水事情が悪く、上水道は1日に数時間程度しか供給されません。そのため多くの家庭ではタンクを設けて水をためています。蛇口から出る水道水をそのまま飲用とすることはできません。タンクの洗浄を定期的に行うことが必要です。特に,コルカタはコレラ菌の発症が毎年報告されています。家庭内の汚染された水による細菌性・真菌性皮膚炎・角膜炎・結膜炎等が発症します。レストランで出されるグラスの水、ジュースの中の氷についても、どのように作られたものかわからなければ注意してください。飲用にはペットボトルやボトル詰めのミネラルウォーターやジュースを選び、開栓の際に密閉が確かであったか確認するようにしましょう。高級レストランでも不衛生であることがあるので、外食には十分注意が必要です。外食の際には、肉魚の火の通りをよく確認し、生野菜やカットフルーツ、生フルーツジュースは避ける方が無難です。

 都市部には最新の医療機器や個室を備えた私立総合病院があります。しかし、医師の水準は、先進国と同等とは言えません。医師の水準が高くないため、チームとして働く医療スタッフである看護師、検査技師への教育が不十分です。また、丁寧な問診から診察という基本的なアプローチができていないため、難しい症例の診断や治療には限界があり、また、インフォームド・コンセントを含め、患者への説明のシステムが確立できていないため、不必要な検査および投薬が常態化していることもあります。このような事案はコロナ禍では多数発生しました。感染対策の不備の問題では以下のような事案が発生しています。2007年、ほとんどの抗生物質が効かないNDM-1(ニューデリー・メタロβラクタマーゼ1)という多剤耐性菌がインド・ニューデリーで発見され、2010年には、インドで医療を受けた欧米人がNDM-1に感染し、本国に持ち帰るという事案が多発しました。また、我が国のNDM-1の初発例はインドからの帰国者でした。ほとんどの病院は部門ごとに縦割りとなっており、医師の受診、血液検査、レントゲン検査、薬局などで、受付と事前支払いを別々に繰り返さなければならず、検査結果は医師を再受診する前に自分で受け取る必要があります。各受付では列を作らず早い者勝ちの状態であることがほとんどです。また、他の発展途上国と同様に、基本的で避けることができない交通事故等の救急処置はインドの病院に依頼するものの、待てる手術および出産は日本での対応を推奨しています。

 インドの大気汚染は深刻で、2013年から現在までの世界の大気汚染の悪化の44%の要因をインドが寄与しているという研究があります。デリーやグルガオン、ムンバイ、ベンガルール、コルカタといった都市部では、大気汚染が顕著で、例年11月から1月にかけて、微小粒子状物質(PM2.5)や粒子状物質(PM10)の濃度が高い日が続きます。特にデリーの大気汚染はインド一に最悪です。呼吸器や循環器に基礎疾患をお持ちの方は注意が必要です

 また、ほとんどの私立病院の空気清浄機等の大気汚染対策が不十分でしたので、大気汚染による新型コロナ感染の重症化が認められました。コロナ禍後、空気清浄を強化した病院もあります。

5. かかり易い病気・怪我

 インドは感染症の宝庫といわれ、様々な感染症があります。これは都市部でも例外ではありません。特に消化器感染症と結核、デング熱、マラリア、日本脳炎などの蚊が媒介する感染症には注意が必要です。

(1)消化器感染症

 食べ物や飲み物を介して経口感染する消化器感染症は、旅行者や在留外国人にとって最もかかりやすい感染症です。特に大腸菌などによる細菌性胃腸炎(下痢症)が多く、腸チフス、パラチフス、細菌性赤痢、アメーバ赤痢、コレラ、A型肝炎、E型肝炎などは、都市部でもよく見られます。コレラ菌の大発生地は西ベンガル州とカルナータカ州です。

 腸チフスとパラチフスは39℃以上の高熱を主な症状とする病気で、潜伏期間は1~2週間です。必ずしも下痢や腹痛などの腹部症状を伴うとは限りません。血液や便の培養検査で診断し、抗菌薬で治療します。腸チフスにはワクチンがあります。

 細菌性赤痢の潜伏期間は1~5日で、発熱、腹痛、下痢(しぶり腹)、粘血便といった症状があります。診断は便の細菌検査で行い、抗菌薬で治療します。

 アメーバ赤痢の潜伏期間は2~3週間と長く、典型的症状はイチゴゼリー状粘血便としぶり腹です。検便で診断し、抗寄生虫薬であるメトロニダゾールで治療します。

 コレラは潜伏期間が1~3日程度と短く、白っぽい米のとぎ汁状の下痢を特徴とします。下痢がひどく脱水になりやすいので、十分な点滴治療が必要となります。

 A型肝炎、E型肝炎は潜伏期間が1ヶ月程度と長く、発熱や全身倦怠感といった風邪のような症状で始まり、次第に黄疸が出現します。治療薬はなく、安静を保ち自然に回復するのを待ちますが、1%ほどは命にかかわるような重症肝炎(劇症肝炎)になるとされています。E型肝炎は妊婦が感染すると重症となり、流産の危険性が高くなります。A型肝炎にはワクチンがありますが、E型肝炎にはありません。

 このほかにもジアルジアや回虫などの寄生虫疾患を含め、多くの消化器感染症があります。

(2)デング熱・デング出血熱

 デング熱ウイルスによる感染症で、ヒトはウイルスに感染したネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。雨期の後の蚊の増える時期、インド北部では8月末~11月頃に人口の密集した大都市を中心に流行します。最近は、1年中、感染報告があります。毎年、邦人症例が報告されており、インドではかかりやすい感染症です。デング熱潜伏期間は4~7日で、突然の高熱で発病します。典型的には、頭痛、眼の奥の痛み、関節痛、筋肉痛などを伴い、遅れて発疹もよく見られます。多くの症例で血小板が低下します。デング出血熱では鼻血や消化管出血、注射の後出血が止まりにくいなどの症状が出たりします。さらに急激な血圧の低下といったショックを伴うことがあり(デングショック症候群)、こうなると大変危険な状態です。予防は蚊に刺されないようにすることのみで、治療は対症療法となります。解熱剤としてはアセトアミノフェンを使用し、ほかの解熱剤は出血傾向を助長する可能性があり用いられません。普段から持参の解熱剤の成分表示を確認しておくとよいでしょう。また、インドでは血小板輸血が推奨されますが、血が止まりにくいなどの出血傾向がなければ、原則的に血小板輸血は推奨されていません。

(3)チクングニア熱

 チクングニアウイルスはネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊によって媒介されます。潜伏期間は2~12日前後、関節痛を伴う突然の高熱で発病します。症状がデング熱とよく似ているため、しばしばデング熱と間違えられるようです。かつては主に南インドでよく見られた病気ですが、2015年よりサーベイランスが開始され、2019年、2021年とベンガル―ルのあるカルナ―タカ州での発生が多数報告されています。蚊の増える8月末~11月頃に患者が増加します。致死率は0.1%未満です。関節痛、関節の腫脹が長期間持続することがあります。ワクチンも治療薬もありません。

(4)マラリア

 インドに分布するマラリアは熱帯熱マラリアと三日熱マラリアで、インド全体の報告数ではおよそ半々となっています。マラリアはハマダラカという蚊によって媒介される病気で、都市部を中心に流行するデング熱とは対照的に非都市部(農村部)で見られることが多いとされています。1週間~4週間の潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状で発症します。インドでマラリアの報告が特に多いのは、オディシャ州やチャッティースガル州で、これらの州では、ほとんどが熱帯熱マラリアです。熱帯熱マラリアは治療が遅れると高率に死亡する危険な病気です。三日熱マラリアは、急性期の治療後、肝細胞内の原虫を殺滅する根治治療が再発予防のために必要となるのが特徴的です。デリーでも毎年三日熱マラリアの報告があります。昨今、都市部での邦人の感染報告症例がありました。

(5)結核

 インドでは結核の罹患率が極めて高く、世界の感染者の約3分の1を占めるとされています。2021年の罹患率は日本の約18倍でした。特にデリー準州は結核患者が非常に多い地域です。結核は結核患者の出す咳やくしゃみの中にある結核菌を吸い込むことによって感染します(飛沫感染)。また、結核菌は空気中に浮いていることもあり、それも吸い込むことでも感染します(空気感染)。結核が発病すると、発熱、咳等の症状が出現し、初期の症状はかぜに似ています。結核の感染予防には患者さんがマスクをするなどの咳エチケットが有効ですが、コロナ禍でマスクをする習慣が一時確立しましたが、今現在はその習慣がなくなってしまいました。また、多剤耐性結核が増えてきていることも大きな問題となっています。新規登録結核患者の80%が多剤耐性になっているとのデータもあります。結核は非常に身近な存在なので、使用人などの胸部X線検査、TB Gold検査等の健康管理を行うなどして、早期発見、早期治療を行うことが大事です。

(6)狂犬病

 インドは狂犬病の犠牲者が世界で最も多い国で、年間2万人以上が狂犬病で亡くなっていると言われています。狂犬病は致死率がほぼ100%の感染症です。インド人は宗教上の理由で殺生を好まないためか、野犬がそのまま放置されており、至る所に野犬がいます。インドでは狂犬病の感染源動物として95%以上がイヌで、次いで猿とのデータがあります。野犬や猿など、動物には絶対近づかないようにしてください。たとえ予防接種を受けていても、犬などのほ乳類に咬まれた場合、追加のワクチン接種等が必要ですので、その日の内に医療機関を受診してください。

6. 健康上心がける事

 インドは経口感染症の多い国ですので、食事の前や外出から戻ったときに手を洗うようにすることが重要です。石けんを十分泡立ててまんべんなく手を洗ってください。コロナ禍の現在、アルコールを携帯してこまめに手指消毒することは有効です。同様に、使用人特にコックには、毎日の体温測定、手洗いおよび手指消毒の習慣を徹底的に指導することが重要です。

 インド料理はスパイシーで油も多く使われており、慣れていないと胃腸への負担が大きく、胃もたれや下痢をしやすくなります。暑いインドでの下痢は脱水になりやすいので、水分補給に努めてください。

 夏のインドは大変暑く、地域によっては湿度も高くなります。熱中症には十分な注意が必要です。遺跡など屋外の観光施設が多いため、炎天下で長時間の観光の際には、日傘を使用するか帽子をかぶる、ボトルの水(電解質の入ったスポーツドリンクが望ましい)を携帯する、日焼け止めを塗る、無理なスケジュールを避けるなどの注意が必要です。外出時、室内の防蚊対策はしっかりと行ってください。家庭内で使用する水の管理のために、貯水槽のこまめな掃除を行ってください。大気汚染対策のために、室内のPM2.5濃度を測定するなどして、空気清浄機を24時間稼働させ、1日平均値を35μg/㎥以下に保ちましょう。

 インドは車の運転マナーが大変悪く、交通事故も頻繁に起きています。道を歩く際には十分気をつけてください。

 野犬が多いことは前項で述べましたが、そのほか牛や猿などは都市部でもよく見かけます。こうした動物も人に危害を加える危険がありますので、近寄らないようにしてください。

 インドの医薬品や各種ワクチンは日本に比較し安価です。しかし、品質の管理には課題があります。2019年に狂犬病ワクチンの品質に問題が生じたとして、一時、供給が停止するという事態が発生しましたが、詳細は不明です。また、市販で入手した下痢の薬にかびが生えたという事案も発生しています。生活習慣病の常用薬、使い慣れた整腸剤や風邪薬などは持参するとよいでしょう。

7. 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 インド入国にあたり日本人に義務づけられている予防接種はありません。

 成人では、A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎、破傷風、腸チフス、狂犬病に対して免疫を付けておくべきです。狂犬病の予防については曝露後免疫で対応すればよいとする考え方もありますが、グルガオンなど都市部であってもヒト狂犬病免疫グロブリン(注)の供給が不安定であるため、都市部への赴任者であっても曝露前免疫を受けておくことをお勧めします。

(注)暴露前免疫を受けていない人が、犬や猿などに襲われ血が出るほどの怪我を負った場合に免疫グロブリンの投与が必要となります。同じような怪我を負った場合でも曝露前免疫が終わっている人には必要ありません。

 インドは2011年以降野生型ポリオによる新規感染者がなく、2014年3月にWHOはインドにおけるポリオの根絶を認定しました。従ってインド赴任に際してポリオの予防接種を追加する必要はありません。

 しかし、隣国パキスタンでは現在もポリオが流行しているため、パキスタンとの間を出張などで行き来する必要がある場合には、パキスタンにおける最新のポリオ流行状況、パキスタン出入国の際のポリオワクチン接種証明書の提示の要否を確認してください。

 小児については、日本で行われている予防接種に加え、A型肝炎、腸チフス(2歳以上)、狂犬病(曝露前免疫)の予防接種を受けられることをお勧めします。

付)旅行者については、小児期の予防接種を完了しているとしても、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、日本脳炎、腸チフス(2歳以上)に免疫をつけておくことをお勧めします。旅行が長期になる・動物と接触する可能性が高い・野外での活動が多く想定される等の場合は、狂犬病の暴露前免疫も考慮するべきです。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
初回 2回目 3回目 4回目 5回目
BCG 出生直後
ポリオ(経口) 出生直後 6週 10週 14週 15~18ヶ月
DPT 6週 10週 14週 15~18ヶ月
麻疹 9ヶ月
MMR 15~18ヶ月
B型肝炎 出生直後 6週 6ヶ月
腸チフス 2歳
インフルエンザ菌b型 6週 10週 14週 15~18ヶ月

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明書

 現地校については特にありません。

8. 病気になった場合(医療機関等)

 邦人の多くは私立病院を利用します。私立病院ではほとんどの場面で英語が通じます。大きな病院では外国人用窓口を設けているところもあります。殆どの私立病院が、ペストコントロール、トイレの衛生、スタッフの標準予防策など、基本的に感染予防対策は先進国レベルではないので注意が必要です。また、大気汚染がひどい都市部においても、空気清浄機の完備を行っていない病院があります。

 初めての受診の場合、登録料が必要となることがあります。専門医を受診する場合には事前に予約するのが原則です。インドでは医師は一つの病院にのみ所属しているとは限らないため、受診時に目的とする医師が病院にいないことがあるので、受診を希望する医師がいるかどうかを事前に確認し、予約するようにしてください。

 インドの病院では、診療記録は患者に渡され、書類には検査の指示や投薬内容が記載されており、検査を受けたり薬を購入したりする際にはこの診療記録を提示します。

 検査を受けた場合、検査結果は各自で取りに行くのが一般的です。検査室で結果がいつわかるのかを教えてくれますので(教えてくれなければ確認してください)、病院の結果受取窓口で受け取るようにしてください。最近では、メールに添付して検査結果を送ってくれる医療機関もあります。2回目以降の受診の際には、診療記録と検査結果等を持参します。

 手数料はかかりますが、上記手順の簡略化を支援してくれる日系の医療サービス会社に依頼することもできます。私立病院の医療費は安くはありません。インドに来られる方は、海外旅行傷害保険等に加入されることをお勧めします。

 入院に際しては部屋のランクにより室料が異なるのはもちろん、診察料金も異なることが一般的です(室料が高いと診察料金も高くなる)。入院時には数万ルピーの前払い金(デポジット)の支払いを求められます。

 以下は24時間対応可能病院。病院への文書・画像伝達には、各施設のWebページからe-mailweb-mail等を活用してください。

◎デリー

(1)Max Super Speciality Hospital
所在地:Press Enclave Road, Saket, New Delhi 110017
電話番号:(011)-2651-5050(救急番号:(011)-40554055)
FAX:(011)-2651-0050
Webサイト:https://www.maxhealthcare.in別ウィンドウで開く
概要:敷地内に3つのビルが並立しており、その東棟に救急センターがあります。救急外来で数時間以上、待たされることがあります。救急車を所有しています。外来専門のMax Multi Speciality Centerがあります。COVID19の対応病院(所在地:N-110, Panchsheel Park, New Delhi 110017,電話番号:(011)-4609-7200,Fax:(011)-2649-9860)。
※ ニューデリー近郊のNoidaGurgaonにも系列病院があります。詳細はwebサイトで確認して下さい。
(2)Fortis Flt. Lt. Rajan Dhall Hospital(通称Fortis Hospital
所在地:Sector-B, Pocket 1, Aruna Asaf Ali Marg, Vasant Kunj, New Delhi 110070
電話番号:(011)-4277-6222
Webサイト:http://www.fortishealthcare.com別ウィンドウで開く
概要:ニューデリー日本人学校から近く、生徒・児童も利用しています。COVID19対応病院。
(3)Indraprastha Apollo Hospital
所在地:Sarita Vihar, Delhi-Mathura Road, New Delhi 110076
電話番号:(011)-2987-1090/1091
E-mail:infodelhi@apollohospitals.com
概要:大規模病院。外国人向け窓口としてExecutive Loungeが設けられています。COVID19対応病院。ニューデリー近郊のNoidaにも系列病院(Apollo Hospitals Noida, 所在地:E2, Sector26, Noida, UP 201301,電話番号:0120-401-2000)があります。
(4) Madhukar Rainbow Children's Hospital
所在地:FC-29, Plot No.5, Geetanjali, Near Malviya Nagar Metro Station Gate No.1, New Delhi – 110017
電話番号:011 6688 8866 ; +91 8448799504
E-mail:international.patients@rainbowhospitals.in
概要:2018年に設立された新しい病院。小児・産科専門病院。空気清浄機完備。ほとんどの医師が常勤。日本語ヘルプデスクがあります。
   COVID19対応病院。

○グルガオン

(1)Medanta the Medcity
所在地:CH Bhaktawar Singh Road, Sector 38, Gurgaon, Haryana, 122001
電話番号:(0124)-414-1414
Webサイト:http://www.medanta.org別ウィンドウで開く
概要:インドで有名な心臓外科医が、2009年に開院しました。1,250床の大型私立総合病院で、診療科ごとに外来と入院病床が接続しているのが特徴。COVID19対応病院。
(2)Fortis Memorial Research Institute, Gurgaon
所在地:Sector 44, Opposite HUDA City Centre Metro Station, Gurgaon – 122002
電話番号:(0124)-496-2200、救急番号(0124)-421-3333
E-mail:fmri@fortishealthcare.com
Webサイト:https://www.fmri.in別ウィンドウで開く
概要:インド国内各都市で私立総合病院を展開する私立病院グループのメイン病院です。日本語ヘルプデスクがあります。COVID19対応病院。
(3)Artemis Health Institute
所在地:Sector 51, Gurgaon 122001, Haryana
電話番号:(0124)-676-7999、(救急番号(0124)-676-7000)
Webサイト:http://www.artemishospitals.com別ウィンドウで開く
概要:2007年に設立された350床の中規模総合病院です。患者の多くはインドの方です。
(4)Max Hospital, Gurgaon
所在地:Block-B, Sushant Lok-I, Gurgaon, 122-001, Haryana
電話番号:(0124)-662-3000、(救急番号(011)-4055-4055)
FAX:(0124)-6623111
Webサイト:https://www.maxhealthcare.in/hospital-network/max-hospital-gurgaon別ウィンドウで開く
概要:インド北部を中心に国内に14病院を展開するMax Healthcareグループが2007年7月に設立した中規模総合病院です。COVID19対応病院。

○ムンバイ

(1)Breach Candy Hospital
所在地:60-A, Bhulabhai Desai Road, Cumballa Hill, Mumbai 400026
電話番号:(022)-2366-7788
Webサイト:http://www.breachcandyhospital.org 別ウィンドウで開く
概要:南ムンバイ、在ムンバイ日本総領事館に近い立地。患者のほとんどはインド人です。病室は全室個室です。救急外来は24時間対応。
(2)Jaslok Hospital & Research Centre
所在地:15-Dr.G.Deshmukh Marg, Pedder Road, Mumbai 400026
電話番号:(022)-6657-3010、(022)-6657-3333
Webサイト:https://www.jaslokhospital.net/別ウィンドウで開く
概要:在ムンバイ日本総領事館から車で5分。21階建ての個人総合病院。建物は古いですが、最新の医療機器が装備されています。火傷、感染症、精神科疾患以外の全ての患者を引き受けています。心臓、脳卒中、脳外科救急対応が可能です。産科は不妊治療も可能です。腎臓移植部門もあります。COVID19対応病院。
(3)Saifee Hospital
所在地:15/17 Maharshi Karve Marg, Mumbai, 400004
電話番号:(022)-6757-0111
Webサイト:https://www.saifeehospital.com/別ウィンドウで開く
概要:南ムンバイ、バック湾に面した立地。病床は約250床のイスラム系私立総合病院。ICUは37床有り、ムンバイでは最大規模とのことです。医師・看護師からなる感染症コントロールチームもあり、かつ感染症専用のICUもあります。トイレも衛生的で、標準予防策が確立されています。 リハビリ施設もあります。脳・心臓疾患の救急対応も可能です。成人の健康診断も可能。救急外来は24時間対応。
(4)Bombay Hospital & Medical Research Centre
所在地:12, Marine Lines, Mumbai, 400200
電話番号:(022)-2206-7676
FAX:(022)-2208-0871
Webサイト:http://www.bombayhospital.com別ウィンドウで開く
概要:南ムンバイの中心地区に立地。800床以上を有する個人総合病院です。建物の古さは否めませんが、医療機器は最新のものをそろえています。外傷、心臓疾患、脳卒中などたいていのことに対応可能です。
(5)Sir H. N. Reliance Foundation Hospital and Research Centre
所在地:Raja Rammohan Roy Road, Prarthana Samaj, Girgaon, Mumbai - 400004.
電話番号:022-61305757、022-35475757
Webサイト:https://www.rfhospital.com別ウィンドウで開く
E-mail:rfh.international@rfhospital.org
概要:比較的新しい病院で医療設備が充実。邦人の利用者が多いです。
(6)Dr L H Hiranandani Hospital
所在地:Hillside Rd, Hiranandani Gardensm IIT Area, Powai, Mumbai 400076
電話番号:(022)-2576-3500、救急番号:(022)-2576-3322
Webサイト:https://www.hiranandanihospital.org/別ウィンドウで開く
概要:ムンバイ北部のポワイ地区(ポワイ湖周辺)の日本人学校の隣にある2004年開業の総合病院。現在244床。小児の心臓血管外科以外は全科対応可能。日本語ヘルプデスクがあります。COVID19対応病院。

○コルカタ

(1)Apollo Gleneagles Hospitals
所在地:58, Canal Circular Road, Kolkata
電話番号:((033)-2320-3040、(033)-4420-2122、FAX:(033)-2320-5184
Webサイト:https://www.apollohospitals.com/locations/india/kolkata別ウィンドウで開く
概要:コルカタで最大の総合病院。インドの総合病院グループのひとつ。外国人患者向けのセクションがあり、受け入れ態勢は整っています。病床数744床。24時間救急対応。外来予約不要。成人および小児(乳児含む)の健康診断は可能。支払方法:インドルピーによる現金支払い及びクレジットカード(VISA、Master、Amex)可。コルカタ最大のCOVID19対応病院。
(2)Fortis Hospital Anandapur, Kolkata
所在地:730, Anandapur, E.M.Bypass Road, Kolkata
電話番号:(033)-6628-4444、FAX:(033)-6628-4242
Webサイト:https://www.fortishealthcare.com/india/fortis-hospital-in-anandapur-kolkata-west-bengal別ウィンドウで開く
E-mail:enquiry.kolkata@fortishealthcare.com
概要:2011年開院した総合病院。24時間救急対応。外来要予約。
COVID19対応病院
(3)Woodlands Multispeciality Hospital
所在地:8/5, Alipore Rd, Alipore, Kolkata
電話番号:(033)-2456-7075、FAX:(033)-2456-7090
ホームページ:http://www.woodlandshospital.in/about.php別ウィンドウで開く
E-mail:enquiry@woodlandshospital.in
概要:コルカタでもっとも古い総合病院。24時間救急対応。外来要予約。
(4)AMRI Hospital-Dhakuria
所在地:P-4&5, Blook-A, Cariahat Road, Kolkata
電話番号:(033)-6626-0000, FAX:(033)-2456-7090
Webサイト:http://www.amrihospitals.in別ウィンドウで開く
E-mail:kakali@amrihospitals.in
概要:総合病院で24時間の救急対応可能。COVID19対応病院。PCR検査の依頼可能。

○チェンナイ

(1)Apollo Hospital, Greams Road, Chennai
所在地:No.21, Greams Lane, Off Gream Road, Chennai 600 006
電話番号:(044) 2829-0200 / 2829-3333、FAX :(044) 4212-2120
Webサイト:https://chennai.apollohospitals.com/hospitals/greams-road/別ウィンドウで開く
概要:インドアポログループ第一号の総合病院です。市内中心部にあります。各種臓器移植を行っている病院です。インド人の患者さんが多く利用します。
COVID対応病院。
(2) Apollo Speciality Hospital, OMR
所在地:05/639, Old Mahabalipuram Road, Chennai 600 096
電話番号:(044) 3322-1111(病院総合受付)、FAX :(044) 3322-1999
(088) 7035-0518(日本語ヘルプデスク)
概要:歯科を含む私立総合病院です。邦人の利用者が多いです。
COVID19対応病院ですが、専用病床30床です。
(3) MIOT International Hospital
所在地:No.4/112, Mount Poonamalle, Road Manapakkam, Chennai 600 089
電話番号:(044) 2249-2288、FAX:(044) 2249-1188
Web サイト:https://www.miotinternational.com/別ウィンドウで開く
概要:整形外科や冠動脈疾患で有名な私立総合病院です。チェンナイ市中心部から南西にあります。感染症を含めた充実した最新の検査システムを持っています。COVID19対応病院で、デルタ株による第2波では積極的に入院を受け入れ、邦人も入院することができました。
(4) GEM Hospital and Robotic Surgery Center
所在地:6/169, MGR Main Rd, Thiruvengadam Nagar, Perungudi, Chennai, Tamil Nadu 600096
電話番号:(044) 6166 6666
Web サイト:https://www.gemhospitals.com/chennai/別ウィンドウで開く
概要:消化器主体の私立総合病院です。救急外来の利便性が良く,邦人の利用者が多いです。日本語ヘルプデスクがあります。

○ベンガルール

(1)Sakra World Hospital
所在地:SY No 52/2 & 52/3. Devarabeesanahalli, Varthur Hobli, Bengaluru, 560103
電話番号:(080)-4969-4969、救急番号:(080)-4962-4962
Webサイト:https://www.sakraworldhospital.com/別ウィンドウで開く
概要:日系企業が経営に携わる2014年3月開院の私立総合病院。入院病床は300床で、6つのコアセンター(脳神経センター、心臓センター、消化器センター、整形外科センター、腎・泌尿器センター、女性・小児センター、リハビリセンター)及び17診療科を有しています。日本と同じスタイルの健康診断、成人健診を受けることができ、日本語ヘルプデスクもあります。コロナ禍でカルナータカ州で最もCOVID19の患者を受け入れ、地域に貢献。邦人の利用者も多いです。
(2)Apollo Hospital
所在地:154/11,Bannerghatta Road, Bengaluru 560076
電話番号:(080)-2630-4050、(080)-2630-4051、救急番号(080)-2630-4126
FAX:(080)-4146-3151
Webサイト:https://bangalore.apollohospitals.com/bannerghattaroad/別ウィンドウで開く
概要:2007年にオープンしたアポロ病院グループ系列の病院です。最新の医療機器をそろえ、ほぼすべての診療科に対応できます。受診に当たっては事前に予約しておくことをお勧めします。
(3)Manipal Hospital
所在地:98, HAL Airport Road, Bengaluru 560017
電話番号:1800-3001-4000,救急番号(080)-2222-1111
FAX:(080)-2526-6757
Webサイト:https://www.manipalhospitals.com/別ウィンドウで開く
概要:ベッド数650床の大病院です。最新の医療設備をそろえ、先端医療も行っています。患者数が多いので、受診前に予約することをお勧めします。COVID対応病院。
(4)Fortis Hospitals Bannerghatta Road
所在地:154/9,Bannerghatta Road, Bengaluru 560076
電話番号:(080)-6621-4444
Webサイト:http://www.fortishealthcare.com/india/fortis-hospital-in-bannerghatt a-road-karnataka別ウィンドウで開く
概要:市の南側にある病院で心臓疾患、脳外科、整形外科、産婦人科を得意としているとのことです。50%以上の医師が海外留学の経験があります。ベッド数は300床です。
(5)Vikram Hospital
所在地:Anne's College, No.71/1, Millers Road, Opp. St, Bengaluru, Karnataka 560052
電話番号:(080)-6191-4686
Webサイト: http://www.vikramhospital.com/別ウィンドウで開く
COVID19対応病院。
E-mail:vcare@vikramhospital.com
COVID19対応病院。

○ジャイプール

(1)Fortis Escorts Jaipur Hosptal
所在地:Jawaharlal Nehru Marg, Malvia Nagar, Jaipur, RJ 302017
電話番号:(0141)-254-7000
Webサイト:http://www.fortishealthcare.com/india/fortis-escorts-hospital-in-jaipur-rajasthan別ウィンドウで開く
概要:24時間体制の救急室があり、あらゆる病気に対応。透析も可能。経費にかかわらず当地でのハイレベルの医療を希望するとしたらこの病院は選択肢の一つになります。
(2)SDM Hospital(Santokba Durlabhjee Memorial Hospital)
所在地:Bhawani Singh Marg, Near Rambagh Circle, Jaipur 302015
電話番号:(0141)-256-6251~58
Fax:(0141)-511-0209
Webサイト:http://sdmh.in/index.aspx別ウィンドウで開く
概要:小規模大学病院という印象。腫瘍科以外の全ての科を網羅しています。寄付によって経営がされていますので経済的問題なしで受診できます。RJ州で最高レベルの病院の一つです。

9. その他の詳細情報入手先

(1)在インド日本国大使館 ホームページ https://www.in.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く
   Medical | 在インド日本国大使館 (emb-japan.go.jp)別ウィンドウで開く(医務室より)

(2)インド疾病管理センター:https://www.ncdc.gov.in/index4.php?lang=1&level=0&linkid=113&lid=228別ウィンドウで開く

(3)Indian Council of Medical Research, New Delhi Indian Council of Medical Research, New Delhi (icmr.gov.in)別ウィンドウで開く

10. 現地語一口メモ

「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)をご参照ください。

11. 新型コロナウイルス関連情報

インド国内で新型コロナウイルスが最初に確認されたのは、2020年1月30日です。それ以後、インドは従来株による第1波、デルタ株による第2波、オミクロン株による第3波、オミクロン亜種による緩やかな波を迎え、2022年10月現在、累計患者総数が約4460万人を超え、累計死者数は約53万人に達しようとしています。PCR検査体制の構築は急速に行われ、人口約2千万人のデリー準州のCOVID検査数は2020年9月以降、1日5万件を超え、デルタ株の感染爆発時は1日約10万の検査数を行うことができるようになりました。また、インドでは抗原検査より感受性の高いPCR検査数が推奨されてきました。さらに自国のワクチンの開発が開始され、2021年3月には不活化ワクチンであるコバクシンが実用化されました。インドで主に接種可能なワクチンはコビシールドとコバクシンです。今現在、2回目のワクチン接種率が83.8%と高い値を示しています。

インドではマスク着用、ソーシャルディスタンスをとる、小さな声で話すという習慣がなかったので、新型コロナウイルスの感染予防対策の実行が非常に難しい現実がありました。大都市では人口も多く、大気汚染もあり、三密を避けることは容易ではありません。また、現地スタッフ、使用人の感染対策の啓発が極めて重要です。一時期は、行政指導によるマスク着用が義務づけられていましたが、今現在はほとんどのインド人はマスクを着用していません。インド国内に在住する外国人も同様です。実際、インド国内の邦人感染事例は800人以上に及び少なくありません。外食、外出をきっかけとした感染、旅行による感染、現地スタッフあるいはドライバーなどの使用人からの感染、あるいは消毒の不徹底による接触感染が報告されています。第3波以降のオミクロン株の感染下では、邦人の感染は続いています。特に、最近はコロナ様症状があっても、検査しない医療機関が増え、見かけ上、新規感染者数が少なくなっています。このような環境下では、感染を防ぐ上で、屋内でのマスク着用・手洗いと手指消毒は重要です。デルタ株流行時には、邦人の重症肺炎例が多く報告されました。オミクロン株流行下でも肺炎を併発した入院症例はありました。

新型コロナウイルス感染症は、発熱、咳など以前は呼吸器感染症としてとらえられていましたが、様々な臓器に浸潤する感染症であることがわかってきました。倦怠感、頭痛、胸痛、下痢、結膜炎、嗅覚・味覚障害、皮膚症状もあり、医師にとって診断することが非常に難しい病気といえます。最近は、後遺症も感染初期の5~6日間のウイルス増殖による症状が主体となる一方、後半は細胞性免疫応答による炎症が主体の症状となり、血栓症、サイトカインストームなど多彩な症状を引き起こします。発症後約1週間で症状が落ち着いても、突然症状が悪化し死亡するという経過を示す例もあるため、油断はできません。オミクロン亜種が流行する2022年8月にも、サイトカインストーム様の所見を呈する邦人症例が複数確認されています。

インド国内では2020年9月以降、医師の処方箋なしでも直接、私立検査機関に依頼すれば、PCR検査ができるようになり、検査費用も日本に比較し安価でした。また、オンライン診療が発展し、検査・薬剤のデリバリーも可能となりました。軽症~中等症の場合、自宅で治療を受け、重症化した場合は入院というシステムが確立されましたが、デルタ株流行期のデリー市内において、病床確保は破綻しました。オミクロン株流行期には、病態の軽症化もあり、破綻は起きていません。

基礎疾患のあるなしに関わらず、重症化する人がいますので、COVID19に感染した場合、決して自己判断せずに、病院を受診してください。最初は軽症でも決して油断しないようにしてください。病院を受診する場合、医療機関の受診サポートサービス会社等と必ず連携し、急変時に備えるようにしてください。(COVID19対応病院は8で示してある医療機関を参照)

インドの場合、同じ私立病院内でもCOVID19の検査・治療方針は医師の裁量に任されているのが基本です。アポロ病院系は抗ウイルス薬を使用しません。モルヌピラビルはインド国内では推奨されていませんが、MAX系病院は使用します。入院症例に関しては、レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブ、トシリズマブが使用されます。また、ネーザルハイフローも広く使われるようになりました。しかし、ECMOを含め、日本レベルの人工呼吸管理は期待できません。

実際、入院した場合、検査結果、治療法について、医師からの迅速な説明が望めない傾向もあるので、平常時より、日本の産業医あるいは専門医と連携をとり、必要な場合に日本人医師からインド人医師に連絡を取ってもらう等、日本の医師を通して、インド人医師より、情報を得るという体制を整えておくことが必要です。

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