スリランカ民主社会主義共和国
日・スリランカ首脳会談及びワーキング・ランチ



9月29日、午前11時15分から約40分間、石破茂内閣総理大臣は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)賓客として訪日中のアヌラ・クマーラ・ディサナヤケ・スリランカ民主社会主義共和国大統領(H.E. Anura Kumara Disanayaka, President of the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)と首脳会談を行いました。また、会談後、両首脳は、署名・文書交換式の立会い及び共同記者発表を行い、共同声明を発出しました。
その後、共同記者発表に続いて、午後0時10分から約70分間、ワーキング・ランチを行ったところ、首脳会談及びワーキング・ランチの概要は以下のとおりです。
1 冒頭
石破総理大臣から、長年にわたる友好関係を育んできた両国はアジアにおける民主主義国として基本的価値を共有し、お互いに学び、共に成長していく関係にある旨述べるとともに、この伝統的な友好関係に基づき、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた連携を深めるとともに、両国の「包括的パートナーシップ」を一層強化していきたい旨述べました。また、石破総理から、1951年のサンフランシスコ講和会議においてジャヤワルダナ元大統領が「憎悪は憎悪によって止むことはなく、愛によって止む」という仏陀の言葉を引用しつつ日本を国際社会の一員として受け入れるよう訴える演説を行ったことに触れ、こうしたスリランカの対応が今日の日本の繁栄の基礎を作った旨述べました。
これに対し、ディサナヤケ大統領は、日本側の歓迎に謝意を表明するとともに、御指摘のサンフランシスコ講和会議における発言にスリランカ側としても誇りを持っていると述べた上で、本日の会談を機に、幅広い分野での両国関係を更に強化していきたい旨述べました。
2 二国間関係
- 石破総理大臣から、スリランカの平和と安定は、インド太平洋地域の平和と繁栄に不可欠であり、安全保障面での協力を強化していくことが重要である旨述べました。また、スリランカに対する初のOSA(政府安全保障能力強化支援)として、警戒監視・災害対処用無人航空機(UAV)の供与を決定した旨述べました。
- 石破総理大臣から、IMF支援プログラムが着実に履行されていることを歓迎するとともに、早期の債務再編完了に向けて引き続き日本として支援していく旨述べました。これに対し、ディサナヤケ大統領は、債務再編における日本の貢献に謝意を表明したほか、日本企業による投資拡大への期待が示されました。 両首脳は、スリランカの安定的な成長とグローバルサプライチェーンへの参画促進に向けて、日本が提案した「輸出志向型産業回廊構築に向けたロードマップ」に基づいて議論を深めていくことで一致しました。
- 石破総理大臣から、スリランカ政府の国民和解のための取組を支持する旨述べたほか、スリランカ北・東部州への支援の重要性を念頭に、無償資金協力「酪農セクター生産性向上計画」に関する書簡の交換を歓迎する旨述べました。これに対し、ディサナヤケ大統領は、日本による長年の経済協力への謝意を表明したほか、国民和解・汚職対策に引き続き取り組む旨述べました。
3 地域・国際情勢
両首脳は、北朝鮮への対応を含む地域情勢について意見交換を行いました。この中で石破総理大臣から、拉致問題の即時解決への協力を要請し、ディサナヤケ大統領から理解を得ました。