世界の医療事情

ケニア

令和2年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ケニア共和国(ナイロビ、モンバサ)(国際電話国番号:254)

2 公館の住所・電話番号

○ 在ケニア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Mara Road, Upper Hill, Nairobi, Kenya (P. O. Box 60202-00200)
電話:020-2898 000
ホームページ:https://www.ke.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 ケニアはアフリカ大陸の赤道直下に位置し、面積は日本の1.5倍、人口は約半分の4756万人で東アフリカにおいて最も大きな経済規模を有する国です。首都ナイロビは標高1,700mの高地にあるため、一年を通して気温は15度~25度と涼しく、湿度も低くて過ごしやすい気候です。そのためマラリアを媒介するハマダラカは生息しておらず、マラリアの心配はありません。3~5月が大雨期、11月が小雨期となりますが、この時期には下痢症が流行し、6~8月は冬で最も寒く、風邪症状を呈する方が多くみられます。ナイロビの外国人居住区域では上・下水道が整備されていますが、周辺に拡がるスラム街の衛生状況は劣悪であり、足の踏み入れは厳に慎むべきです。ナイロビの私立病院の医療レベルはアフリカにおいては高レベルと言えますが、日本や欧米先進国のような洗練された対応は期待できません。24時間オープンの救急外来を有していますが、3~4時間待たされる事も多く、診察・検査は前払い制ですので、受診時には現金の用意が必要です。邦貨にして、診察料が3000円前後、一般血液検査やCT撮影は10000円前後が相場となっています。公立病院は廉価に受診できますが、設備も技量も不十分と言わざるを得ず、邦人が安心して治療を受けられる環境ではありません。

 ケニア第二の都市モンバサはインド洋に面しており、年中高温多湿であることから、デング熱が季節を問わず流行しています。またケニア第三の都市であるキスムはビクトリア湖に面しており、マラリアが多発しております。このようにケニアでは地方によって気候、医療環境も大きく異なるため注意が必要です。

5 かかり易い病気・怪我

(1)交通事故:

ナイロビ市内はインフラ整備が不十分であることから交通渋滞が激しく、街は自動車であふれています。また運転マナーも非常に悪いため、不慣れな旅行者や在留邦人が交通事故に巻き込まれるケースが多く、注意が必要です。特にマタトゥと呼ばれる小型乗り合いバスは運転が荒く、当て逃げ等の被害も多く報告されていることから、近付かないようにしましょう。

(2)下痢症:

ケニアに来たばかりの時期は多くの方が下痢に悩まされます。ナイロビの水道水は水質の不良や不純物混入のため、飲用に適さないので市販のミネラルウォーターや性能の良い浄水器で濾過した水道水を飲用するよう心がけて下さい。また地方ではトイレや下水道が完備されておらず、コレラが蔓延しております。外出後は手洗いを励行し、生水はもちろんのこと生野菜など加熱調理されていないものにも十分注意して下さい。

(3)呼吸器疾患:

ナイロビ市内は細かい粉塵や排気ガスにより大気汚染が進んでおります。また朝夕は冷え込むことから風邪も引きやすく、インフルエンザも通年性に発生しております。これらは気管支喘息を悪化させる重要な因子となるため、持病をお持ちの方は自分にあった薬を持参した方が良いでしょう。

(4)注意すべき感染症と風土病:

  • マラリア:ナイロビにはマラリアを媒介するハマダラカは生息していませんが、ケニアで生活をする約70%の方がマラリアの危険にさらされています。特に西部のビクトリア湖周辺ではマラリアが蔓延しており、流行地域に長期滞在する場合はマラリア予防薬の服用を検討してください。予防薬としてはマラロン(Malanil Tablets: GSK製)毎日1錠、もしくはメファキン(Mephaquine: Mepha製)週1錠の服用がよいでしょう。いずれの薬も処方箋無しでナイロビ市内の薬局で購入できます。
  • デング熱:デングウイルスによって引き起こされる熱性疾患です。1週間程度で改善する予後の良い疾患ですが、まれに重症化しデング出血熱となることがあります。モンバサ地域で流行しており、ワクチンや特効薬がないため蚊に刺されないようにすることが重要です。
  • コレラ:コレラ菌によって引き起こされる下痢症であり、汚染された水・食物から経口感染します。ケニア全土で蔓延しており、特に下水道が完備されていない地方で多く報告されております。衛生状態の良くない地域に長期滞在予定の方はコレラワクチンの接種をお奨めします。コレラワクチンは本邦未承認薬ですが、いくつかのトラベルクリニックで接種可能です。
  • 狂犬病:ケニアの野犬は狂犬病を持っている可能性があります。発症している犬に傷口を舐められても感染が成立する場合があるので、野外での活動が多くなる方や小児にワクチン接種をお奨めします。

  • 黄熱:ケニアはWHOより黄熱汚染国に指定されておりますが、現在ケニア全土で黄熱が流行しているわけではありません。黄熱ワクチンは日本から観光目的でケニアを訪れる場合には必ずしも接種が必要なワクチンではありませんが、他国を経由する場合や出入国審査官の裁量で「イエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)」の提示を求められることがあります。健康に問題のない方は無用なトラブルを避けるためにも黄熱ワクチン接種をお奨めします。

6 健康上心がける事

(1)昆虫に刺されない事:蚊はマラリア・デング熱・黄熱・リフトバレー熱など多くの熱帯病を媒介します。またサシチョウバエ(皮膚リーシュマニア症)やツェツェバエ(アフリカ睡眠病)などケニアには様々な虫が生息しております。森林・灌木地帯では昆虫に刺されないよう肌の露出に注意し、必要に応じて蚊帳や昆虫忌避剤を使用しましょう。

(2)精神衛生上の注意:ナイロビは高地(1700m)に位置し、気圧が低いため疲労しやすく、階段の昇降時にも息切れすることがあります。また夜間に熟睡できず、体調不良を訴える方も少なくありません。生活環境では日本のような「几帳面さ・計画性・気配り」が得られずにイライラすることもしばしばあります。そのような場合には次のように考えて対処しましょう。

  • 一人で悩まず誰かに打ち明ける。
  • 問題は一度に一つずつ解決していく。
  • 適宜、余暇をとる。
  • ときには諦める。受け入れたくないものは、無理に受け入れなくて構わない。
  • 無理をせず、自分の体調と相談して行動する。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 ケニア入国に際して義務づけられた予防接種はありません。しかしケニアはWHOの黄熱汚染国に指定されており、経由地によっては「イエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)」の提示を出入国審査時に求められることがあります。特にイエローカードを持っていないとケニアから他国へ移動する事が困難になります。その他滞在が長くなる方は、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフス、髄膜炎菌(4価)ワクチンも接種しておいた方がよいでしょう。

(2)ケニアにおける小児の定期予防接種

  1回目 2回目 3回目 4回目
BCG 出生時      
ポリオ* 出生時 6週 10週 14週
DPT-HepB-Hib** 6週 10週 14週  
麻疹 9月      
ムンプス(おたふく風邪) 実施されていない      
風疹(ふうしん) 実施されていない      
肺炎球菌 6週 10週 14週  
ロタウイルス 6週 10週    
黄熱 9月      

ポリオ*:経口生ワクチン

DPT-HepB-Hib**:ジフテリア+百日咳+破傷風+B型肝炎+インフルエンザ菌b型。これに不活化ポリオワクチンを加えた6種混合も接種可能です。

(3)小児がケニアの学校に入学する際に必要な予防接種・接種証明

 入学前にはワクチン接種歴の提出が要求される事が多いですが、何を必須とするかは学校によって違いがあります。一定した規則は無いようです。

8 病気になった場合(医療機関等)

◎ナイロビ

(1)ナイロビ病院、The Nairobi Hospital
 所在地:Argwings Kodhek Rd, Nairobi
 電話:020-2845 000(代表)
 概要:官庁街近くにある大きな私立総合病院。24時間対応の救急外来、CT、MRIも備えている。英語対応。クレジットカード使用可。
(2)アガ・カーン病院、The Aga Khan University Hospital
 所在地:3rd Parkland Ave, Nairobi
 電話:020-374 0000
 概要:ナイロビ北部にあるパキスタン系私立総合病院。24時間対応の救急外来、CT、MRIも備えている。英語対応。クレジットカード使用可。
(3)フォレストジャパンメディカルセンター、Forest Japan Medical Centre
 所在地:2nd Floor, Fortis Suites, Hospital Road, Upper Hill, Nairobi
 電話:079-274-5820
 概要:日本人スタッフが常駐している医療検査クリニック。CT、内視鏡も備えている。必要に応じて病院を紹介してくれる。クレジットカード使用可。

○モンバサ

(1)モンバサ病院、Mombasa Hospital
 所在地:Off Mama Ngina Drive, next to Treasury Square.
 電話:041-231-2191,041-222-8710
 概要:モンバサエリア最大の私立総合病院。24時間対応の救急外来あり、CT、MRIも備えている。英語対応。クレジットカード使用可。

9 その他の情報入手先

(1)在ケニア日本国大使館 ホームページ https://www.ke.emb-japan.go.jp別ウィンドウで開く

10 一口メモ

 医療機関では一般的に英語が通じます。「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照ください。

11 新型コロナウイルス関連情報

 令和2年10月31日時点における国内感染者数は55,192名、死亡者は996名と発表されています。当国への入国に際しては出発96時間前以内のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による陰性証明書が必要です。ナイロビ市内のスーパーマーケット、薬局、薬店等において感染予防のためのマスク、プラスチック手袋、手指消毒用アルコール、石鹸等は入手可能です。感染が疑われる際には、上記8.の(1)ナイロビ病院、(2)アガ・カーン病院が受診可能であり、人工呼吸器の装着が必要である重症患者の治療も行っています。


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