世界の医療事情

令和2年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

  カンボジア王国(プノンペン都)(国際電話国番号855)

2 公館の住所・電話番号

在カンボジア日本国大使館(毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan, No.194, Moha Vithei Preah Norodom, Sangkat Tonle
Bassac, Khan Chamkar Mon, Phnom Penh, Cambodia
電話番号:023-217-161~4, ファックス:023-216-162
ウェブサイト:https://www.kh.emb-japan.go.jp/別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 一年は大きく雨季(6~10月)と乾季(11~5月)に分かれており、気温は年間を通じて高い熱帯性モンスーン気候に属しています。雨季には激しい雨が数時間降り、道路が冠水し、衛生状態も悪化します。乾季は12月から2月にかけて暑さが少し和らぎ、比較的過ごしやすくなりますが、3月から5月は最高気温が40℃近くになる猛暑が続きます。

 一般的な衛生事情は日本に比べて劣悪です。医療水準も決して高くはありません。プノンペンの私立病院やクリニックでは日本と同程度の医療を受けることも可能ですが、高度な医療が必要になった場合や一部の診療科の治療は、バンコクやシンガポールで受けざるを得なくなることもあります。また、私立病院では支払保証の確認が行われますので、あらかじめ十分な額の海外旅行傷害保険に加入しておく必要があります。プノンペンとシェムリアップでは日本人医師の診療を受けることも可能ですが、それ以外の地域に外国人向けの医療機関はほとんどありません。医師は英語を解しますが、看護師や技師など他の職員との意思疎通は通常クメール語になります。

5 かかり易い病気・怪我

(1)急性胃腸炎

 細菌やウイルスに汚染された飲食物を口にすることで感染し、腹痛や下痢、発熱、嘔吐などの症状が見られます。原因により発症するまでの時間(数時間から数日)や症状は異なります。下痢がひどい場合は、脱水にならないよう水やお茶、スポーツドリンクなどで水分補給をすることが大切です。数日で回復することが多いですが、症状が重い場合や血便、発熱が認められる場合は医療機関を受診して下さい。飲食は衛生的な店を選び、生ものは避け、加熱されたものを熱いうちに食べるようにして下さい。

(2)デング熱

 蚊(ネッタイシマカ;日中に活動する)に刺されることでデングウイルスに感染します。市街地でも多く発生しており、蚊が発生しやすい雨季に患者が増加します。通常3~7日の潜伏期間後に突然の高熱で発症し、頭痛や関節痛、筋肉痛などの症状を伴います。現時点でお勧めできる予防接種はありません。肌の露出を避け、虫除けスプレーや蚊取り線香を使うなど蚊にさされないようにすることが唯一の予防策です。特別な治療法はなく、症状に合わせた対症療法で経過をみます。時に重症化(デング出血熱)し、生命にかかわることもあります。原因のわからない高熱が認められた場合は医療機関を受診して下さい。

(3)寄生虫症

 アメーバ赤痢やジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)が発生しています。これらの寄生虫が混入している飲食物を口にすることで感染します。発熱することは少なく、血便や下痢、腹痛、腹部不快感を生じますが、下痢や軟便だけが長期間続くこともあります。疑わしい場合は便の検査で寄生虫の有無や種類を確認して下さい。治療は必要に応じて駆虫薬を内服します。

(4)マラリア

 蚊(ハマダラカ;夜間に活動する)に刺されることでマラリア原虫に感染します。主として森林地帯や国境周辺部で発生しており、プノンペンやシェムリアップ市内で感染することはまずありません。多発する地域に滞在しない限り、予防薬の服用は不要です。潜伏期間は1~2週間(ときに1ヶ月程度)で、突然の高熱で発症します。血液検査で診断することができ、治療薬の内服(ときに点滴)が必要です。治療をせずに放置すると命に関わることもあるため、流行地滞在後に高熱が出た場合は必ず医療機関を受診して下さい。

(5)狂犬病

 カンボジアは世界有数の狂犬病発生国で、毎年800人ほどの人が亡くなっています。犬の生息数も周辺国に比べて多く、特に地方では野犬や放し飼いの犬をよく見かけます。狂犬病のウイルスは犬以外にも馬などのほ乳類やコウモリが保有しており、動物の唾液や血液が傷口などから体内に侵入することで感染します。狂犬病はいったん発症すると100%死亡する恐い病気です。予防接種(暴露前接種)はありますが、予防接種を受けたかどうかにかかわらず、もし犬などのほ乳動物に咬まれたり、引っ掻かれた場合は、24時間以内に新たに予防接種を受ける必要があります。

(6)その他の感染症

チクングニア熱

 チクングニアウイルスを保有する蚊(ネッタイシマカ;日中に活動する)に刺されることで感染します。通常3~7日の潜伏期間後に高熱で発症し、関節痛や頭痛(眼の奥)、発疹などの症状を伴います。予防接種はありません。特別な治療もありませんが、関節痛が月単位で続くこともあるため、疑わしい症状が認められた場合は医療機関を受診して下さい。

6 健康上心がける事

(1)水・飲食について

 飲用にはミネラルウオーターを使用して下さい。プノンペンの上水道浄化施設は日本の支援により改善されましたが、配管や末端施設の貯水槽の管理が未だ十分とはいえないため、水道水は飲まないようにして下さい。

 外食する際は衛生的な店を選び、火の通ったものを熱いうちに食べるようにして下さい。屋台では概して食材や食器、調理後の管理、調理人の衛生観念に問題があるため、なるべく利用は避けて下さい。氷も口にしないようにして下さい。魚介類は細菌やウイルスのほか寄生虫感染の危険もあるため、生食は避けて下さい。食物を扱っているところではネズミやゴキブリなどの害虫も数多く発生しています。外食には諸々のリスクを伴うため十分注意を払って下さい。

(2)暑さ・紫外線対策

 一年を通して気温と湿度が高く、熱中症や脱水症になりやすいため、暑さが厳しい時は無理をせず、こまめに水分補給をして下さい。日差しも強いため、屋外では帽子を着用し、日焼け止めを使うなどの紫外線対策も心掛けて下さい。

(3)蚊対策

 デング熱やマラリアなど多くの熱帯病は蚊に刺されることで感染します。長袖長ズボンを着用して肌の露出を減らし、虫除けスプレーや蚊取り線香を使用するなどの対策をとって下さい。

(4)医薬品

 日本でよく使われている薬(ロキソニン等)も当地では入手できないことがあります。慢性疾患や常用薬がある場合は、滞在期間に合わせて日本から必要な薬を持参して下さい。薬局で購入する際は、保管状態の悪い薬や偽薬を避けるため、病院内あるいは利用客の多い大手の薬局を利用するようにして下さい。

7 予防接種

現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種~成人・小児~

 入国に際して必要とされる予防接種はありません。

 推奨の度合い:◎:強く、○:できれば、△:長期滞在者・医療過疎地旅行時

成人

◎破傷風、◎A型肝炎、◎B型肝炎、○日本脳炎、○腸チフス、○MR(麻疹・風疹;30~40歳代で免疫の低下した人が多いため)、△狂犬病

小児

日本の定期接種

◎4種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)、◎MR(麻疹・風疹)、◎日本脳炎、◎BCG、◎B型肝炎、◎肺炎球菌、◎Hib、◎水痘

日本の任意接種

◎A型肝炎、◎おたふくかぜ、◎ロタウイルス、○腸チフス、○季節性インフルエンザ、△狂犬病

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
  初回 2回目 3回目
BCG 出生時    
B型肝炎 出生時    
ポリオ(経口) 生後6週 生後10週 生後14週
ポリオ(不活化) 生後14週    
DPT-Hib-B型肝炎 生後6週 生後10週 生後14週
肺炎球菌 生後6週 生後10週 生後14週
麻疹・風疹 9ヶ月 18ヶ月  
日本脳炎 9ヶ月    

<注>DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風、Hib:インフルエンザ菌b型

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 特に必要とされる予防接種はありません。

 インターナショナルスクールでは予防接種記録の提出を求められます(親権者が記入したもの)。未実施のものがある場合は接種を勧められます。

(4)乳児検診

 日本で行われているような乳幼児検診のシステムはありませんが、乳幼児検診が生後6週までに4回推奨されています。

8 病気になった場合(医療機関等)

◎プノンペン

(1)Sunrise Japan Hospital
所在地:#177E, Kola Loum Street (the Bay Road), Group 2, Phum 2, Sangkat Chroy Changvar, Khan Chroy Changvar(日本橋を渡り、右折後約5分)
電話:023-260-152(予約), 023-260-153(日本語), 023-260-151(救急)
ウェブサイト: www.sunrise-hs.com別ウィンドウで開く
Email: info@sunrise-hs.com
概要:東京・八王子の北原国際病院が関連する50床の病院。複数の日本人医師を含む多数の日本人医療スタッフが勤務。24時間救急対応。総合診療内科・救急・脳卒中・脳神経外科・消化器・一般外科・小児・産婦人科・健康診断。海外旅行保険(キャッシュレス)対応。
(2)Royal Phnom Penh Hospital
所在地:#888, Russian Blvd., Sangkat Toeuk Thla, Khan Sen Sok(ロシア通りを空港へ向かう途中左手)
電話:023-991-000, 023-991-222(救急)
ウェブサイト:royalphnompenhhospital.com別ウィンドウで開く
Email: info@royalphnompenhhospital.com
概要:タイのバンコク病院系列の私立総合病院。24時間救急対応。内科・循環器科・消化器科・外科・救急科・整形外科・産婦人科・小児科・耳鼻科・脳神経外科・泌尿器科・歯科。医師の多くはタイ人。海外旅行保険(キャッシュレス)対応。院内にジャパニーズ・ヘルプ・デスク(月~土、8:30~17:30, 023-990-681)があり、診察の予約や医療通訳サポートなどのサービスを提供。
(3)Ken Clinic
所在地:#14A, Street 370, BKK1
電話:023-223-843, 023-957-205(日本語専用)012-865-039(時間外相談)
ウェブサイト: www.kenclinic-cambodia.com別ウィンドウで開く
概要:カンボジア初の日本人開業医クリニック。外科・内科・小児科・予防接種・健康診断。柔道整復師、鍼灸師による治療も可能。海外旅行保険(キャッシュレス)対応。
(4)Raffles Medical Cambodia
所在地:#161, Street 51(旧SOSクリニック)
電話:012-816-911(予約), 012-838-283(日本語)
ウェブサイト:www.rafflesmedicalgroup.com/international-clinics/locations/cambodia/別ウィンドウで開く[↗]
Email: enquiries_phnompenh@rafflesmedical.com
概要:欧米人医師、日本人小児科医が診療しているクリニック。総合診療科・専門医診療・救急診療・医療搬送・旅行医学・熱帯医学・予防接種・健康診断・VISA取得のための検診などが可能。日本人職員が常駐。海外旅行保険(キャッシュレス)対応。
(5)Sun International Clinic
所在地:#18, Street 302, BKK1
電話:069-268-060(日本語), 092-116-613(日本語), 023-956-777(英語)
ウェブサイト: www.siclinic.com別ウィンドウで開く
Email: info@siclinic.com
概要:複数の日本人専門医による総合診療クリニック。総合診療・皮膚科・形成外科・耳鼻科・アレルギー科・整形外科・泌尿器科・消化器科・小児科・婦人科・心療内科・眼科・健康診断。海外旅行保険(キャッシュレス)対応。
(6)Denriche Asia Dental Clinic
所在地:#66, Monivong Blvd(ヴァタナックキャピタルタワー2階)
電話:023-901-200(英語・日本語)
Denriche BKK Dental Clinic
所在地:#08A St.398, BKK1
電話:089-533-511, 093-533-511(英語・日本語)
ウェブサイト: www.dc-denricheasia.com別ウィンドウで開く
Email: phnompenh@dc-denricheasia.com
概要:日本人の歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士が診療している歯科診療所。
(7)MALIS Dental Clinic
所在地:#445, Monivong Blvd(プノンペンタワー13階)
電話:012-513-222(日本語・英語), 023-964-142(英語)
ウェブサイト: malis-dental.com別ウィンドウで開く
Email: contact@malis-dental.com
概要:日本人歯科医師が診療している歯科診療所。日本人学校医。矯正専門医も勤務。

9 その他の詳細情報入手先

(1) 在カンボジア日本国大使館 ホームページ: https://www.kh.emb-japan.go.jp/別ウィンドウで開く

(2) 世界保健機関 (WHO): http://www.who.int/countries/khm/en/別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

注:以下の発音のカタカナ標記は便宜上のものであり、実際の発音とは異なることがあります。

  • 医師:ロッ・クルー・ペーッ(男性)、ネアッ・クルー・ペーッ(女性)
  • 薬:タァナム
  • 注射:チャッ・タァナム
  • 頭痛:チュー・クバール
  • 胸痛:チュー・トゥルン(ク)゙
  • 腹痛:チュー・プオッ
  • 下痢:リアッ
  • 発熱:クダウ・クルォン
  • 吐き気:ミエン・アロム・チョン・ク・ウオッ(ト)
  • 傷:ロブオッ
  • マラリア:クロン・チャン
  • デング熱:クロン・チ-ム
  • 具合が悪い。:オッ・スルオル・クルォン
  • ここが痛い。:チュー・ニィ(痛む場所を指で指す)
  • 病院へ連れて行ってください。:ソーム・チューン・クニョム・タウ・ムンティーペーッ
  • 日本大使館に連絡してください。:ソーム・テアットーン・サターントゥ・チャポン

11 新型コロナウイルス関連情報

 令和2年10月1日現在、カンボジア国内で確認された感染者は277人で、死者は出ていません。感染が確認された場合は政府指定の公立病院へ入院することになりますが、公立病院は外国人が通常受診する私立病院に比べて医療水準が低く、概して医療機器や施設の老朽化が進んでおり、医療従事者との意思疎通も通常クメール語になるため、必要な医療を十分受けることができない可能性があります。

 新型コロナウイルス感染症が終息するまでは、手洗いとうがい、マスクの着用を徹底し、三密(換気の悪い密閉空間・多数が集まる密集場所・間近で会話する密接場所)を避けるようにして下さい。


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