世界の医療事情

令和4年10月1日

1.国名、都市名 (国際電話番号)

トーゴ共和国 (ロメ市) (国際電話国番号228)

2.公館の住所、電話番号

○ 在トーゴ日本国大使館 (毎週土日休館)
※ 在コートジボワール日本国大使館が管轄しています。
住所:Ambassade du Japon en Côte d'Ivoire, Immeuble La Prévoyance, Batiment B, 2ème étage, Avenue Noguès, Plateau, 01 BP 1329 Abidjan 01
TEL:(20)-21-28-63 FAX:(20)-21-30-51
ホームページ:https://www.ci.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

3.医務官駐在公館ではありません

 在コートジボワール日本国大使館 医務官が担当

4.衛生・医療事情一般

 ギニア湾岸沿いに位置するトーゴは、南北約600km、東西約100kmという南北に長い形で、ベナン、ブルキナファソ、ガーナと国境を接しています。南部のギニア湾岸側は熱帯性気候で年間雨量は1,500 mm以上にのぼりますが、北部はサバンナ気候となります。

 西アフリカの他の諸国と同様の衛生環境で、医療事情は概して良くはありません。日本のような医療は期待できず、当地で対処できない病気や外傷の場合には、パリ等ヘの緊急移送が必要になることがあります。それらの費用を考慮すると、海外旅行傷害保険では治療・救援費用は一番高いものに加入しておくことが推奨されます。

5.かかり易い病気・怪我

(1)交通事故:

 ロメ市内はバイクタクシーが主流で、一般バイクの数も多く、また道路の舗装もよくないので、交通事故に注意する必要があります。

(2)旅行者下痢症:

 サルモネラ、大腸菌、コレラ、腸チフス等は主に食べ物を介して感染し下痢、嘔吐、発熱などをひきおこします。十分加熱したものを食べ、生野菜、カットフルーツ、水道水、氷等はなるべく避けてください。また、疲労、いつもと違う食事、慣れない気候などによって、感染しやすくなることもあります。

(3)マラリア:

 当国で罹るマラリアはほとんどが熱帯熱マラリアです。放置すると死亡することがあります。また、蚊に刺されないように注意してください。都市部においても感染することがあります。滞在中はもちろん、先進国に戻っても1ヶ月以内に高熱が出たら、マラリアを疑いましょう。マラリアと診断され治療を受けても1ヶ月以内に熱が出たときはマラリアの再燃ということがあり得ます。

(4)マラリア以外の寄生虫疾患:

 地方で生活する場合、アメーバ赤痢、ギニア虫症等にも注意が必要です。経口感染する病気が多いので、生水、生野菜、加熱不十分な肉類等は避けましょう。

(5)結核:

 貧困層を中心に結核患者が多数います。2週間以上続く咳、体重減少、倦怠感、寝汗等の症状が出た場合には医療機関を受診して下さい。

(6)髄膜炎菌性髄膜炎:

 サハラ砂漠の南部は髄膜炎ベルト地帯と呼ばれ、特に12月~3月のハルマッタン(季節風)の時期に髄膜炎が流行します。罹れば2日で死亡することもある病気です。ワクチンがありますので、西アフリカに渡航される際は、接種をお勧めします。4価(ACYW-135)ワクチンの接種を受けて下さい。

(7)A型肝炎、B型肝炎:

 A型肝炎は食べ物から、B型肝炎は血液、体液から感染します。渡航の際はA型、B型肝炎のワクチンを受けるようにしてください。

6.健康上心掛ける事

(1)防蚊対策:夕方から夜中にかけ、野外で運動、散歩、食事をする時等は、蚊に刺されないように長ズボン、靴下、長袖シャツを着用すると共に、露出部分には蚊の忌避剤を使用してください。忌避剤はDEETが12%以上(できれば30%)のものを用いてください。

(2)飲料水は市販のミネラルウォーター又は煮沸消毒した水道水を使用してください。レストランは衛生的な所を選んでください。

(3)日中運動すると大量に発汗します。水分補給はもちろんのこと、塩分補給も心掛けましょう。

(4)エアコンの効いたホテルに滞在する場合、蚊の活動性は低くなりますが、夜間は冷えすぎて体調を崩す原因になります。またエアコンを設置していないホテルでは、蚊帳がない所や、また蚊帳の中では、夜間暑くて眠れない所もあります。事前に滞在するホテルについての情報を入手して、快適な睡眠を確保してください。

7.予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

成人

入国時に必要なワクチン

黄熱:生後9ヶ月以上のすべての渡航者に接種が求められています。未接種の場合や黄熱予防接種証明書(通称イエローカード)を所持していないと、空港や国境の入国管理強制的に接種されます。ワクチン接種後、効果発現まで10日間かかると言われていますので、事前に接種してきてください。

髄膜炎:入国管理で接種証明書の提示が求められ、持参していない場合強制的に接種されることがあります。

推奨ワクチン

A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス、DPTブースター(ジフテリア、百日咳、破傷風の追加接種)

小児

 成人と同じ。

(2)現地の小児定期予防接種

  初回 2回目 3回目 4回目
BCG 出生時      
ポリオ 出生時      
DPT 6週 10週 14週 3回目から1年後
MMR(麻しん、風しん、おたふく風邪) 12ヶ月 18ヶ月    
B型肝炎 2ヶ月 4ヶ月 11ヶ月  
インフルエンザ菌b型(Hib) 3ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 18ヶ月
ロタウイルス 6週 10週 14週  
髄膜炎菌 2歳 5歳 8歳 11歳
肺炎球菌 10週 14週    
黄熱 9ヶ月      

(3)小児が現地の公立校に入学、入園する際には必要な予防接種、接種証明はありません。

8.病気になった場合(医療機関等)

 日本語が通じる医療機関はありません。英語を話す医師は希にはいますが、多くはフランス語しか通用しません。救急車の利用は期待できません。

◎ロメ

【病院】

私立病院では、診療費の前払いやデポジットを求められることがあります。参考例:一般外来 10,000 FCFA、専門外来 15,000 FCFA、休日/時間外 20,000 FCFA、入院 100,000 FCFA、超音波検査 50,000 FCFA、内視鏡検査 160,000 FCFA、CT検査 70,000 FCFA など。

(1) Clinique BIASA
所在地:30, Rue Pasterr BAEFTA, Lome
TEL:22211137 / 96 37 25 57、緊急窓口:96181796 / 96372552
概要:集中治療室をもつトーゴで最も先進的な病院ですが、すべての専門科をカバーしているわけではないので、受診前にご確認下さい。救急外来は24時間受け付けています。VISAカードが使用可能とされています。
ホームページ:http://www.cliniquebiasa.org/別ウィンドウで開く
(2) Polyclinique Internationale ST JOSEPH (PISJO) 
所在地:Boulevard du Haho-Tokin Hédzanawoé, BP:10039, Lome
TEL:22-26-72-32、22-26-94-42、FAX:22-26-76-55
概要:施設はやや老朽化していますが、トーゴでMRI(核磁気共鳴画像診断装置)をもつ唯一の病院です。多くの専門科を揃えますが、予約が必要です。救急外来は24時間受け付けています。VISAカードまたはMASTERカードでの支払いが可能とされています。
ホームページ:http://www.stjoclinic-togo.com別ウィンドウで開く
(3) Associasion medico-social francais du Togo
所在地:Av. du General de Daulle, En face d’Ibis, Quartier Administratif, Lome
TEL: 22-23-46-76/77
概要:フランス大使館に隣接する内科診療所。フランス人以外も受診可能です。初診時に登録料(1年間有効)が必要。ロメ市内の医療施設の情報に詳しい。診療時間は月から金:7:30-12 /14:30-17:30。
ホームページ:https://tg.ambafrance.org/Association-medico-sociale別ウィンドウで開く

【歯科】

(1) Cabinet Dentaire NIFA 
所在地:9, Rue ADABEWERE, Lome
TEL:22-21-32-46、90-04-51-70
概要:Clinique BIASAの前にあります。複数の歯科医が勤務しています。英語による診療もある程度可能です。患者の50%以上は外国人のようです。
診察時間は8:30~13:30、15:30~18:30、土曜日は午前中のみ、日曜休診です。予約制ですが、緊急対応や時間外診察も行っているようです。義歯等はフランスで作成しており、インプラント治療も可能です。
ホームページ:http://www.cliniquedentairenifa.com別ウィンドウで開く

9.詳細情報アクセス先(ホームページ等)

(1)在コートジボワール日本国大使館: https://www.ci.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(2)厚生労働省検疫所(地域別情報アフリカ西部): http://www.forth.go.jp/destinations/country/w_africa.html別ウィンドウで開く

(3)米国疾病予防管理センター(CDC Travelers’Health): http://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/togo.htm別ウィンドウで開く

10.現地語一口メモ

 公用語はフランス語です。「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療フランス語)を参照ください。

11.新型コロナウイルス関連情報

 新型コロナウイルス感染症の流行初期には、非常事態宣言の発令、国境の閉鎖・夜間外出の禁止・集会の禁止やマスク着用の義務化などの対応がなされました。現時点では規制はありませんが、個人防御措置は推奨されています。流行の状況により制限は変化するので、最新状況の把握に努めてください。

 感染予防のためのマスクや手指洗浄剤などは薬局や雑貨店などで入手可能です。流行の状況により在庫量が変化するので、ご注意ください。

 感染流行時には、検査や治療に対応する医療機関が指定され、項目8に示す病院などへの受診が制限されます。感染症相談電話窓口が設置されるので、感染が疑われる場合には、相談・指示を受けてください。

 症状や経過により検査の案内があった場合は、当局の指示に従い指定検査施設を受診してください。検査結果が陽性の場合は、病状の程度により、自宅などでの療養や指定された病院への入院が指示されます。陰性の場合でも、接触者として健康状態の報告や外出制限が指示されることがあります。その際には、当局の指示に従って、ご対応ください。

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