世界の医療事情

中国(重慶)

令和2年10月

1 国名・都市名・国際電話国番号

 中華人民共和国(重慶市)(国際電話国番号86)

2 公館の住所・電話番号

○ 在重慶日本国総領事館 (毎週土日休館)
住所:中国重慶市渝中区民族路188号環球金融中心42楼
電話:+86-23-6373-3585,ファックス:+86-23-6373-3589
ホームページ:https://www.chongqing.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在広州日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 重慶市の緯度はほぼ奄美大島と同じで、亜熱帯性気候に属します。また「中国の三大ボイラー」(重慶・武漢・南京)のひとつとして有名です。夏は非常に暑く、日中最高気温が40度を超える日が続きます。また冬は日照時間が極端に少なくなるのが特徴で、東京の約半分程の日照時間となります。

 衛生概念はまだ日本には及ばないものの、日常の居住空間では特に気にする状況ではありません。但し水道水は、食材の洗浄程度に使用しても差し支えないと思われますが、飲用や調理用に使用することは控えた方がよいでしょう。飲用や調理用のために浄水器を使用するか信用できる飲用水を購入する必要があります。

 大気汚染に関しては、工場の移転や環境規制が厳しくなったこともあり、近年は状況が著しく改善されており、1年を通じ日常生活で特に気にする必要はなくなっています。冬期にはPM2.5が若干高いと感じる日も時々ありますが、外出を控えるほどの濃度になることは滅多にありません。

 重慶市にはいくつかの大規模な総合病院があります。しかし重慶市の人口当たりの医師数や看護師数はいずれも中国全体の平均を下回っており、医療従事者は相対的に不足していると言えます。そのため、総合病院は常に患者であふれかえっています。また中国の独特の支払いシステム(診察、検査、投薬等すべてその都度前払い)のため、日本で考えるより病院受診は時間がかかり、精神的、肉体的にも負担がかかるのが現状です。そこで一部の病院では外国人や富裕層向けにVIP部門を整備しております。ハード面では、日本と遜色のないレベルまで充実してきていますが、実際に受診するとなると必ずしもそのハードを十分に生かされている状況ではないのが現状です。受診での負担を考えますとVIP部門を受診するのは負担軽減には役立つものと思われます。ただし、多くは英語による対応で、料金は割高となります。

 紹介状は必ずしも必要ではありませんが、多くの医療機関、特にVIP部門は予約制を取っていますので、受診前に電話で問い合わせをされた方がよいでしょう。軽度の体調不良や緊急治療の場合以外は、日本やその他の医療先進地域での受診をお勧め致します。

 急な病気やケガの場合、海外旅行傷害保険や海外駐在員保険に加入しているのであれば、各保険会社のサポートラインに電話するのが一番よい選択です。契約内容にもよりますが、各保険会社提携の医療アシスタンス会社を通じて、適切な医療機関の紹介、救急車の手配、受診・入院の手配、医療通訳の手配、キャッシュレス診療、日本への移送が必要となった場合の手配などのサービスが受けられます。上述の病院のVIP部門での診療料金は思いのほか高額となることがあります。病院との契約により保険が利用可能な場合があります。緊急時にいろいろなサポートが得られるため、あらかじめこれらの保険に加入しておくことを強く推奨します。また、加入者はサポートラインの電話番号や契約内容を日ごろから確認しておく必要があります。

5 かかり易い病気・怪我

(1)各種生活習慣病

 生活環境の変化に伴うストレスや油分の多い食生活等により、高血圧症・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病が急速に悪化したり顕在化したりする可能性があります。生活習慣病は、それ自体がはっきりとした自覚症状を示すことはあまりありませんが、本人が気付かないうちに進行して突然心臓発作や脳卒中などの致命的な状態を引き起こすことがあります。

(2)交通事故

 近年、重慶市内でも交通マナーは大分改善され、横断歩道のルールも概ね守られるようになりました。他方、専用の歩道が整備されていない場所が多いのに加え、右折が常に可能な交差点が多いこと、宅配サービスの電動バイク(音がしない)が歩道を走行する例も多いことから、歩道を歩く際にも一定の注意は必要です。

(3)飲酒による病気・事故

 中国では会食時にアルコール度数の高いお酒を何度も飲み干す習慣があるため、雰囲気に流されて大量飲酒となってしまわないように注意が必要です。急激に血中アルコール濃度が上昇して意識がなくなってしまったり、泥酔状態で嘔吐して窒息したりするなど、死亡事故につながるケースも発生しています。

(4)肺結核

 患者の咳やくしゃみで飛び散った菌を吸い込むことにより感染します。多くの場合は適切な治療により治癒しますが、薬剤への耐性により治療に難渋する場合もあります。幼小児ではBCG接種を確実に受けることが発症予防に有効です。定期的に胸部レントゲン写真を含んだ健康診断を受けるよう心掛け、咳や微熱が2週間以上続く場合には医療機関を受診したほうがよいでしょう。

(5)ウイルス性肝炎

 B型肝炎やC型肝炎は、注射針等の使い回し、輸血、性行為、母子感染などで感染します。また、A型肝炎やE型肝炎は、主に不衛生な環境において、食べ物や水を介して感染します。ウイルス性肝炎の一部は劇症肝炎と呼ばれる重症の経過をたどることがあるほか、慢性肝炎として経過した場合には肝硬変や肝臓がんの原因となることもあります。A型肝炎とB型肝炎の予防には、ワクチンが有効です。

(6)HIV/AIDS

 性行為、注射針等の使い回し、母子感染などで感染します。AIDSの治療は年々進歩してきてはいますが、根本的治療法はまだ開発されていません。重慶市ではAIDS患者が感染症の死亡原因の中では上位を占めています。無防備で安易な性交渉は絶対に避けるべきです。

(7)狂犬病

 狂犬病ウイルスに感染した犬や野生動物との接触により感染します。市街地で犬や野生動物を見かけることは多くはありませんが、重慶市内でも散発的に狂犬病による死者が発生しています。発症した場合の治療法はなくほぼ確実に死に至りますが、ウイルスに感染しても速やかにワクチン接種を開始すれば、発症を防ぐことができます。万が一犬に咬まれた場合には早急に狂犬病外来のある医療機関を受診してください。

(8)梅毒・淋病

 性交渉により感染します。死亡率の高い疾患ではありませんが、重慶市では相当数の患者が発生しています。

(9)下痢、食中毒

 水や油が体に合わない、ウイルスや細菌に汚染された食物を摂取したりなどでおこります。生水を飲まない、きれいに洗っていない生野菜は食べない、果物は自分で剥いて食べる、衛生上問題のある露天の食べ物や品質に問題のある安価なものは食べない等の自己防衛が必要です。

 トウモロコシの発酵麺や常温の水で戻したキクラゲから、ボンクレキン酸毒素による重篤な食中毒が報告されています。乾物を戻すときは冷蔵庫に入れるようにしましょう。

(10) 最新感染症統計

 重慶市衛生信息中心(www.cqshic.com別ウィンドウで開く)より最新の医療統計情報が入手可能です。

6 健康上心がける事

 各種経口感染症やインフルエンザなど、手指を介して感染する疾患は数多くあります。外出後、調理前、食事前などに、きちんと石鹸を使ってこまめに手を洗う習慣を身につけましょう。

 食材は清潔で信頼できる店から購入し、肉・魚介類・卵は十分に加熱調理しましょう。野菜や果物は、十分に洗浄しましょう。また、生食するものや調理済みの料理は、未調理の食材を扱った手で触れないように気をつけましょう。

 治療中の病気がある場合には、確実に治療を継続するとともに、定期的に医療機関を受診して病状をチェックしましょう。また、現在健康であっても定期的に健康診断を受け、生活習慣を見直すきっかけにしましょう。

 外を歩く時には、青信号も歩道も全く油断はできません。常に四方八方に注意を配りながら歩きましょう。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 中国では現在外国で生産されたワクチン等が入手しにくい状況が続いています。赴任前に日本で接種してください。

  • 成人:A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病(動物に接触する機会が多い場合)、日本脳炎、季節性インフルエンザ、腸チフス等の接種をおすすめします。
  • 小児:日本の定期予防接種のほか、上記の成人と同様のものをお勧めします。

(2) 現地の小児予防接種一覧(重慶市第一類ワクチン接種表)

重慶市予防接種スケジュール
  初回 2回目 3回目 4回目
BCG 0か月      
注射ポリオ 2か月      
経口ポリオ 3か月 4か月 4歳  
DPT 3か月 4か月 5か月 18か月
DT 6歳      
麻疹/風疹 8か月      
MMR 18か月      
日本脳炎 8か月 2歳    
髄膜炎(A) 6か月 9か月    
髄膜炎(A+C) 3歳 6歳    
A型肝炎 18か月 2歳    
B型肝炎 0か月 1か月 6か月  

DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風、DT:ジフテリア・破傷風
MMR:麻疹・流行性耳下腺炎・風疹

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 現地校に入学・入園する際には重慶市第一類ワクチン接種が必要です。そのため予防接種記録の提示を求められますので、母子手帳あるいは各種予防接種記録を持参する必要があります。不足分の予防接種は、在庫があれば社区衛生服務中心、衛生防疫駅で接種可能です。

 インターナショナルスクールに入学・入園する際には重慶市第一類ワクチン接種は必ずしも必要ではありませんが、それ以外の基準(日本の基準等)に沿って接種した証明が必要となります。

8 病気になった場合(医療機関等)

○重慶市

■ 日本語通訳がいるクリニック

莱佛士医院Raffles Hospital
所在地:重慶市渝北区華山中路2号
電話:(023)-8600-6999(代表)
概要:内科、外科、小児科、産婦人科、口腔科、眼科、耳鼻咽喉科、健康診断

■ 総合病院(ピンイン順)

(1)重慶医科大学附属第二医院
所在地:重慶市渝中区临江路74号
電話:(023)-6369-3222(代表)
概要:3級総合病院
(2)重慶医科大学附属第一医院
所在地:重慶市渝中区袁家崗友誼路1号
電話:(023)-6881-1360
概要:3級総合病院
(3)重慶医科大学附属第一医院金山医院(国際病院)
所在地:重慶市経済技術開発区鴛鴦湖39号
電話:(023)-6565-9393
概要:内科、外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科、健康診断

9 その他の詳細情報入手先

(1)在重慶日本国総領事館: https://www.chongqing.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

  • 医師=医生(イーション)
  • 飲み薬=口服薬(コウフーヤオ)
  • 注射=打針(ダージェン)
  • 頭痛=頭疼(トウトン)
  • 腹痛=胃疼(ウェイトン)
  • 下痢=腹瀉(フーシェ)
  • 発熱=発焼(ファーシャオ)
  • 吐気=悪心(オーシン)
  • 傷=(シャン)
  • 具合が悪い。=不舒服(ブーシューフ)
  • 病院に連れて行ってください。=請帯我去医院(チンダイウォーチューイーユアン)

11 新型コロナウイルス関連情報

 2020年初頭に流行した新型コロナは、重慶市でも概ね2月中に収束しました。3月末以降の感染例は、ほぼ海外からの帰着者に限定されており、2週間の集中隔離措置や健康コードの利用等により、市内感染への波及は見られません。他方、他都市の例に見られるように、国内由来の感染例が発生した場合には、重慶市でも封鎖式管理などの徹底した措置が突然採られる可能性はあります。そのような場合に備え、一定量のマスクは常備品として保有しておくことが適当です。

 総領事館ホームページ等で、常に最新の情報をご確認ください。


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