世界の医療事情

フィリピン(ダバオ)

令和2年10月

1. 国名・都市名(国際電話番号)

 フィリピン共和国(ダバオ)(国際電話国番号63)

2. 公館の住所・電話番号

○ 在ダバオ総領事館 (毎週土日休館)
住所:Consulate-General of Japan in Davao, 4th Floor, BI Zone Building, J.P. Laurel Ave., Bajada, Davao City, Philippines (P.O. Box 80637, Davao City, 8000, Philippines)
電話:(082)-221-3100, 221-3200, FAX:(082)-221-2176
ホームページ:https://www.davao.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内しています。

3. 医務官駐在公館ではありません

在フィリピン日本国大使館 医務官が担当

4. 衛生・医療事情一般

 フィリピンは熱帯モンスーン気候帯に属し、年間を通じて高温多湿であるものの、比較的雨の少ない乾期(12月から2月)、厳しい暑さが続く暑期(3月から5月)、蒸し暑くなる雨期(6月から11月)に季節分けされています。

 雨期には水害が発生しやすく、衛生状態が悪化し、汚染された飲食物による食中毒や感染性腸炎が流行します。また、蚊が発生しやすく、毎年デング熱の流行も認められています。

 国土は7,000余りの島々から成り立っており、それぞれの島や地域によって流行する疾病が異なることも特徴の一つです。

 医療水準は、都市部と地方の格差が大きく、ダバオでは近代的な設備を整えた私立総合病院で一定水準の医療を受けることも可能ですが、地方では医療施設の老朽化が進んでいるほか、衛生状態も悪く、安心して医療を受けられる水準には達していません。

5. かかり易い病気・怪我

(1)食中毒

 当地で最も頻繁に見られる疾患です。主に細菌やウイルスに汚染された飲食物を経口摂取することにより発症します。主な症状は腹痛・嘔吐・下痢ですが、発熱や倦怠感・血便等を伴うこともあります。人から人へ直接うつることはありませんが、吐物や排泄物を介して感染することがあります。

(2)デング熱

 デングウイルスを有する蚊に刺されることで感染します。潜伏期間は4~7日間で、突然の高熱・頭痛・関節痛・発疹が主症状です。地方都市を中心に毎年流行し、年間10~20万人の感染者が報告されています。最も重要な予防策は、肌の露出を避け、虫除けスプレーを使用するなど、蚊に刺されないようにすることです。

(3)ジカ熱

 2016年以降、中南米や東南アジアで流行しているジカウイルス感染症が、フィリピン国内でも報告されています。デング熱と同様に蚊に刺されることによって感染します。症状は比較的軽いことが多いですが、妊婦が感染すると先天奇形などの原因となることが知られており、蚊に刺されないように注意が必要です。

(4)マラリア

 マラリア原虫を有する蚊に刺されることで感染します。潜伏期間は2週間程度であることが多く、デング熱と同様に高熱や頭痛・関節痛といった症状が認められます。ダバオでの流行は認められていませんが、フィリピン国内の特定の地域では感染が確認されていますので、旅行前に流行の有無を確認されることをお勧めします。予防策は蚊に刺されないようにするほか、抗マラリア薬を予防的に服用する方法があります。

(5)A型肝炎

 感染者から排泄される糞便で汚染された飲食物(野菜・水・魚貝類等)を経口摂取することによって感染します。発熱・全身倦怠感・食欲不振が主な症状です。渡航前の予防接種を強く勧めます。

(6)狂犬病

 当地では毎年多くの人が狂犬病で亡くなっています。発症後の死亡率はほぼ100%で、そのウイルスは犬のみならずコウモリやネズミなどの野生動物も有するため、動物に噛まれた場合は、直ちに医療機関を受診してください。

(7)麻疹(はしか)

 ワクチンで予防が可能ですが、当地では接種率が低く、流行を認めます。ワクチン2回接種(1歳時および学童期以降)を完了していない方は、ワクチンの追加接種をお勧めします。

(8)ポリオ

 ワクチンで予防が可能ですが、当地では接種率が低く、2019年に新たな国内患者の発生が確認されました。渡航前の追加接種をお勧めします。

(9)結核

 世界保健機関(WHO)はフィリピンを「結核高まん延国」に指定しています。薬の効きにくい多剤耐性結核(MDR-TB)も多く認められています。貧困層では充分な治療が行われていないことが多いため、注意が必要です。

(10)HIV/エイズ・性感染症

 HIV感染を含む性感染症が流行しています。節度ある行動が求められます。

6. 健康上心がける事

(1)生水や水道水は飲用に適していません。屋台や路地で販売されている飲食物も衛生上問題があります。食中毒予防のため、食事はホテルあるいは清潔なレストランで、よく加熱調理されたものを食べるようにしてください。

(2)日差しが非常に強く、湿度が高いため、外出する際には日焼け止めを使用し、帽子着用の上、こまめに水分を補給するよう心掛けてください。

(3)地方や農村部では、蚊にさされないよう、長袖・長ズボンを着用し、虫除けスプレーを使用してください。

(4)狂犬病予防のため、不用意に動物に手を出さないよう注意してください。

(5)各種感染症予防のため、外出後の手洗いとうがいを励行してください。

7. 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

  • 成人:A型肝炎・B型肝炎・破傷風・日本脳炎・狂犬病等の予防接種を推奨します。ポリオや麻疹風疹の追加接種も検討してください。
  • 小児:日本の定期接種に加え、A型肝炎等の接種を行うことを推奨します。
  • WHOが指定している黄熱病汚染地域からの1歳以上の渡航者は、入国時にワクチン接種済み証明書(イエローカード)が必要です。

(2)現地の小児定期一般接種一覧

初回 2回目 3回目 4回目
BCG 出生時      
B型肝炎 出生時 4週 10週 14週
5種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・Hib・B型肝炎) 6週 10週 14週  
5種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・IPV・Hib) 12ヶ月      
ポリオ(IPV/OPV) 6週 10週 14週  
肺炎球菌 6週 10週 14週 12ヶ月
日本脳炎 9ヶ月から18歳の間に2回    
麻疹(はしか) 9ヶ月(6ヶ月から可能)      
MMR(麻疹・おたふく風邪・風疹混合ワクチン) 12ヶ月      
子宮頸がん 9歳から18歳の間に2回    

注:地域により、実施されていない種類もある。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

【幼稚園】

 入学に際して接種証明を義務づけている施設は少なく、通常の予防接種を済ませていれば問題はないものと思われます。

【インターナショナル・スクール】

 入学に際し下記の予防接種を済ませていることが求められます。回数等は児童の年齢により異なりますので学校にお問い合わせ下さい。

DPT/DT, Tetanus, Polio, Measles, Mumps, Rubella, Hepatitis A, Hepatitis B

8. 病気になった場合(医療機関等)

 当地では医療機関受診の際、診療費の前払いや支払能力の提示を求められますので、現金・クレジットカード・海外旅行傷害保険証書などを忘れずにご準備下さい。

○Davao City ダバオ市

(1)Davao Doctors Hospital (救急外来あり)
所在地:118 Elpido Quirino Avenue, Davao City
電話:(082)-222-8000
ホームページ:www.ddh.com.ph別ウィンドウで開く
(2)Brokenshire Integrated Health Ministries, Inc. (救急外来あり)
所在地:Brokenshire Heights, Madapo, Davao City
電話:(082)-305-3525, (082)-305-3170
ホームページ: brokenshire.org別ウィンドウで開く
(3)San Pedro Hospital of Davao City, Inc. (救急外来あり)
所在地:C. Guzman St., Barangay 14-B, Davao City
電話:(082)-222-6100~4
ホームページ:www.sanpedrohospitaldavao.com/別ウィンドウで開く
(4)Davao Medical School Foundation Hospital (救急外来あり)
所在地:DMSF Drive, Bajada, Davao City
電話:(082)-227-9330~2
ホームページ:www.dmsf.edu.ph/dmsf/別ウィンドウで開く

9. その他の詳細情報入手先

(1)在ダバオ総領事館 ホームページ:https://www.davao.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.htmll別ウィンドウで開く

(2)フィリピン保健省 ホームページ: http://www.doh.gov.ph/別ウィンドウで開く

(3)世界保健機構(WHO)ホームページ: http://www.who.int/countries/phl/en/別ウィンドウで開く

10. 一口メモ(もしもの時の医療英語)

フィリピンの病院では診察の際、医師やその他職員とは英語で会話が可能です。英語については、「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照願います。

11. 新型コロナウイルス関連情報

COVID-19流行中には、政府・地方自治体・施設管理者により様々な行動制限が課されています。入国時や国内旅行においても、書類提示や検査が求められています。これらは頻繁に変更されるうえ、違反者には罰則もあります。上記の情報源等より最新情報の入手に努めてください。

政府(省庁間タスクフォース)の勧告を受け、各地方自治体がコロナ感染予防対策に係るガイドラインを発出しているため、空港、公共交通機関、商業施設(銀行、レストランを含む)といった公共の場所では、マスク(及びフェイスシールド)の着用が義務付けられています。また、地方自治体や空港等では、接触追跡システム(QRコード)の導入が進んでいます。

陰性証明書の発行を含むPCR検査は、主要私立病院で可能ですが、予約制であり事前の問い合わせが必要です。治療については、私立病院であれば人工呼吸器を使った治療も可能ですが、満床のため入院できない可能性があり、キャパシティが十分ではありません。


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