世界の医療事情

平成30年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ギニア共和国(国際電話国番号224)

2 公館の住所・電話番号

在ギニア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Quartier Landréah Port, Corniche Nord, Commune de Dixinn, Conakry, République de Guinée. B.P.895
電話:(+224)628-68-38-38 ~ 41
ホームページ:https://www.gn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

(1)概要

 国土面積は,24万5,857平方キロメートルで日本の本州とほぼ同じ,人口は約1,270万人(2017年UNFPA)です。1958年にフランス植民地より独立しました。公用語はフランス語で,国民の9割がイスラム教徒です。

(2)気候

 「西アフリカの給水塔」と呼ばれる高温多湿地域で,平均最高気温は年間を通して30度~34度,年間雨量は4,000ミリを超えます。雨季(5月中旬~10月下旬)には激しく降り続く雨で至る所が冠水し,家の壁,靴や服にもカビが生えます。一方,乾季(11月上旬~5月上旬)には雨が全く降らず,強い風とともにサハラ砂漠からの砂が舞い(ハルマッタン),空が黄色にかすみます。

(3)地誌

 沿岸(海岸)ギニア・中部ギニア・高地ギニア・森林ギニアの4地方に分割されます。セネガル・ギニアビサウ・マリ・コートジボワール・リベリア・シエラレオネの6隣国に囲まれ,歴史・社会・政治・経済・文化等に様々な影響を受けてきました。

(4)衛生状態

 水道は都市の一部にはありますが,水質は劣悪です。市場や路地の屋台で販売されている飲食物は清潔とは言えず,下痢や嘔吐の原因となることが頻繁です。ホテルのレストランでも食中毒を起こすことがあります。公衆トイレはなく,レストランなどのトイレも衛生状態はあまりよくありません。

(5)医療水準と病院受診時のアドバイス

 日本人が受診可能な衛生度の私立クリニックは,コナクリ市内に数カ所確認できていますが,治療水準については日本と同じレベルは望めません。また高額の医療費がかかります。いずれもフランス語のみで英語が通じません。重症疾患への対応は期待できず,重症例は基本的にパリや日本等への緊急搬送が必要となります。以上より,海外旅行傷害保険の加入は必須です。できれば,3,000万以上の医療・緊急移送費をカバーする高額加入が望ましいでしょう。

 大使館には医務官1名が常駐しており,医療情報の提供が可能ですので,体調の悪いときにはご相談ください。

5 かかり易い病気・怪我

(1)マラリア

 乾季から雨季への移行期に頻発する傾向があり,毎年数百万例の発生が報告されます。WHOによれば,2015年にマラリアを発症した人の割合は,1,000人のうち367.8人となっています。重症化しやすい熱帯熱マラリアが大半で,当地における成人病気死因の約15%を占め第1位となっています。

 マラリア原虫に感染したハマダラカ(蚊)に刺された後,1~2週間の潜伏期間をへて突然の高熱で発症します。頭痛・寝汗・倦怠感や下痢が見られることもあります。

 コナクリ市内など,迅速な検査が可能でかつ信頼できる薬局から治療薬がすぐに入手できる環境であれば,必ずしも予防内服は必須ではありませんが,それ以外の地方都市では,検査が行えない,治療薬が不足している,偽薬が販売されているなどの問題から,正しく治療が行えない場合が予想されます。予防内服を検討されて下さい。

 治療が遅れると命に関わりますので,早期診断・早期治療が大切です。他の疾患の可能性もありますが,突然の高熱時はまず速やかに医療機関を受診してください。

(2)感染性胃腸炎(下痢・嘔吐・発熱)

 不衛生な食事・水を摂取することにより発生します。潜伏期間は様々です。年間を通して多い細菌性下痢・腸チフスの他,雨季にはコレラ・赤痢も発生します。コレラは米のとぎ汁のような水様下痢が特徴です。腸チフスは便秘と高熱が特徴です。渡航前に腸チフスワクチンの接種を推奨します。よく加熱調理されたものを食べ,生野菜は避けてください。いずれも脱水を避けるため十分に水分を摂取してください。吐き気で水分が摂取できない場合,頻回の下痢の場合,血便または発熱のある場合は,点滴や抗生剤服用が必要となりますので,医療機関を受診してください。

(3)狂犬病

 野犬が多く見られます。狂犬病に感染している可能性がありますので,むやみに犬や野生動物に触れないでください。乾季に多いコウモリも感染している可能性がありますので注意してください。万一,野犬等に噛まれた場合は,軽症であっても必ず直ちに医療機関を受診してください。渡航前のワクチン接種を推奨します。

(4)髄膜炎

 髄膜炎菌の飛沫感染で,乾季に多く発生します。症状は,発熱・嘔吐・頭痛です。

 早期に抗生剤投与が必要ですので,すぐ医療機関を受診してください。予防接種は効果がありますので,特に乾季にギニア滞在される場合には事前接種をお勧めします。

(5)麻疹,風疹,流行性耳下腺炎

 近年ギニアでは,麻疹の患者が多く見られます。これはギニアの予防接種体制が,まだ完全ではないことが原因と考えられています。日本で麻疹の予防接種を完全に済ませていない方は,接種をお勧めします。

 風疹,流行性耳下腺炎の患者数については,検査体制が不十分なため正確なデータはありませんが,予防接種が行われておらず感染の危険性があると予測されます。麻疹との混合ワクチンもありますので,接種を推奨します。

(6)A型肝炎

 急性の肝炎症状が特徴で,発熱,倦怠感,食思不振,嘔吐,黄疸などが現れます。A型肝炎ウイルスは糞便中に排泄されるので,上下水道の未整備なギニアでは,飲食物などを通して感染する可能性があります。渡航前のワクチン接種を推奨します。

(7)B型肝炎

 急性肝炎の症状が現れたり,慢性肝炎,肝硬変,肝細胞癌に移行する場合もあります。輸血,注射針の使い回し,性交渉,分娩時などに感染が起こります。不特定の人との性交渉は避け,コンドームを正しく使用して下さい。医療器具が汚染されている可能性もありますので,病気の際は安心できる医療機関を受診して下さい。渡航前のワクチン接種を推奨します。

(8)水痘

 2018年には,森林地方で100名超の水痘の集団感染が発生しました。水痘に罹ったことのない方は,渡航前のワクチン接種を推奨します。

(9)炭疽症

 2018年に,炭疽症に罹って死んだ肉牛を業者がそのまま販売し,それを食べた人たちが炭疽症を発症し,死亡者も出る事件がありました。同様の事案は,今後も起こる可能性がありますので,食材を購入する際は信頼できる業者から購入し,よく加熱調理して下さい。

(10)性感染症

 WHOのデータによれば,2015年時点の15~49歳におけるHIV陽性率は,一般人口で1.18%ですが,性産業従事者では約26%(2010年 Alternative Sud Guinee)と高く,その他の性感染症も多いため注意が必要です。

(11)交通事故

 車両の整備不良,無謀な運転,劣悪な道路事情のため交通事故は多く,死亡事故も多発しています。

(12)皮膚病

 特に雨期は湿度がたいへん高いため,様々な皮膚炎に罹りやすいです。洗濯物を屋外に干すと虫卵がついて皮膚病を起こすこともありますので,室内干しをおすすめします。クッションやソファー,ベッドのマットレスからダニに刺されることも多いので,かゆみ止めクリームがあると便利です。首都周辺の海・川は非常に不潔です。地方でも,寄生虫感染の危険性がありますので,川や池には入らないでください。

(13)エボラ出血熱

 ギニアにおいて,2014年3月に森林ギニア地方でエボラ出血熱が確認されてから,世界保健機関(WHO)が終息宣言を発表した2015年12月29日までの1回目の流行では,累計で3,804人が感染(確定例,可能性の高い例,疑い例を含む),うち2,536人が死亡しました。

 2016年3月17日に森林地方にて患者再発生の報告がなされました。この2回目の流行では,10名が感染(確定例,可能性の高い例),うち8名が死亡しました。2016年6月1日にWHOにより2回目の終息宣言が発表されました。

 エボラ出血熱は,致死率が極めて高い危険な感染症です。ウイルスを持っているコウモリや野生動物への接触,患者や遺体の血液,分泌物,排泄物などから感染します。潜伏期間(2~21日間)のあと発熱や頭痛などの症状に始まり,嘔吐,下痢,さらに悪化すると全身に出血傾向が出て死に至ります。

 感染しないことが何より大切です。野生動物の肉(bush meatやジビエと称されるもの)を食さない,患者には接触しない,患者の看病や病死者の葬儀への参加は見合わせるなど感染予防を心がけてください。

(14)ポリオ

 ポリオは,口から入り腸の中で増えることで感染し,再び便を介して他の人に感染します。あるいは,咳やくしゃみによる飛沫を介して感染します。感染者の1~2%に髄膜炎症状が見られ,0.1~2%が麻痺型ポリオとなります。ギニアでは,2015年にワクチン由来ポリオウイルスによる急性弛緩性麻痺症例が発生しました。生ポリオワクチンを接種した場合,ワクチンウイルスが体外へ排出されるため,便中に排泄されるワクチンウイルスから免疫のない人に感染することがあります。日本では,平成24年8月まで経口生ワクチンが使用されていましたが,現在は注射の不活性化ワクチンが使用されています。渡航する人は,追加の予防接種を検討してください。

6 健康上心がける事

(1)日差しが強いので帽子・日傘・日焼け止めクリーム等を使ってください。

(2)熱中症予防のため十分に水分を取ってください。

(3)水道水は飲用には適しません。飲み水はミネラル・ウオーター(®COYAH等)の利用が必須です。

(4)食中毒予防のため外食時は清潔なレストランでよく加熱調理されたものを食べてください。生野菜は避けてください。

(5)蚊帳や防虫剤を使用し夕刻以降は長袖・長ズボンを着用して蚊を防いでください。

(6)宿泊先は信頼の置ける清潔なホテルを選んでください。

(7)首都周辺の海・川は非常に不潔です。地方でも寄生虫感染の危険がありますので川へは入らないでください。高級ホテルのプールで泳いでも胃腸炎に感染することもありますのでご注意ください。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

入国のために必須:黄熱病

強く推奨:A型肝炎,B型肝炎,破傷風,腸チフス,髄膜炎菌,狂犬病,コレラ,ポリオ,麻疹,風疹,流行性耳下腺炎,ジフテリア,水痘

(2)現地の小児定期予防接種一覧

出生時 45日 10 週 14週 9ヶ月
BCG  
ポリオ (経口)  
ポリオ (不活性化)        
5種混合 (注)  
麻疹
流行性耳下腺炎 実施されていない  
風疹 実施されていない  
黄熱

(注)5種混合:DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)+B型肝炎+Hib

 上記の表は「国家プログラム(無料)」ですが,私立クリニックではロタウイルス,肺炎球菌,その他も自費で注文取り寄せ可能です。

(3)小児が現地校に入学・ 入園する際に必要な予防接種・ 接種証明書

 入学時と転入時にcarnet rouge (生後から5歳までに接種したすべての予防接種記録カード)の提出が求められます。

8 病気になった場合(医療機関等)

コナクリ

(1)Clinique Ambroise Paré (クリニク アンボロワーズ パレ)
所在地:Quartier Camayenne, Corniche Nord, Commune du Dixinn, Conakry
電話:660 00 00 22 / 救急車は664 01 01 01または664 02 02 02
概要:私立の総合病院で邦人の利用実績もあります。一般的疾患,軽度外傷の治療ができます。マラリアの対応も可能です。レントゲン,血液検査,心電図,超音波,CT,MRIなどの検査が可能です。救急対応も可能で,救急車要請ができます。基本的には仏語のみです。医師15名が在籍し,入院病床は50床です。当国で一番設備が整っている病院ですので,基本的には同院の受診をおすすめします。保険会社数社のキャッシュレスサービス,緊急移送にも対応しています。治療費用は日本で保険外診療を受けるときと同程度です(例:3日間入院して各種検査と点滴治療を受けた場合,約30~40万円)。 診療日・時間:緊急時は24時間対応可能
(2)Clinique Pasteur (クリニク パストゥール)
所在地:Quartier Manque Pas, Commune de Kaloum
電話:621 35 01 01
概要:市街地中心部にある私立クリニックで,一般的疾患の治療ができます。マラリアの対応も可能です。入院施設もあり一部手術も可能です。血液検査,レントゲン,胃カメラ,超音波検査機器があり,保険会社のキャッシュレスサービスにも対応しています。
診療日・時間:基本的に緊急時は24時間対応ですが,それ以外は科によって診療日が異なるため,電話で確認してください。
(3)Centre Medical Thermos (サントル メディカル テルモス)
所在地:Quartier Manque Pas, Commune de Kaloum
電話:664 63 15 59または621 08 91 24
概要: 市街地中心部にある私立クリニックで,6床の入院施設もあります。一般的疾患に対応しています。マラリアの対応も可能です。医師は1名です。血液検査,レントゲン,超音波検査が可能です。
診療日・時間:緊急時24時間対応。
(4)Centre Médico Social de l’Ambassade de France(サントル メディコ ソシャル ランバサドゥ ドゥ フランス)
所在地:Rue du Commerce, Commune de Karoum
電話:内科 656 44 87 45/ 歯科 631 40 64 12または622 66 26 82
概要:フランス大使館に併設された内科・歯科クリニックで,一般の患者も受診できます。救急対応は可能ですが,入院設備はありません。歯科は予約制で,最低限の処置のみ可能です。
診療日:月曜日から金曜日8時30分~13時,15時~18時,土曜日9時~12時 医薬品は院外処方されます。ただし,在庫量や保管方法に問題がある場合や,偽薬が販売されている場合もあります。下記の薬局は,比較的信用できますので,参考にされて下さい。
(5)Pharmacie Manquepas(ファーマシー マンケパ)
所在地:530 Avenyu de la Republique Commune de Karoum
電話:657 35 55 55または628 35 55 55
(6)Pharmacie Manize(ファーマシー マニーゼ)
所在地:En face du stade du 28 Septembre, Commune de Dixnn
電話:626 87 60 74

ンゼレコレ(ンゼレコレについては2014年7月時点において確認)

(1)Centre Médical l’Espérance de NZao(クリニク ザオ)
所在地:ンゼレコレ市からローラ(Lola)市に向かう道路の左側の大きな建物。ンゼレコレから8キロメートル。
電話:621 50 25 25(院長)/ 664 80 96 01(副院長)/ 662 19 36 40(医長)
概要:私立の総合病院(ミッション病院)でンゼレコレ在住外国人が利用しています。外科・内科・小児科・婦人科・歯科。小手術も可能です。レントゲン装置,血液検査機器,心電図検査機器あり。入院設備もあります。
診療日・時間:上記3名の医師のどなたかに連絡して診療時間を予約ください。
(2)Qlinique Médicale Huguette(ウゲッテ・クリニク)
所在地:Ossud, N’Zelekoreンゼレコレ市オスード(Ossud)地区,ICRC事務所近く
電話:622 22 04 00/ 664 30 17 78/ 622 20 26 75
概要:私立のクリニックでンゼレコレ在住外国人が利用しています。外科・内科・小児科・婦人科。
診療日・時間:外来は月~土曜日,救急はいつでも受付。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ギニア日本国大使館 ホームページ:
https://www.gn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(フランス語)を参照願います。


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