世界の医療事情
ブルネイ
1 国名・都市名(国際電話番号)
ブルネイ・ダルサラーム国(バンダル・スリ・ブガワン)(国際電話番号673)
2 公館の住所・電話番号
- 在ブルネイ日本国大使館(毎週土日休館)
- 住所:Embassy of Japan in Brunei Darussalam, House No.33, Simpang 122, Kampong Kiulap, Bandar Seri Begawan BE 1518, Negara Brunei Darussalam
- 電話:(673)2229265
- ホームページ:在ブルネイ日本国大使館
(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。
3 医務官駐在公館ではありません
在タイ日本国大使館医務官が担当
4 衛生・医療事情一般
ブルネイ・ダルサラーム国は、東南アジアの北緯4.55度(首都)にあり、国土5,765平方キロ(三重県の広さ同等)の国です。首都バンダル・スリ・ブガワンは、ブルネイ川河口に位置します。熱帯雨林に囲まれ、気候も熱帯雨林気候で、通年、雨の多い高温多湿の気候で、最高気温34度~38度、最低気温18度~21度、平均湿度85%になっています。イスラム教が国教と定められており、生活においてイスラム教遵守が必要です。
インフラや道路の整備は先進国同等に行き届いていますが、総合病院は全土で国立4病院と私立1病院に限られます。なお、簡単な日常診療は、国民は地域毎にある公立保健センターで、また、外国人や富裕層は個人クリニックでプライマリーケアを受けることができます。国内各所には薬局があり、多くは24時間営業で、薬剤師が市販薬を紹介してくれます。医師は、734人が登録され、対人口(千人)あたり1.62人となっていますが、自国で医師養成ができず、医師の多くは、外国人(インド人およびミヤンマー人が最多)の出稼ぎ医師となっています。各病院には、高度医療器械が配備されていますが、医師総数と専門性の高い医師の数が限られていることから、医療先進国並みの医療は難しい場合があるようです。重大な病状と思われる場合には、早めに、帰国や近隣医療先進国に移動することも検討してください。なお、国立病院を受診する場合、外国籍の者は登録費B$20.00が必要で、診察費は診察・治療後に支払額が確定します。
前述の環境から、蚊が媒介する感染症、特にデング熱が流行することがあります。インフラが整っていることや国民の衛生意識が高いことから、食品衛生は、東南アジアの中でも安全性は高いものの、高温多湿ですので、食中毒や経口感染症には注意が必要です。なお、水道水の衛生管理はされていますが、水道管内での滞留等の可能性もあるので、飲用には市販飲料水を使ってください。
5 罹りやすい病気・怪我
人口密度が低いことから、ヒトからの感染症の流行は限定的ですが、数年に一度、デング熱が流行します。念のため、蚊の対策をしてください。現在のところ、マラリアや日本脳炎はありません。
高温多湿の環境ですので、食中毒への注意が必要です。生ものは注意し、できるだけ新鮮で十分火の通った食品を選択してください。
6 健康上心がける事
赤道直下ですので、好天時の日差しは強いです。帽子・サングラスを使い、衣服での日差し対策をしてください。また、十分な水分補給等熱中症対策も必要です。
7 予防接種
(1)入国に必須の予防接種は有りませんが、破傷風、A・B型肝炎、腸チフス、DPT、ポリオ、MMR、インフルエンザの予防接種をしておくことをお勧めします。
(2)ブルネイ国の小児の定期一般予防接種
初回 | 2回目 | 3回目 | |
---|---|---|---|
BCG | 出生直後 | - | - |
B型肝炎 | 出生直後 | - | - |
6種混合 (DPT+ポリオ+Hib+B型肝炎) |
2か月 | 4か月 | 6か月 |
MMR | 1歳 | 1歳半 | - |
Hib | 1歳 | - | - |
4種混合 (DPT+ポリオ) |
5歳 | - | - |
HPV(女性のみ) | 9歳から (5年生時)学校が手配する |
- | - |
DPT(ブルネイにおけるDTaP):ジフテリア・百日咳・破傷風、Hib:インフルエンザ菌b型、MMR:麻疹・おたふく風邪・風疹、HPV:ヒトパピローマウイルス
(注)2022年現在のワクチン接種可能な医療機関
- BCG、DPT:RIPAS(リパス)とJPMCのみ
- 水痘:RIPAS(医師の診察を受けた後)とJPMCのみ
- ロタウィルス:JPMCのみ(ワクチンセンターでの取り扱い無し)
- 肺炎球菌(小児用):ワクチンセンター
(3)現地校等に入学・入園する際、予防接種・接種証明書を求められます。当国の定める定期一般予防接種を全て受けていない場合、未接種の予防接種を受ける必要があります。また、保護者に「予防接種の実施に関する調査・質問」の調査があるようです。
(4)乳児検診
上記(2)のスケジュールに従って予防接種を受ける際に、健康相談も同時に実施する体制です。下記8.国立病院RIPAS(リパス)かJPMCで受診が出来ます。
8 病気になった場合(医療機関等)
- (1)Jerudong Park Medical Centre(JPMC)
- 住所:Jerudong Park B.G 3122 Brunei Darussalam
- 電話:2611433、緊急の場合:2612612、7172172
- Fax:2612461
- 概要:100床の私立総合病院で職員全員が英語を話します。日本語は対応できません。多くの機器を備えICU、CCUもありますが、血液透析など一部の治療には対応できません。救急ケース受け入れは年中無休です。他は、診療科毎に診察日時が異なります。
- (2)RIPAS Hospital(リパス)
- 住所:Bandar Seri Begawan, BA 1710, Brunei Darussalam
- 電話:2242424、救急車:991
Emergency Department, Nursing OfficerのHjh Azizah Hj Idris(7178557) - Fax:2220294
- 概要:ブルネイで最大規模の国立総合病院です。772床で、各種高度医療機器があり、救急外来は24時間対応が可能です。しかし専門医が少なく、患者が多いため、予約から診療まで2か月程度かかる場合もあります。なお、医師は英語を話します。日本語の対応はありません。基本的には年中無休ですが、診療科毎の休診があります。
政府系医療機関受診に際してはBru-HIMS numberが必要で、緊急時に備え事前取得しておく必要があります。 - (3)Lee Clinic & Dispensary(リー・クリニック)
- 住所:WW58+39H, Bandar Seri Begawan / No.1, Block C, Abdul Razak Complex, Gadong
- 電話:2228338、2428424
- 概要:個人営業の診療所です。英語で対応してくれます。日本語は不可。月曜日から金曜日まで朝8時から21時(休憩時間あり)営業し、日曜日も午前中開院しています。カード支払い可能です。
- (4)Riverview Medical Clinic(リバービュー・メディカル・クリニック)
- 住所:Unit 12 & 13 Ground Floor, Block ‘C’ Latifuddin Complex, Lebuhraya Tungku, Bandar Seri Begawan BE3619
- 電話:2239389
- 概要:個人営業の診療所です。英語で対応してくれます。日本語は不可。月曜から土曜日まで朝8時から12時までの午前中のみ営業です。カード支払い可能です。
9 その他の詳細情報入手先
10 現地語一口メモ
マレー語
- 発熱:デマン(Deman)
- 下痢:チリビリッ(Cirit Birit)
- 嘔気:ラサ ムンタ(Rasa Muntah)
- 咳:バトク(Batuk)
- 頭が痛い:サキッ クパラ(Sakit Kepala)
- 胸が痛い:サキッ ダダ(Sakit Dada)
- 腹が痛い:サキッ プルッ(Sakit Perut)
- 傷:ルカ(Luka)
- 風邪を引く:セレスマ(Selesma)
- 具合が悪い:サヤ クラン シハッ(Saya Kurang Sihat)
- 医師:ドクトー(Doktor)
- 飲み薬:ウバッ(Ubat)
- 注射:スンチック(Suntik)
- 病院へ連れて行ってほしい:トロン バワ サヤ ク ホスピタル(Tolong Bawa Saya Ke Hospital)
11 新型コロナウイルス関連情報
当国において、新型コロナウイルス感染者が継続的に発生しています。RT-PCR検査を受けられる医療機関は限定的で、受検方法も時々変更があります。政府保健省のホームページをご参照ください。
Senarai Pusat-Pusat yang memberikan perkhidmatan RT-PCR dan ART(PDF)(マレー語)
新型コロナ感染症の予防接種について、2022年10月現在、人口約46万人中44.5万人が2回以上接種を受けています。国民及び居住者は、無償で接種を受けられます。
詳細は、Ministry of Health - COVID-19 Vaccine(英語)を参照ください。