令和2年10月
1 国名・都市名(国際電話番号)
中国(香港) (国際電話国番号 852)
2 公館の住所・電話番号
- ○ 在香港日本国総領事館 (毎週土日休館)
- 住所:Consulate-General of Japan in Hong Kong
46-47/F., One Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong - 電話:(852) 2522-1184,ファックス:(852) 2868-0156
- ホームページ:https://www.hk.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。
3 医務官駐在公館ではありません
在広州日本国総領事館 医務官が担当
4 衛生・医療事情一般
(1) 香港は、日本で言えば沖縄の八重山諸島より少し南側、北回帰線のやや南に位置し、ケッペンの気候区分で温帯夏雨気候にあたります。ものが腐りやすくカビが生えやすいのでご注意ください。
(2) 医療水準は先進国と同様と考えられます。公立と私立医療機関があり、質の良い公立病院を受診することもできますが、予約が取りにくいなどの問題があります。私立総合病院等で専属の日本語通訳を雇用している場合もありますので、英語や広東語に自信のない場合、私立総合病院等を利用するのもよいでしょう。海外旅行傷害保険を利用できる医療機関が多いので、ご加入をお勧めします。
(3) 香港の水質は先進国並みといわれていましたが、2015年に、新築も含めたいくつかの建物の水道管の接合部から鉛が流出し、小児の血液等から基準値以上の鉛が検出された事件がありました。浄水器か信頼できる飲料水の利用をお勧めします。
(4) 食料品は輸入に頼っており、中国からの輸入が最も多い一方、香港は日本からの海外向け農産物・食料品は15年連続して世界第一位の輸出先となっています。日本や外国産の食料品は幾分高価ですが、高級スーパーから地域のスーパーやコンビニまで随所で簡単に入手できます。なお、高温多湿のため、ものが腐りやすくカビが生えやすいことについては、普段の食生活においても十分に留意する必要があります。
5 かかり易い病気・怪我
(1) 下痢症、食中毒
水や油が体に合わなかったり、ウイルスや細菌に汚染された食物を摂取したりなどでおこります。露天で買い食いをしない、信用のできるものをきちんと洗って食べるなどの注意が必要です。トウモロコシの発酵麺や常温の水で戻したキクラゲから、ボンクレキン酸毒素による重篤な食中毒が報告されています。乾物を戻すときは冷蔵庫に入れるようにしましょう。
(2) 水痘、流行性耳下腺炎、麻疹、手足口病、猩紅(しょうこう)熱
手洗い、うがいなど身の回りの衛生に留意しましょう。水痘、流行性耳下腺炎、麻疹に関しては予防接種をお勧めします(手足口病、猩紅熱には予防接種はありません)。
(3) デング熱、日本脳炎、ダニ感染症
虫に刺されないようにしましょう。ジカ熱なども今後注意が必要です。
(4) その他
SARS(重症急性呼吸器症候群) 、鳥インフルエンザ、チクングニア熱、ジカ熱などの新興感染症にも注意が必要です。香港は世界中の人が集まる場所ですので、外国からの輸入感染症が流行する可能性があります。最新の感染症情報の入手に努めてください。
6 健康上心がける事
(1) 大気汚染についての情報は、香港環境保護署(http://www.aqhi.gov.hk/en.html)から提供されています。から提供されています。香港はAQI単位を使用し、数値によって戸外での活動制限などを細かく規定しています。
(2) 夏は暑いので、脱水や熱中症にならないよう、十分な水分及び塩分などミネラル補給に心がけましょう。
(3) 生水は飲まず、野菜や果物は良く洗い、皮を剥いたり加熱したりしてから食べましょう。香港政府は普段から身の回りのものや家屋の塩素剤などによる殺菌消毒を推奨しています。
(4) 蚊やダニに刺されないようにしましょう。昆虫忌避剤や蚊取り器などは有効です。
(5) 香港では小児の発熱などの際は医療機関に行くよう指導されているため、小児用の解熱剤、風邪薬などは入手しにくいようです。
(6) 香港衛生署衛生防護中心のホームページのトップ(http://www.chp.gov.hk/en/index.html)には、現在注意すべき感染症などが英語と中国語で詳しく説明されていますので、ご参照ください。
7 予防接種
現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)
(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)
入国に必要な予防接種はありませんが、A型肝炎、B型肝炎、水痘、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、季節性インフルエンザ等の接種をお勧めします。
(2)現地の小児定期予防接種一覧
香港予防接種スケジュール | |||||
---|---|---|---|---|---|
初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | ||
BCG | 0か月 | ||||
DPT+ポリオ | 2か月 | 4か月 | 6か月 | 18か月 | 小1 |
水痘 | 1歳 | ||||
MMR | 1歳 | 小1 | |||
肺炎球菌 | 2か月 | 4か月 | |||
B型肝炎 | 0か月 | 1か月 | 6か月 | ||
HPV | 小5 女子 |
小6 女子 |
* 1歳対象者:2018年7月以降に生まれた小児。
小1対象者:2013年1月~2018年6月までに生まれた小児。
(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明
入学に際して、上記接種を受けるよう指導されます。
8 病気になった場合(医療機関等)
最寄りの政府系病院は、医院管理局のサイト(http://www.ha.org.hk/visitor/ha_visitor_index.asp?Content_ID=10122&Lang=ENG&Dimension=100&Parent_ID=10121)から検索可能です。香港の身分証明書があれば1日100香港ドル、無ければ1日1,000香港ドル程度で受診出来ます。英語でも受診出来ますが、広東語が出来ることが望ましいです。私立病院は、日本語対応をしているところもありますが、医療費が高額で、入院1日3万~10万香港ドル程度が必要です。救急車の電話番号は999です。救急車を利用すると政府系の指定病院へ搬送されます。
病気や怪我の場合は、加入している海外旅行傷害保険から医療機関を紹介してもらうことも可能です。
- (1) Queen Mary Hospital クイーンメリー病院(瑪麗醫院:政府系病院)
- 所在地:102 Pok Fu Lam Road, Hong Kong
- 電話:2255-3838
- ホームページ:https://www8.ha.org.hk/qmh/
- 概要:香港大学医学部の附属病院。日本語不可。私立病院並みの料金になりますがPrivate WardやPrivate Clinicも用意されています。
- (2) Hong Kong Adventist Hospital アドベンティスト病院(港安醫院)
- 所在地:40 Stubbs Road, Happy Valley, Hong Kong
- 電話:3651-8888(日本語ホットライン2835-0509,月 - 木09:00 - 18:00、金09:00 - 17:30、日09:00 - 17:00)
- ホームページ:http://www.hkah.org.hk
- https://www.hkah.org.hk/jp/main(日本語)
- 概要:香港島・跑馬地と九龍・荃灣にあり、ICUも完備。日本語サービスあり。
- (3) Canossa Hospitalカノッサ病院(嘉諾撤醫院)
- 所在地:No.1 Old Peak Road, Mid-Levels, Hong Kong
- 電話:2522-2181(日本語ホットライン2825-2150,月~金曜日9時~17時、土曜日9時~13時)
- ホームページ:http://www.canossahospital.org.hk/
- https://www.canossahospital.org.hk/ja/(日本語)
- 概要:日本語サービスあり。
- (4)Hong Kong Sanatorium & Hospital 香港サナトリウム(養和醫院)
- 所在地:2 Village Road, Happy Valley, Hong Kong
- 電話:2572-0211(日本語ホットライン2835-8606, 月~金曜日9時~17時)
- ホームページ:http://www.hksh.com
- 概要:他に4カ所クリニックがあります。日本語サービスもあり。
- (5) Matilda International Hospital マチルダ国際病院(明德國際醫院)
- 所在地:41 Mount Kellett Road, The Peak, Hong Kong
- 電話:2849-0111(日本語ホットライン2849-1573,月~金曜日:9時~17時)
- ホームページ:http://www.matilda.org/
- https://www.matilda.org/ja/(日本語)
- 概要:他に1カ所クリニックがあります。日本語サービスもあり。
9 その他の詳細情報入手先
(1)在香港日本国総領事館 ホームページ 在外公館トピックス:https://www.hk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/bird.html
(2)香港衛生署衛生防護中心 ホームページ:http://www.chp.gov.hk/en/index.html
英語、広東語、中国語で、疾病情報・消毒法等が詳しく掲載されています。
10 現地語・一口メモ
下記は広東語。英語が通じます。医療英語に関しては、「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照願います。
- 医師 → 醫生(いー さん)
- 飲み薬 → 口服藥(はーう ふぉっく よっく)
- 注射 → 打針(だー ざーむ)
- 頭痛 → 頭痛(たーぅ とーん)
- 腹痛 → 肚痛(とぉ とーん)
- 下痢 → 肚痾(とぉ んごー)
- 熱がある → 發燒(ふぁ しゅう)
- 吐気 → 嘔(んがぅ)
- 傷 → 傷(しょぉん)
- 具合が悪い。 → 唔舒服(むん しゅぃー ふぉっ)
- 病院へ連れて行ってください。 → 唔該送我去醫院吖(むん ごぃ そん んご ほい いー ゆん あ)
11 新型コロナウイルス関連情報
総領事館ホームページ等で、常に最新の情報をご確認ください。