令和2年10月
1 国名・都市名
アンゴラ共和国(ルアンダ)(国際電話国番号244)
2 公館の住所・電話番号
在アンゴラ日本国大使館(毎週土日休館)
住所:Torres Loanda, 2F, Rua Gamal Abdel Nasser, Ingombota, Luanda
電話:923-167090
緊急携帯電話: 944-308277(平日は17:30-翌8:30、休館日は終日対応)
ウェブサイト:www.angola.emb-japan.go.jp
※土日以外の休館日は暦年ごとにウェブサイトにて案内していますので、ご覧ください。
3 医務官駐在公館
4 衛生・医療事情一般
(1)概要
正式名称はアンゴラ共和国、国土124万6,700平方キロメートルで日本の約3倍、コンゴ民主共和国を挟んで飛び地であるカビンダ州を含む18州から成り、人口3,286万6千人(2020年UNWPP) です。1975年11月11日にポルトガルから独立後、民族主義組織間での内戦が続きましたが2002年4月4日に終結しました。公用語はポルトガル語です。
(2)地誌/気候
アフリカ南部に位置し東はザンビア、西は大西洋、南はナミビア、北はコンゴ民主共和国に囲まれています。海岸沿いはサバンナ気候、内陸部は熱帯雨林気候、南部海岸沿いは砂漠気候と多様で、首都ルアンダ市はサバンナ気候に近く比較的過ごしやすいです。季節は雨期(11月~5月)と乾期(6月~10月)があり、雨期は時折激しい雨が降り、気温20~35度前後で高温多湿です。乾期は曇りがちで雨はほとんど降らず、気温18~27度前後で比較的涼しく上着が必要になることがあります。年間降水量は400ミリと日本の約1/4程度です。
(3)一般情報
生活必需品の多くを輸入に頼っているため、首都の物価は日本と比べかなり高額です。貧富の差が大きく、多くの人が不衛生な環境で生活しています。人口が地方から首都へ流入し公衆衛生の悪化に拍車をかけています。
(4)衛生状態
水道水は大腸菌などの細菌に汚染されている場合があり、飲水に適しません。レストランなどのトイレは必ずしも衛生的ではありません。生野菜は寄生虫がついていることがあります。食中毒発生は日常的で、日本では届け出が必要な細菌性赤痢、コレラ、腸チフス、出血性細菌性腸炎などが多く見られます。卵、魚、肉は生で食べないようにしてください。
(5)医療水準/医療制度
ア 公立病院は設備が少なく医療スタッフに英語が通じないため、満足な治療を受けることができません。大きな病院も医師が常在しておらず、長時間待つことがあります。ホームドクターや往診制度はありません。地方では十分な医療サービスを受けられず、伝統医療に頼る住民が多くいます。
イ 私立病院はMRI、CT、集中治療室を備えた施設や24時間救急対応の施設もありますが、医師(特に専門医)が常勤ではなく、英語が通じる場合も限られます。
ウ 救急搬送システムは確立しておらず、救急車が来ない事のほうが多いです。
エ 高度の医療を必要とする場合は緊急・重症の場合を除き、本邦での治療をお勧めします。南アフリカ共和国あるいはヨーロッパの医療先進国へ移送しての治療も可能ですが、移送費が非常に高額となる場合があります。万が一の事故や病気に備えて海外旅行保険へ加入することは必須であり、緊急移送費の保険金額が3,000万円以上のプランを含む保険を強くお勧めします。
(6)病院受診時のアドバイス
公立私立を問わずパスポート、クレジットカード(VISAが多い)、十分な現金(停電などでカードが使えないことがしばしばあるため、最低でも数十万円相当の現地通貨)の用意とポルトガル語通訳者の同伴もお勧めします。私立の場合は入院も含め前払いが原則ですのでご注意ください。診療費の支払いはご自身が所属する会社等が契約していない限り自費となります。事後処理をできるだけスムーズにするために、加入保険会社へ受診前に一報することや、緊急時には医療機関の他に支援を要請する関係各所へも連絡することをお勧めします。
5 かかり易い病気・怪我
当地はデータが正確ではないことがあります。国際機関による統計も政府発表を元に作成されており、数値はあくまで参考としてください。
(1)交通事故
ルアンダ市内で多発しています。道路や歩道、信号、照明の未整備、違法駐車、暴走・逆走などの無謀な運転、法令の不遵守、車両整備不良などが原因であり、日本では考えられないことが日常的に起きています。特に乗り合いバス(通称:カンドンゲイロ)およびオートバイの運転は非常に危険であり、運転・歩行中の十分な注意が必要です。また、万一の事故でけがを負った場合でも当地には重症の外傷を治療できる病院はなく、第三国への医療搬送を考慮した海外旅行保険プランに加入しておく必要があります。
(2)マラリア
マラリア原虫に感染した蚊(ハマダラカ)に刺されることで人へ感染します。刺されてから10〜15日後に急な発熱で発症し、頭痛や悪寒、下痢などを伴います。軽い感冒症状のようなことがありマラリアと気が付かないことがありますが、熱帯熱マラリアは24時間以内に治療をしなければ命に関わります。発熱したら必ず早急に医療機関を受診してください。
WHOによると2018年の世界推定患者数は2億2800万人、アフリカ地域だけで2億1300万人、アンゴラは世界の3%を占め世界で5番目に多く人口1000人あたりの患者数は228.9人、ほとんどが熱帯熱マラリアでした。2017年には1万3,967人が死亡しています。アンゴラ全土に感染の危険があり、北部は高流行地域で南部は季節性流行地域の傾向があります。11月~5月にかけての雨期は高温多湿でハマダラカが大量に発生するため、特に注意してください。
予防内服は当地滞在場所や滞在期間によりますが、薬剤アレルギーや副作用など伴うことがあり、長期の内服は避けることをお勧めします。長い滞在になる場合は、生活当初に内服し環境に慣れた段階で中止することについて渡航前にトラベルクリニック等の医師へご相談ください。
(3)デング熱
雌蚊(ネッタイシマカまれにヒトスジシマカ)が媒介するウイルス感染症です。蚊が多発する熱帯・亜熱帯地域のアジア都市部での蔓延が特徴ですが、ヨーロッパ各国でも2010年より旅行者からの感染がみられています。蚊に刺されて4〜10日後、急な発熱(約40度)に頭痛、筋痛・関節痛、嘔吐、皮疹などで発症します。症状は2〜7日間持続し、デング熱と気付かないほど軽症例がある一方で、重症(デング出血熱、デングショック症候群)で致死的になることがあります。重症な場合、適切に早期処置を受けなければ非常に危険です。特異的治療や予防接種はなく、防蚊対策や発熱時の早急な医療機関受診が肝要です。
(4)感染性胃腸炎
サルモネラ、ビブリオ、ブドウ球菌、大腸菌、腸チフス、コレラ、赤痢アメーバ、A型肝炎ウイルス、出血性細菌性腸炎など原因となる病原菌は多く様々です。飲食後数時間〜1日で発症することが多く、症状は下痢、嘔吐、腹痛、発熱、血便などで、下痢により多数が死亡しています(腸チフスは便秘になることもあります)。嘔吐、下痢で脱水症になるため十分な水分補給が大切です。血便、脱水などの症状がひどい時は点滴や抗生物質が治療に不可欠な場合があり、悪化する前に早めに医療機関を受診してください。生の食物は避け、生水や水道水は飲用しないようにしましょう。
(5)チクングニア熱
チクングニアウイルスを持ったネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等の蚊から感染し、刺されて2~12日(通常4~8日)後に突然の発熱と関節痛で発症します。他に関節の腫れ、筋肉痛、発疹、頭痛、嘔吐、だるさ等を伴います。致命的なことは稀で極軽症のこともありますが、しばしば関節痛が激しく症状が数週〜数年も続く場合があります。1952年に初めてタンザニアで報告されてから主にアフリカ、アジアで流行している疾患ですが、2000年代に入りヨーロッパやアメリカ大陸での発生も問題になっています。
(6)ポリオ(急性灰白髄炎)
5歳未満の子供に多く小児麻痺と呼ばれますが、成人も感染します。感染者糞便中のポリオウィルスが口から入り腸内で増殖して感染します。ウイルスに汚染された水や食物からも感染します。神経を冒すウイルスで初期症状は発熱、だるさ、頭痛、嘔吐、首が硬くなる等です。治療法はなく、0.5%が回復不能な麻痺となり、数時間で全身麻痺に至る例や麻痺の5〜10%には呼吸麻痺で死亡する例もあります。
アフリカの野生型由来ポリオは経口生ワクチン予防接種キャンペーン等により2020年8月25日に根絶が宣言されましたが、経口生ワクチン由来のポリオがアンゴラを含め問題となっています。日本は2012年9月より経口生ワクチンから注射不活化ワクチンへ変更されました。渡航前の追加予防接種を推奨します。
(7)麻疹(はしか)
はじめに38度以上の発熱とともに鼻水や咳、目の充血、目やに、頭痛といった風邪症状が認められます。一旦解熱するかのように見えてから、全身性の発疹が認められ、高熱が4~5日続きます。感染して回復するまでの1か月間程ほど体の抵抗力が低下し、この間に細菌や結核感染などの合併症によって亡くなる方がいます。
(8)狂犬病
毎年世界150か国で推定59,000人が死亡、95%はアジア、アフリカの貧困地域で発生しています。狂犬病ウイルスを持った動物から咬まれた傷や引っ掻き傷から感染し、発症するとほぼ100%死に至ります。原因の99%は犬ですが、猫や猿、コウモリ等のこともあります。死亡例の半数は15歳未満であり、小さな子供を動物に近づけないよう注意してください。ルアンダ市内は野犬が多く、咬まれたりしたら小さな傷でも直ちに流水や石けんで十分洗い、速やかに医療機関を受診してください。予防接種済みの方でも、発症予防の追加ワクチン投与等を早く受ける必要があります。
(9)破傷風
土壌に広く常在している破傷風菌(Clostridium tetani) が産生する神経毒素(破傷風毒素)が痙攣をひき起こす感染症です。菌が傷口から体内へ入ることで感染し、感染部位で増殖して破傷風毒素を産生します。特徴的な症状である痙攣は、感染後3〜21日間の潜伏期を経て局所(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まり、全身へ広がります(身体が後ろに反る様な痙攣や呼吸困難)。重症患者では呼吸筋が麻痺して息ができなくなり危険です。
(10)エイズHIV/AIDS
WHOによると2019年の世界の新規罹患者は170万人で非感染者1,000人あたり0.22人の割合でした。アンゴラでは同年の新規罹患者数は2万6,000人でしたが、罹患の割合が1,000人あたり1.11人と世界の約5倍であり、その他の性感染症も含め注意が必要です。
(11)住血吸虫症
川や湖といった淡水の水場はマンソン住血吸虫、ビルハルツ住血吸虫に汚染され、足をつけたりすると皮膚から侵入して感染します。感染した部位に数時間〜1週間ほど発疹が出たりします。その後、発熱や頭痛、筋肉痛、呼吸器症状などの症状が現れます。ビルハルツ住血吸虫は尿管と膀胱に感染して血尿や乏尿、慢性感染では膀胱がんの原因になります。マンソン住血吸虫は肝臓や腸に感染し下痢や便秘、血便等の症状が出ます。日本では検査が出来ず、南アフリカやヨーロッパで行えるようです。症状など疑わしい場合は帰国前に予め検査を受ける等をご検討ください。
(12)アフリカ・トリパノソーマ症(アフリカ睡眠病)
ツェツェバエが媒介する原虫感染で、ハエが人(や動物)を刺咬して伝播します。サブサハラ・アフリカ地域でのみ発生しておりWHOの活動により1997年をピークに件数は減少、アンゴラも1997年が最多で8,275人でしたが2019年は30人でした。人に感染した原虫は数日〜数か月かけて血液やリンパ液中で増殖し体内を巡り、皮膚の瘤形成、頭痛、発熱、衰弱、関節痛、リンパ節が腫れる等の症状が出ます(血液リンパ期)。やがて原虫が脳など中枢神経に侵入すると強い眠気、歩行困難などの運動失調、異常行動などの精神症状、痙攣、昏睡が起こり(中枢神経期)致死的です。症状の出始めや進行時期は感染後数週〜数年と様々で、中枢神経期へ進むと治療が困難になります。予防は疾患流行地の回避、(効果は限られますが)防虫剤使用、背景に溶け込む中間色で手首足首を覆う厚手の衣服着用です(薄い衣類は貫通して刺されます)。ツェツェバエに刺され症状が出たら早めに病院を受診してください。
(13)オンコセルカ症(河川盲目症)
ブユが媒介する寄生虫感染症です。急流河川周囲に生息するブユに刺され、幼虫が皮膚から感染します。幼虫は体内で成虫となり繁殖しながら巡回し、皮膚の下に瘤(オンコセルカコーマ)ができたりリンパ節が腫れたりします。寄生虫が死んだ部位では強い炎症が起き、激しい痒みや湿疹が出たりします。眼が障害されると視力が低下し、失明することがあります。治療は駆虫薬投与ですが至適治療期間が不明で数年以上になる場合があります。オンコセルカ症の99%はアンゴラを含むサブサハラ・アフリカ地域の31か国で発生しており、当地は約570万人が駆虫薬治療を要すると推定されています。感染予防薬やワクチンはなく、ブユの蔓延地域を避ける、出張などで訪れる際は手足首まで覆う服装や防虫剤の使用等で刺されないように気をつけましょう。
(14)結核
当地で未だに主要な死亡原因の一つです。WHO統計によると2019年は世界で年間996万人(130人/人口10万人あたり)が新たに患者として登録され、うちアンゴラは11万3千人(351人/人口10万あたり)でした。(日本は新規患者1万7千人で13人/人口10万人あたり)。当地では治療を十分に受けられない人が多いと思われ、人混みでは感染の危険性が高まります。治療は最低でも6か月間を要します。年に一度は胸部X線を含む健康診断を受けるようにし、微熱や咳が3週間以上続いたり、得に原因がなく食欲や体重が減ったりする場合は早めに医療機関を受診しましょう。
(15)ハンセン病(ライ病)
らい菌による感染症で、感染力は非常に弱いですが未治療患者への頻繁な接触により感染します。平均5年の潜伏期の後に発症し皮膚や末梢神経、眼などを冒します。2019年の世界160か国における新規患者数は約20万2,162人、アンゴラは721人でしたが世界第17位で発症者の報告が地方で散見されています。
(16)蝿蛆症(ハエウジ症)
外に干した洗濯物に蝿が卵を産み付け、着用中に体温で卵がふ化してウジとなり、皮膚へ浸入して赤く腫れたおできを形成します。洗濯物は屋内で干すかアイロンをしっかりかけるようにしましょう。
6 健康上心がける事
(1)生の食物は摂取せず、十分に加熱調理してください。生野菜や果物は十分に浄水で洗うか火をしっかり通してください。
(2)生水、水道水は決して飲用せず、重金属や細菌を除去できる浄水器や市販ミネラルウォーターを利用してください。
(3)日差しが強いので、サングラス、帽子、薄手長袖シャツ、長ズボン、日焼け止めクリーム等を利用しましょう。
(4)虫が媒介する病気にかからないよう気をつけましょう。虫除けスプレー、ローション、蚊取り線香、長袖シャツ、長ズボン等による防虫対策を十分に行ってください。
(5)川や湖、茂みは不衛生で傷口から細菌に感染したり、寄生虫に感染したりすることがあります。むやみに立ち入らないでください。
(6)慣れない環境での生活は体調が崩れやすくなります。必ず適度に休みを取るようにし、ストレスや身体の疲れをため込まないようにしましょう。
7 予防接種
現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)
(薬品在庫などの問題がありますので、受診前に医療機関へお問い合わせください)
(ア)赴任者に必要な予防接種
査証申請および入国に必須:黄熱
生後9か月以上の全ての渡航者は入国審査の際に黄熱の予防接種証明(イエローカード)提示が必要です。2016年7月11日以降、有効期間が「予防接種10日後より生涯」となりました(既に有効期間が経過したイエローカードも含む)。空港検疫の職員に周知されていないことがあり、WHOによる通知文(下記リンク)を持参する等の対応をご検討ください。
https://www.who.int/publications/m/item/lifetime-validity-of-one-dose-of-yellow-fever-vaccine
強く推奨:本邦の予防接種法で規定されているワクチンに加え、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、腸チフス、ポリオ、髄膜炎菌、コレラ、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ桿菌b型(小児の予防接種として当国で推奨されている)
(イ)現地の小児定期予防接種一覧(2020年10月現在 私立病院で接種を受ける場合)
ワクチン | |
---|---|
出生時 | |
BCG | |
B型肝炎 | |
ポリオ(経口) | |
2ヶ月 | |
5種混合(DPT, Hib, B型肝炎) | |
ポリオ(経口) | |
肺炎球菌(13価結合型) | |
ロタウイルス | |
3ヶ月 | |
髄膜炎菌 | |
4ヶ月 | |
5種混合(DPT, Hib, B型肝炎) | |
ポリオ(経口) | |
ポリオ(注射) | |
肺炎球菌(13価結合型) | |
ロタウイルス | |
5ヶ月 | |
髄膜炎菌 | |
6ヶ月 | |
5種混合(DPT, Hib, B型肝炎) | |
ポリオ(経口) | |
肺炎球(13価結合型) | |
ビタミンA(経口) | |
9ヶ月 | |
黄熱 | |
ビタミンA(経口) | |
麻疹 / 風疹 | |
12ヶ月 | |
A型肝炎 | |
水痘 | |
15ヶ月 | |
髄膜炎菌(4価) | |
3種混合ワクチン (麻疹、流行性耳下腺炎、風疹) |
|
18ヶ月 | |
ポリオ(経口) | |
4種混合(DTP, Hib) | |
ビタミンA | |
肺炎球菌 | |
1歳 | |
腸チフス | |
髄膜炎菌(2価) | |
4〜6歳 | |
ポリオ(経口) | |
4種混合(DTP, Hib) |
(ウ)学校により接種済み予防接種一覧の提出が必要な場合があり、英語表記の予防接種証明書持参をお勧めします。
8 病気になった場合(医療機関等)
◎Luanda市(ルアンダ)
- (1) Clínica Girassol(クリニカ・ジラソール)
- 所在地:Rua Comandante Gika no225, Maianga, Luanda, Angola
- 電話:222-698000/ 222-698416 [事前のお問い合わせ(契約等)226-698-386/ 388/ 414]
- Fax: 226-698218
- 概要:ルアンダ空港近くにある2008年9月開院の Sonangol石油会社系列の総合病院で、施設は新しく清潔です。在留外国人が多く利用し、内科、外科、消化器外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、産婦人科、小児科、腫瘍診断科救急外来、集中治療室、透析センターなど多くの診療科があり、医療スタッフも潤沢です。ベッド数は263床、検査・診療機器は心電図、超音波、レントゲン撮影、CT、MRI、血液検査、心臓血管造影なども備えています。基本的に契約、前支払いを必要とします。
- E-mail:gabinete.marketing@clinicagirassol.co.ao
- 外来診療時間:月~金曜日7:00〜19:00。救急は24時間対応、英語対応可能。
- 支払い:現金(現地通貨)/ Angolan debit card
- (2) Luanda Medical Center(ルアンダ・メディカルセンター)
- 所在地:Rua Amilcar Cabral, N゜3 Ingombota Luanda Angola
- 電話番号:923-167730/ 222-708000
- 概要:2015年3月開設の外来専門クリニックです。19あまりの専門科を有し、家庭医も含めて50余名の医師が在籍します。医師はブラジル、ポルトガルなど複数の国と地域からですが、英語での診察が可能です。医療機器はMRI、CT、超音波診断装置や外来手術を行える手術室もあり、外国人に評判がいいです。駐車場がないので来院時に注意してください。2018年7月にタラトナ市のショッピングセンター( Shopping Avenida Talatona) にもクリニックが開設され、診療科目は一般内科、小児科、産婦人科、眼科があります。
- ホームページ:www.lmc.co.ao
- 外来診療時間:月曜〜金曜 午前8時から午後10時、土曜 午前8時から午後6時
- 支払い:現金(現地通貨)/ Visa card
- (3) International SOS Clinic(インターナショナル・エスオーエス・クリニック)
- IlhaとTalatonaに2か所あります。
- 所在地:①Ilha Medical Centre : Avenida Mortala Mohamed,Ilha de Luanda , Luanda Angola サクラダ・エスペランサ病院の敷地内
- ② Talatona Medical Centre: Rua S10 Sector de Talatona Zona CC-B2(Behind Belas Shopping Center), Luanda
- 電話: ①927-034220 ②227-200312
- 概要:医療サービスは緊急移送会社インターナショナルSOSと契約している個人または団体のみへ提供されます。外来診療および一次救急レベルの対応が可能です。救急は24時間対応(休日夜間含む)です。重症や精査・専門診療が必要な場合はサクラダ・エスペランサ病院への紹介となり、診察までの時間が短く医師が英語対応可能、契約している諸外国企業が多い診療所です。②のタラトナ診療所は2015年2月開業の新しい施設です。家庭医が2名、職場の健康診断医が1名います。施設内にレントゲン、血液生化学検査、薬局があります。
- 外来診療時間:①月曜日~金曜日 8:00-17:30 土曜日 9:00-12:00
- ②月曜日~金曜日 9:00-17:30 土曜日 9:00-12:00
- 支払い: 個人契約の場合 都度払い( Angolan Debit card、口座振替、現金[現地通貨])
- 団体契約の場合 月末に送付される診療請求金額を口座振替払い
- ホームページ:www.internationalsos.com/locations/africa/angola
- e-mail: ①isos.ilha@ms.internationalsos.com
- ②luanda.clinic.reception@internationalsos.com
- (4) Clínica Sagrada Esperança Ilha de Luanda(クリニカ・サグラダ・エスペランサ・イーリャ・デ・ルアンダ)
- 所在地:Avenida Mortala Mohamed,Ilha de Luanda , Luanda Angola
- 電話 : 222-309360または884/ 222-006873/ 222-309323 (救急は222-309204または740/ 222-006878)
- 概要:当地のダイヤモンド会社などの寄付もある私立病院です。診察は完全予約制で、各専門医が不在のことや診察までに2〜5時間待つことがありますが、他病院に比べ状況は良好です。ほぼ全ての診療科CTとMRIがあり、諸外国保険会社による国外移送時の中継的病院として機能しています。当地居住外国人が受診・治療に訪れることのできる体制を整えています。多くの医師がアンゴラ人でポルトガル語かスペイン語を話し、英語は通じないことが多く、受診時の通訳者同行をお勧めします。Ilha(イーリャ)と呼ばれる半島にあり駐車場はいつも満車で、外来は狭く非常に混雑しています。事前契約がなければ、現金での前払いとなります。非常に高額で、入院の場合20万円相当の前払いが必要です。1週間程度の入院あたり100万円相当以上を要します。
- 診察は完全予約制
- 支払い: 現金(現地通貨)/ Visa/ Angolan debit card
- e-mail:geral@cse.co.ao
- ホームページ: clinicasagradaesperanca.co.ao
- (5) Climed Clinic(クリメド・クリニック)
- 所在地:Alameda do Principe Real 65, Miramar, Luanda, Angola
- 電話番号:222-443514 / 222-443586, 救急 923-602425
- 概要:ブラジル人の院長Dr. Calenoario do Carmo Filhoが25年前に石油会社のプロジェクトのためアンゴラに赴任し、プロジェクト終了後この医院を開業しました。入院施設はなく、外来診療および後方支援病院への転院までの待機ベッドがあるのみです。ほとんどが非常勤医師で、家庭医、小児科医、産婦人科医、内科医が毎日外来を行っています。通常の外来診療および一次救急に関しては、邦人が受診できるレベルの診療所です。Generalの医師が1名常駐しており24時間診察可能、マラリアが疑われる場合などには迅速な検査が施行でき、サクラダ・エスペランサ病院等への中継的な診療所です。入院が必要になった場合、救急車で入院設備のある総合病院に搬送されますが実費支払いが発生します。
- 外来診療時間:休みなし24時間対応(但し、診療は予約制)
- 支払い: 現金(現地通貨)/ Angolan debit card
- (6) Hospital Josina Machel(オスピタル・ジョジナ・マシェル)
- 所在地:Rua 1゜Congresso do MPLA, Luanda, Angola
- 電話番号:923-369700
- 概要:1860年代に建設された修道院を1977年より病院として利用しています。1996年から日本が無償資金協力により病院建物を改修して機材供与、人材育成等を行っており、入口のポールには日章旗が掲げられています。国内で由緒ある国立病院であり、救急患者の最終受け入れ病院としての機能を持っています。利用者はアンゴラ人が中心で在留外国人が利用することはあまりありません。
- 外来診療時間:月曜日~金曜日8:30-16:00
- 支払い:公立病院の基準(極めて安い)
- (7) Clínica Multiperfil(クリニカ・ムルティペルフィル)
- 所在地:Rua do Futungo de Belas, Luanda, Angola
- 電話番号:933-644549
- 概要:医学的知識を広め、技術を国全体に供給するためのトレーニングセンターとしてドス・サントス大統領(当時)により2002年11月に設立されました。比較的新しい医療機器を備え、CTやMRIもそれぞれ1台ずつ稼働しています。救急部は365日24時間受診可能です。キューバ人の医師が多く働いており、一部の医師は英語対応可能です。現金あるいはアンゴラ国内で発行された銀行カード等で支払いができますが、日本で使用しているクレジットカードの利用は不可能です。
- 外来診療時間:月曜日~金曜日7:00-18:00
- 支払い:現金(現地通貨)/ Angolan debit card
- (8) Hospital Psiquiatrico de Luanda(オスピタル・プシキアトリコ・デ・ルアンダ)
- 所在地:Avenida Revolução de Outubro, Luanda
- 電話番号:222-325870 (現在使用不可)
- 概要:1930年にルアンダ市に設立され、当初はジョジナ・マシェル病院の精神科病棟でした。1976年にアンゴラがポルトガルより独立した際、ルアンダ精神病院として分かれました。病床数は150床ですが、入院患者はその約3倍おり、一つのベッドに複数の患者が寝ている現状です。コミュニケーションはポルトガル語のみで、医師によっては簡単な英語や仏語ができる方もいます。設備は古く、清潔とは言いがたく、邦人が入院することを勧められる環境ではありません。緊急時は365日24時間対応で治療費は基本的に無料です。
- 外来診療時間:月曜日~金曜日 8:00-15:00
- (9) Pharmedic Clínica Dentária(ファーメディック・クリニカ・デンタリア)
- 所在地:Rua Guilherme Pereia Inglês, 46’Largo das Ingombotas Luanda
- 電話番号:934-017759(24時間対応)
- 概要:2007年開設の歯科医院です。勤務する歯科医は10名で5名がブラジル人、5名がアンゴラ人です。設備は清潔でレントゲン撮影可能です。歯内治療、歯科矯正、インプラントと義歯作製等、基本的な歯科治療は全ての分野に対応しています。ブラジル人歯科医師の中には、日系ブラジル人のDr. Ricardo Goshimaがおられ、片言ですが日本語を話せます。多くの外国人も受診しています。初回診察後に全ての治療費が提示され、患者が了承した後に治療が開始され、治療終了までに支払うことになります。
- 受付時間:月曜日-金曜日 8:00-19:00
- 土曜日 8:00-13:00
- (10) Dentaluanda(デンタルアンダ)
- 住所:Rua Garcia Neto,7 Bairro de Miramar Luanda
- 電話番号:936-696244/ 931-016973
- 概要: 2015年9月に開業した歯科診療所です。区画された診察室が6室あります。歯科医はポルトガル、ブラジル、キューバ、アンゴラ人の医師が5名。一般歯科、小児歯科、矯正歯科、インプラント、歯内治療、口腔外科に対応します。
- 受付時間:月曜―金曜 8:00―19:00 土曜 8:00―13:00
- (11) Miradente-Bairro Crzeiro(ミラデンテ歯科診療所)
- 住所:Rua de Timon N°4-6,1°、Luanda
- 電話番号:923-933363/ 913-224705
- 受付時間:月曜〜金曜 午前8:30〜2:30 午後2:30〜6:30、土曜 8:30〜12:30
- (12) Malo Clinic(マロ クリニック)
- 住所:Francisco Sotto Mayor N°130/131 Bairro Azul Luanda
- 電話番号:916-894955/ 934-880677
- 概要:インプラント、矯正歯科、根管治療もおこないます。
- 受付時間:月曜〜金曜 8時から18時、土曜 8時から13時
- Hospital Geral de Malanje(オスピタル・ジェラル・デ・マランジェ)
- 住所:Rua Comandaute Daugereux, Malanje, Malanje
- 電話番号:固定電話無し
- 概要:1947年、Malanje州、Cuanza Norte州、Lunda Norte州、Lunda Sul州の4つの州による州立病院としてMalanje州の州都Malanje市に開設されました。内戦中に建物が破壊され窓も無い状態となっていましたが、中国によるリハビリにより2008年に運営再開されています。必要最小限の設備は兼ね備えておりますが、邦人が受診する場合は緊急性のある処置にとどめていただければと思います。基本的に治療費は無料です。
- Hospital Provincial do Bié(オスピタル・プロビンシアル・ド・ビエ)
- 電話番号:固定電話無し
- 概要:1940年代にビエ州立病院として設立されました。周辺の保健センター等からの患者を受け入れており、ビエ州では中心的な病院ですが、邦人が受診する場合は緊急性のある処置にとどめていただければと思います。基本的に治療費は無料です。
- Hospital Geral de Menongue(オスピタル・ジェラル・デ・メノンゲ)
- 電話番号:固定電話無し
- 概要:1960年代にCuando Cubango州立病院として設立されました。Cuando Cubango州の中心病院として、周辺の保健センター等からの患者を受け入れています。邦人が受診する場合は緊急性のある処置にとどめていただければと思います。基本的に治療費は無料です。
○Malanje市(マランジェ)
○Kuito市(クイト)
○Menongue市(メノンゲ)
9 その他の詳細情報入手先
(1)米国疾病管理センター(CDC)旅行者向けホームページ:アンゴラ(英語): http://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/angola.aspx
(2)世界保健機関(WHO)(英語): https://www.who.int/
(3)世界保健機関(WHO)各国ホームページ:アンゴラ(英語): http://www.who.int/countries/ago/en/
10 一口メモ
「世界の医療事情」の冒頭ページに「もしもの時のポルトガル語 (PDF)」を掲載しておりますので、受診の際にお役立てください。
11 新型コロナウイルス関連情報
(1)アンゴラは2020年3月18日に感染予防措置強化に関する大統領令が発せられ警戒態勢に入り、同年3月21日に国内初の感染者が発生しました。同年3月27日に緊急事態宣言が発表され、その後の同年5月26日から災害事態宣言となっていますが、大統領令による災害事態宣言下での一時的例外措置の更新がなされながら適用期間の再延長を繰り返しています。
(2)緊急事態宣言、及びその災害事態宣言下で国際線・国内線ともに運航が休止となっていましたが、国際線および国内線ともに2020年9月から段階的に運航が再開される中で条件付きでの移動制限が適用されています。アンゴラ出入国や国内移動に際しての条件については、渡航前に最新の情報を当館ホームページなどでご確認ください。
(3)日本のように日用品が常時不自由なく手に入る国ではありませんが、ハンドソープはスーパーで比較的購入できます。アルコールジェルは品切れや、販売していても質が悪いことがよくあります。不織布マスクを販売している店舗はほぼなく、あっても50枚入りが1箱5,000円相当です。布マスクは路上販売がしばしば見られます。必要な感染予防品は渡航時に持参されることをお勧めします。
(4)感染が疑われる場合、まずはプライベートクリニックもしくは私立病院を受診します。Clínica Girassol(クリニカ・ジラソール)、Luanda Medical Center(ルアンダ・メディカルセンター)は新型コロナウイルス検査も行っています。医療機関で新型コロナウイルスと診断を受け、入院治療が不要な状態(無症候や軽症)と判断された場合は自宅療養が指示されます。入院が必要(中等症〜重症)と判断された場合には保健省指定の医療機関へ移送され入院治療となります。