世界の医療事情

ケニア

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ケニア共和国(ナイロビ、モンバサ)(国際電話国番号:254)

2 公館の住所・電話番号

在ケニア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Mara Road, Upper Hill, Nairobi, Kenya (P. O. Box 60202-00200)
電話:020-2898 000
ホームページ:http://www.ke.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 ケニアは国のほぼ中央を赤道が横切っているにもかかわらず、首都ナイロビは標高1,700mの高地にあるため一年を通して気温は15度~25度と涼しく、湿度も低くて過ごしやすい気候です。一方、ケニア第二の都市モンバサはインド洋に面しており、一年中高温多湿です。また、ケニア第三の都市キスムはヴィクトリア湖に面した港湾都市で、マラリアの多発する地域にあります。ケニアは地方によって気候も衛生状態も大きく異なります。

 ナイロビの雨期は年2回あり、3~5月が大雨期、10~11月が小雨期で、この時期には下痢を起こす疾患が多く見られます。6~8月が冬で寒く、ナイロビでは暖房が必要なこともあります。ナイロビの外国人居住区と呼ばれる住宅地域では上水道・下水道とも整備されていますが、ダウンタウン周辺や東部のスラム街に足を踏み入れると、衛生状況はまことに劣悪です。ナイロビの私立病院の医療レベルはアフリカにあっては高レベルと言えますが、日本や欧米先進国のような洗練された対応は期待できません。24時間オープンの救急外来をもっていますが、夜間では1~2時間待たされる事もあります。診察・検査には前払いを要求されますので、受診時には現金の用意が必要です。CT撮影は邦貨にして2万円相当かかります。公立病院は廉価に受診できますが、設備も技量も不十分と言わざるを得ず、邦人が安心して治療を受けられる環境ではありません。

5 かかり易い病気・怪我

(1)交通事故

 ナイロビ市内は自動車であふれ、道路のインフラは未整備で、かつ運転マナーが悪いため、不慣れな旅行者や邦人が交通事故に遭遇する可能性は高いです。車には十分に気を付けましょう。特にマタトゥと呼ばれる小型乗り合いバスは運転が乱暴なので、近付かない方が得策です。地方ではオートバイを使ったタクシーがありますが、安全な乗り物ではありません。

(2)下痢

 ケニアに来たばかりの時期は下痢に悩まされることがあります。水道水をそのまま飲用すると下痢をすることがあります。首都でも地方でも生水は避けて、市販のミネラル水か浄水器で濾過した水道水の飲用を勧めます。また衛生状態の悪い地方では、腸チフスや赤痢が流行することがあります。外出後は手洗いを励行し、生ものの飲食を避けて加熱調理した食事を摂るようにしてください。

(3)マラリア

 ナイロビにはマラリアを媒介する蚊はいませんが、西部のヴィクトリア湖周辺やインド洋岸付近ではマラリアがはびこっています。ニャンザ州などマラリアの流行地域に長期間滞在する場合はマラリア予防薬の服用を勧めます。予防薬としてはマラロン毎日1錠かメファキン週1錠の服用がよいでしょう。これらの薬はナイロビ市内の薬局でマラロンは Malanil Tablets(GSK製)、メファキンはMephaquineMepha製)という名で売られており、処方箋無しで購入することが出来ます。マラリアはケニアではありふれた病気なので、地方の医師を受診した際には、高熱が出ただけで血液検査もせずにマラリアの診断を受けることが少なくありません。

(4)呼吸器疾患

 ナイロビ市内は細かい砂塵や自動車の排気ガスにより空気が汚染されています。年中風邪を引きやすい環境ですが、乾季が特にひどいです。インフルエンザも年間通じて患者が出ます。気管支喘息など慢性呼吸器疾患を持っている人は、自分にあった薬を持参した方が良いでしょう。

(5)注意すべき感染症と風土病

  • コレラ:ケニア西部(タンザニア・ウガンダ寄りの地域)でときおり流行する細菌感染症で、汚染された水・食物から経口感染します。
  • 腸チフス:サルモネラ菌が原因で食肉・鶏卵などから経口感染します。雨期に流行することがあります。
  • リフトバレー熱:蚊によって媒介されるウィルス感染症で、高熱・筋関節痛などの症状が出ます。2007年にケニアで流行がありました。
  • 狂犬病:ケニアの野犬は狂犬病を持っている可能性があります。野外での活動が多くなる仕事では予防ワクチンの接種を勧めます。
  • 黄熱:蚊により媒介されるウィルス感染症で、1992年に流行がありました。ケニアはWHOより黄熱汚染国に指定されております。黄熱ワクチン接種を勧めます。
  • デング熱:ネッタイシマカ(蚊)が媒介するウイルス感染症で、従来はケニアには無かった病気ですが、2011年11月にケニア北東州マンデラで大流行しました。

6 健康上心がける事

(1)昆虫に刺されない事

 蚊はマラリア・デング熱・黄熱・リフトバレー熱など多くの熱帯病感染の原因になります。またサシチョウバエという蝿の刺咬は皮膚リーシュマニア症を起こします。サファリ・パーク(自然公園)等で見られるツェツェバエはアフリカ睡眠病を媒介する事があります。森林・灌木地帯では昆虫に刺されないよう肌の露出に注意し、必要に応じて昆虫忌避剤を使用しましょう。

(2)精神衛生上の注意

 ナイロビは高地にあるため気圧が低く、疲労しやすく、階段昇降時に息切れすることがあります。また熟睡感が得られず不眠を訴える人も少なくありません。生活環境で日本のような「几帳面さ・計画性・気配り」が得られずにイライラすることもしばしば有ります。この場合は次のように考えて対処しましょう。

  • 一人で悩まず誰かに打ち明ける。
  • 問題は一度に一つずつ解決していく。
  • 適宜、余暇をとる。
  • ときには諦める。受け入れたくないものは、無理に受け入れなくて構わない。
  • 無理をせず、自分の体調と相談して行動する。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 ケニア入国に際して義務づけられた予防接種はありません。しかしケニアはWHOの黄熱汚染国に指定されており、黄熱ワクチン接種は必要です。イェロー・カードを持っていないとケニアから他の国に移動する事が困難になります。その他、A型肝炎・B型肝炎・破傷風の予防接種は受けておいた方が良いです。余裕があれば、腸チフス・髄膜炎菌(4価)のワクチンも受けた方がよいでしょう。

(2)ケニア国の小児の定期予防接種

  1回目 2回目 3回目 4回目
BCG 出生時      
ポリオ(注1) 出生時 6週 10週 14週
DPT-HepB-Hib(注2) 6週 10週 14週  
麻疹 9月      
ムンプス(おたふく風邪) 実施されていない      
風疹(ふうしん) 実施されていない      
肺炎球菌 6週 10週 14週  
ロタウイルス 6週 10週    
黄熱 9月      

(注1)ポリオ:経口生ワクチン

(注2)DPT-HepB-Hib:ジフテリア+百日咳+破傷風+B型肝炎+インフルエンザ菌b型

(3)小児がケニアの学校に入学する際に必要な予防接種・接種証明

 入学前にはワクチン接種歴の提出が要求される事が多いですが、何を必須とするかは学校によって違いがあります。一定した規則は無いようです。

8 病気になった場合(医療機関等)

ナイロビ

(1)ナイロビ病院、The Nairobi Hospital
所在地:Argwings Kodhek Rd, Nairobi
電話:020-2845 000(代表)
概要:官庁街近くにある大きな私立総合病院。救急外来は24時間全日オープン。医師やナースは英語を話せる人が多い。CT、MRIも備えている。
(2)アガ・カーン病院、The Aga Khan University Hospital
所在地:3rd Parkland Ave, Nairobi
電話:020-374 0000(代表)
概要:ナイロビ北部にあるパキスタン系私立総合病院。救急外来は24時間全日オープン。医師やナースは英語を話せる人が多い。CT、MRIも備えている。
(3)ガートルーズ小児病院、Gertrude’s Children’s Hospital
所在地:Muthaiga Rd, Nairobi
電話:020-720-6000(代表),0722-898 948
概要:ナイロビ北部にある私立小児総合病院。救急外来あり。CTは無い。

モンバサ

(1)The Aga Khan Hospital Mombasa
所在地:Vanga Rd, Kizingo, Mombasa
電話:041-222 7710,041-505 1000
概要:モンバサの私立総合病院。救急外来あり。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ケニア日本国大使館 ホームページ:http://www.ke.emb-japan.go.jp別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 医療機関では一般的に英語が通じます。「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照ください。


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